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2014年11月08日 イイね!

サーキットシミュレーション バージョンアップ

2012年の5月から作り始めたサーキットシミュレーションですが、少しずつ改善をしてバージョンアップをしてきたのですが、最近外にでかける元気がないので、家にこもって具合の悪いところをまとめて直しました。

直したところはたくさんあるのですが、今回もっとも力を入れたのは計算時間の短縮です。

僕のデスクトップで計算すると、CPUのパワーがあるので、鈴鹿サーキットのように計算回数の多いコースでも約30秒で計算できるのですが、ノートパソコンで計算すると3分20秒もかかってしまいました。

そもそも、このサーキットシミュレーションはサーキットで使うには現場向きではないのですが、1つの計算に3分もかかっていては全く使えません。
家で使う場合も1回の計算が10秒以内で終わらないとややイラっとするので、大幅に時間短縮をしたくなりました。

僕はコンピュータのプログラムに関しては、ほとんど素人なので、いまいちわかっていないのですが、シミュレーションの計算途中を見ていると、計算と表示を交互に行うような場合に時間がかかっているように感じたので、計算を先に行ってからまとめて表示をすることにしました。

その結果、デスクトップでは3秒2、ノートパソコンでは24秒にまで計算時間の短縮できました。
どちらも約90%の時間短縮成功です!。

僕のブログを見て、エクセルでサーキットシミュレーションをしている人がどれだけいるのかわかりませんが、以前ブログに載せたプログラムと最新のものは変更点がたくさんあるので、改めて掲載することにしました。

今回のものは、従来に対し以下の点が異なります。
1、ダウンフォースによる横Gの反映
2、コースの高低差による加速度の反映
3、計算時間短縮

あとは、路面のバンク角くらいかな?

'23.09.23:Excel 2021で計算したらやたらと時間がかかったので、合計時間の表示方法変更しました。

'24.02.08:気が付いたらまた計算が遅くなっていたので原因を探ったところ、計算結果を使って、表の中に追加した計算をするときに自動計算が働いて遅くなっていました。
自動計算をオフにしたところ、元に戻ったので、VBAの中に結果を表に表示するときだけ自動計算をオフにするプログラムを追加しました。

計算シート


計算結果
高低差を反映した結果、従来よりも実測に合うようになりました。
走行距離の違いはGPS座標から距離を算出する式を正しくした結果です。


マクロ
※行と列は計算シートに合わせてください。

Sub CircuitSim()

Dim P As Integer '計算区間数

Dim S As Integer '計算先頭行

Dim Q As Integer '計算行

Dim D As Integer 'コース分割数

Dim k As Integer '減速計算の繰り返し

Dim i As Integer '加速計算の繰り返し

Dim j As Integer '積算時間計算表示の繰り返し

Dim R As Single '曲率半径(m)

Dim H0 As Single '初期標高(m)

Dim H1 As Single '次区間標高(m)

Dim axmax As Single 'タイヤ摩擦円横G最大値

Dim aydmax As Single 'タイヤ摩擦円減速G最大値

Dim ayamax As Single 'タイヤ摩擦円加速G最大値

Dim axmaxv As Single 'ダウンフォース込みタイヤ摩擦円横G最大値

Dim aydmaxv As Single 'ダウンフォース込みタイヤ摩擦円減速G最大値

Dim ayamaxv As Single 'ダウンフォース込みタイヤ摩擦円加速G最大値

Dim ayemax As Single 'エンジン加速G最大

Dim kxg As Single '横G抵抗係数

Dim kzg As Single 'タイヤ摩擦円増加係数

Dim dX As Single '区間距離(m)

Dim dT As Single '区間時間(sec)

Dim V0 As Double '初期速度(m/sec)

Dim V1 As Double '次区間速度(m/sec)

Dim VM As Single '区間中間速度(m/sec)

Dim dV As Single '速度変化量(m/sec)

Dim UT As Single 'タイヤ使用率

Dim rV As Single '速度刻み幅(m/sec)

Dim ax As Single '横加速度(G)

Dim ay As Single '前後加速度(G)

Dim dVmax As Single '計算時最大速度

Dim time As Single '積算時間(sec)

axmax = Cells(2, 2) * 9.806 '単位換算

aydmax = Cells(3, 2) * 9.806 '単位換算

ayamax = Cells(4, 2) * 9.806 '単位換算

kxg = Cells(6, 2) '横G抵抗係数読み込み

kzg = Cells(4, 13) '揚力係数読み込み

P = Cells(9, 9) '区間数読み込み

S = 15 '加速計算開始行

Q = P + S '計算行の計算

D = Cells(8, 9) 'コース分割数の読み込み

Range(Cells(S, 2), Cells(Q, 13)).ClearContents '前回計算結果の消去

Cells(Q, 2) = Cells(Q, 1)

