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同行二人のブログ一覧

2015年02月01日 イイね!

[試乗] 日産 リーフ

[試乗] 日産 リーフ長期モニターのキャンペーンがたびたび行われているリーフ。電気自動車のポテンシャルにかねてから関心があったのですが,ようやくタイミングが合って試乗させていただく機会に恵まれました。


今回のキャンペーンでは3日間のモニターが可能なのですが,1回の満充電での実質的な走行距離が100~200kmですので,多走行な同行的カーライフでは3日間に数回の充電を要する可能性が出てきます。


この片田舎では近場に充電設備がないため,今回は半日ほどのモニターとしました。半日といってもあっさり100kmほど走行しましたが・・・





           まずはかつて同じ日産のマーチの写真を撮った場所で記念撮影。
 
 


大串半島や大窪寺など長時間試乗の際のマイテストコースに持ち込み(ローカル地名ですみません),様々なタイプの道路状況と路面で感触を味わうことができました。

試乗を通じて「お前はゴルフか?」と何度もツッコミを入れました。ガソリンエンジン車のグローバルベンチマークをVWのゴルフとするならば,リーフはゴルフに劣っていないどころかよく似ていたのです。リーフがガソリンエンジン車だったとしても,他のCセグカーと良い勝負ができるでしょう。

電気モーターはトルキーで,アクセルを踏み込むとTSIエンジンのように加速します。駆動バッテリーが床下に配置されるせいなのか,重心が低く&鼻先は軽くハンドリングが良いです。ステアリング操作に電子感は伴いますが,車両は操舵に忠実に反応します。ボディと足回りは剛性感が高く,この点もゴルフ(というかドイツ車)を彷彿とさせてくれました。

エンジン音がなくても加速感は掴みやすいのですが,気がつくと思わぬ速度に達しています。どんな状況でもフラットで,シャシー性能に相当なマージンがありそうです。山坂道で負荷をかけても怖さを覚えません。タイヤはエコタイヤのはずですが,街乗りや短距離走行だけではもったいないレベルです。低扁平でないタイヤが醸し出すフィーリングは(良い意味で低グレードモデルの)初代フォーカスのそれのようで,エンジンの振動や排気音がないことを除いても乗り心地や快適性も高いです。

山坂道の下りではBモードを選択するだけでエンジンブレーキと回生システムが活性化し,ブレーキの操作なしでバッテリー電圧を回復させながら駆け抜けることができます。当然ながらシフト操作や回転合わせをしないですむのでラク。ラクだけど楽しい。そのアジリティと安定感,アタリの柔らかさもまた初代フォーカスのようでした。

室内の装備や使い勝手,居住&積載空間は磨き上げる余地も感じるものの,実用車としては必要十分。何よりも嫌味を感じるところがありません。


短所としては航続距離や充電時間,ハイブリッド車などと共通したメーター類の特異性などを除けば,ブレーキの効きくらいでしょうか。ブレーキの初期感触には日本車独特の甘さがでてきます。強く踏むのもためらわれましたが,慣らしが進めばもっと自然になるのかもしれません。

暖房が効きにくく感じるのも数少ないマイナスでした(吸音材や隙間テープを追加しまくってある同行号は暖房がよく効くので余計にそう感じます)。試乗車にはステアリングヒーターが装備されていましたが,この時期の試乗では納得の威力を発揮していました。



リーフとのお別れの前に気になっていたスイーツ屋さんで一服。この店のOEM品を何度も食したことがあるのですが,どの品も甘さや脂っこさが抑えられた自然な味です。今回の現地製造品は,大イチゴの下に創作大福が収められています。


リーフの返却にディーラーに戻り,営業さんとしばしお話。電気自動車には自動車本来の走る楽しさ,とくにガソリン車以上の潜在能力と新しい魅力が秘められていました。インフラの整備の課題,真のエコと経済のバランスについてあらためて考えさせられた試乗となりました。

試乗のお世話をいただいた日産プリンスの皆さん,ありがとうございましたm(__)m
Posted at 2015/02/01 22:37:40 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2015年01月12日 イイね!

