真冬の駅そば夢物語
それは一味をかけすぎた物語
「解かれた緊張ブラックインパクト」
「...そうだね、人の記憶について少し触れていこうか。
まずはみんな思い出してみてくれ。おとといの夕飯は何を食べたかな?...さあどうかな?......みんな、思い出すのに時間がかかったようだね。しかしね、人の記憶というのはそういうものなんだ。と言うより、人の記憶というのはそういう風にできているんだ。実は私たちの脳には、新しい記憶と古い記憶をそれぞれ置いておく場所があってね、これがどういうことかと言うと...ん?そろそろ時間かな。
さあ今日はここまで。続きはまた明日にしよう。明日も出席する人は、教科書の722ページから予習してきてください」
パタッ ...ぞろぞろぞろ
ガチャ ...バタン
ん?君は...?城実新聞?あぁそうかそうか今日だったか、いいよいいよまあとりあえず座ってくれ。
いや、突然取材したいだなんて連絡をもらって、正直驚いた訳だけど。何、君が城実新聞の記者なの?私がする話なんてつまらないと思うけど、それでもいいのかね?...って、そんな質問攻めにしても困らせるだけだね。ははは、いいんだいいんだ、すまないね、そう、君は何も悪くはない、様々な分野の記事を書くのが新聞社の仕事だからね。
じゃあ早速、私の体験談を交えつつ話をしていこうか。
私はこの学校で週に2日、非常勤で脳科学の講師をしている者だ。
脳科学というと難しそうに聞こえるかもしれないが、実はそんなことはなくてね。例えば私たち人間は様々なものを見たり聞いたりするけれど、目や耳の役割としては、それらを「見たよ」「聞こえたよ」といった単純な動作としての情報を脳に送る訳だ。脳ではその情報を確認し、これまでに得た知識や記憶や経験と照らし合わせて、その物や音が何なのかを認識する。
つまり、私たちの脳の働きというものは実にシンプルでありながら、生命活動においては非常に重要な役割を担っているという、まあそんな程度の話を、大げさに脳科学という言葉で、脳の仕組みに興味を持つ学生に講義をしているということだ。
さて、脳科学を専門としていながらこのようなことを言うのも気が引けるが、先日私は、脳科学をもってしても説明のつかない出来事に遭遇してしまった。それは、これまでに経験したことが無い、そして、これまで何もかもを知った気でいた自分が情けなくなる程の衝撃的で不可解な出来事だった。
今すぐにでも君にこの話を聞いてほしいところだが、脳科学的に、そもそもどういったことが不可解であると考えられているかを説明させてほしい。いくつか例を挙げさせてもらうが、ある程度の衝撃は覚悟してほしいし、これを聞いた以上もう後戻りはできない。現実は、不可解なことの連続だ。
不可解例 - 1 常識などは覆って当然
今は冬の終わりとはいえ、気温は一桁台でしかも夜。待ち合わせた彼女が手に持っていたのは紛れもなくアイスコーヒー。
不可解例 - 2 グミの在庫処分が本気
正月、高級ブランド米20kgで¥3,000という破格の値段の福袋を購入するともれなく地場産フルーツをふんだんに使用したフルーティーな味わいグミ40g入りが20袋ついてくるという謎仕様。
不可解例 - 3 え? 左側? なにそれ
大きなタマネギ型のまあるいドームの中でバレンタインイルミネーションイベントをやってるっていうから見に行ってそのドームの中を反時計回りに歩いてたんだけど右側はキューティーハートイルミとかラブリーLOVEイルミとかいかにもバレンタインぽいやつでいっぱいにかわいくデコレーションされててバレンタイン感満載で素敵だったからあぁ来てよかったねっていい感じになってたのにちょうど真ん中を過ぎてドームの左側に入ったあたりから急にイルミネーションゼロになってハートすら見当たらなくて結果それはもはやただの大きなタマネギ。
コツン コロコロコロ
ははは、驚いたようだね。大事なボールペンを落としたぞ。まあ当然だよ。あまりに不可解な出来事過ぎて、自分で説明していながら、私もその時のことを思い出して改めて衝撃を受けてしまうほどだからね。しかしだ、これらが脳科学的に不可解な出来事の最たる例なんだ。
ん?大丈夫かい?まあ落ち着いて。そうだコーヒーでも入れよう。はははいいんだよ気にしないでくれ、私こそ話すのに夢中で客人に何のもてなしもせずに、気が利かなくてすまないね。私の悪い癖だ、ははは。あ、ブラックでいいかね?