'減速側計算

For k = 0 To P - 1

dX = Cells(Q, 16) '区間距離読み込み

V0 = Cells(Q, 2) '初期速度(最低速度)読み込み

V1 = Cells(Q - 1, 1) '次区間の横G限界速度読み込み

dV = V0 - V1 '速度増加量の計算

R = Cells(Q - 1, 15) 'コーナ曲率半径読み込み

H0 = Cells(Q, 18) '初期標高読み込み

H1 = Cells(Q + 1, 18) '次区間標高読み込み

dH = H1 - H0 '区間高低差計算:正は上り

aH = 9.806 * dH / (dX ^ 2 + dH ^ 2) ^ 0.5 '高低差による加速度計算

If dV >= 0 Then '速度変化が正のとき:加速時

Cells(Q - 1, 2) = V1 '次区間速度V1をシートに入力

'速度変化が負のとき:減速時

Else

UT = 2 'タイヤ使用率を2とする

aydmaxv = aydmax * (1 + kzg * V1 ^ 2) + aH 'ダウンフォース込み減速加速度最大値計算

dVmax = (-V0 + (V0 ^ 2 + 2 * aydmaxv * dX) ^ 0.5) '最大減速可能量を計算

Do Until UT <= 1 'タイヤ使用率が1以下になるまで繰り返し

dV = V0 - V1 '速度変化量計算:正は加速

VM = (V0 + V1) / 2 '区間中間速度計算

dT = dX / VM '区間時間の計算

ay = dV / dT '減速加速度計算

ax = V1 ^ 2 / R '横加速度計計算

aydmaxv = aydmax * (1 + kzg * V1 ^ 2) + aH 'ダウンフォース込み減速加速度最大値計算

axmaxv = axmax * (1 + kzg * V1 ^ 2) 'ダウンフォース込み横加速度最大値計算

UT = ((ax / axmaxv) ^ 2 + (ay / aydmaxv) ^ 2) ^ 0.5 'タイヤ使用率計算

If dV >= 0 Then '速度変化量が正のとき(加速時)

UT = 1 'タイヤ使用率を1とする

End If

If Abs(dV) > dVmax Then '速度変化量が最大減速可能量よりも大きい場合

rV = Abs(dV) - dVmax '速度刻み幅計算

Else

rV = dVmax / 100 '速度刻み幅計算

End If

Cells(Q - 1, 2) = V1 'シートに次区間速度を入力:速度の確定

V1 = V1 - rV '次区間速度計算

Loop

Cells(Q, 3) = dV 'シートに速度変化量を入力:結果確認用

Cells(Q, 4) = dT 'シートに区間時間を入力:結果確認用

Cells(Q, 5) = ax 'シートに横加速度を入力:結果確認用

Cells(Q, 6) = ay 'シートに減速加速度を入力:結果確認用

UT = ((ax / axmaxv) ^ 2 + (ay / aydmaxv) ^ 2) ^ 0.5 'タイヤ使用率計算

Cells(Q, 7) = UT 'シートにタイヤ使用率を入力:結果確認用

End If

Q = Q - 1

Cells(9, 7) = Q

Next k



'加速側計算

Q = S '計算開始行

For i = 0 To P - 1

dX = Cells(Q + 1, 16) '区間距離読み込み

V0 = Cells(Q, 2) '初期横G限界速度読み込み

V1 = Cells(Q + 1, 2) '次区間速度計算

dV = V1 - V0 '速度変化量計算:正は加速

R = Cells(Q + 1, 15) 'コーナ曲率半径読み込み

H0 = Cells(Q, 18) '初期標高読み込み

H1 = Cells(Q + 1, 18) '次区間標高読み込み

dH = H1 - H0 '区間高低差計算:正は上り

aH = 9.806 * dH / (dX ^ 2 + dH ^ 2) ^ 0.5 '高低差による加速度計算

If dV <= 0 Then '速度変化量が負のとき(減速時)

Cells(Q + 1, 2) = V1 '次区間速度をV1とする

Else '速度変化量が正のとき(加速時)

