
中国でも、英語はそれほど通じるわけではない。しかし、ある程度の学歴を持つ人の英語力は、日本人よりも上と言ってよい。中国ではこのところ「日本人はなぜ、英語ができないのか」と、その理由を考える文章が発表されるようになった。「大脳の問題」、「必要ないから」などが挙げられている。
米国の非営利団体が実施している英語テスト(TOEFL)で、2013年における日本人受験者の平均点は70点だった。アジアで平均点が70点未満だったのは、カンボジア、ラオス、タジキスタン、東チモール。失礼ながら、教育機関や制度の整備がまだまだ必要な発展途上国ばかりだ。
モンゴルは日本と同得点の70点だった。ただし、モンゴルやタジキスタンは旧ソ連の衛星国だったり一部だった関係で、ロシア語を話せる人は相当に多い。日本のように「最も力が入れられている外国語の能力がパッとしない」という状況ではない。
得点が最も高かったのはシンガポールで98点、次いで香港の91点だった。中国大陸部は77点とそれほど高得点ではないが、日本よりも成績はよかった。
中国メディアの広州日報はこのほど、「2013年のTOEFL(トーフル)試験の成績ランクを引用。日本はアジア最低レベル」とする記事を掲載した。同記事は「日本人が英語をできない理由」を3つ挙げた。
まず、「島国」という地理上の条件を挙げた。大陸の国だったら隣国との往来も容易で、外国語を学ぶ機会は多い。日本人の場合、歴史的にも外国語を学ぶ機会が少なかった上に、「恥ずかしがり屋」という性格が加わった。英語を上手に操ることができないので、英語を使おうとしないという悪循環が発生したとの説だ。
さらに、「日本人は大脳の機能が違う」と主張。「日本人が日本語を使う時には、左脳だけで処理する。英語は左脳と右脳を併用する。日本人は英語を学ぶ際に、先天的に不利」と論じた。
言語と「右脳・左脳」の関係は、東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信氏が1970年代に発表して有名になった説だ。ただし批判も多く、英語学習能力と日本人の脳の機能は「まったく関係がない」との主張もある。
記事は日本人が英語をできない3番目の理由として「英語はもはや、それほど重要と思われていない」と指摘した。「最近のひとつの調査」として、日本人を対象に「将来、日本人が最も学ぶべき言語はどの言葉になるでしょう」と尋ねるアンケートを実施したところ、中国語との回答が72%で、英語の68%を上回ったという。
中国メディアの鳳凰網寧波も「日本人の英語問題」をさらに詳解する文章を発表。広州日報の主張に加えて、「子音+母音」という単純な音節構造の日本語が母語である日本人にとって、英語の発音を受け入れることが難しいことや、日本では「ゴールデン・ウイーク」、「ガソリン・スタンド」といった和製英語が次々に作られて、英語を学習する際に混乱することも原因との見方を示した。
ただし、広州日報は、日本では幕末から明治にかけて新たにもたらされた欧米の物品や概念を翻訳する努力が続けられ、英語などを用いなくても高等教育まで可能になったという事情には特に触れていない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2015-02-24 22:15
Posted at 2018/02/05 11:02:37 | |
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