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2025年02月04日 イイね!

S2000の後輪がインリフトする条件の補足

先日のブログで「実測結果から伸び側のサスストロークが最大になるときは横Gが最大のとき」と書いていて、実際の測定結果もそうなっていたのですが、計算上もそうなんだっけ?と思い、計算しました。

結論から言うと、「計算上は、伸び側のサスストロークが最大になるときは横Gが最大のときではない」という結果になりました。

認識が間違っており大変申し訳ありません。

では計算の説明です。

まず、もう一度サスストロークの計算式のおさらいをします。

サスストロークの計算式
 L=L1× (1 + ay・ky + ax・kx) + L0・・・式1

ay:前後G、ax:左右G、ky:前後G係数、kx:左右G係数、L0:0Gバネ遊び量、L1:1G縮み量(遊び分を除く)、L:サスストローク

式1を見ると前後G係数と左右G係数の大きさによっては必ずしも横Gが最大のときサスストロークが最大になるとは限らないように見えます。

ここで、ayとaxが摩擦円の式に当てはまると考えて、サスストロークLを計算してみます。

ayとaxが下式の関係にあるとき、摩擦円の式に当てはまることになるので、下式からaxに対するayを求めます。

(ax/axmax)^2+(ay/aymax)^2=1・・・式2
(axmax:最大横G、aymax:最大前後G)

次に、式2で求めたax、ayを式1に代入してサスストロークを算出します。

以上の計算から横加速度に対する前後加速度とサスストロークの値を求めることができます。

この3つの関係をわかりやすく表す方法を考えた結果、axとayを組み合わせて車輛加速度の方向で表すことにしました。

車輛加速度の方向=Atan(ax/ay)

なんだかよくわからなかったと思いますが、axmax=1.15、aymax=0.95で計算したサスストロークをホイールストロークに換算してグラフにするとこうなります。

横軸が加速度方向、縦軸がホイールストロークです。
加速度方向は、0°が前後方向、90°が左右方向です。


グラフを見てわかるように、僕のS2000の場合、計算上は加速度の方向が60~70°のときに後輪のホイールストロークが最大になりました。

ホントかよ!って思ったので改めて実測結果を確認します。

日光サーキット走行時の実測結果にさきほどの計算値を重ねました。
このときは左後輪にしかストロークセンサーがなかったので、左後輪のデータです。
日光サーキットは右回りで、左後輪が伸び側になる左コーナは1コーナしかなく、このデータもほぼ1コーナのものです。


この実測値との比較だけだと合ってるような合ってないような微妙な感じです。
少なくとも加速度方向が60~70°のとき後輪伸び側ストロークが最大になるとは言い切れません。

ちなみにこのときのGサークルはこのようになっていました。


横加速度がマイナスのところが左コーナです。
ホイールストロークを計算したときに使ったGサークル(赤線)に対して、若干低い値ではあるものの、いまいちこれが計算と実測が合わない原因かどうかわかりません。

計算値と実測結果が合わないときはどうするか?

①実測結果を〇造する。
②都合のいい別の実測結果を探してくる。

僕は良い子なので②の都合のいい別の実測結果を探すことにしました。

最初は左後輪のみだったストロークセンサーはその後、左右両方に取り付けたので、両方で測定したTC1000の走行データを確認します。

TC1000も右回りのコースなので、伸び側になる右後輪の測定結果です。


横加速度プラスが右コーナです。


これは具合がいいです。
計算値と実測結果の傾向がおおよそ合っており、加速度方向が60~70°のとき後輪伸び側ストロークが最大になっていました。

しかし、実測結果を見ると、車輛加速度方向80~90°で走行している時間が長く(点が多い)、ホイールストローク変化も大きいので結果的に80~90°のホイールストロークも60~70°と同じくらいのときがあります。

したがって「計算上、最もインリフトしやすい加速度方向は60~70°であるが、実際は加速度方向60~90°の範囲では同程度にインリフトしやすい」ということになりそうです。

本日の所感
計算値と実測値が合って良かった。
Posted at 2025/02/05 00:02:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | いろいろ計算 | 日記
2025年01月26日 イイね!