[試乗] 「ベンチマークはフィエスタ」のコペン・ローブ

[試乗] 「ベンチマークはフィエスタ」のコペン・ローブ
インプレッション ダイハツ・コペン ローブ (webCG)

いちばん小さなコペンがいちばん大人っぽい Hobidas AUTO

フォード・フィエスタ試乗レポート 新車のツボ


・・・ということらしいので発表直後から気になっていましたが,ようやく試乗の機会を得ました。



確かに新型コペンは「ローダウンした先代フィエスタ」でした。しかもフィエスタSTではなく,フィエスタGHIAでもなく,フィエスタGLXをクーペ化・軽規格化した印象です。山坂道や高速道路を走っていませんが,おそらく欧州の普及モデルである先代フィエスタの1.25Lや1.4Lのガソリンエンジン車に近いのではないかと思います。すなわち,上はやや非力なものの軽くて実用域でスポーティ。かといって真のスポーツではない実用車といった感じです。軽いけど重圧。重圧だけど軽い。

試乗車はCVTモデルでしたが,トルクコンバーターを積んでいるため発進時や加速時の違和感がありません。軽自動車としては野太い排気音とリニアな加速は先代フィエスタの元気な吹け上がりとちょっと騒々しくもある排気音に似ています。ボディ剛性や足回りのしつけはコーナーでステアリングをもう一ひねりしたくなります。そしてその期待を裏切りません。そしてそこにフィエスタやフォーカスの世界を感じます。

室内やルーフの開閉は先代コペンよりかなり洗練された印象。タイヤからの入力のいなし方や微振動の押さえ込みに至っては先代フィエスタ以上かもしれません。速さや積載力を求めなければ長距離で疲れやすそうにも思えませんでした。この辺りは意外でしたが,世代の差というものでしょう。


コペンのような車を嗜好する方々の間では「もっとスポーティに!」という声もあるようですが,決してスパルタンでないところに好印象を受けました。試乗の直後はブレーキの効き始めの曖昧さに違和感を覚えましたが,慣れてくると「これならギクシャクしないしテールは流れにくい」と納得させられました。スポーティだけど意気込んで攻め込むのではなくフツーに乗るのが似合うところもノーマルの先代フィエスタっぽいですね。

スタイル的に足回りからの突き上げはそこそこありますが,フィエスタSTよりも気にならないはずです。公道を走るならビル足の「ローブS」よりもこなれたくらいのノーマル足の方が私が求めるものに合っていそうです。



新型コペンはソニカ以上に現行デミオに試乗したときにも感じたことですが,生真面目に造られた最新の日本車は素晴らしいと思います。様々な理由でダイハツ車に乗ることがありますが,背高系のベースモデルには正直がっかりすることが多いです。あらたまっての試乗となるとソニカ以来でした。若い世代に売れているのはタントやウェイクだそうですが,一度はソニカやコペンのような車でドライブしてみて欲しいですね。何気に十分エコだし。



ディーラーさんで立派なパンフレット(カタログ)をいただきました。
この度は試乗のお世話,ありがとうございました
Posted at 2015/01/12 23:25:31 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2014年10月08日 イイね!

