
この先春になったら
家の裏手で育つ竹の子を見かける絶対
「基本無理ゲー巻き起こせ夢のクロスゲーム」
♯特別展示
『 勇気をくれる言葉展 - The True Courage - 』
...え~ただいまご紹介に与りました、当美術館の学芸員であり副館長を務めております、城実と申します。本日はこの特別展示の解説をさせていただくわけですが、最初に皆さんにお聞きします。実はもうすでに展示をご覧になられたという方はいらっしゃいますか?...はい、いいですよ手を挙げていただいて...いち...に...さん...はぁー!そうですかそうですか!なるほどよくわかりました。それでは皆さんもう手を下ろしていただいて結構ですよ。
というわけでですね、本日は皆さん当美術館へようこそお越しくださいました。早速これから解説を始めていきたいと思います。
今回の特別展示の題目ご存じですよね?...そう、『勇気をくれる言葉』ですよね。つまり、皆さんは何かしらの勇気がほしくて今ここにいらっしゃる。そして最初にお聞きした、すでに展示をご覧になられた方はすでに勇気を手に入れているはずです。もうそんなの目を見れば分かります。正直手を挙げてもらわなくても分かっていたんですよ私は。みなぎっているんですよ勇気が。つまり、すでに展示をご覧になられた方はこんな風にご自身でも感じていらっしゃるのではないでしょうか。
『え!なんかわたし勇気しかなくない?!』
『今勇気すさまじくてオムライスおかわりしそう』
『勇気と無謀の境界線など最初から無かったのか』
『心境マジパラダイス勇気』
『誰か気づいて、この勇気』
『勇気代1,500円とかマジお得感が神そのもの』
『なんかさーこの辺勇気渋滞してない?』
『勇気って見えないけどみんな持ってるんだよね』
『日本の奇祭、勇気100年記念祭はじまる』
『焼き鳥をお箸で食べる程度の勇気』
『その勇気、見境なく』
どうですか?展示をまだご覧になられていない方はさぞかし驚かれたことでしょう。でもご安心ください。この展示をご覧になれば皆さんこうなりますから。
さてここから本題に入っていくわけですけれど、この特別展示『勇気をくれる言葉展』では、実に580もの言葉が展示されています。そしてそのひとつひとつが私たちに勇気をくれるわけですが、人によってその感じ方は千差万別です。これがどういうことかと言うと、その言葉の通りです。
それで、その580の言葉のすべてをここで今解説するというのは非現実的ということで、絞りに絞って厳選した6つの言葉を解説させていただきます。この6つの言葉に関しては誰でも共感できて、間違いなく勇気をくれる言葉となっています。耳にするだけでも勇気が湧いてくるほどの言葉の真意を知ることで、より深い勇気を手に入れることが出来るでしょう。すでに展示をご覧になられた方も、これからご覧になられる方も、ぜひ最高の勇気を持ち帰ってください。
ちなみに昨日もこの解説をしておりまして、来場された方に『この解説を聴く前と聴いた後で心境に何か変化はありましたか?』という質問をしてみました。するとこのような答えが返ってきました。
『本当の勇気はみんなを平和にするんですね』
『悩んでいた時間は壮絶な無駄でした』
『愚問ですな』
『心境の変化っていうか生まれ変わった的な』
『心境マジカーニバル勇気』
『勇気ダダ漏れでアレがバレそうでこわい』
『もはやそういうレベルの話ではない』
『やだそんなこと聞いてどうするつもりですか』
『魂胆見え見えで勘違い勇気炸裂』
『ハートが磨かれたので勇者気取りです』
『冷やし中華はじめました』
という感じで、来場された方のほぼ全員が勇気を手に入れられて満足されたご様子でした。これは解説する側としてもうれしい限りです。
さあ前置きが長くなりましたが、先ほど申し上げた通りこれから6つの言葉のご紹介と解説をしてまいります。ひとつひとつお聞き逃しのないように、集中して、勇気を正しく理解していただきたくよろしくお願いいたします。
それではまいりましょう。
『 勇気をくれる言葉 - To Carefully Select - 』

-解説-
勇気とは何か...そのことを考えた時、真っ先に思い浮かぶほど私たちに勇気を与えてくれるこの言葉。勇気をくれる言葉の群の中では歴史的とも言えるほどにかなり古い部類のもので、すでに各国の言語で訳され世界中を飛び回り、勇気を惜しげもなく供与してくれている。
ぎょうざ一人前は6個という世界共通認識...いや、常識という枠を超えてまさかの15個という尋常ではない数のぎょうざを一人前だとサラッと言い放つ挑戦的な言葉に、聞いた者は確実に勇気が奮い立つというストラクチャー。そう、愛と勇気があれば何個だって食べられる。