S2000の後輪がインリフトする条件

突然ですが、今日はインリフトってどういう条件で発生するんだっけ?ということが気になったので計算することにしました。

FF車に乗っている人は後輪のインリフトに悩んでいる人もいるかと思います。
それなりに改造されたレース用車輛でもインリフトしてるので、個人的には放っておけばいい気もしますが放っておけない人もいると思います。

一方、僕の乗っているS2000をはじめ、FR車で後輪のインリフトに悩んでいるという話は聞きません。

そこで、今日は過去の調査、計算結果を用いて(僕の)S2000の後輪がインリフトする条件を考えてみたいと思います。

ここで、まず始めにインリフトした状態の力のつり合いを考えます。

こういう物理現象を考えるときは、とにかく絵を書きます。

図1:タイヤがインリフトする状態

実際はアームを回転させる力とかありますが、今回はインリフトする条件を考えることが目的なので、簡素化してこの図に書いていない力はないことします。

この図1でF1~F5は以下を示します。
F1:バネ反力(kgf)
F2:バネ下重量とダンパーのガス圧による反力(kgf)
F3:タイヤ接地荷重(kgf)
F4:ダンパー最大伸び時のダンパロッド引張力(kgf)
F5:スタビライザー反力(kgf)

次に図1の3つの状態の説明です。

左の絵は平地に静止した状態で置いてあり車重もタイヤも地面が支えています。
地面がないとタイヤが落ちてしまうので、地面は大事です。
このときの力のつり合いはF3=F1+F2となります。

中央の絵はインリフトした状態です。
このとき、ダンパーは最大に伸びていません。

地面がなくて、ダンパーも最大に伸びていないとタイヤを上に持ち上げてくれる人がいない気もします。

かつて、AE85カローラレビン ライムにはリアスタビライザーがついていませんでしたが、僕のS2000はスポーツカーなのでリアスタビライザーがついていて、インリフトするときは反対側のダンパーは縮んでいるので、スタビライザーがタイヤを上に持ち上げてくれます。
このときの力のつり合いはF5=F1+F2となります。

右の絵はインリフトした状態で、かつダンパーは最大に伸びています。
中央と同様にスタビライザーは効いているので、スタビライザーもタイヤを上向きに持ち上げていますが、ダンパーロッドもタイヤを上向きに持ち上げています。
このときの力のつり合いはF4+F5=F2となります。

仮に僕のS2000がインリフトすることがあったとしたら、それは中央の状態なのか?それとも右の状態なのか?、まずはここを知る必要があります。

整備をするときに片側だけジャッキアップすると、バネを遊ばせるような車高調セットをしていたとしても少しバネが縮んだ状態でタイヤが持ち上がるときがあるので、感覚的には走行時のインリフトは中央の状態だと思っています。

本来は現物の状態を確認した後で計算すべきですが、あいにく修理中で確認できないので、今回は計算だけ行いました。

計算するにあたり、何をどう計算するとわかりやすくて、かつより正しい結果が得られるのだろうと考えた結果、サスペンションのストロークとタイヤの接地荷重を計算するのがわかりやすそうだったので計算しました。

計算は僕のS2000を想定し、以下の条件で計算しました。
1、車輛重量(ドライバー、ガソリン込み):1340kgf
2、後輪片側バネ下重量:35kgf
3、ダンパーガス圧による反力:20kgf
4、後輪片側バネ上下重量:300kgf (1340/4-35)
5、リアサスペンション諸元:過去に調べた値→こちら
リアスタビライザーは130用とし、かつメインスプリングはバネレートを16kgf/mmとしました。
6、ダンパー伸び側ストローク最大のときメインスプリング縮み量が0とする。
 (プリロード0でバネの遊びもなし)
7、反対側のタイヤは逆方向に同じだけ動く。

計算結果:ホイールストロークとタイヤ接地荷重


このグラフは車輛が静止、接地した状態のホイールストローク(車体に対するタイヤの上下変位)を0mmとしてダンパー伸び側がマイナス、縮み側をプラスとして、ホイールストロークに対するバネ反力、スタビライザー反力、タイヤ接地荷重をホイール端位置の値で表しています。

タイヤのインリフトという状態は図1のF3(タイヤ接地荷重)が0になったときに発生するので、グラフの赤線を見ることでホイールストロークに対してどこでインリフトが発生するのかがわかります。

今回のS2000の計算結果では、ホイールストロークが-27mmのとき(接地状態から27mm伸びたとき)にタイヤ接地荷重が0kgfになりました。

このときのメインスプリング反力は約70kgfなので、まだダンパーは最大まで伸びていません。

メインスプリングの反力が70kgf、ダンパーガス反力が20kgfもあって、さらにタイヤが地面から浮くためにはバネ下重量35kgfも持ち上げなければならないので、誰かが125kgfの荷重を持ち上げなくてはなりませんが、前述のとおりスタビライザーが持ち上げているため、以前調査したS2000の130型用リアスタビライザーのホイール端バネレートからホイールストロークに対するスタビ反力を計算します。