[試乗] マツダ デミオ

[試乗] マツダ デミオ
数日前に,マツダの新型デミオ(1.3Lガソリン,6AT)をじっくりと拝見させていただく機会を得ました。ようやく設計段階からのフルSKYACTIVE仕様となり,発表前からあちこちで高い期待を得ていたモデルです。


1.5Lのディーゼルエンジンなモデルも年内に配車されるようですが,今回の実車はふつーの1.3L(13C)。まずコンパクトで3ドアにも見えるエクステリアのシルエットに目を惹かれます。




ガソリンモデルのエンジンルームには余裕があり,補機類の取り回しや配管,フレームの構造がよく理解できました。抑えたエンジンに対し電装系は出力に余裕がありそうで,ボディの強度や衝突安全性の確保も理にかなったものになっています。整備性も良さそうです。




足回りや下回りもこの価格帯の車とは思えないほど生真面目に造り込んであります。一昔前のコンパクトカーではあり得ないレベルです。




給油口は運転席足下のレバーで開けることができますが,給油口側のレバーにゴム状のカバーが付いていたり,キャップ置き場がカバー裏に設置されていたりします。とにかく細かいところまで配慮が行き届いています。




インテリアはユーザーインターフェースとデザインのトータルバランスが素晴らしかったです。高級ではない素材で安っぽく見えなく造っている点はスズキ以上で,コストや手間をかけるべきところを惜しんでいないのは非常に好感が持てます。



ボタンやスイッチ類の配置や造りは運転中の操作のしやすさにきめ細かく配慮されています。ナビは運転中に視線を大きく動かさないで済む位置に置かれます。多くの勘違いした,または大人の事情から抜け出せない日本車とは世界が違います。


特筆したいのがこのペダルポジションとオルガン式のアクセルペダル。十分に右側にオフセットされており,紛れもなく踏みやすく踏み間違いも起こしにくいものになっています。



フットレストとセンターコンソールは走行中の正しい姿勢を促しドライバーを支えやすくなっています。

リアシートも含めてドアノブ回りが肘掛けとしてまともに機能する形状になっているのは欧州流でしょうか。zoom-zoom路線以降のマツダ車に共通する美点です。



今回ご対応くださったディーラーマンはマツダ愛に溢れた方で,フォードとの関係もよく理解しており,フィエスタにもたいへんご関心をお示しになっていました。


短時間の平地・街中のみながら試乗もさせていただきました。もう昔のデミオとは違いますね。圧倒的に洗練されています。

特筆したいのはトルコンATの電子制御。CVTを捨て,DCTに走らずにトルコンATを持ってきたところにまず拍手を送りたいです。AT化とその多様化が進んだ現在でこそ,トルクコンバーター式の美点は見直されるべきだと思います。変速ショックは皆無に近く,ドライバーの意図通りのシフトアップとエンジンブレーキ。Sモードを選択すればエンジンレスポンスはシャープになり加速・出力重視の変速タイミングに変貌します。


欧州車的な設計と日本車的な気配りが見事に調和した気持ちの良い一台でした。


ところが,このデミオの購入をお薦めできるかと言えば,個人的には唸ってしまいます。非常に良い車であることには間違いありません。しかし,日常の足としてコンパクトカーを使いたい人にとって,このデザインと質感は無駄ではないでしょうか。

シートのサイドサポートは乗り降りの際に邪魔になります。絞られたリアウインドウは後方確認がしにくいです。室内は子供や犬がつける汚れや傷が似合うとは思えません。気軽に乗るならタイヤはもうすこし細く,軽くても良いでしょう。扱いやすさと実売価格の安さで選ぶなら(タイヤは大きいですが)スイフトの顔がチラついてきます。燃費の良さやサービスの洗練で薦めるならアクアやフィットが無難となってしまいます。

一方,いわゆる車好きにも食い足りないはず。頻繁なストップ&ゴーと省燃費を意識したパンチと伸びのないパワートレイン,薄いステアリングインフォメーションとフロントタイヤの接地感は,従来の日本のコンパクトカーそのものです。そこは後発のディーゼルモデルに期待したいところですが,車重の抑制に寄与した薄いボディや内装のパネル類が,あらゆるシーンで騒音や振動を十分に遮断してくれるのかは未知数です。個人的に気になったのは,純正状態ではオーディオのブーストアップには耐えられない薄さと組み付けでした。