Cells(Q, 3) = dV 'シートに速度変化量を入力:結果確認用

VM = (V0 + V1) / 2 '区間中間速度計算

dT = dX / VM '区間時間計算

ay = dV / dT '加速度計算

ayemax = Application.WorksheetFunction.Lookup(V0, Worksheets("Power").Range("I36:I3336"), Worksheets("Power").Range("H36:H3336"))

'エンジン加速度をpowerシートから参照

Cells(Q, 8) = ayemax 'シートにエンジン加速度を入力


If ay > ayemax - aH Then '加速度がエンジン加速度よりも大きい場合

ax = V0 ^ 2 / R '横加速度計算

ay = ayemax - aH - Abs(ax) * kxg '加速度の計算:エンジン加速度からタイヤ抵抗を減算

dT = (-V0 + (V0 ^ 2 + 2 * ay * dX) ^ 0.5) / ay '区間時間計算

End If

'加速度がエンジン加速度よりも小さい場合

dVmax = ay * dT '最大速度変化量計算

V1 = V0 + dVmax '次区間最大速度計算

Cells(Q + 1, 2) = V1 '次区間速度をシートに入力

UT = 2 'タイヤ使用率を2とする

Do Until UT <= 1 'タイヤ使用率が1以下になるまで繰り返し

dV = V1 - V0 '速度変化量計算

VM = (V0 + V1) / 2 '区間中間速度計算

dT = dX / VM '区間時間計算

ay = dV / dT '加速度計算

ax = V1 ^ 2 / R '横加速度計算

ayamaxv = ayamax * (1 + kzg * V1 ^ 2) 'ダウンフォース込み減速加速度最大値計算

axmaxv = axmax * (1 + kzg * V1 ^ 2) 'ダウンフォース込み横加速度最大値計算

UT = ((ax / axmaxv) ^ 2 + (ay / ayamaxv) ^ 2) ^ 0.5 'タイヤ使用率計算

If dV <= 0 Then '速度変化量が負のとき(減速時)

UT = 1 'タイヤ使用率を1にする

End If

'速度変化量が正のとき(加速時)

V1 = V1 - dVmax / 100 '次区間速度計算

Cells(Q + 1, 2) = V1 '次区間速度をシートに入力

Loop

Application.Calculation = xlCalculationManual '手動計算

'結果表示

Cells(Q, 3) = dV 'シートに速度変化量を入力

Cells(Q, 4) = dT 'シートに区間時間を入力

Cells(Q, 5) = ax 'シートに横加速度を入力

Cells(Q, 6) = ay 'シートに加速度を入力

UT = ((ax / axmaxv) ^ 2 + (ay / ayamaxv) ^ 2) ^ 0.5 'タイヤ使用率計算

Cells(Q, 7) = UT 'シートにタイヤ使用率を入力

End If

Q = Q + 1

Cells(8, 7) = Q

Next i


'結果計算 1コーナ最低速度まで

Q = S '計算開始行

For j = 0 To P - D

If Cells(Q, 2) > Cells(Q + D, 2) Then '減速時速度が低いとき

Cells(Q, 9) = Cells(Q + D, 2) * 3.6 'シートに速度を入力

Cells(Q, 11) = Cells(Q + D, 5) 'シートに横加速度を入力

Cells(Q, 12) = Cells(Q + D, 6) 'シートに前後加速度を入力

Cells(Q, 13) = Cells(Q + D, 7) 'シートにタイヤ使用率を入力

Else:

Cells(Q, 9) = Cells(Q, 2) * 3.6 'シートに速度を入力

Cells(Q, 11) = Cells(Q, 5) 'シートに横加速度を入力

Cells(Q, 12) = Cells(Q, 6) 'シートに前途加速度を入力

Cells(Q, 13) = Cells(Q, 7) 'シートにタイヤ使用率を入力

End If

Q = Q + 1

Next j

'結果計算 1コーナ最低速度からゴールまで

Q = P - D + S '計算開始行

For j = 0 To D

Cells(Q, 9) = Cells(Q, 2) * 3.6 'シートに速度を入力

Cells(Q, 11) = Cells(Q, 5) 'シートに横加速度を入力

Cells(Q, 12) = Cells(Q, 6) 'シートに前途加速度を入力

Cells(Q, 13) = Cells(Q, 7) 'シートにタイヤ使用率を入力

Q = Q + 1

Next j

'結果表示 合計時間

P = Cells(9, 9) '区間数読み込み

Q = S '計算開始行

Cells(Q, 10) = 0

For j = 0 To P - 1

Q = Q + 1

Cells(Q, 10) = Cells(Q - 1, 10) + Cells(Q, 16) / Cells(Q, 9) * 3.6 'シートに積算時間を入力

Next j

Application.Calculation = xlCalculationAutomatic '自動計算

End Sub
2014年09月11日 イイね!

