車載テレビDIYには中毒性がある。自分なりに工夫して映りが良くなったときに出る脳内快楽物質はおそらくパチンコで大当たりしたときと同じようなもので、それまでに費やした時間と苦労、そして使ったお金を忘れてしまうほどの満足感が得られる。一時期は「なんで他の人はこんなに楽しいことをやらないんだろう?」と本気で思ったぐらい。
その答えは単純で、そもそもクルマでテレビを見たい人がそれほど多くないうえ、見るという人だって普通は国産ユニットを使う。わざわざ地デジの受信障害になる中華ナビでテレビを見ようという愚か者が地デジ沼にはまるだけなのだ。
やってることはくだらないけど、それでも自分の金と時間と情熱を注いだ地デジ沼の記録を今回も残します。
まずナビ裏にあったTVチューナーをセンターコンソール下へ移設。チューナー本体もカロのGEX-909DTVからアルパインのTUE-T500へ機種変。移設自体は受信感度向上に影響なかったものの、毒電波が地デジ受信にどれだけ悪影響を及ぼしているかの確認には役に立った。
というのも中華ナビやミラー型ドラレコが及ぼす電波障害の影響を確認するにはすべて電源オフの状態で受信しなければならず、それにはキーオフでテレビ視聴してみる必要がある。キーオンにすれば中華ナビが起動してしまうので電源もモバイルバッテリーから取り、モニターも中華ナビではなくタブレットPCを使用。この時アンテナ線がフロアまで来てるととてもやりやすい。そして受信障害が無いと面白いほどよく映る。ここが目標というわけだ。
チューナーの移設に伴いアンテナ同軸線を延長したため、同軸線をシールドチューブに収納。これは体感できるレベルの感度向上効果がありました。
フェライトコアをUSBケーブルや電源コードなどに設置。これは気休め。理論上は正しいとしても中華ナビが発する毒電波はそんなに生易しいものではない。実感できるような効果は無し。
アンテナを何度も貼り直し。アンテナは窓のど真ん中に貼るのが一番高感度だけど、それでは車検に通らないので端から5センチ?だかの基準に収める。逆に言うと法規に触れない範囲でめいっぱい中央に寄せたほうが感度的にはプラスだけど、アンテナが目立つのもカッコ悪いのでここは施行者の美的センスが問われるところ。アンテナ角度を変えるたびに「映りやすい放送局」が変わる。できることなら全局よく映るように調整したいが、それは無理な相談。
中華ナビ本体に直接取り付けていた4GとWi-Fiアンテナを右ピラーに移設。これも地デジ受信感度向上には影響なかったものの
中華ナビにおける4G通信速度が大幅に向上。4Gも地デジもアンテナは可能な限り金属部品から距離を置き、窓から見通せる場所が理想なのだ。
そもそもなぜn-wgnのときより受信感度が悪くなっているのか?その原因の一つがこのCC3(中華ナビ)についている全方位モニター機能で
この前後左右4つのカメラは全方位モニターを使わない時もそれぞれ1280x780の解像度でUSBメモリに記録を続けている。これが地デジ受信をガッツリ妨害していて、録画を止めると露骨に受信感度が上がる。かといって全方向ドラレコ自体は魅力なので、地デジのために止めようとは思わない。
電波は目に見えないので電磁波計で測定してみた。
その後、ミラー型ドラレコを殻割りしてみると電磁波が放射されていた部分に板チョコの包み紙のような銀紙が巻かれているのに気付く。なるほど、ここから毒電波が出るわけだ。ていうか大量に毒電波が出るポイントって間違いなく液晶バックライト部だよね。実際夜になると(バックライトが減光されて)テレビよく映るようになるし。
あてずっぽうではなく、毒電波が出る部分をイメージしながら電波吸収シート、電波抑制シートを効果的に配置(したつもり)。
するともう電磁波計を同じ場所にあてがっても電波を検知しない。これは驚いた。電磁波計が壊れたのかと思ったぐらい。ただあくまで測定限界以下になっただけで、電波障害は残っている。それでも地デジ受信感度は体感できるレベルで向上した。
電磁波吸収シートの効果に味をしめて中華ナビにもたっぷり貼ってみたが、これが効果ないどころか逆に受信感度を落とす結果に。地デジDIYはポイントを誤るとマイナスに作用するのが恐ろしい。正直吐きそうになる。
ナビ裏に電波遮断シートを使った隔壁を設置してみた。これは体感できる効果があったものの、電波遮断シートが走行中ゴワゴワと紙袋のような音を出すため
ダイソーの「貼れる布」と貼り合わせることで厚みを持たせ異音に対処した。
というわけでn-oneにおける地デジ沼はおわり。もう嫌だ。やってられないよ。でも苦労の甲斐あって(360度録画をしたままでも)n-wgnのときより受信感度は上がっているし、もうほとんどどこでも周囲に障害物が無ければフルセグで映るようになった。「中華ナビで地デジ受信感度コンテスト」があればおそらく優勝を狙えるレベルだと思う。
とにかくこれで今まで通りYouTubeが楽しめる。わざわざ中華ナビ用のsim契約をしているのに地デジ沼のせいで最近はほとんど通信機能を使っていなかった。別にテレビが見たいわけじゃない、地デジの受信感度向上の過程が楽しかっただけなのだ。
思えば4年前に買ったデイズに地デジアンテナが標準装備されていたため「せっかくアンテナがあるなら使ってみよう」という軽いノリから始まった地デジ沼。アンテナ関係、防電磁波関係、地デジチューナー、トータルすれば軽く20万円以上は使ってます。普通に国産ナビを買ったほうがどんだけ安いか。
<使用した部材一覧>
低周波用ノイズ抑制シート0.5MM
3M 低周波用ノイズ抑制シート
ワイドワーク 電磁波・ノイズ吸収シート ノイズフセーグ10L
TaiSeiDC ノイズシールド 編組チューブ
plusgree 電磁波カット シート1mx1.1m
Posted at 2023/11/20 21:22:21 | |
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