風切り音やタイヤノイズの大きさも気になります。ツアラー的な使い方は想定しないのがBセグカーでは常識なのかもしれませんが,輸入車に目を向ければポロやルーテシアはベースグレードでもその辺はまともです。

私の中ではzoom-zoom路線を敷いたばかりの頃のマツダ車は「欧州車になりたい日本車」という印象でした。最近のマツダ車からは「日本車でいたい欧州車」という印象を受けています。ここまで欧州車的な基本設計を貫きながら,日本市場を無視できないところにマツダの悲哀を感じてしまいました。


ちなみにマツダのホームページでデミオのカスタマイズをしてみると,欲しいと思える(あるいはあってもいい)仕様とオプションを乗せていったら,現行フィエスタに手の届く価格帯になってしまいます(定価ベース)。そのとき,パワートレーンや足回り,そして快適性や実用性を総合的にイメージしてみると,デミオがフィエスタに匹敵するとは残念ながら思えませんでした。
Posted at 2014/10/08 21:51:16 | コメント(8) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2011年04月16日 イイね!

[試乗] 欧州フォード・クーガ vs 米トヨタ・FJクルーザー

クーガが日本に入ってきた時は早く実車が見てみたくてわざわざ用事を作ってまで(?)江戸川に足を運んだ。試座したりエンジンルームを見ただけでかなり満足してしまい,最寄りのディーラーにクーガが配車されてもなかなか試乗する気にはなれなかった。クーガがどんなクルマなのか,想像がついてしまったからだ。これまで欧州フォード車にはモンデオSTやフォーカスRSまで試乗させていただき,ノーマルのフィエスタと相通じる世界を欧州フォード車が普遍的に持っていることを知った。ズバリ言えば,「クーガは足の長いフォーカスST225」以外の何者でもないだろうと思った。

売れ行きや話題性にかかわらず,クーガが高い評価を受けることは想像できたし,h@zuさんヨコモンさんがご指摘のネガも予想の範囲内であるとともに共感および納得できるものだった。


今回,ディーラーにて整備待ちの間にクーガに数十分ほど一人で気ままに試乗する機会を得た。走り出した途端に以前から慣れ親しんでいるクルマのような感覚で走らせることができるのは,欧州フォード車のスバらしさでありながら,損をしやすい側面である。


フォードに限らずこのディーラー周辺のディーラーで自由に試乗させてもらえるときは,高松市内の小さな山である「峰山」を走る。バイパスや街中を抜け,細くて曲がりくねった山坂道を短時間ながら走れば,その車の素性はほぼ分かる。今回もそのコースをクーガで走った。

他の欧州フォード車と同様にクーガのエンジンはアクセルに敏感でよくふけ上がるが,2.5Lターボに5ATの組み合わせと適切な遮音処理が2代目フォーカス2.0の4ATで感じられるような粗雑感や安っぽさを見事に払拭していた(フォーカス2.0乗りの方々,ごめんなさい)。その一方で,フォーカスST225のような接地感はない。街中ではとてもフラットに感じられた乗り心地も,下りのうねりのある路面やタイトなコーナーではふわふわしたりグラッときて酔いそうになってくる。とはいえそれはSUVとしては当然の性格であり,クルマの動きに破綻はない。上り坂でのパワーは十分。想像通り「足の長いフォーカスST」がそこにいた。

クーガはAT車でMT車よりも足下には空間的な余裕があると思うのだが,右ハンドル化の弊害なのか多くの欧州フォード車のようにフットレストがない。他の欧州フォード車と同じように元気に走らせるのが楽しいクルマだけど,ふわふわしやすいのでコーナーや段差ではフットレストで身体を支えたくなる場面が多い。シートのホールド性だけでなくフットレストの存在意義がもっと語られるようになって欲しい。


