何となく現実を確認。
>現役大学生に伝えたい。
若気の至り。
それも一つの人生である。
今、思う事は、
新卒カードを捨ててまで、
卒業してそのまま旅人にならなくて良かった。
新卒カード捨てて旅人になるつもりだったので、
最初に就職活動したのは大学4年生の秋で、
内定が出たのがその年の年末でした。
これもまた、一つの人生。
日本の就職市場は新卒カードが最強である。
新卒と云うブランドを無駄にしなくて良かったと思うべきなのか、
疑問になったので色々と調べてみる事にした。
さて、物価上昇に賃金上昇が追い付かない世の中と云われている。
そんな言葉を毎日聞いていると、
本当にこの世の中に絶望してしまいそうになる。
何気なく私が新卒で入社した会社の採用情報を見てみた。
その会社の現在の初任給(大学/大学院卒)は202,800円。
私が新卒で入社した時の初任給は197,000円。
あれから約20年経過しているのに5,800円しか上がっていないぞ。
物価が上昇していると云われているし体感はしているが、
論理的に考えた時にこの数値はどうなのか?
本当に辞めて良かったのか?
そして、この日本に絶望するべき数値なのかを調査いたします。
因みに私が新卒で入社した会社は、
従業員数は300人以上でしたが資本金は3億円未満だったので、
中小企業基本法では中小企業となります。
先ずはこちらのグラフを作成しました。
私が新卒で入社してから辞めるまでの昇給と年収のグラフ。
昇給に関しては基本的に右肩上がりで上昇している事が分かる。
7年目で年収がガクンと落ちて昇給が0円となっているが、
リーマンショックの影響である。
6年目と10年目の年収がぽつんと上がっている。
6年目は恐らく北京オリンピックの時の特需の影響。
10年目は設備導入の為に働きまくっていた頃で、
無謀に残業や休日出勤をしていたからである。
参考に独立行政法人労働政策研究・研修機構のHPより、
『主要企業春季賃上げ状況』のデータを記載してみた。
(緑色の線が主要企業の昇給額。)
こう見ると昇給額は世間一般と比べると悪くは無かった事が分かる。
こちらのグラフは独立行政法人労働政策研究・研修機構のHPより、
『消費者物価指数』のデータをグラフ化してみた。
(このデータは2020年を100%としている。)
こう見ると2008年に北京オリンピックの特需の為か上がっていますね。
2014年からの上昇は円安の影響があるかと思います。
新卒で入社した時の指数は95.5%。
直近のデータが2022年で102.3%なので、
物価上昇率としては6.8%となる。
ここから物価の上昇率と収入に関して考えます。
●物価と昇給率
先ずは自分の事で昇給率を考えます。
自分が新卒で入社してから会社を辞めるまでの15年間で、
初任給から44%上昇したので物価上昇率を遥かに超えていた。
●物価と初任給の推移
次に初任給を考える為に、
これから社会で稼ぐ新卒の初任給との差を考えます。
先にも記載したが私が新卒で入社した時の初任給は197,000円で、
その会社の現在の初任給(大学/大学院卒)は202,800円なので、
上昇率は2.94%となる。
再び独立行政法人労働政策研究・研修機構のHPよりデータを拝借すると、
2003年の主要企業初任給平均は201,300円。
2023年のデータが見当たらず2019年が最新となっている。
初任給が下がる事は考え難いので、
データとしては精度が下がるが2019年のデータを流用する。
2019年の主要企業初任給平均は212,800円なので、
上昇率は5.71%となる。
少なくとも私が新卒で入社した会社の初任給とは大きく異なります。
因みに2003年から2019年の物価上昇率は4.5%なので、
私が新卒で入社した会社は物価上昇率以下であったが、
主要企業は物価上昇率を越えている事が分かった。
やっぱり大企業は労働条件が良い事が分かる。
さて、数値では物価上昇率に対して初任給と昇給は、
絶望する程の数値でない事が分かりました。
物価上昇と云われる昨今であるが、
実際には約20年前と6.8%しか変わっていません。
良くは無いけど悪くもない最低限の就職をしておけば、
絶望するレベルでは無いと思います。
では、何故、絶望的な物価上昇だと騒がれているのでしょうか?
それは消費者物価指数で調査する全ての指数品目の値動きであり、
要するに平均値である。
価格が値上がりした物もあれば変わらない物もある。
値上がりした物の中にはかなり上昇した物もある筈。
なので、みんカラらしく車の価格上昇率を調べてみる事にしました。
再び独立行政法人労働政策研究・研修機構のHPより、
乗用車(国産車及び輸入車)データを見てみます。
こちらのデータは調査対象の車種やグレードは、
非公開となっている事に注意しなくてはならない。
2010年に価格がガクンと落ちているが、
これは車の価格が下がったのではなく、
調査方法や指標が変わったと思われる。
よって、2010年と比較する事にしました。
2014年に輸入車の価格が上がっていますが、
これは円安の影響かと思われます。
2010年から比較すると国産乗用車の物価上昇率は、
2018年で8.36%、2022年で28.08%となる。
輸入車は2018年で39.22%、2022年で75.19%であった。
●物価と昇給率
年収は別として昇給率から考えると、
何とか2018年の時点で輸入車が買えるレベルであった。
●物価と初任給の推移
初任給として車(新車)を買う事は絶望に近い数値である。
乗用車の物価は2018年と比較すると2022年で28.08%も上昇してる。
比較する為に初任給のデータがある、
2019年の国産乗用車の物価上昇率を調べると14.63%であった。
2003年から2019年までの初任給上昇率は5.71%なので、
国産乗用車は今の若者には手が届き難い存在となっているのでしょう。
一例に過ぎないが、
今回のデータより初任給の差も大手と中小では大きくなっている。
自分が新卒で入社した会社と2003年時点での差は4,300円であったが、
2023年時点では10,000円も差が発生している。
(大手企業データは2019年を使用。)
こうやって考えてみると、
今働いている人の昇給率だけを見直すのではなく、
これから働く人の初任給も上げて、
日本全体で生涯年収を増やさないと、
今の子ども達には絶望しか残らない。
とは云え、現状を否定したところで今直ぐに世の中は変わらない。
今はその様なシステムの日本で生きるしかないので、
椅子取りゲームを勝ち取って少しでも良い就職にありつくしかない。
それには日本特有の就職システムである新卒カードを大切にして欲しい。
日本の就職事情は新卒に優しく既卒に厳しい。
自分は新卒カードを大切にしなかったけど、
ハッタリと押しの強さで世渡りをしてきた流れ星さんは、
運が良かっただけなので真似をしないで下さいね。
『所見』
・自分が新卒で入社した会社は悪くはない会社であった。
・大手から比べると同労条件は悪かった。
・失われた30年は物価が緩やかにしか上昇しない事が前提の世の中。
・急激に物価が上昇している昨今では賃金を見直す必要がある。
・物価は1年で2%も上がらない事が多かった。
・失われた30年でも主要企業の昇給率は毎年約2%であった。
・主要企業でも初任給はこの20年で約6%しか上昇してない。
・物品によっては急激な物価上昇が発生していると思われる。
・初任給は物価の上昇に追い付いていないと思われる。
・労働条件の良い会社で良い評価を受ければ物価上昇に追い付ける。
・云い換えれば労働条件が悪い傾向の中小企業では生活レベルは低くなる。
・大手が良く中小が悪いのは飽くまで傾向のお話。
・悪い大手もあれば良い中小もあるがその確率は低い。
・どうやって収入を増やすか考えて努力すべき。
・兎に角、スタートライン(新卒)が大切。