2005年05月06日
次期プレオ予想
プレオはフルラインナップだったとき,最も多く売れたのは中間グレードのMチャージモデルでした。ところが,同じように中間グレードにあたるR2のR(DOCH可変バルブ)モデルは,さっぱりで,最初の頃は営業でRをイチオシしていたため売れていましたが,現在はR2はほとんどがシンプルなSOHCのiが売れています。それについて分析し検証したいと思います。
プレオのMチャージエンジンモデルが売れた理由
加速がいい。下手なターボエンジンより下からトルクがあり使い易い。
他のターボ車より値段が圧倒的に安くNAエンジンモデル並の値段で買える。
60ps実は,スーパーの値札と一緒で60馬力以上あると高級な気がする。
R2のAVCSエンジンが売れない理由
試乗した場合,SOHCのiと比べて加速があまり変わらない。しかも,iよりエンジンが静かでない。
SOHCのモデルより20万円以上も高く,他社の実用ターボモデルよりも高い。
54psは,アルトやワゴンRと同じであまり高級感がない。
これだけ見るとMチャージはものすごく魅力的で,AVCSは大失敗のように見えますが,私はAVCSはものすごく良くできたエンジンだと思いますが,このエンジンの良さを発揮できる売り方をしていないのが良くないと思います。
プレオのMチャージモデルが,なぜ,気持ちがいいほど加速がいいかというとNAと全く同じ減速比だからです。他社のターボモデルはNAモデルより必ずハイギアドにしています。
しかも,プレオMチャージは一番ギアが低いときは(ATでいう1速にあたるもの),他社の標準的なNA車よりローギアド設定です。これなら加速がいいのはうなずけます。その代わり燃費は悪く,かくして「プレオは燃費が悪い」というレッテルを貼られていまいました。途中からECOモードという速くシフトアップする機構を備え,街乗りに限り若干燃費が良くくなりました。(ただし,プレオのNAはとても燃費いいらしくR2とほぼ同じくらいと言われています。)
スバルはおそらくこだわってNAと同じ減速比にしたのではなく,共通に造れるというメリットを生かし,コストダウンのため,同じ減速比にしたと思います。
しかし,買うお客さんが,特に試乗において比較したとき,はっきり体感できるほど加速がよく,値段がNAとあまり変わらないとあればMチャージを選ぶのは普通だと思います。
こういった新開発のエンジンを上手に売るには,戦略があると思うのですが,R2ではあまり上手ではなかったと思います。トヨタはそういったとき,実にうまい売り方をしてきたと思います。(スバルファンの方すいません。誤解しないでくださいね。スバルの車はすごい魅力的だと思っていますが,職人気質で,売り方があまり上手でないと思えますので,あえて書かせていただきました)
方法その1・・・明らかに違いが分かるようにする。
たとえば,かつてトヨタのマークⅡでは,1800cc,2000cc,2500ccのラインナップにしたとき,普通なら1800ccを一番ローギアド設定にし,2500cc は一番ハイギアド設定にするのが常識的だ思いますが,実は逆で1800ccが一番ハイギアで,2500ccが一番ローギアドに設定してあります。こうすることによって,「さすが,2500cc。速い!」と強くアピールすることができます。そして1800ccは「やっぱり,1800cc。遅くて話にならない。」と値段の高い2500ccを買っていくのです。これを逆にしていたら,そうはいかなかったと思います。値段は1800cc187万,2000cc214万,2500cc249万。しかも,車体価格ほど,仕入れ値は差がないそうです。
つまりR2でいうなら,iとRで走りや静粛性や馬力表示など誰が見ても分かるように徹底した差が出るようにする。iは遮音材をできるだけ使わないようにし,ギアもハイギア化あるいは,CVTをできるだけ速くシフトアップし,「遅く,うるさく,燃費がいい」という(安っぽく感じる)味付けにします。
逆にRは,馬力を60psにし(嘘だと困るけど表示できるようにする),遮音材を多用し,ギアをローギア化あるいは,CVTが必要以上にシフトアップしないスポーティな味付けにし,燃費はMチャージモデルよりも良くする。つまり「速く,静かで,そこそこ燃費がいい」にするのです。こうすることによって,「Rはやっぱり違う。」と強くアピールすることが大切だと思います。
方法その2・・・主要モデルを全て新開発のエンジンだけにする。
かつてトヨタはカリーナにリーンバーンエンジンを設定しましたが,主要モデルは全てリーンバーンにし,同排気量でリーンバーンとそうでないものを並列に置きませんでした。恐らくそうするとリーンバーンの方が値段が高くなるので,売れなくなりますが,リーンバーンしかないとお客さんは積極的にリーンバーンを買います。
R2でいえば,iのモデルを設定しない。RとSだけにする。Sは豪華極まりない設定にし,値段も軽としては信じられないほど高い値段に設定にする。逆にRは,スチールホイールでタコメーターなしの非常に安いモデルからSと同じぐらい豪華装備なモデルをラインナップする。実はこうすると,S=ブランドになり買う人は少ないが憧れの対象になる。値段が高いので,売れれれば少なくてもディーラーマージンが大きい。ここでポイントは見た目Sそっくり,装備全く同じのRグレードをを設定する。値段はベースグレードより25万高く設定し,Sより25万円安くする。ムーブはこの方法で成功し,NAとしては126万円と高いモデルが飛ぶように売れている。
以上のことを考え次期プレオは希望として次のようにして欲しいです。
質素なモデル(カジュアル)ドレスアップした豪華モデル(カスタム)の2本立てにする。カジュアルとカスタムを見た目がはっきり違うようにする。R2のiとRのようにどちらがどれかあまり区別できないようなモデルを造らない。また,カジュアル内のグレードで走り等の大きな違いが出るようにする。(少なくとも,iよりRの方が明らかに体感スピードが出るようにする。)
カジュアルモデル
A バン MT,CVT
i SOHC MT,CVT
R DOHC MT,CVT
全てタコメーターやアルミなどの装備はなし。値段は100万までに抑える。
カスタムモデル(見た目区別できないようにする)
R DOHC MT,CVT 120万円ぐらい
S DOHC+SC CVT+SS 140万円ぐらい
RにSSやSにMTを設定したいところですが,これは生産コストがとてもかかります。どうしてもなら,SのMTを150万円で設定し,明らかに他のモデルと区別できるようにする。(たとえばスバルのマークを赤バッジにする)こうすると注目度,プレミアとも上がる。
Rモデルが売れるようにするには,今よりワイドな(ローギアは低く,ハイギアは高い)CVTが必須で、Mチャージのように走りにはっきり差が出るようにセッティングにすることがポイントだと思います。ただ,今年のプレオのMチャージの売れ具合では,実用向けモデルとしてMチャージエンジンをを残す可能性も大いにあると思います。
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プレオ | クルマ
Posted at
2005/05/07 02:12:35
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