峰山公園の辺りで桜の樹の下にクーガを停めてその風景を眺めてみると,とてもスタイリッシュ。「もしクーガを所有したら」という妄想をしてみる。


クーガの印象が薄くならないうちに,そのままFJクルーザーの試乗に向かう。トヨタディーラーの手厚いおもてなしを受けつつ,初めて実車に触れながらあちこちを見回す。想像していたとおり,内外装ともにSUVとしての実用性が極めて高そう。無駄な装備や飾りがないのに,ポップでメリハリのあるデザインは近年の国産トヨタ車とは世界が違っている。


走り出してすぐに,AUTOCAR誌で森慶太氏がクーガを上回る賛辞をFJクルーザーに与えているのが納得できた(ちなみに森氏はNEWヴィッツには強烈なダメ出しをしている)。FJクルーザーはSUVとしてはクーガ以上に実用的で,クーガの持つネガは感じさせない。国産の多くのトヨタ車と違って(失礼)ステアリングフィールもハンドリングもまともだし,エンジンの上質感やフラットな乗り心地はクーガをしのぐ。4Lのエンジンと分厚いタイヤのせいか街乗りだけなら高級車に乗っているようだ(試乗車は17インチのアルミホイール)。

大柄の樹脂製バンパーやフェンダー・室内のボタンやレバー,高いところに位置するランプ類,横開きのバックドア・観音開きのサイドドア,面積が小さく起き上がったフロントガラス&3つに分割されたワイパー等はすべてオフローダーとしての実用性・操作性が十分に考慮されているように受けとめられる。それでいて過剰な無骨さは排除されており,懐かしくも可愛らしくも感じられるデザインとなっている。

FJクルーザーのネガは「デカい」「燃費が悪い」「維持費が高い」ことくらいだろう。それでも無駄に突き出ているところやスペースをとっているところは予想外なほどなく,車両感覚もつかみやすい。価格はクーガとそれほど変わらないかやや安く抑えることもできる。


10年近く前に道民だった時代,舗装どころか整地さえされていない林道に悪天の中でもたくさんの荷物を積んで仕事のためにクルマで入った。真冬の札幌は「世界一積雪の多い都市」で,毎日のように雪かきや氷割りをしてからクルマを出していた。あの頃はレガシィ・アウトバックが欲しいクルマだった。もし北海道に残っていたらヴィータにもフィエスタにも乗らないままだっただろう。そして,アウトバックがヤレてくるはずの今ごろ,FJクルーザーを本気で欲しいと思っていたに違いない(そしてきっとエクストレイルとどちらにするか迷う)。

猛吹雪の中,長靴と分厚い手袋のままでなんの問題もなくクルマを操作することができ,都心部でエライ人を送迎したりデートカーとして使ってもそれほど違和感はない。小さな子供も楽しく安全に乗せることができる。FJクルーザーとはそんなクルマだと思う。「本当のトヨタ車」に久々に触れることができた。
Posted at 2011/04/16 21:09:26 | コメント(4) | トラックバック(1) | 試乗 | クルマ
2011年01月30日 イイね!

[試乗(試座)] アウディ A1 vs MINI クロスオーバー

[試乗(試座)] アウディ A1 vs MINI クロスオーバー夕方に時間ができたので気になっていたA1を見に行く。試座だけのつもりが・・・自分がディーラーに着いたところで,ちょうど他のお客さんが試乗中だった試乗車が戻ってきた。おぉ,試乗車あるのね。そのまま試乗させていただくことに。

試乗車はスポーツパッケージ。ノーマルグレードよりサスペンションが固められている。さらにスポーツパッケージ用のオプションであるスポーツレザーシート(ブラック),17インチタイヤ,キセノンヘッドランプなどを装備していた。ボディカラーは茶系のティークブラウン。ルーフはコントラストルーフ(ボディと色違い)ではなくボディ同色。

