
中国メディア・今日頭条は12日、日本の病院におけるサービスについて「これほどまで人にやさしいとは驚愕ものだ」とする文章を掲載した。文章は主に、入院設備の充実ぶり、そして看護師の質の高さを中国国内の状況と比較する形で紹介している。
文章は中国国内の病院について「設備が古めかしい。浴室がないのは言うまでもない。一番怖いのはトイレに行くことだ」と説明。さらに、入院する場合にはあまりの混雑ゆえに「ベッドが確保できず、廊下で寝かされることもしばしば」と指摘した。そのうえで、日本では各レベルの病院間における分業体制が確立されていることもあり、大病院でも激しく混雑することはなく、廊下で寝かされる状況などあり得ないと説明した。
また、支払う金額によって病室のグレードが変わり、個室のバス・トイレを含む、まるでホテルのような設備の病室に入ることも可能であると紹介。「資本主義における金銭至上主義の極致」と評する一方で、それが良好な価格やサービスの競争を生んでいるとも解説した。さらに、一般の病室であっても非常に清潔で、患者が休息できる環境が十分整っているとし、共用のトイレや浴室も個室と同じくらいきれいであると伝えている。
記事はさらに、日本の病院における入院生活を「驚愕」たらしめる大きな要素として、看護師の存在を指摘した。中国では注射を打つくらいに思われている看護師が、日本では「サービススタッフとしての役割も持っている」とし、通常の看護に加えて患者の衣食住の手伝いを家族に代わって行うと紹介。それゆえ日本では「家族が患者に付き添って夜を明かすことが禁じられている」とした。
また、看護師は患者に対して笑顔で辛抱強く接することが病院から求められているとも伝え、「日本の看護師に対するサービス要求はとても高い。女性看護師が多くの男性にとって理想のお嫁さんであるというのも、全くもって納得が行くのである」と解説している。
病院で入院患者の身の回りを世話するのは看護師だけではない。看護師のサポートをする看護助手の存在も欠かせないのである。様々な患者に対して笑顔で接し、励ましつつ、衣食住の世話をする看護師や看護助手の仕事はまさに肉体労働であり、過酷なもの。相応のリスペクトをして然るべきだろう。
中国は以前、医療衛生体制に過度の市場化政策を導入して失敗した経験を持つ。しかし、すでに公有の医療リソースのみで13億人の健康を維持することは難しい状態だ。現在、改めて「地域の医療機関開業に対する民間資本の参入」を奨励する姿勢を打ち出し、医療リソースの確保、充実に乗り出している。公衆衛生の使命と、利益創出のバランスを上手に取り、市民が利用しやすい衛生体制を作ることが、中国社会が抱える長期的な課題の1つなのだ。廊下で寝かされたり「恐ろしいトイレ」に行かされたりという過酷な入院生活を強いられる人が1日も早くいなくなることを、願うばかりである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF) :サーチナ 2016-06-14 15:21
Posted at 2017/01/13 23:57:01 | |
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