スタビライザーのホイール端バネレートは約4.6kgf/mm(左右が逆位相時)だったので、ホイールストロークが27mmあると4.6×27=124(kgf) となりスタビライザーが上に持ち上げているということが確認できました。

ここまでの計算で僕のS2000の後輪がインリフトするときは図1の中央の状態でダンパーは最大まで伸びていない状態ということがわかりました。

次に、インリフト対応として僕の嫌いなヘルパースプリングを追加した状態の計算をしてみます。

ヘルパースプリングの仕様を調べてみると、いろいろ種類があるものの、おおよそバネレートは2kgf/mm、密着ストロークは50mm前後、密着荷重は100kgf前後という仕様であることがわかりました。

そこで今回は以下のヘルパースプリング仕様で計算しました。
バネレート:2kgf/mm
密着ストローク:50mm
密着荷重:100kgf(ホイール端では70kgf)

計算結果:ホイールストロークとタイヤ接地荷重(ヘルパースプリングあり)


今回の計算では偶然にインリフトするホイールストロークでのヘルパースプリング反力とヘルパースプリング密着荷重が同じ値になりました。

つまり、今回のS2000の場合、ヘルパースプリングを入れてもインリフトするまではヘルパースプリングは密着していて、あっても無くても何も変わらないということになります。

インリフトした後もヘルパースプリング反力+ダンパガス反力+バネ下荷重よりもスタビライザー反力の方が大きいので、タイヤは下に落ちてくることはありません。

ヘルパースプリング付けたらたくさん伸びてインリフトしなくなると思って期待しても実際は何も変わらないってことです。

今回の計算条件ではたまたまインリフト時のヘルパースプリング反力が密着荷重と同じになっただけではあるものの、インリフトするFF車輛を見ていると30~50mmくらい浮いていて、インリフトするまでの伸び側ストロークが10mmや20mm伸びたところで解決するとは思えません。

ヘルパースプリングの文句はこのくらいにして、車輛に働く横Gとインリフトの関係について考えることにします。

はじめに過去に僕のS2000で実測したダンパーストロークをホイールストロークに換算した結果を確認します。

図2:S2000 日光サーキット走行データ


さきほどの計算結果から、後輪がインリフトするホイールストロークは27mmということがわかりましたが、実測結果から走行時の伸び側のホイールストロークは19mm程度しかなく、インリフトに対しては余裕があることがわかります。

次にサスストロークの計算式から横Gに対するホイールストロークの計算式を求めます。

サスストロークの計算式
 L=L1× (1 + ay・ky + ax・kx) + L0 ・・・式1

ay:前後G、ax:左右G、ky:前後G係数、kx:左右G係数、L0:0Gバネ遊び量、L1:1G縮み量(遊び分を除く)、L:サスストローク

実測結果から伸び側のサスストロークが最大になるときは横Gが最大で、そのときは前後Gが0となっているため式1のay=0、かつバネ遊び量L0を0、レバー比をγとして式1をホイールストロークLwに書き直すと

  Lw=L1・γ・(1+ax・kx) ・・・式2

式2から静止接地時からの変化量⊿Lwを求めると

  ⊿Lw=L1・γ・ax・kx  ・・・式3

L1、kxを今回の計算結果に合うようにするとL1=25.17(mm)、kx=0.366となるので、これを式3に代入します。
また、式3に凹凸による伸び分+3mmも計算して結果をグラフ化します。



このグラフを見ると、横G+凹凸分のホイールストロークが後輪がインリフトをするホイールストローク27mmを超えるために必要な横Gが1.82gであることがわかります。

したがって、今日のお題であるS2000の後輪がインリフトする条件は、横Gが1.82gを超えたときということがわかりました。

一方、この計算とは別に車輛重心とトレッドで決まる内側のタイヤ荷重が0になる条件があるわけですが、重心高を0.45m、トレッドを1.5mで計算すると1.66gになるので、実際は1.66gを超えた時点でインリフトに関係なくタイヤ接地荷重は0になるため、僕のS2000の場合はインリフトについては気にしなくていいということも今回わかりました。
Posted at 2025/02/02 22:24:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | いろいろ計算 | クルマ
2025年01月26日 イイね!