RX-8 TC2000走行データ分析

今日は、シャア少佐から「連邦軍のモビルスーツがきさまのいうとおりの性能とはやや信じがたい」とあまり信用されていない、スレンダーさんの走行データを見てみます。

では、まずシミュレーションとの比較を見てみましょう。
青:実測、赤:シミュレーション


シミュレーションの条件
最大横G:1.15
最大減速G:0.93
最大加速G:0.65
出力補正:0.75

ラップタイム
実測       :1分08秒155
シミュレーション:1分08秒37

なんと!、シミュレーションよりも速いです。
原因は、TC2000の場合、1ヘアと2ヘアにバンク角がついているので、その分高い横Gが発生できるのですが、シミュレーションでは1コーナ、ダンロップ、最終コーナでおおよその合わせ込みをするため、全体的にうまく走れている場合、シミュレーションの方が遅いタイムになります。

そして、グラフの比較を見ると、全ての場所においてシミュレーションとの差が小さいことがわかります。

このことが意味することは

1、ブレーキはどこのコーナでもしっかり踏めている
2、どこのコーナもタイヤのグリップを使いきって(摩擦円の縁に沿って)走ることができている
3、走行ラインの旋回半径がシミュレーションとほぼ同じ

ということで、大ざっぱに見ると、これと言って具合の悪いところは見当たりません。

強いて上げると、1ヘアと最終コーナはシミュレーションとの差が見られます。
しかし、このくらいの差になると、そもそもシミュレーションが正しくできているか?ということを検証する必要があるので、次回から順番に見ていきたいと思います。
2014年08月03日 イイね!

岡山国際サーキット

暑い、暑い、暑い~~!!
にもかかわらず、朝起きたら空調機が不調です。
数年前から不調なのですが、ごまかしながら使っています。

今日はしばらくガマンしていましたが、暑さでどうにもならなくなってきたので、昨年発見した”エアコン洗浄スプレーをセンサに吹き付けると復活する”という技で今回もごまかしました。

さて、今日のお題ですが、岡山国際サーキットです。
mistbahnさんが岡山国際サーキットを走行されたというブログがあっていたので、以前の日光サーキットのシミュレーション条件を用いてシミュレーションしてみました。

まずは、岡山国際サーキットのコーナ名をおぼえなければなりません。
コース図はこちらから入手してください。

次は僕の手持ちのデータで走行ラインの作成と合わせ込みを行います。
クルマはスリックタイヤのFD2シビックです。

合わせ込みの結果
赤がシミュレーションで青が実測です。


岡山国際は高低差影響が大きいので、今回はグラフにロガーのhight(標高)を緑の線で表示しています。(岡山国際のコース図に記載してあるものと比較してもそこそこ合ってます)

アトウッド~ヘアピンの直線部に差がある原因は、コースが上りになっていることだということがわかります。

コーナの最小半径は、実測ではなく推奨値を使いました。


推奨値の計算表の中にS字係数という意味深な言葉がでてくるのですが、このS字係数は、文字通りS字状のコーナでの半径減少量計算で使います。
過去の実測データから、S字の場合は半径減少をしない場合が多いので、入り口だけなら半径減少を半分にして、入り口と出口の両方の場合は半径減少量を0にします。

しかしながら、S字の事例が少ないのでいまいちまだよくわかっておらず、今回はヘアピン~リバルバのリボルバだけに適用しました。

そこそこ実測とシミュレーションが合ったので、ビートでシミュレーションしました。
ラップタイムは2分11秒14です。
赤がシミュレーションで青がmistbahnさんの実測です。


岡山は全体的にコーナにバンク角がついているので横Gは前回の1.0Gから1.1Gにしています。
また、前回と同じ条件では直線加速部がいまいち合わないので、出力補正係数を0.75から0.7に変更しています。

しかし、アトウッド~ヘアピンの直線加速がまるっきり合いません。
そこで、コースの勾配を考慮した計算に修正しました。

修正方法は、重力加速度×勾配をエンジン出力による加速度から引くだけです。

たとえば、5m進んで0.1m上るような勾配の場合は
9.806×0.1/(5^2+0.1^2)^0.5=0.196(m/sec2)を引きます。

この修正を行った計算でシミュレーションした結果がこちらです。
ラップタイムは2分12秒43です。


アトウッド~ヘアピンの上り区間はおおよそ合いました。
その代わり、ウィリアムズ~アトウッドの下り区間が合わなくなりました。
しかし、ウィリアムズコーナの速度を見ると、ここの差が直線に影響しているだけなので、シミュレーション結果としては問題なさそうです。

