何回もプログアップしたとおり、今年の夏は阿波踊り三昧となりました。
日本三大阿波踊りを堪能し、理解を深めることができました。
仕事柄、文化への探求は避けて通れないこともあり、記録として阿波踊り総括のレポートを夏休みの宿題自由研究として(笑)まとめておきたいと思います。
長文ですので興味がありましたらご覧くださいm(_ _)m
■阿波踊りは日本の誇る団体芸能
阿波踊りは連というチームで成り立っており、男踊り、女踊り、ちびっ子、鳴り物などで構成される。
連は数10名から100名オーバーにも及ぶ。
特に徳島の有名連の踊りは芸術的で素晴らしく必見である。
8/12-15の期間中、町は巨大な渦に巻き込まれたような何か異様ともいえる雰囲気に包まれる。
一生に一度くらい徳島に阿波踊りを見に行っても損はない。
天高く
■日本3大阿波踊り
徳島、東京高円寺、南阿佐ヶ谷が3大阿波踊りと言われるが、本場徳島は別格の感がある。
有名連と言われる33連のレベル、クオリティは極めて高く、素人芸の域を越えた芸術作品だ。
しかし、連員は基本的にプロではなく一般人がやっているので驚愕する。
その謎を解くキーワードがいくつかある。
「一年の全てを阿波踊りに賭ける」
「阿波踊りに命を賭けている」
「徳島の夏は阿波踊りの4日間で終わる」
実際に見てなるほどと納得した。
阿波踊りに賭ける情熱は凄まじい。
各連は1年を通して練習に励み、3ヶ月前ぐらいからは毎晩練習に打ち込むという。
時には激しく
徳島の阿波踊りは「魅せる阿波踊り」で芸術作品なのに対して東京高円寺や南阿佐ヶ谷は「楽しむ阿波踊り」で盆踊りの延長の印象がある。
特に高円寺は狭い商店街やアーケードの中も演舞場となっており、臨場感抜群である。
踊り子、観客一体となった盛り上がり方は感動すら感じた。
【伍楽連】炸裂
■女踊り
編み笠を深く被った女踊りは女踊りは阿波踊りの象徴で言うまでもないが、衣装、手の動き、足の運びは日本の女性の美しさを表現する。
素人かそうでないかは編み笠の被り方ですぐ見分けがつく。
列の先頭や舞台でソロで踊る達人の手の動きは見事の一言。
絶え間なく動き、手のひらの返し方など極めて美しい。
上手い連となると足の上げ方、タイミング、角度などがビシっと揃い、ため息が出るほど素晴らしい。
阿波踊りの美
駆け抜ける
■男踊り
ほおかむりなどをして踊り方がユーモラスだったり、暴れた踊り方だったりと特徴的だが、素人がやると自分でおちゃらけて笑ってしまったり、ヤケクソの滅茶苦茶な踊りとなる。
が、上級者は真剣そのもの。
単に暴れているわけではない。
芸なのだ。
団扇や手提灯のさばき方も見事だ。
決めポーズなど力の入る踊りだが、達人となると「力の抜け」を見てとることができた。
余裕の踊りといったところか。
この域に達するにはどれほどの時間がかかったのだろう。
14
【歌舞伎連】サー!