S2000クラッシュ原因と現状

本日S2000クラッシュ原因がわかりました。

現在、僕のS2000はここ数年車検整備をしてもらっている整備工場にあり、少しずつ状況確認をしてもらっています。

そして今日、ABS不具合に関する連絡がありました。

故障コードを確認したら”左前輪の車輪速センサー断線”だったそうです。

車輪速センサーが断線すると、ABSが作動せずロックするのか、それとも液圧が上がらなくなってブレーキが効かない状態になるのか、どちらなのかはわかりませんが、センサー断線が直接の原因でブレーキが効かなかったのは間違いなさそうです。

年末に1度リフトアップした状態で4輪のタイヤを確認をしていて、明確なフラットスポットがあったのは左前輪のみで、他の3輪についてはブレーキロック、もしくはスピンで発生したようなフラットスポットはありませんでした。

したがって、今のところの推定はフラットスポットによる振動により車輪速センサーが断線し、それが原因で液圧が上がらずブレーキが効かなくなったと考えています。

ということで、原因がわからないとモヤモヤしてクルマが直っても思い切り走れないわけですが、少なくとも車輪速センサーの断線という原因がわかったので次回復活後は思い切り走れそうで良かったです。

それと車体の状況ですが、リフトアップして下から見た限りでは右側のロアアームがポッキリ折れていて、アッパーアームがグニャっと曲がってましたが、フレームやサスペンションメンバーは歪んでいなさそうでした。

今日の連絡ではアームを中古の正常なものに交換したところアライメントは正常な値に入りそうとのことだったので、引き続き修理を進めることにしました。

ところで、昨今はS2000の補修部品の値段が上がっておりまして、2007年のパーツカタログに対して2倍くらいの価格になってます。

2023年に供給可能部品と価格の一覧表がホンダのHPに掲載されていて、この価格から最低限交換が必要な部品の価格を合計したら、100マソ近くになってしまいました・・・。

その他にも板金、塗装代もろもろを考えると150マソくらいにはなりそうですが、S2000の中古価格が激しく高騰しているのでがんばって修理したいと思います。
Posted at 2025/01/26 18:29:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | S2000 | 日記
2025年01月11日 イイね!

完成 タミヤ RC 1/10 ポルシェ956

完成 タミヤ RC 1/10 ポルシェ956今年もよろしくお願いします。

昨年11月に購入して製作していたポルシェ956のラジコンが完成しました!!。

1983年優勝車はカーナンバー3なのですが、今回は2位のジャッキー・イクス/デレック・ベル組のカーナンバー1で作りました。

ところで、昨今はプラモデルやラジコンにタバコメーカのスポンサーステッカーが付属していません。(40年くらい前は付属してました)

ポルシェ956はルマン24時間レースではロスマンズロゴが貼られていたものの、このキットでは”Racing”に置き換えられています。

しかし、やっぱり”Rothmans”じゃないと盛り上がりに欠けるので、今回は”Rothmans”ロゴのステッカーを自作することにしました。

自作するにあたり、箱絵や付属のステッカーを見ていたらRothmansがRacingになっているだけでなく、なんだかさっぱりしていてもの足りません。

ネットで1983年のルマン24時間レースのワークスポルシェの写真を集めて確認したところ、DUNLOP、Shell、BOSSが付属しておらず、ルマン24時間レースの車検ステッカーもないことがわかりました。

ネット検索をし車検ステッカーを除き、ステッカーの素材として使えるSVGファイルを入手できました。
車検ステッカーは手持ちのメルセデスベンツC9のプラモデルデカールをスキャンして拡大することにしました。

自作ステッカーにはエーワンというところから発売されているインクジェットプリンタ用の”自分で作るステッカー”を使いました。


インクジェットでプリントすると、白を除いた色はプリントできますが、白は印刷できない(白インクがない)ため、ステッカー用紙は透明タイプと白地タイプを使い、背景が青で文字が白のところ(ウイングやボディ側面)は白地タイプにボディと同色の青色を印刷して、文字を再現しました。

ステッカー出来上がり


このステッカーは3年くらい前に別件で使うつもりで購入後使うことなく保管していて今回初めて使いましたが、ラジコンに付属のステッカーと比べてあまり違和感のない仕上がりになって大満足です。(実際はよく見ると少し厚くて、透明シートは色が透けた感じになります)



やっぱりロスマンズロゴの方が圧倒的にカッコいいです!
それと、ライト上の”Shell”、ノーズの”DUNLOP”がないと全然見栄えが違うことを今回初めて知りました。

車検ステッカーもあるのとないのとでは”ルマン感”が全然違います。

それにしても、このポルシェ956って1983年のクルマなので、すでに40年以上前のクルマなのですが、全然古さを感じないし、ロスマンズカラーもとにかくカッコいいです。

そして、ポルシェ956のカッコ良さをそのまま再現したタミヤのラジコンボディも本当に素晴らしく買って良かったです!

ラジコン製作が終わったので、S2000修理と走行ライン最適化がんばります。
Posted at 2025/01/11 21:10:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記 | 日記
2024年12月22日 イイね!