同様にFD2シビックでも勾配を考慮してシミュレーションしました。


全体的に合うようになりました。
ホブス~マイクナイトがいまいち合わないのですが、原因不明です。


シミュレーションもそこそこうまくできていると思うので、mistbahnさんの走行データとの比較をしてみましょう。

まずはコーナ中の最低速度を比較します。

ファースト、ウィリアムズ、リボルバの3つの差が大きいのでここの原因を確認しましょう。
ちなみにマイクナイトも差が大きいのですが、マイクナイトはビートの場合、タイヤの限界で決まるコーナリング速度よりも実際に到達できる速度の方が低いので、その分だけ横Gが低くなっています。

コーナ中の最低速度は、最小旋回半径と最大横Gの2つのみで決まるのでこの2つを確認します。

最小旋回半径


ファーストはややシミュレーションより旋回半径が小さくなっています。
ウィリアムズはほぼ同じ。
リボルバはシミュレーションより少し大きいです。

最大横G
参考にFD2の実測も載せました。


ファーストはやや最大横Gが小さいです。
ウィリアムズは最大横Gが0.85Gしかでておらず、シミュレーションの1.1Gと比較すると大幅に低いです。
リボルバは0.75Gしか出ていません。
ついでにその次のパイパも0.85Gです。

路面的横Gが出にくいのかと言うと、FD2の実測結果を見てわかるように、ウィリアムズもリボルバもパイパも他のコーナと同等の横Gが出ているので路面の問題は考えにくいです。

横Gの低い3つのコーナの共通点を考えます。
1、直角コーナ
2、手前の減速区間が短い

特にウィリアムズとリボルバは、シミュレーション見るとわかるように、強い減速が不要です。
アクセルをパーシャルか、ややアクセルオフにして、とりゃあ~ってハンドル切れば曲がれるはずです。
しかし、減速をしてから曲がっているためにその分だけ横Gが減少していると考えられます。

減速しないと荷重移動がないので、その分曲がりずらいとは思うのですが、ビートの場合は僕の推奨値は無視して、コーナで取れる最大の先回半径で曲がった方が、最大Gも高くなって速く走れると思われます。


その他のコーナではアトウッドが気になります。
FD2のシミュレーションと実測の比較を見ると、実測の方が10km/h程度最低速度が高くなっています。
この原因は、アトウッドのバンク角が大きいためだと考えられ、横Gは1.4Gも出ています。
他のコーナは1.25G前後ですから、12%も高い横Gが発生しています。

しかし、mistbahnさんの実測を見ると、アトウッドの横Gが1.05Gと他と比べて高くありません。
恐らく1.15~1.2Gは出るはずです。

ヘアピンも同様なのですが、恐らく自分の中で横Gの最大を決めてしまい、それ以上の横Gが発生するような速度で走っていないだけだと思うので、もっと速度を上げる必要があると思います。

それと、前回の日光でも書いたのですが、減速Gが低すぎるのが気になります。
今回のシミュレーションも0.63Gを最大減速Gとしていますが、明らかに低いです。

走行データを見ると、減速開始からほぼ最大減速Gが発生できていて運転に問題は見られないのですが、0.63Gではどうにもならないので、まずは減速Gが低い問題について対策が必要と思われます。

ということで、岡山国際のシミュレーションでした。
残る国内の大きいサーキットはSUGOとオートポリスだけになりました。
そのうち取り組みたいと思います。


追記
S耐のAMG SLS GT3もシミュレーションしてみました。
条件は富士、もてぎと同じです。


シミュレーションのラップタイム:1分32秒70
2013年のS耐予選タイム   :1分31秒087

ということで、そこそこ合ってることが確認できました。
2014年06月13日 イイね!

