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私は週刊マンガ雑誌を読まない。
連載作品が殆どで、それらを途中から読む気がしないからだ。

原則的に読みたい作品は単行本になってから買って読むことにしている。
それでも最近は連載自体が長く、コミックスの状態でも巻数がもの凄く多いモノばかりなので手が出し難いとうのが本当のところだ。

そういうワケで最近のマンガはさっぱりわからない。
読んでるって言っても、カミさんが買ってるモノくらいなのである。

で、そんな中からつい最近読んだ作品を紹介しましょう。


「道子のほざき」　　一條裕子　　㈱Ｂｂｍｆマガジン　


今から１０年程前に麻雀雑誌に連載されていたモノを今年の春に単行本化した作品である。

内容は、
間もなく２１世紀を迎えようとする頃、失業して家でゴロゴロしている父親と、一人娘の道子が電気も止められた家で暮らしている。
娘の道子が麻雀用語でもって日々他愛ない事柄に対して父親に例え話をして諭す。
ところが、その麻雀用語ってのが全然テキトーで、意味が全く異なるモノなのだ。

例えば、【三色同刻】という役の話。
昔むかしの中国にとある菓子職人の三兄弟がいて、三色最中の餡子を兄弟達が一色づつ、いつも決まったタイミングと時間で練り込むことから（笑）、家族皆何事にも一つになって成し遂げることが大切だ、とある。

この娘の“ほざき”を真に受けた父親は反省し、娘はそんな父親を尻目に麻雀で生活費を稼ぐ日々を送るという、非常にシュールでバカバカしいギャグコミックなのだ。


まずタイトルの“ほざき”ってのが可笑しい（爆）。
○○をほざく、とか、ほざくな！とかいう使い方ならまだしも、“ほざき”という表現が傑作で、しかも作品のタイトルにしてしまうというこのセンスは素晴らしい。
しかも、著者である一條裕子氏は麻雀を全く知らないというのがミソである。
役に出てくるその漢字からテキトーなイメージを膨らませて、あくまでもマジめくさって語るから余計だ。
実は私も麻雀をしないので役の意味は全然知らないし、ある意味でここに出てくる父親と同じ。

絵の旨さから失業中の父親と二人で貧乏暮らしをしている娘に対する悲壮感は全くない。
オマケにタメになる様な内容でもないので、余計にバカバカしさが倍増するのだ。

著者も単行本化にあたり、数年ぶりに原稿を読み直したらしいが、そのテキトーさに自分でも全然覚えていなかったという（爆）。

この一條裕子さんというコミック作家とはちょっとした因縁（？）がある。

数年前、カミさんと一緒に探しモノの為に古本屋へ出向くことが多かった。
コミック作品のコーナーに行くと大抵作家別になっており、【あ行】から始まっている。
順番に見ていくと必ずと言って良いほど「わさび　一條裕子」というモノが眼に入るのだ。
で、あんまりにも気になるというのでカミさんがこの「わさび」という作品を買ってみたら、そのギャグセンスがまさにツボだったらしい。
“らしい”というのは、実は私はまだ読んでいない（笑）。

そして、著者紹介やら何やらで調べてみたら、彼女は私と全く同じ誕生日なのだった。
もしかすると生き別れになったハズの私の双子の姉なのかもしれない彼女の作品をそれから探し集めることになったワケだ。

一時期、あの江口寿史さんのアシスタントを務めていたこともあるという。
とにかくちょっと変わった作品のギャグコミック作家なのだ。

彼女作品は長編というか、巻数がバカみたいに多くなる作品は皆無である。
だいたいは１冊にまとまっており、揃える方にも有難いが、なかなか普通の書店では扱っていないというのが困る。
８割～９割方、彼女の作品は揃っているが、まだ手に入っていないモノもあるのでこの先に続く課題としてある。

ちなみに一條裕子著の作品はカミさんの所有物であるが、何故か私の部屋の本棚に入っている（爆）。
単に邪魔なのか、私にも読めというつもりで置いてあるのかは不明だ・・・（笑）。