-解説-
勇気をくれる言葉の群の中では比較的新しい部類に入るこの言葉。私の経験則にはなるが、勇気をくれる言葉ではないように感じる人が多いというある意味謎めく言葉。しかし、この言葉の作者の深海のそれよりも深い想いを汲み取ってほしい。文尾の『ま、いっか』にとてつもない勇気が込められているのだから。
人は勇気次第で仏にも鬼にもなる。寛容の精神。溢れんばかりの勇気を備えていれば、戦慄の光景を目の前にしても動揺したりしないものだ。...みんな、勇気を持とう。

-解説-
伝説というのは勇者が作るもの、という多くの人々の固定概念を軽くあしらうかのような偉大なひと言。全国の洋食屋をはじめとして、各家庭においても日常的に作られ食べられているナポリタンを伝説と言い放つ、もはやそこには作者の勇気しか感じられない。
この作者が何をもってナポリタンを伝説としているのか。残念ながらそれを推し量る術は現代ではすでに存在せず、本当の意味で伝説となってしまった言葉。故によくある勇気もらえる系の展覧会では煙たがれる存在。だがあえて私見を言わせてもらうとすれば、冷製パスタやスープパスタ、さらには濃厚海老トマトクリームパスタなどの新参者を伝説と呼ぶには躊躇するし、なにより私はナポリタンが好きだ。

-解説-
人の心の奥を揺さぶり嘲笑うかのようなセンセーショナルな言葉。聞く者の勇気を試すかのような極めてアグレッシブな言葉。その反面、勇気をくれる言葉の群の中でも非常にプログレッシブな部類に入るという、世俗的な言い方をすればイケイケエキサイト。
この言葉はその性格上意味を誤解されやすく、『あ~今日の言葉染みたわ~今の俺って勇気しかないわーってわけでこの焼きたてのたこやきを一気に口に入れちゃおっかなー...ん?そんなのやけどするからやめろって?...あっははは!平気だって!俺勇気すごいんだよ今?...てか、いいじゃん別にやけどしたって』といった具合に間違った勇気を手に入れた人たちのやけど事件が後を絶たない。だがしかし、それも想定内か。

-解説-
初心者向けという訳ではないが、親しみやすい言い回し、丁寧に、かつストレートに勇気を感じられる一品。今回の特別展示でもひと際大きく展示されているし、メインポスターにも採用されている。というか、一度は聞いたことがあるという方も多いのではないだろうか。それくらいに有名な言葉。今となっては投げるシリーズの第一弾として神のように崇められている。
賽銭箱にお金を投げ入れ、お祈りをする。これは初詣などでよく見られる光景。皆がお祈りに全力を注ぐ中、賽銭箱にお金を投げ入れることに全力を注ぐというありそうで無かった勇気のお話。勇気は千差万別...そう、自由なんだ。

-解説-
言わずと知れた投げるシリーズの第二弾。遡ること約50年前、作者匿名ながら彗星のごとく現れ、世界中に勇気を振りまいた言葉。因果関係は今なお精査中ながら、当時世界規模で経済や産業が活発に動き始めたことから、各国のGDP水準を押し上げた要因のひとつとも言われている。
私の知る限り投げるシリーズは現在のところ第八弾まで登場しているが、この第二弾の勇気加減は圧倒的だ。これからビビンバを食べようとしている人の『あ、ごめんちょっと温泉卵とってくれない?』に対する返し言葉。そしてとにかく早く温泉卵を相手に届けることを優先した場合に使いたい言葉。温泉卵は投げてはいけないものではないが、投げるものでもない。そこには『割れる』というリスクが存在するからだ。だが、どれほどのリスクを負おうが、実際に割れてしまいそうな危殆に瀕しようが、投げた温泉卵の最終着陸地点がビビンバの上であればそれは勇気でしかないでのだ。これこそが勇気のパラドックス。
いかがでしたか?...はっはぁー!どうやら皆さん、勇気の核心に近付けたみたいですね。しかしこれで終わりではありませんよ。解説のおまけスペシャル、勇気を欲しがるわがままな皆さんへ送る、私の取って置きの勇気の言葉を最後に本日はお別れです。
この言葉を聞いた時私は『あーきたー斬新系の勇気きたー最近ありきたり勇気多めだったからたまにはこういうのもいいよね』と思ったものです。
それではまいりましょう。
『 勇気をくれる言葉 - Special Edition - 』

