
夜の南風が夏の匂いを届け
ホタルがすべり落ちて幸せ溢れ
「アナタニコイシテコイコガレ」
episode - 2
ぐう~
日曜、昼の11時半。ショッピングセンターに着いた途端、わたしのおなかが鳴った。だってあっちこっちからいい匂いがするんだもーん。
ウィーン...カタカタカタ...
『ドチラヘイカレルノデスカ・オジョウサマ』
「んー?しろみんちゃんとついてきてねー」
しろみんって、AIロボットの名前。ちっちゃいしカタカタ動くし、なんかかわいいし、今日は一緒にショッピングセンターで買い物するのだ。
『クツウリバハハンタイデス・オジョウサマ』
「いいからついてきてー」
お目当ての靴を買いにきたんだけど、足はまっすぐにフードコートに向かってる。人生気の向くまま足の向くままって誰かが言ってたもん。いいよね。
ウィーン...カタカタカタ...
『オマチクダサイ・オジョウサマ』
「もうちょっとだよー」
『オジョウサマ・オジョウサマ』
「...」
『ヒトリボッチ二シナイデ・オジョウサマ』
「...」
バタン!
その音でわたしはハッとして振り返った。誰かとぶつかったのか、しろみんが倒れちゃってる。ちっちゃいしろみんが遠くにいてもっとちっちゃく見えた。
ウィーン...カタカタカタ...
『オジョウサマ...』
しろみんごめん!泣きそうなくらいにごめん!おなか空いてて足の向くまま生きちゃってたわたし大反省しかない!しろみん待ってて!今走って助けにいくからね!
テテテテテ...
「ごめんしろみん大丈夫っ?!」
ウィーン...カタカタカタ...
『ダイジョウブデス・オジョウサマ』
「よかった!けがしてない?」
『ダイジョウブデス・オジョウサマ』
「ほんとごめんねー」
『イインデス』
「これからはちゃんと一緒に歩くね」
『キニシナイデクダサイ』
「しろみんって優しいね」
『ドウセクウフク二マケルテイドノミブンデスカラ』
「なんか嫌みたっぷりね...」
......
日曜、昼の11時45分。フードコートにいるわたしとしろみん。人がいっぱい!誘惑もいっぱい!とりあえず一周ぐるりとまわってみる。わくわく♪
ウィーン...カタカタカタ...
『ハラゴシラエデスカ・オジョウサマ』
「なんかしろみん武士っぽーい」
『ガイショクハウシニナリマス・オジョウサマ』
「どこでそんな言葉覚えてきたのよ~」
うどん、ラーメン中華、韓国ビビンバ、海鮮丼、ハンバーガーショップ、クレープ屋さん、ソフトクリーム、たこやき屋さん...うーん迷っちゃうよー。
『ナニヲタベルノデスカ・オジョウサマ』
「ん~?」
『マヨッテイルノデスカ・オジョウサマ』
「そうねー」
『イソガバマワレ・オジョウサマ』
「いやそれ使いどころ間違ってるー」
『ソロソロアルキツカレマ...』
「これにきめたー!たっこやきー♪」
『ヤットキメタカ・オジョウサマ』
「なんかタメぐち...」
......
日曜、昼の12時。今、わたしの目の前にはたこやきがいる。焼きたてで中はとろとろのたこやき。たこやきという名の幸せ。つまりそういうこと。
ウィーン...カタカタカタ...
『コレハナンデスカ・オジョウサマ』
「えー知らないのー?」
『マルヤキデスカ』
「...変な言葉は知ってるのね」
しろみんてば変なの。でもやっぱりしろみんかわいいな。お外で一緒にランチなんて初めてだけど、案外楽しいかも。しろみんはどう思ってるのかな。
『タベナイノデスカ・オジョウサマ』
「まだーたこやきってあっついんだからね」
『ヤケドシソウデスネ」
「そういうこと」
ウィーン...カタカタカタ...
『フウフウシマショウカ・オジョウサマ』
「あはは」
『ドウシテワラウノデスカ』
「たこやきはふうふうしたって無駄なのよ」
『?』
「中のとろとろにふうふうは届かないでしょ?」
『タコヤキハガンジョウデスネ』
「まあそういうこと」
......
『マダタベナイノデスカ・オジョウサマ』
「えーまだ熱そうだけどー?」
『オソラクモウダイジョウブソウデス』
「えー?ほんとにー?」
『チョウセンアルノミデス』
「わかったわよ~あーん...あっつ!!」
『デショウネ』
「なにそれー?!いじわるしないでよー」
ウィーン...カタカタカタ...