■(女性による)男踊り、又ははっぴ踊り
女性も男踊りの格好をして踊る連もたくさんある。
これがまた格好いい。
男踊りでありながら、いかに女性らしさを出すところがポイントらしい。
私の見る限り、女性の男踊りが一番自由度が高いように思う。
東京の阿波踊りで創作性の強い、たとえばヨサコイのような?踊りをたくさん見た。
はっぴ踊り
【ぽんぽこ連】躍動
■鳴り物
お囃子の一団を鳴り物と総称する。
鉦、笛、三味線、締太鼓、大太鼓、鼓などで構成されるが、指揮者は鉦(かね)。
鉦に合わせてリズムが早くなったり遅くなったり繰り返してゆく。
リズムは2拍子、「ぞめき」のリズムと言う。
メロディーは笛。
「よしこの」と呼ばれ、一度聞くと耳から離れない。
近年、アップテンポが持て囃され、鉦と太鼓だけで勇壮演じる連が見受けられるが、私の好みではない。
三味線、笛がないとどうも阿波踊りにならないような気がする。
有名連にはよく「正調」という言葉が聞かれる。
昔ながらのゆったりとした調子といった意味か。
有名連には「正調」とともに「現代に合った踊り」といった共通のテーマがあるようだ。
よしこのメロディ
■唄はやし
阿波踊りというと「踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」が圧倒的に有名であるが、驚いたことに私は現地では1度しか聞くことができなかった。
それよりも「1かけ、2かけ、3かけて、4かけた踊りは止められぬ、5かけ、6かけ、7かけて、8(や)っぱり踊りは止められぬ」や「ひょうたんばかりが浮きものか、私の心も浮いてきた、浮いて踊るは阿波踊り」
などがよく多用されていた。
そして「ヤットサー、ヤット、ヤット」の合いの手が入る。
「同じ阿呆なら・・・」が出てくる「よしこの」の唄を紹介しておく。
ハア~ エライヤッチャ エライヤッチャ
ヨイ ヨイ ヨイ ヨイ
阿波の殿様 蜂須賀さまが
今に残せし 阿波踊り
笹山通れば 笹ばかり
猪 豆喰て ホウイ ホイ ホイ
笛や太鼓の よしこのばやし
踊りつきせぬ 阿波の夜
踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら
踊らにゃ損々
扇
■有名連
徳島の有名連は33連。
【徳島市阿波おどり振興協会】
阿呆連、阿波連、阿波鳴連、浮助連、うずき連、ゑびす連、扇連、さゝ連、新ばし連、天水連、天保連、
のんき連、葉月連、水玉連、無双連、若獅子連
【徳島県阿波踊り協会】
葵連、うきよ連、菊水連、独楽連、娯茶平、新のんき連、殿様連、蜂須賀連、平和連、ほんま連、酔狂連、まんじ連、みやび連、悠久連、藝茶楽、都連、阿波扇
その他阿波踊り保存会所属も有名連と呼ぶこともあるようだ。
3大正調と呼ばれる「阿呆連」「のんき連」「娯茶平(ごじゃへい)」が群を抜いているかというとそうでもない。
各連切磋琢磨して阿波踊りを極めるべく精進している。
私が見ることのできた連で印象に残った連を書きとめておく。
*ゑびす連・・・女性によるはっぴ踊りには目を奪われた。(選抜阿波踊り、南内町)
*阿呆連・・・奴踊りなど必見。これを見ないと阿波踊りが始まらない?(南内町)
*まんじ連・・・表情が素晴らしく良い写真が撮れた。(選抜阿波踊り、紺屋町)
*娯茶平・・・ゴージャス!(選抜阿波踊り)
*殿様連・・・迫力ある写真が撮れた。(紺屋町)
*天水連・・・男女の踊りのバランスが非常に良かった。(選抜阿波踊り)
*藝茶楽(げじゃらく)・・・男踊りレベルが全体的に高い。暴れ方が見事。(阿波踊り会館、南内町)
高張り提灯
阿波踊りがやって来る
■阿波踊りの観覧方法
徳島の市内は歩いて移動が可能。
見るのは難しくない。
今では演舞場のチケットがチケットぴあなどで購入できる。(今年は7月頭より発売)
道を堰きとめた演有料舞場は「紺屋町」「南内町」「藍場浜」「市役所前」の4つ。
第1部(18:00~20:00) / 第2部(20:30~22:30)入れ替え制。
その中でも南内町の2部のラストには総踊りといって1500人もの踊り子、鳴り物がなだれ込む。
無料演舞場もある。(両国本町・元町・新町橋)
市内ホール数ヶ所で有名連による「選抜阿波踊り」も開催される。
選抜阿波踊りの舞台は流しとは異なり、専用の演出がされていて素晴らしい。
8/11の前夜祭(アスティとくしま)は全有名連が集結した見ごたえのある踊りとなるので、お勧めである。
南内町演舞場・総踊り
前夜祭
阿波踊りは人の頭越しに遠くから眺めていても面白くない。
有料席や並んでかぶりついて観覧しよう。
演舞場と演舞場の間でゲリラ的は輪踊りが始まったりする。
輪踊りが阿波踊りの一番の醍醐味かもしれない。
輪踊り
是非一度は本場徳島の阿波踊りを見に行ってみよう!