気温係数と車重係数

今日は棚から一掴みのコーナです。

もてぎチャンピオンカップのような参加型レースに参戦する人は、僕の知るところではだいたい12月くらいから練習を始めて3月末くらいに開催される第一戦に参戦するのが一般的です。

練習を始めたころは、どんどん上達するのでタイムが上がるのですが、春が来るころには上達度合いが鈍ってきます。

さらに、冬の終わりとともに気温が上昇するので、エンジンパワーが低下し、むしろラップタイムが落ちてしまう場合があります。

こんなとき、ロガーを使っていれば、直線加速が悪くなったことがラップタイム低下の原因であることは3秒でわかるのですが、使っていないと原因がはっきりしません。

また、ロガーを使っていたとしても、気温影響によるラップタイム変化を予測するためにはサーキットシミュレーションなどを使う必要があり、あまり現場向きとは言えません。

そこで、こんなときのために、僕の蓄積したデータから独自の計算手法により算出した気温係数を使ったラップタイム予測手法を紹介します。
ついでに、車重の影響も計算できる車重係数も紹介します。

ただし、コースはもてぎ、クルマはシビックEK9、タイヤはSタイヤを基準としているので、それ以外のコースやクルマにはそのまま当てはまらないと思います。

気温係数と車重係数は以下の値を使います。

 気温係数:0.025秒/℃/km
 
 車重係数:0.007秒/kg/km


この二つの係数を基準となるラップタイムを出したときの気温と車重の差にかけることで、予測したい条件のラップタイムを算出することができます。

それでは具体事例で計算してみましょう。

コース長:4.8km
基準タイム:135.133秒
気温:7℃、車重:895kg

予測したい条件
気温:24℃、車重:920kg


予測タイム=基準タイム+気温係数×気温差×コース長+車重係数×車重差×コース長
       =135.133+0.025×(24-7)×4.8+0.007×(920-895)×4.8
       =135.133+2.04+0.84
       =138.01秒

実際のタイムは、137.963秒だったので、よい精度で予測できました。

どちらも覚えずらいので
 気温に対するラップタイム変化は
 1kmのコースで4℃変化すると0.1秒の変化

 車重に対するラップタイム変化は
 4.8kmのコースで3kg変化すると0.1秒の変化

と覚えてください。

今まで何度も計算したことがありますが、計算値と実測が合わないこともありました。
そういう場合は、やはりロガーデータをしっかり確認したり、他のクルマのラップタイムを確認することが大事だと思います。

それと、S2000でTC1000を走った場合、気温差が16℃くらいあってもラップタイム変化は0.1~0.2秒程度であり、0.4秒も変化があることはないと思うので、TC1000だと当てはまらないようです。
2014年03月17日 イイね!

サーキットシミュレーション合わせ込み例

F1オーストラリアGP面白かったですね!
それにしても可夢偉は残念!!
やっぱりブレーキバイワイヤとか信用なりませんなぁ。

昨日の合わせ込みの説明ではわかりずらかったと思うので、順番にグラフを作ってみました。

赤:SLS AMG GT3(これが合わせ込みの対象)、青:シミュレーション、緑:EK9シビック

①上段:まずはべースのシビックと相関が取れていることを確認します。
②下段:車重とギア比を決め、加速カーブを見ながらパワー補正値を調整します。
 車重は実際の値か推測値を使います。
 ギア比は最高速+5km/hくらいまでカバーできればなんでもよいです。
 今回は4.785から4.1に変更して富士の最高速267km/hまで対応できるようにしました。


③上段:最高速を見ながら走行抵抗合わせ、減速カーブを見て減速Gを調整します。
もてぎのダウンヒルストレートのように、下っているところは加速カーブが合わないので、平坦なところで合わせます。
ダウンフォースの効いているクルマの場合、揚力設定0の時点では高速部の減速カーブが合わないので、そこは揚力設定時に確認します。
④下段:最低速度に着目し、横Gを調整します。
路面のバンク角影響を受けるため、バンク角が小さいところで合わせます。


⑤上段:中高速コーナを見て揚力を調整します。
⑥下段:低速コーナ立ち上がりを見て、加速Gを合わせます。


予め走行ラインが出来上がっている場合は、上記のように簡単に各数値を合わせ込むことが可能なのですが、走行ラインの合わせ込みが十分でない場合は、一度各数値の合わせ込みをおおよそ行って、その状態で走行ラインを調整し、再度各数値の合わせ込みをするという繰り返し作業になります。

実際に合わせ込みをすると、設定値を変えてもほとんど変化がない場合があります。
特に加速Gはあまり変化しないので走行ラインで調整すべきか、加速Gで調整すべきか悩ましいところです。
しかし、走行ラインは車載映像から大体のラインがわかるので、走行ラインを正として、加速Gを調整するのがわかりやすいと思います。

補足:走行抵抗は180km/h、揚力は100km/hでの値です。

プロフィール

サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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