まずエクステリア。曲面が強調された造型が美しい。空力的にも理にかなっていそうだ。ブラウンのボディは,ウェブや雑誌の記事・広告でしばしばみかけるレッドにグレーのルーフの組み合わせ(展示車もコレだった),ブラックやホワイトよりも上品で落ち着いて見える(顔が怖くならない)。スモールランプ点灯時のデビルアイとLEDテールは近年のアウディ車らしさを醸し出すとともに,プラットホームやパワートレインを共有するVWポロとの違いを明確にしている。タイヤはハンドリングと乗り心地の次元を疑いなく高めてくれる「魔法のタイヤ」コンチネンタルのプレミアムコンタクト2。

インテリアはポロのような素っ気なさはなく,過剰な華美感も排除されスッキリしている。ボタンやスイッチ類の位置や大きさも適当。メーターやスイッチ類の赤いランプは明るくてややまぶしい。ダッシュボードのセンターに配置されるナビ&コントロールシステムのモニター&タッチパネルは視認性が良い(多くのクルマで主流となっているセンターコンソールのギアシフトノブの高さに配置されるナビ&モニターは運転中の視線の移動が大きくなるので個人的には好きではない)。

オーディオの音質は純正状態としてはかなり良好。標準でリアのサブウーハーを含む10スピーカーシステムが採用されており,オプションでBOSEサラウンドシステムに換装もできる。

シートはシートヒーターも装備。スポーツシートでは調整可能なランバーサポートを備え,位置調整もほぼ完璧。ただ,やはり車内は広くはなく,ポロなどの実用車に比べれば乗り降りがしやすいとは言えない。といっても,3ドアモデルのルーテシアに比べればドアの開閉はラクで,後席もMINIに比べれば広く大柄でない大人なら耐えられる。ポロに見られたサイドドアを開いた時のとんがった角はもちろんない。ただし,後席の乗り降りの際に前席を倒して前方に押し出すと,前席のヘッドレストが天井やダッシュボードに干渉してしまう。サイドミラーの形状と小ささはポロに似ているが,取付位置の効果もあってずっと見やすい。A1ではバックミラーが小さいのが残念。デザイン優先の結果だろう。

トランクルームはMINIやMiToから想像したよりも狭くない。むしろ想像以上に広い。開口部が広くフラットなので使い勝手はかなり良さそう。リアシートはフラットになることもあり,2名までの小旅行には十分だろう。展示車にはリアシートにチャイルドシートが装着されていた。トランクルーム下部にはスペアタイヤの他にGPSアンテナなどの納められたボックスとバッテリーが配置される。バッテリーは充電が早く出力効率の良いタイプを採用しているが,熱に弱いためここに置くことになったらしい。そのぶん,エンジンルームには空間的な余裕がある。オイルフィルタがエンジンの横に上向きに着いているのには驚いた。交換作業はかなり楽だろう。オルタネータが大きいことにも驚く。衝突時やトラブル・緊急時の安全の確保が強く意識された様々な配慮がエンジンルームとトランクルームの随所に見られるのが印象的。

走りについては,15分くらい街乗りしただけの感想としては,ポロとA1の関係はゴルフとシロッコの関係に似ている(ゴルフはA3と対比させるべきかもしれないが)。それぞれ,後者は「クーペ版」でありスタイルが美しくスポーティで走る楽しさを得やすい。それでいて快適性は損なわれておらず,むしろ上質でもある。A1に関してはポロより接地感が高く,それでいてリアの突き上げはポロより小さい。コーナーでのロールは抑えられていて極めてフラット。スポーティダンパー&17インチ40扁平タイヤを装着したコンパクトカーとしては相当に快適な部類に入る。旋回性も高い。足が良いだけでなくボディの剛性が高いのだろう。バッテリーがリアにあることによる重量配分も影響しているに違いない。ブレーキの感触はポロのようにスポンジーではない。走行中の静寂性は純正状態としては合格。というかこのクラスのガソリン車では随一。ただし,タイヤノイズや車外の音はそこそこ入ってくる。とはいえ不快ではなく,ドライバーに路面や周辺の状況を伝える余地を残していると感じられる。