『キットモウダイジョウブデショウ』
「やだー、絶対うそだしー」
『...』
「はーい図星ね」
『イソガバマワレ・オジョウサマ』
「...だからそれ使いどころ間違ってるって」
......
日曜、昼の12時半。やけどしながら食べるたこやきはやっぱり最高だった。こんなに楽しいならまた来たいな。
『カンガエゴトデスカ・オジョウサマ』
「...ちょっとね」
『オシエテクダサイ』
「ん?うん...たこやきまた食べたいなって」
『オヒトリデデスカ』
「そんなわけないじゃん」
『...』
「ん?しろみん?」
『ダレトデスカ・オジョウサマ』
「...なに、気になるの?」
『オシエテクダサイ』
「やーだよ」
ウィーン...カタカタカタ...
『マタタベ二クレバイイデスヨ』
「そうするー」
『...』
「いつにしよっかなー」
『イッテラッシャイマ...』
「もうバカね!あんたと一緒に食べるの!」
ウィーン...カタカタカタ...
『...ハイ・オジョウサマ』
......
「じゃあしろみん、靴買いに行こっか」
これはロボットが一般女子に恋をする未来の物語。
その関係はあくまでも一般女子はご主人様であって、
ロボットは雇用契約を結んだ使用人でしかなく...
思ったとしても叶うことはない恋。
そんな未来の物語。
あ、ロンパメです。
第二話となるこの物語の制作者サイドの制作意図としては儚い恋という誰しもが経験しそうなシナリオを大筋として展開しつつロボットが人間に恋をするなんていうまさかそんなありえないドラマを強引に組み合わせてえぐいほどのギャップを生み出すことで壮絶な笑いとドキドキな感動が巻き起こるウルトラダブルアップチャンスストーリーによって見てくれたほぼ全員がなんとなくでもほっこりして素敵な人生を歩んでいってくれたらいいかなって感じだったけど現実はそううまくはいかなくてこの物語を知ったほぼ全員がネット通販で¥26,800で買ったAIロボットを連れてショッピングセンターに駆け込んだ結果AIロボットたちがショッピングセンター内で転びに転んじゃって週末をショッピングセンターで楽しく過ごしたい家族という家族から『なんかアレ邪魔なんですけど』っていうクレームにつながっちゃって困り果てたショッピングセンターの店長がショッピングセンターのすべての入り口に『ロボット進入禁止』の立て看板を置こうか置くまいか夜な夜なひとりで悩んでいそうでしたが、先日は峠に行ってきました。
以前に峠に行った際は、峠の中腹で断念して峠の中腹にある神社でクル活をしましたが、今回は本当の峠でクル活をしてきました。
☆以前の“友達はクロミちゃん”ブログはこちら
神社の鳥居と、しろデミちゃん
ただ本当に残念なことに、私には峠をザザザッと攻められるような運転技術が無いのは確かなので、峠に差し掛かったところにある駐車場でのクル活となりました。で、そんな峠に差し掛かったところにある駐車場で壮大な空と山をあざとく利用してかわいさを盛りまくったしろデミちゃんをご覧ください。
それってこんな感じかも!

(盛りがえぐい)
どうでしょうか。

(距離感がえぐい)
恐怖の峠にいるとは思えないかわいさ。

(どんな峠だよ)
じゃあみんなも盛っていこうか!

(断る)
さて、峠にいようが神社にいようが永遠のかわいさ(言い過ぎ)がそこにはありました。なのでシャッターを押す回数が自然と増えていってしまって、この日はちょっと写真を撮り過ぎました。だいたい1000枚(言い過ぎ)くらい撮りましたが、その中からかわいいが最高な4枚にまで厳選してみました。
こんな風にね!

(今はその厳選力に驚いているよ)
厳選するのに丸一日かかりました。

(逆に落選した996枚が気になる)
THE・峠映えの3枚目。

(峠感ゼロ)
みんな一緒に Let's 峠映え!

(賛同者ゼロの予感しかない)
“毎朝食パンを食べるように
毎朝君におはようを言いたい”
ほら、焼く前の食パンってまっ白じゃない?
だから、やっぱりしろデミちゃんはかわいいです。
ロンパメバーグ
Posted at 2024/06/16 23:08:24 | |
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