今日もあいかわらずケチをつけるコーナです。
でも今日は頑張って絵を書いてみました。
先日紹介したASMブログですが、今日見たらちょっと内容が変わってました。
http://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=cal_view&no=20130219
”激減”というところの解説が追加されています。
恐らく、JAROから”表現か誇大である”と電話がきたと思われます。
がしかし・・・
読んでみるとびっくりな内容でした。
激減したのは、ミニやCR-Zということなのですが、CR-Zでは
”ゴゴゴという音がなくなった”、
”ステアリング操作にひっかかり感が純正同等になった”
という違いがあったそうです。さらに
”CR-Zで比較すれば誰でもわかります”と書いてあります。
そりゃあそうです。
不具合があるんですから誰でもわかります。
比較しなくてもわかります。
正常な状態でないのだから気づかないほうが鈍感でアホです。
でもASMは不具合とは書いていないのでアホだと疑われそうで心配です。
ちなみに僕も全く同じ事象に遭遇したことがあります。
ア○公のおかげで車高調が当局への申請なしに、合法になったすぐ後、僕は当時もっとも安かったシルビア用の車高調KITと買いました。
もはや18年くらい前なので記憶が怪しいのですが、会社から帰ってきて夕方から組み付けをした気がします。
当時は僕の周りでは誰一人として車高調を持っておらずワクワクしながら交換作業をしました。
しかし・・・
イザ走りだしてみると、ステアリングを切る度に”ギィ、ギィ”と音がします。
たくさん切ると”ゴゴゴ”という音がしました。
ステアリングのひっかかり感もあります。
明らかに不具合です。めまいがしました。
周りには車高調を使っている人がいないので、相談できる人もおらず、かなり悩みました。
とりあえずそのまま1週間くらい乗った気がするのですが、原因を考えた結果なんとなくわかったので確認してみることにしました。
ここでまずは図をごらんください。
この図は一般的なストラット式車高調の構成です。
ストラット式サスペンションはステアリングを切るとダンパーASSYがナックルと一緒に回転します。
このときの力の伝達経路は
ナックル⇒ダンパケース⇒ロアシート⇒スプリング⇒アッパシート⇒ピロボール
ここまでは全てが一体になって回転します。
ボディとアッパマウント、ピロボールの外側は一体なので、しゅう動部はピロボールのボール部分と外側の筒の部分になります。
このときのしゅう動トルクはピロボール部のしゅう動トルクになるので、
しゅう動部摩擦係数×荷重×しゅう動部半径 になります。
ピロボールは外径が30mmくらいしかなく、しゅう動部の摩擦係数も低いので、トルクは大きくありません。
ところが、なんかしらの影響でピロボールの動きが渋いときがあります。
特に新品状態では摩耗していないので渋い場合が多いです。
ピロボールの動きが渋い(しゅう動トルクが大きい)場合、何がおきるでしょうか?
この場合、2番目に滑りトルクの小さいところが滑ります。
通常はスプリングとスプリングシートです。
ピストンロッドとピロボールはナットで一体になっているので、ピロボールが渋いとピストンとシリンダ間で回転方向にしゅう動します。
スプリングは内径で60mm以上あり、摩擦係数も小さくありません。
そのため、しゅう動トルクは大きくなります。
つまり、かなりピロボールが渋くないとこの状態にはならないのですが、このくらい渋い場合もあります。
僕のピロボールはまさにこの状態でした。
ボンネットを開けて、ステアリングを切ると本来ならピロナットが回転するのが見えるはずなのですが、全く回転していません。
その代わり、ギィギィ音が鳴りながらスプリングとスプリングシート間が滑ってました。
舵角が小さいときは、スプリングが捩れるだけです。
さらに切ると、突然滑り始めるのでステアリングにひっかかり感がでます。
原因がわかればあとは直すだけです。
とりあえずピロボールアッパーマウントをバラバラに分解しピロボール単品にしてみました。
スムースに動きました。
でも、アッパーマウントに入れて、ビスを締めると渋くなることがわかりました。
いまいちアッパマウントの精度が出ていなかったらしく、ビスを締めると軸力で変形していたようです。
ビスの締め付けを緩まない程度に弱くしたところ、スムースに動くようになりました。
さらに、KURE 5-56が大好きな僕はたくさん吹き付けておきました。
これで完全に直り、音はしなくなりました。
ところで、ASMの場合・・・
事象は僕のときと全く同じ
原因は(恐らく純正の)アッパマウントベアリングがなんらかの理由により動きが渋くなっている。
当然ながら、その正しい解決方法はベアリングを修理(交換)することです。
でもASMはその対応にスラストベアリングを使っている。
大きな間違いです。
それから何年かして、シルビアのパワーステアリングは外されることになりました。
シルビアの重ステは激しく重く非力な僕では気合を入れないとハンドルが回らなくなりました。
空気圧が変わったり、タイヤが変わったりするとハンドルの重さが変わるのですぐに気がつくようになりました。
でも、ピロボールのしゅう動トルクなんて微塵も感じたことはありません。
路面とタイヤのしゅう動トルクの方がはるかに大きいからです。
それが、パワステの付いているであろうクルマでアッパーマウントベアリングのしゅう動トルクに気づくなんて、明らかな不具合です。
今日のまとめ
ストラット用車高調で転舵時に音がするときは、ピロボールの不具合が考えられるためピロボールの修理をしましょう。
スラストベアリングを入れたり、ナイロンシートを2枚にしたり(←見たことあります)、スプリング端面にグリスを塗ったり(←見たことあります)、とりあえずKURE 5-56を吹きまくったりしてゴマかすのは止めましょう。
追記;CR-Zの純正アッパーマウントは上図のような構成とは少し異なります。
その結果、車高調をつけて車高を落とすとダンパとボディの角度が変わり、アッパマウントブッシュの曲げの力が大きくなります。
恐らくその曲げの力によりアッパマウントのベアリングが渋くなっていると思います。
実際のところは現車を見てみないとなんとも言いがたいのですが、CR-Zでゴゴゴ音に悩まされている人は、ピロボールアッパマウントにしてみるのがいいと思います。
通販なら25000円くらいで売られててお手軽かと思います。
http://www.cusco.co.jp/products/new_products/post_164.html