特筆したいのは油圧式のパワーステアリング。電動パワステにありがちな不自然さや軽さはなく,路面情報もきっちり伝えてくれる。それでいて粗雑感はなし。ポロのような無機質感もなく,よく言えばスポーティだが重たく感じるMINIのようなステアリングでもない。運転していて極めて安心感が高い。

難はやはりパワートレイン。ターボ付きのTFSIエンジンに7速DSG(Sトロニック)の組み合わせは,最新の技術のカタマリであることは間違いないのだが,ポロ同様に楽しさには欠ける。加速時も回転は抑えられていて,アクセルを踏み込むのがなんとなくためらわれる。それは燃費の向上(というかCO2排出の抑制)にはなるのだろう。

シフトダウン時やアイドリングストップからの復帰時のショックはやや大きい。それを「情報が伝わる」と受けとめるかは微妙なところ。スイフトのCVTやフィット・ハイブリッドのアイドリングストップの方がフェミニンだと思う。もしA1にMTやトルコンATがあれば印象は変わるだろう。

豊富なオプションは至れり尽くせり感があるが,設定は抱き合わせが多く高価。しかも組み合わせにこだわると納期が数ヶ月単位で遅れる。スポーツパッケージの上位モデルのコンペティションパッケージはスポーツパッケージにエアロと高級ホイールを後付しただけのような仕様だ。A1のベストはスポーツパッケージに16インチタイヤを装着したときではなかろうか。自分ならSモードを積極的に使ってアイドリングストップはオフにしておくだろう。

と,いろいろケチも付けてしまったが,「ポロ+α」を想像していた以上に良かった。クルマを複数台ほど維持できるなら,所有してみたいと思った(乗らなきゃ良かった)。



アウディのディーラーを後にし,その足でMINIのディラーへ。やはり気になっていたMINIクロスオーバー(MINIカントリーマン)を見るためである。ファンには待望のSUV化&5ドア化したMINIである。

こちらはホワイトのクーパーSだけが展示してあった。今後も入荷台数は限られており,試乗車は準備できないだろうとのこと。早速,後席に試座させていただく。広さ以前に,ラクな姿勢がとれない。欧州車では日本車と違って「ムダに広くはないが楽な姿勢がとれる」クルマが多い印象を抱いていたのだが,裏切られてしまった。車格やタイプは違えどスプラッシュを見習って欲しい。ドリンクホルダなどを備えるセンターレールがあることもあり,5人乗車は不可。後席の室内からのドアの開閉もしやすくはない(ドアの内張がビジーで取っ手が探りにくい&力をかけにくい)。乗り降りのしやすさももう一つ。

ディーラーマンの話では排気系がスポーティな仕様になっているために,後席はこもり音がうるさくて長時間は座っていられないだろうとのこと。エンジンがアンダーパワー気味なため,余計にうるさくなりがちだとか。後付の静穏処理はA1より丁寧に施されているが,基本設計の問題はそれではカバーできまい。

ボディは予想以上に大柄で,大径化されたホイールやタイヤも重たそう。ノーマルモデルやクラブマンとの走りの違いはなんとなく想像できる。3ドアモデル同様にNAの方がバランスがいいということなので,様々なものを後付したせいでいろいろと無理をしているのかもしれない。

それでも「MINIの世界」は顕在であり,エクステリアも写真で見るより実車の方が良いと感じられた。ノーマルやクラブマンよりはアイポイントが高く,場面によっては運転しやすいと感じられるだろう。



SUVの試乗としては クーガ vs FJクルーザー を企んでいたが,日が暮れたので今日は断念。
Posted at 2011/01/30 22:46:40 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ

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何シテル?   09/06 08:41
クルマも好きですが運転が好きです。渋滞と加速してからの黄信号は苦手ですが… 生活や仕事のために毎日走りまわっていて,ロングドライブすることも多いです。そん...

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