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2014年12月02日

【試乗】ロータス・エリーゼ

【試乗】ロータス・エリーゼ 説明不要

免許を取ってたった8年、思えばかなりの数のクルマに乗せて頂くことができました。
そのうち、まこと感動したクルマを思い出すと片手程しかないことに気づきます。
今回ご紹介させて頂くのは、その1台であるロータス・エリーゼです。


ロータス・エリーゼの成り立ちを簡単に説明します。
・シャシーはアルミ製でボディはグラスファイバー繊維強化プラスチック
・エンジンはトヨタ製1.6Lまたは1.8L+スーパーチャージャー。トランスミッションは6MTのみ。
・全長3.8m、全幅1.72mのボディは車両重量900kg(1.6L)を達成。
 (1.8L+スーパーチャージャーモデルは車両重量950kg)
・ボディタイプはタルガトップのみ。脱着式ハードトップはオプション設定。
・ABS、デュアルエアバッグ、エアコンは標準装備。ただしそれ以外は設定すらなし。
…一言で言い表せば「走るためのものしかついていない」ことになります。

今回乗せて頂いたのは1.6Lモデルの標準モデル、ホイールサイズは1パターンのみで前16インチ、後17インチの組み合わせのみです。
軽く市街地を流しただけではあったのですが、この車の神髄ともいえる「走る楽しさ」は十二分に存在を主張してきます。
それは挙動のすべてがクルマにフィードバックされ、クルマのすべてが人間にフィードバックされる…様な感覚を持てるからです。
同じカーブを走っていても、スロットルペダルを踏むか放すかでステアリングの操舵力が変わります。ステアリングにはパワーアシスト機能がありませんが(いわゆるパワステレス)、停車状態から走行中まで、操舵力は重すぎず軽すぎず適度な手応えを感じます。
サスペンションは想像する(=遊園地やミニサーキットのゴーカート)よりも硬くはなく、むしろ「柔らかい」と言っても差支えないのでは?と思うほどしなやかです。マンホールや舗装の継ぎ目を乗り越えても跳ねる印象はありません。しっかりと ”いなして” くれます。
ソフトトップは開けていましたが、風の巻き込みは気になるレベルではなく、大型サンルーフと同程度です。
エンジンパワーも日本の道路事情には1.6Lでも十二分で、もし不満を述べるとすればその音に刺激的な何かはない…程度だと感じます。

このクルマのすべては「走るため」に設えてあり、走ることでしか魅力を伝えられないクルマの一つである、そうとも言える気がします。
しかしそれではただの「感想文」ですので、簡単に「その理由」を考えます。
このクルマのシャシー構造上、シャシーのみで走行中の力を受け持っているのでドアの開口部にある敷居(サイドシル)が非常に太く設計されております。
こうすることによって、シャシーで受け持つ力をより大きくとり(=剛性を高く)、万が一の人間を守るスペースを大きく確保することができたのです。
ただし人間が乗り込む際には非常にツライ(=乗りづらい)思いをするのですが、人間は横から見ても、前(後)から見ても、上(下)から見ても車両中央部に座ることになります。

加えて、このクルマはエンジンをミドシップ搭載している上に全長が短く、クルマの車両中心近くに乗員とエンジンが置かれている状況になります。
つまりは、運動性能に関して非常に有利なパッケージングを得たことになります。
加えて、よい素質を得たことによってクルマを小さく作ることにも成功し、その功績は車両重量の軽減によって表すことができたのです。

それだけではなく、さらに車両重量を軽くするためにアルミのシャシーを作り、ボディはFRPでより軽く風の抵抗を受けにくい形状を作ることに力を注いだのです。加えて、シャシーで剛性を持つ設計にしたので屋根の有無に関係なく剛性は変化しないので、屋根まで無くしてさらに重心を低く設計したのです。これによってオープンドライブも得ることができました。
そうすることでさらに車重を軽く、重心を低くすることができたので、(同じ長さなら)バネを柔らかくしても縮み切ってしまうこともなくなって乗り心地も良くすることができた。
…つまりは「走るため」に必要な技術と知見を惜しまず投入したのだと考えます。

私はそんな、たかが1.6Lで136psの小さなクルマに魅せられたその中身は、何とも言い表せない気持ちよさと、それを達成するために考え抜いた技術者の知見が優れていたことです。
このことから分かったことは、もう一つありました。それは
「真に優れたスポーツカーは、交差点を曲がっただけでも興奮できるほど楽しい」
ということです。これを最初に教えてくれたクルマはポルシェ・ケイマンでしたが、エリーゼに乗って確信に至りました。
決してパワーだけがスポーツカーのすべてではなく、豊富な電子制御デバイスがよりスポーツカーたらしめるものではないのだと、今の私にはそう思えます。
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Posted at 2014/12/02 00:52:18

