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2014年09月21日

東欧の鉄道と自動車

東欧の鉄道と自動車

旧共産圏、社会主義の国は1989年後半に、雪崩を打ったように
国是を転換した。

その当時、新聞社にいて、毎日ニュースを追い掛けていた私は、その後の
1991年の湾岸戦争までが、一つの時代の転換点だったと見る。

新聞小僧には、ニュースはバッターボックスで飛んで来る球の一球に過ぎず
なんのことだが深い意味は考えていなかった。

あれから何十年も経ち、今の世の中に繋がる流れのことや、その15年後に
行ったバルカン半島鉄道の旅で、いろんなことや長い歴史の目で見て
1945−1989年の44年間は暗い時代とひと言で言えるのか、今でも考えている。



タイトルと次の、セピアの写真はルーマニアの駅だ。そしてカラーの朝早い風景は
ブルガリアである。





低いホーム。列車を待つ人の姿。そして電気機関車が引く長い客車列車は
日本でも1970年代には、比較的都市近郊でも、残っていた。仙台、札幌、北九州
あたりのことである。

私はそれが電車の頻繁運転になった今でも、方式がベストか、すぐに考えてしまう。

東欧の風景は、国力が小さいので貧しい。この貧しいと言う表現は正しいのか
今はそのことも、考えている。

ブルガリアでは、パスポートに入国、出国の判を押されただけで、プラットホーム
上にときどき、降りただけである。
そんな旅って、想像がつくだろうか。

同じコンパートメントの、がっしりした5歳上の男性は、ルーマニア人で、
英語が出来た。船乗りらしい。
仕事が終わったので、アレキサンドリアで上陸して、故郷に帰る。
首都ブカレストに住んでいるらしい。

この人がいなかったら、真夜中のトルコ出国、ブルガリア国境での深夜の
列車入国は、遥かに心細いものであっただろう。

真っ暗な駅構内を200m以上歩かされて、その間、荷物はコンパートメントに
置いたままである。海外旅行を一人ですると、度胸はつく。
しかしどこでどんな運命に合っても、文句は言えない。





これは前日に、夜行列車の切符を買いに行った、イスタンブールのシュルケジ
駅である。ここから出発した夜汽車は、真夜中の古代ローマの遺跡の街を抜けて
ギリシャに近い、国境の町、エディルネ(アドリアノープル)に向かう。

この3日半の鉄道旅行は面白かった。
ルーマニア国鉄の汽車(車両、箱)はバルカン半島をくまなく走っている。
昔の大国の片鱗、共産主義の優等生だった証拠なのだろう。
機関車はトルコ、ブルガリア、ルーマニアで替わり、翌日の夕方頃、
寒々としたダニューブ(ドナウ)川を渡り、終点のブカレストに着いた。

ここで駅前のチェルミナと言った名前の安宿に泊まった。
シャワーも壊れて、国内では信じられないユース級であるが仕方が無かった。
夜の町に絶対出てはいけない。なぜならお前は、そこで「友達になろう」と
声をかけられた男に、メディスン(酒に薬を入れられて)殺されて、
変わり果てた姿になるだろう。

イスタンブールで3日泊まり、親しくなったイン(宿)のおやじが、次の訪問地を
ブカレストと言ったとたんに、顔色が変わり、忠告した。
私はびびったが、それでもチェックインした後は、外の町が見たかった。
アルコールは駅のキオスクで買ってその場で立ち飲みしてラッパ飲みした。

これならメディスンは入れられないだろう。
酔っぱらわない程度に、ブカレストの町を見て歩く。古いダキアと言う言葉の
響きに憧れる。この国のオンボロルノーたち。

ブカレストの淋しい市場で、パンを買ってみた。
その娘は精いっぱいの笑顔で渡してくれたが、包み紙も袋もなく、そのままである。
私は一瞬、はっとしたが、女のコのくれたお釣りは合っていたと思う。
寒い心の旅にほんのちょっと、灯がともり、私はその晩固いベッドの上で
寝返りを打ちながら、旅することの意味を、反芻していた。



ブログ一覧 | 鉄100% | クルマ
Posted at 2014/09/21 07:57:50

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