-解説-
バレンタインデーにチョコレートを渡すという儀式を過去のものにすべく、全国の和焼菓子メーカーが結束して壮大な計画のもとに世に放たれた勇気の言葉。この言葉が生まれたのは約30年前。各和焼菓子メーカーの経営陣による集中マネジメント会議の中で『バレンタインデーってチョコレートだけ売れてなんかずるくない?』という思いからチョコレートに寄せたチョコレート風和焼菓子を製造するのではなく『いやだったらそもそもバレンタインデー自体無くせばよくない?』という無遠慮かつ大胆過ぎる発想に行きつく。
元気のない人にはとにかく桃山、気負いせず楽な気持ちでとにかく桃山、大切な人への贈り物にとにかく桃山、好きな人へ告白するならとにかく桃山、暑い日も寒い日もとにかく桃山、笑えた日も泣いた日もとにかく桃山。そんな風に展開した『とにかく桃山ゴリ押し大作戦』だったが、確かにその年の桃山の売り上げ高大幅増や全国的な桃山への意識の変化は顕著であって目を見張るものがあった。つまり、勇気の力で常識の壁を超えようとしたのだ。...しかしバレンタインデーの歴史の壁はあまりにも高く、その力及ばず、現在でもチョコレートと桃山の需要という立ち位置に大きな変化は無い。修羅の妄執...ほら元気だして、はい桃山。
あ、ロンパメです。
この謎解説を聞いてしまったほぼ全員が勘違い勇気を胸に帰路に就いてその道中『よし、明日からはとにかく桃山』って感じの謎モチベーション高めになってとりあえず桃山買わなきゃってなって美術館付近のスーパーで桃山を買い占めてたらそのスーパーの店舗マネージャーが桃山が売り切れていることに気付いちゃってすぐさま店長を呼び出して『あのさ、桃山売り切れてるの気付いてる?品切れがあると客が“なにこのスーパー売り切ればっかりだわ”って思っちゃうからつまりスーパーとしての質が下がるんだよってあれだけ言ってたのになにやってんの?!」って怒鳴り散らした結果スーパーの店長は“なんで急に桃山ばっかり売れるんだよ?!”って感じでむしゃくしゃしながらレジ打ちの応援に入ってたら桃山目当ての客同士の「美術館で桃山の話聞いて買いに来たけど売ってなかったわ」っていう話を耳にして“これは?!”って思った店長が逆恨みで美術館の城実という副館長は勇気ゼロの臆病者だなんていう根も葉もない噂話を店中に流して憂さ晴らしをしていそうでしたが、先日はガードレールクロスオーバーに行ってきました。
ガードレールと言えば不測のアクシデントから私たちを守ってくれるものですよね。普段は気にも留めないけれど、そんなガードレールとクロスオーバー。で、そんな普段は気にも留めないけれど実は重要な役割を担うガードレールのそばにいたしろデミちゃんは『おんなじ色、奇遇だね』って感じでガードレールに妙な親近感をおぼえてテンション&かわいさうなぎ登りでそれってつまり不測のアクシデントかも!!
こんな風にね!

(停車しているだけだよね)
斬新クロスオーバー。

(いやだから停車しているだけだよね)
ガードレールも悪くないですね。

(その感情が不測のアクシデント)
いつかきっと、ね。

(え?)
さて、前回のブログ投稿から1か月以上が経ってしまいました。実は写真も7月に撮影したものです。めくるめく大人の諸所の事情によりこのような形になってしまいました。そして8月。運転免許の更新、MSC(マツダセーフティチェック)、お盆、花火まつり、揺れる風鈴、実る夏野菜、心ざわつく冷麺、落ち着きを取り戻してアイスミルクコーヒー、アザラシ優遇しがちな水族館。夏はやりたいことがすっごくあってワクワク♪
それってこんな感じかも!

(そっか)
あ!サイレンだあぶない!

(うんうんそっか)
いっけぇーっ!!
(なんとぉー!!)
“時々不思議に感じるけれど
今確かに僕のとなりには君がいて”
いつからか、
MSC(マツダスーパーキュート)代表でした。
やったね!
うん、やっぱりしろデミちゃんはかわいいです。
ロンパメバーグ