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この記事へのコメント

2014年12月2日 1:23
エリーゼってバネ柔らかいんですよね。同じミドでもMR2とはまるで別の動きするんです。やはりロールやピッチ、ヨーの中心がとにかく低く、真ん中にあるからだろうと。僕が諸元オタクになったのはエリーゼに乗ってからです。

あと面白いのは前後のタイヤサイズですね。まるで、クルマが、「俺はこう走らせればいいんだぜ」って言っているかのようだなって(笑)

国産車乗りは走りを追求して剛性パーツや車高調入れる人は多いですが、一度エリーゼに乗ってみなさい、と。チューニングの考え方も変わるよって(笑)

特に86やRX-8はエリーゼにも劣ってないと思うんですけど、変なパーツ入れたがる人多いですよねー。
コメントへの返答
2014年12月3日 0:16
コー@EP91さん、コメントありがとうございます。

>やはりロールやピッチ、…
仰せのとおりかな、と思います。と言えども証拠がないので推論ではあるのですが。
ついで言えば、人間が揺さぶられる感触がない、しなやかに作れたのは各回転軸中心と重心位置が近いせい?とも思いますが、これも戯言くらいで聞き流して頂けますと幸いです。(苦笑)

>特に86やRX-8は…
86については、確かにエリーゼやケイマン的要素が少し感じられました。ただし、(感覚的な話で申し訳ないのですが)何となく「これではない」と感じる部分もあります。
もっとも、チューニングも基本的に素性まで手を加えられるわけではないので「基本設計の良さ」は貴重だろう、とは思うのですが…。
2014年12月2日 1:36
こんばんは
モータースポーツの本場のクルマですよね
シャーシのお手本になるんでしょうね
ローラ、マーチ、トム・ウォーキンショー、プロドライブなど
英国には、レーシングカーコンストラクターは多数ですね。
水野さんの話にもマーチやローラに勉強に行った話が出てきます。
コメントへの返答
2014年12月3日 0:22
エンジニアリングさん、コメントありがとうございます。

>シャシーのお手本
基本的考え方については大いに参考になりそうですが、エリーゼの場合
1. セミモノコック構造とフレーム構造の違い
2. 基本パッケージングに優れている
…点から考えると、手本よりは参考になるものかと思います。

この構造をマネして作っても、結局パッケージングが優れていなければ成立しない…ということかと思います。
2014年12月2日 8:04
元々が、ワンメイクレース用に企画したレーシングカーです。

レースの企画の方がポシャった為、仕方なくロードカーとして販売したそうです。

結果的に、ナンバーつきレースの開催で初期の目的どうりになりました。

ルーフピラーには、ロールゲージとしての公認がとれているとか。

コメントへの返答
2014年12月3日 0:26
ちーむ1人さん、コメントありがとうございます。

>ワンメイクレース用に企画したレーシングカー
貴重な情報、ありがとうございます。
それならば確かに基本パッケージングの良さ、このボディ構造の必要性が十二分に理解できますね!
ということは、エリーゼよりもエキシージの方が本来の性格に近いのか…?と、少し疑問に思うところもありますが…今度調べてみます。

>ナンバーつきレースの開催で…
結果的に、エリーゼのファンとユーザーが増え、そういうイベントを開催できるほどになった…のは、いいことと捉えて良いでしょうし設計者も当初の意図は達成できたのか…と思います。
2014年12月2日 9:25
妹が何度か助手席に乗せてもらい、最初はえ~って抵抗を感じたそうですが乗せてもらったら意外に良かったしうるさくないし座ってても苦にならないしって褒めてました。ただ横の人と近いって。
コメントへの返答
2014年12月3日 0:28
まき@40さん、コメントありがとうございます。

確かにこれでデート…となったら、女性陣は酷く抵抗をするかと思います…。何せイメージは乗りづらい・狭い・うるさい・目立つの4連コンボですし、運転手以外は楽しみづらい車ですので…(大汗)
乗ってしまえば普通のクルマなのですが…。

>ただ横の人と近いって。
これは…意中の人を隣りに乗せるならばいいのかもしれませんね。(笑)
↑目的が違うって? 批判は受け付けません(苦笑)
2014年12月5日 1:32
初コメント失礼いたします 、 エリーゼ への試乗が良い体験となられたようですね 。