フーフー ズズ
さて、と...心の準備は出来たかな。ひとつ注意しておくが、これから私が話すことは、一般の人たちにとっては当たり前に聞こえてしまうかも知れない。だが、脳科学的には全くもってあり得ないことなんだ。つまり、君がこの話をどのように捉えようとも、脳科学的には間違いなくあり得ないということを承知した上で記事にしてほしい。
おっと、いけないな。友人からよく忠告されていたんだった。
「先生のお話は前振りというものがあまりにも長過ぎて聞いている側がイライラとしてきてしまいますから、それでもわたくしの前ではそのようなお話の仕方であったとしても一向に構わないのですけれど、他のお方にお話しをされる際には十分お気を付けてくださらないと」
とね。
さあ、本当に前振りが長くなってしまってすまないね。
ここからが核心、まずは題目。
『 無負荷ダイエット
-脳科学では説明できなくて困る- 』
あ、これ記事の大見出しで使ってくれて構わないから。
コホン
では、私が遭遇した、衝撃的で不可解な出来事の話をしよう。その日私は、ダイエットに取り組む女性の友人と話をしていた。その友人は一週間で2kgほど痩せたと言うし、一体どんなダイエットをしているのか気になった私が、その友人にこっそりと聞いてみた時の話だ。
「やあ久しぶり、元気そうじゃないか」
「あら先生こそお元気そうで何よりですわ」
「あれからどうしてる?」
「今は准教授としてなんとか、ですわね」
「ほう、立派なもんだ」
「これも先生のおかげですのよ」
「ははは」
「うふふ」
「ところで失礼な話だが」
「何です?」
「少し瘦せたんじゃないか?」
「さすがは先生、全部お見通しですわね」
「んー、5kgほど痩せたか」
「そんなに一気には痩せられませんわ」
「そんなものなのか」
「ええ」
「じゃあ2kgほどかな?」
「そうですわね、この一週間で」
「一週間?!」
「ええ、一週間で2kg減ですの」
「一体何をしたらそんなに痩せられるんだ」
「恥ずかしくてお答えできませんわ」
「ははは、まあいいじゃないか」
「意地悪はよしてください先生」
「私も参考にしたいんだ頼むよ」
「...先生がそこまでおっしゃるなら」
「うむ」
「...スキップはふとんの中で」
...あ、ロンパメです。
夜寝る前にふとんの中でただひたすらにスキップを繰り返し行うという極めて効果の薄い謎ダイエット情報が全国紙の紙面を賑わせた結果その謎ダイエットを試みる人が全国同時多発的に続出してしまいしかもそれを試みたほぼ全員が “スキップするなら掛ふとんは軽い方がいいよね” って思って羽毛ふとんの争奪戦が始まってしまってそれを知った世界各地に生息するガチョウやアヒルといった水鳥たちの顔が青ざめていそうでしたが、先日はとある家電量販店の駐車場に行ってきました。
恐らくですが、こちらの家電量販店はいわゆるほぼ全員が知っているような家電量販店ではなく、知る人ぞ知る的なたたずまいのローカル家電量販店だなって思いました。
それってこんな感じかも!
(いや超大手家電量販店だよね)
みなさんご存じないでしょうね。
(いやもはや壁の色だけで分かるし)
ん?看板が見える...やっぱり知らないですね。
(繰り返すが茨城県に本社を置く超大手)
高さ制限があるなんてイジワルですね。
(大丈夫、君は心配しなくていい)
そんなの関係ないねッ!
(なんとぉー!!)
さて、この場所は実は、マツダセーフティチェック(MSC)の後に立ち寄ったのですが、ちょっといい天気だったので透き通った青空と透き通るようにかわいいしろデミちゃんのクロスオーバー構図で写真を撮影したいと思いました。結果、しろデミちゃんの際限のないかわいさが青空いっぱいに広がっていきました。
こんな風にね!
(それ地面な)
やっぱり構図って大事ですよね。
(曇り空クロスオーバーだよね)
あら、おやつの時間だわ。
(ん?)
この 無礼者 !
(え、なんか急に怒鳴られた!)
“ずっと一緒だったよね
この先も君のことをもっと知りたい”
瞬間瞬間を切り取ってみる、ほらね。
やっぱりしろデミちゃんはかわいいです。
ロンパメバーグ
Posted at 2024/03/02 17:58:39 | |
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