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2014年06月13日 イイね!

気温係数適用事例

昨日の続きです。

数年前のことですが、お手伝いしていたレースチームのメンバーが筑波サーキットで開催されていたEP82(TTC1400)レースの第三戦に参戦するので、ロガーデータの解析をして欲しいという依頼がありました。

その人は数年振りにレースに参加するという状態だったのですが、十分レース実績があったので、特にアドバイスすることもないだろうと思っていました。

しかしながら、本人の目標は、レースは当然優勝で、予選の目標タイムをコースレコードとしていました。
この時点のTTC1400クラスのコースレコードは1分7秒311です。

コースレコードは普通、気温の低い、第一戦か最終戦にでると決まっています。
EP82レースも同様に3月初旬の第一戦で記録されていました。
このときの気温は気象庁当局によれば、3~4℃です。

9月初旬の練習走行の結果は1分9秒1で、そのときの走行データの解析結果から算出した目標タイム(1分8秒2)と気温係数とレコードタイム1分7秒311から算出した目標タイムを見比べると、僕にはコースレコードが出るとは考えられず、目標の下方修正を提案しました。

本人も気温影響があることは十分認識していたものの、それまで参加してきたレースが富士でだったので、筑波は気温影響は無視できるくらいに小さいはずという考えがあったようです。

第三戦は9月末開催で、9月末の気温はおおよそ20~24℃なので、22℃として計算すると、

目標タイム=基準タイム+気温係数×気温差×コース長
       =67.311+0.025×(22-3)×2
       =67.311+0.95
       =68.261秒

ということで、おおよそ1分8秒3前後で走れれば予選でポールを取れると予測し、これを目標タイムとしました。

7月に行われた第二戦の予選タイムは1分8秒571(気温23~25℃)だったので、妥当な感じです。

そして迎えた第三戦
僕は所用で応援に行けなかったのですが、結果は1分8秒458でポールポジション、そのまま逃げ切りで優勝でした。

このときの気温は例年よりも少し高く、約25℃で、同様に計算すると、1分8秒411となり、ほぼコースレコード相当の予選タイムという結果でした。

本当のところは、同じクルマで同じ人が、実際に気温が低いときに走らないとコースレコード相当の走りができているかどうかはわからないのですが、TC2000のEP82でもこの気温係数は使えそうだということはわかりました。

TC2000くらいの直線距離があると、そこそこ気温影響が大きいので、自分のクルマの気温係数を把握しておくと、目標タイムを設定しやすいです。
Posted at 2014/06/13 23:33:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2014年06月13日 イイね!

気温係数と車重係数

今日は棚から一掴みのコーナです。

もてぎチャンピオンカップのような参加型レースに参戦する人は、僕の知るところではだいたい12月くらいから練習を始めて3月末くらいに開催される第一戦に参戦するのが一般的です。

練習を始めたころは、どんどん上達するのでタイムが上がるのですが、春が来るころには上達度合いが鈍ってきます。

さらに、冬の終わりとともに気温が上昇するので、エンジンパワーが低下し、むしろラップタイムが落ちてしまう場合があります。

こんなとき、ロガーを使っていれば、直線加速が悪くなったことがラップタイム低下の原因であることは3秒でわかるのですが、使っていないと原因がはっきりしません。

また、ロガーを使っていたとしても、気温影響によるラップタイム変化を予測するためにはサーキットシミュレーションなどを使う必要があり、あまり現場向きとは言えません。

そこで、こんなときのために、僕の蓄積したデータから独自の計算手法により算出した気温係数を使ったラップタイム予測手法を紹介します。
ついでに、車重の影響も計算できる車重係数も紹介します。

ただし、コースはもてぎ、クルマはシビックEK9、タイヤはSタイヤを基準としているので、それ以外のコースやクルマにはそのまま当てはまらないと思います。

気温係数と車重係数は以下の値を使います。

 気温係数:0.025秒/℃/km
 
 車重係数:0.007秒/kg/km


この二つの係数を基準となるラップタイムを出したときの気温と車重の差にかけることで、予測したい条件のラップタイムを算出することができます。

それでは具体事例で計算してみましょう。

コース長:4.8km
基準タイム:135.133秒
気温:7℃、車重:895kg

予測したい条件
気温:24℃、車重:920kg


予測タイム=基準タイム+気温係数×気温差×コース長+車重係数×車重差×コース長
       =135.133+0.025×(24-7)×4.8+0.007×(920-895)×4.8
       =135.133+2.04+0.84
       =138.01秒

実際のタイムは、137.963秒だったので、よい精度で予測できました。

どちらも覚えずらいので
 気温に対するラップタイム変化は
 1kmのコースで4℃変化すると0.1秒の変化

 車重に対するラップタイム変化は
 4.8kmのコースで3kg変化すると0.1秒の変化

と覚えてください。

今まで何度も計算したことがありますが、計算値と実測が合わないこともありました。
そういう場合は、やはりロガーデータをしっかり確認したり、他のクルマのラップタイムを確認することが大事だと思います。

それと、S2000でTC1000を走った場合、気温差が16℃くらいあってもラップタイム変化は0.1~0.2秒程度であり、0.4秒も変化があることはないと思うので、TC1000だと当てはまらないようです。

プロフィール

サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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