このエリーゼシリーズの始まりになった最初の S1 モデルですが ちーむ1人さんのご意見とは異なるのですけれどもレースモデル としてでは無く FFとして発売された二代目エラン が大不振でそれに代わる物として又 旧ヨーロッパ の再来的なイメージの市販車として開発されました 。 ワンメイクレース用として企画 やその後ロードカーとして発売されたというお話は S1 エリーゼ をベースとしたワンメイクレースカー " スポーツエリーゼ " 又 当初ロータス側はそれをロードモデルとしては市販しないとしていましたがそのデザインを活かした S1 エクシージ としてサプライズ的に発売したのですが 、そのあたりのことをやや誤解されているのでは ? と感じます 。 英国では特にエリーゼ によるナンバー付き車両レースも有りませんでした 。

以前のブログで S1 エリーゼ 開発当時のことを書いたことが有るのですが 元々のコンセプトが オープン状態が前提のモデルとして計画されていて 低重心化の為に屋根を無くしたわけでは有りません 。 サイドシルが高いのは屋根が無い部分の剛性を確かにこの部分の構造で出しているからですが 、 エリーゼ 系に対しコメントされる " 乗降性 の難 " もオープン状態で有れば問題に感じる方は少ないのではないか と感じますし 設計側もオープン状態が基本であれば高いサイドシルは乗降の面での問題にはならないと考えています 。

以前のブログを読んでいただくと S1 エリーゼ 開発時の動画をリンクさせても有りますので ( 音声は英語ですが ) ご参考になる点も有るかもしれません 。 長文になり失礼いたしました 。
コメントへの返答
2014年12月10日 19:12
sulusumi-jpsさん、コメントありがとうございます。
返信が大変遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

ご紹介いただいた動画、すべて見てからご返信を差し上げようと思ったのですが(英語に対する)理解度が足らず…の状態で、ご返信いたしますことをお詫び申し上げます。

レース仕様の予定はなく、最初からルーフの予定もなかった…ということですね。
何せ新参者の付け焼刃でこんなことを書いているのでお恥ずかしい限りです。

サイドシルのこと、ついてはルーフのことですが、個人的見解は「サイドシルは気にするに値しない」と考えております。
sulusumi-jpsさんも仰せのとおり、このクルマに対する批評の一つには「乗りづらい」という声をよく聞きますが、乗りやすさや実用性を(ある意味で)完全に切り捨てて運転の楽しさ(と乗員保護・フレームの高剛性化)を求めていると、私は感じました。
(=「運転が楽しいんだから、乗り降りなんてどうでもいいじゃん!」という考えです)
もちろん運転の楽しさについては「これより楽しい車を他に知らない」ほどです。

ルーフについては、書き方が非常に危うかったと思います。
私も含めて並の人間なら、いくらフレーム構造でボディは構造の強度に無関係だったとしても、ルーフは付けてしまうと思ったからです。(空気抵抗、耐天候性など)
それに対して付ける必要がなかったからつけなかった、結果(意図した、しなかったにかかわらず)軽量化、低重心化にも寄与した…という趣旨で書かせて頂きました。
一方で、当時の情勢からユーノス・ロードスターの影響も少なからずあったのか?とは思う次第であります。
(同時期にフィアット・バルケッタやMG-F、少し遅れてメルセデスベンツ・SLKやポルシェ・ボクスター等のフォロワーが出たことを考えると、ですが…)

また間違ったことなど書いておりましたら、ご意見・ご指摘等頂けますと幸いです。
ありがとうございます。
2014年12月6日 22:04
すみません、多分↑の方の話が、正解かと思われます。

自分の情報は、知り合いのエンジニアの会話の伝聞なので。
コメントへの返答
2014年12月10日 19:15
ちーむ1人さん、コメントありがとうございます。
返信が大変遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

結果として、楽しい車ができた…という意味ではどっちでもよかった…のかもしれません。
ただし、そのプロセスを知ることも一つの楽しみだったり、自らの知見を広げることになる…のかもしれません。

こんな場所ではありますがいろんな意見を頂くコメントを書き込み頂き、ありがとうございます。
ちーむ1人さんのコメントがなければ、↑の方も教えて頂けなかったかもしれませんし、私も考えもしませんでした。
2014年12月8日 21:37
こんばんは。

エリーゼには一度乗ってみたいと思いながらも、未だ試乗経験がありません。

僕のイメージとしては、硬派な車って感じですね。
その佇まいからして、車好きでなければ近寄らない・・・というような。
コメントへの返答
2014年12月10日 19:17
センちゃんさん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

このクルマ、試乗すると絶対に欲しくなります。(笑)
勿論、諦めるための口実もたくさんある車ではありますが、それでも欲しい、自動車への価値観にショックを与える車だと思います。

…(別の意味では)乗らない方が幸せかもしれません。(笑)
(乗ったら他の、並のスポーツカーでは満足できなくなる…の意味です。)

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