S2000タイプS ガーニーフラップの空力効果

今日はバツグン商品「ガーニーフラップ」の紹介です。

今回紹介するガーニーフラップはこちらの商品です。


お値段はお求めやすい1500円となっております。
僕が買ったものそのものは現在販売してなさそうですが、ほぼ同じと思われるものが他社から販売されてました。

S2000に取付した状態。
高さが2cmあります。
取付は強力両面テープで貼り付けをしていて、当局の車輛検査にもそのまま通過したので、法的にも問題なさそうです。


今日は、このガーニーフラップを僕のS2000タイプSの純正ウイングに取付て日光サーキットを走らせたときの効果について書きたいと思います。

まず、前提となるS2000タイプSのウイングですが、これは以前も書いたように全く効果を体感することはできませんでした。

また、ラップタイムや横Gなどの計測値にも違いは現れず、少なくとも僕が走行するミニサーキットの速度域での効果はほとんどない というのが僕の感想です。

そんなわけで、純正ウイングは捨ててVOLTEXのGTウイングを買おうと決心したのですが、納期が1年以上かかるということで、もう少し純正ウイングでがんばってみることにしました。

やれることと言えば①取付高さアップ②取付角度変更③ガーニーフラップの3つくらいなので、お手軽にできる③のガーニーフラップ取付をしてみることにしました。

取付をしたあと、両面テープが剥がれないか確認のために一般公道を合法的速度で走行してみましたが、1μmも効果は感じられませんでした。

一般公道で効果が感じられませんでしたが、日光サーキットなら効果があるはずということで先日の日光サーキット走行データを自己ベストの2019年と比較してみます。

今回のタイヤは2022年12月に購入した2年落ちのZⅢで、ラップタイムとしては全く期待していなかったのですが、2019年の自己ベスト41”065に対し、今回ベストは41”100で、自己ベストの0.035秒落ちで走ることができました。

セクタータイムも見てみると、セクター1もセクター2も2019年よりも速く、セクター2については過去を通じて自己ベストのセクタータイムでした。


さらにロガーのデータも見てみます。


走行ライン


セクター2は自己ベストで、かつセクター2の8、9コーナは90km/h以上で空力影響が大きいと考えられるので、セクター2に注目します。

8コーナは2019年より減速開始が遅く、コーナ最低速度は少し低くなっています。
9コーナは今年の方が5km/hくらい速く、走行ラインは立ち上がり(600~650m付近)がよりコース外側を走っていることがわかります。

そこで、9コーナの旋回半径を確認します。


今年の方がおおよそ5mくらい半径が大きくなっていました。

一方、横Gを見てみると、8~9コーナで差がほとんどありません。

つまり、今回9コーナが速かった理由は旋回半径が大きくなったことが理由であって、ガーニーフラップ取付に伴い横Gが増加したことが原因ではない ということになります。

ここまで読むと、ガーニーフラップ効果ないじゃん!!って思ったと思うのですが、運転していた僕はガーニーフラップの効果を大いに感じました。

効果は感じたけど、横Gは増加していないということは、これがブラシーボ効果ではないのか?ということになるのですが、たぶん違います。

走っていて感じたことは、リアグリップが安定しているということです。

最大の横Gはほぼ変化なかったけど、ズルっと急に滑らないので安心してアクセルが踏めて、走行ラインもよりコース外側ギリギリを攻めて走れるようになりました。

今回は2年落ちタイヤだったので、正確な効果はわからないものの、ガーニーフラップ取付による効果としては、日光サーキットのラップタイムで0.3~0.4秒くらいはあるのではないか?というのが今回の感想です。

S2000タイプSに乗っていて、純正ウイングのままもう少し速く走りたいという人にはお手軽にできてサーキット走行では効果も感じられると思うのでガーニーフラップ取付はオススメです。


2024.12.23追記
1周だけの比較だと偶然1周だけうまく走れただけということもあるので、セクター2の過去データを2013年から各年の上位5LAPを比較してみました。
(どの年も12月の1週目か2週目です)

グリップが安定していて走りやすいときは、その分うまく走れる周回も多くなるので、上位5LAPくらいを比較すると、偶然に1周だけ速く走れたのか、そもそものクルマのポテンシャルが上がって速く走れたのかがわかります。



過去データを改めて見てみると、セクター2を18.2秒よりも速く走れている周回は新品タイヤを投入した2013年と2019年に記録されていて、全部で4周でした。

しかし、今回は18.2秒よりも速く走れている周回が5周もあり、しかもタイヤは2年落ちです。

ということで、セクター2のタイム比較結果からもガーニーフラップの効果はあったと言ってよいのではないかと思います。
Posted at 2024/12/23 00:46:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | S2000 | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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