
政治的にギクシャクしている日本と中国。メディアの報道の影響もあってか、互いの国に対してネガティブな印象を持つ人が少なくない。中でも、相手の国を訪れたことのない人が抱くイメージは往々にして極端にネガティブか、興味が薄いゆえ非常に漠然としているかのどちらかなのである。
中国メディア・新華網は23日、「日本の1970年代生まれと80年代生まれは中国をどう語るのか」とする記事を掲載した。記事は、70年代生まれの日本人3人と、80年代生まれ2人の「中国観」について紹介している。それぞれの世代に1人ずつ、中国に行ったことがない日本人が含まれていた。
70年代生まれの人物は、ソフトウェアの開発と設計に従事する男性。記事は、この男性が中国に1度も行ったことがなく、仕事が忙しいこともあって平時は中国の事情に注目することも少ない一方、歴史物の中国の映画やドラマを見るのが好きであると紹介した。
そして、この男性が中国に関する情報を完全に日本のメディアから入手しており、「正直、中国に対していい印象を持っていない。急速な経済発展には敬服するが、中国人の反日感情やモラルに反する行為は受け入れがたい」と語ったことを紹介。このほか、普段商品を購入、利用する際にはどの国で生産されたものかについてはこだわらない、戦争からは世代的に遠く、学校の授業でも特に印象が残らなかったという話を伝えた。
また、日中間の問題について「歴史問題は根が深く、解決は難しい。過去の歴史や、自分がどこの民族かにこだわることなく、人と人というシンプルなところから出発し、少しずつ信頼関係を構築してこそ両国の関係は改善できる」との認識を示したことを紹介している。
80年代生まれの人物は、86年生まれのラーメン職人の男性。やはり中国には行ったことがない。記事は、この男性も主にテレビやインターネットのニュースから中国を理解しており、中国関連の報道が概ねネガティブなものであると認識していることを紹介した。特に「抗日神ドラマ」が印象的で、「中国人はどうしてこんなにたくさんの抗日ドラマを作るのか理解できない」と語ったことを伝えた。
また、中国製品については「100円ショップで中国製のタイマーを買ったが、使い勝手が非常に悪かった」と「安かろう悪かろう」の印象を抱いていること、戦争問題については「おじいさんのおじいさんがやったこと。どうしてわれわれの世代が背負わなければいけないのか」、「一般市民は自分のことで忙しく、政治にはあまり関心を持っていない」と話したことも併せて紹介している。
逆に、日本に1度も行ったことがなく、日本と関わるような仕事もしていない同じ世代の中国人に話を聞いてみたら、どのような反応が返って来るだろうか。やはり、ネットやテレビで入手した情報に基づく日本像を披露してくれるのではないだろうか。相互理解はコミュニケーションの第一歩。普段特に中国や日本と関わりを持っていない人こそ、ぜひ現地に一度足を踏み入れ、理解を深めてもらいたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF) :サーチナ 2016-12-28 10:12
Posted at 2017/01/03 20:05:26 | |
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