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2014年12月21日

【試乗】フォルクスワーゲン・ゴルフ

【試乗】フォルクスワーゲン・ゴルフ 玉石混淆

フォルクスワーゲンの主力商品、ゴルフ7に乗ってみました。
ゴルフはご存知の通り、フォルクスワーゲン「松・竹・梅」の竹クラスに属する中型乗用車です。(ちなみに松はパサート、梅はポロ。)日本正規導入のゴルフ7ファミリーは(この記事時点で)ハッチバックとワゴン型(ヴァリアント)のみです。エンジンは1.2Lターボ、1.4Lターボ2機種(気筒休止システムの有無)、2.0Lターボ2機種(GTI用とR用)の5機種、トランスミッションはすべてダブルクラッチ式自動変速型マニュアルトランスミッション(DSG)となります。

今回の紹介はハッチバック型1.2Lのもっともベーシックなモデル、トレンドラインと1.4Lのハイライン、ワゴン型1.4Lのハイラインを取り上げます。

* * * * * * * * * *

ハッチバック 1.2Lターボ トレンドライン(車両本体価格258.7万円)
このモデルはリアサスペンションがトーションビーム、装着タイヤは15インチになります。
このモデルを一言で言い表すならば「21世紀的設計の極み」です。とにかくカドがない。クセがない。けれどシッカリ・ガッシリしているモデルです。
エンジン・トランスミッションは低回転でも最大トルクを発揮し、運転手が必要とする力をキッチリ路面に伝えてくれます。トランスミッション制御が少々エコ寄りで、アクセルを踏み足してもギア段を保持しようとするところはマイナスです。
しかしこのクルマの特筆すべきところはそのシャシー性能です。リヤのアクスルはしっかり路面をとらえてくれますが、突き上げや微振動はキッチリ抑え込んでくれます。さらにタイヤも非常によく、ロードノイズがほとんど伝わってきません。日本の常用域で使う分には車両クラスが2クラス上に感じます。とにかく静か・滑らか・きっちり仕事をするシャシーです。

ハッチバック 1.4Lターボ(気筒休止システムあり) ハイライン(車両本体価格315.9万円)
このモデルはリアサスペンションが4リンク、装着タイヤは17インチです。
このモデルを一言で言い表すならば「普通のドイツ車」です。
エンジン・トランスミッションはエンジンにクセがあり、日常使用で気筒休止モードを解除するためにアクセルを必要以上に踏み込む動作が要ります。トランスミッションは普通です。
一番はリアサスペンションとタイヤの違いで、トレンドラインを体感した後ではとにかくドタドタした印象を受けます。サスペンションの可動範囲が短くなったような印象で、タイヤも偏平率が低くなったことで空気ばねの役割を果たしてくれない印象を受けます。
また、シャシーが突っ張った印象も多少感じます。

ワゴン 1.4Lターボ(気筒休止システムなし) ハイライン(車両本体価格339.9万円)
このモデルはリアサスペンションが4リンク、装着タイヤは17インチです。
このモデルを一言で言い表すならば「ワゴンなりの出来」です。
エンジン・トランスミッションはハッチバック型で採用されていた気筒休止システムがない分だけ、アクセルとエンジン出力がリンクする印象があります。トランスミッションにクセはなく、必要な時に変速してくれるものです。
対してリアサスペンション・足回りから受けるロードノイズや乗り味は、1.2Lハッチバックと比べて同じ車とは思えぬほど雑多な情報を届けます。とにかくロードノイズは終始「ゴーッ」と伝え、路面の継ぎ目を乗り越えた時にはやはり「ドタッ」と重さを感じさせる動きをします。

* * * * * * * * * *

総評すると、1.2Lハッチバックがずば抜けて印象がいいです。ボディそのものまでバネになり、上手に衝撃と振動を減衰してくれます。対して1.4L車は両ボディタイプ共にサスペンション形式に起因する特有の振動があることに気づきます。ワゴン型車の場合、さらにリアオーバーハングが長くなり、荷物室が広がった分だけの振動・騒音カットが甘くなった印象を受けます。

なおこの話、ゴルフの1.2L車にドイツ車特有のガッシリ・ドッシリ感を期待するとものすごく裏切られた印象を受けるかもしれません。
この理由として、おそらく設計の解析量が進歩したことによるボディの設計思想の変化ではないかと考えます。それがトーションビーム型サスでは功を奏し、4リンク型サスではサスペンションの構造部品が増える(=重量増)、ホイールのインチサイズが上がる(=タイヤの空気ばねとしての性能が下がる)ことが理由で「普通のクルマ」になってしまったのではないか、と推測します。

とにかく乗り味でゴルフを選ぶならばトーションビーム型サスペンション搭載グレードを個人的には推奨します。
…ただし、ゴルフを普通のファミリーカーとして選ぶならば、私はポロを選ぶことも視野に入れた方がいいと思います。
(=ゴルフのパッケージングは車幅が広く車高が低く、スポーツカー的パッケージングで実用車向きではない、ということです。)
ブログ一覧 | 新車紹介 | 日記
Posted at 2014/12/21 22:04:10

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この記事へのコメント

2014年12月21日 22:17
こんばんは!はじめにGolf7ハイラインを買いに行き、コンフォートラインに目移りして、POLOのGT(GTIじゃなくて)にしようかと悩んだ挙句、結局見栄をはってGTIにしてしまいました。インプレッション、試乗だけにもかかわらず、実に的を得ていると思います!
コメントへの返答
2014年12月22日 23:08
うめお@テストドライブさん、コメントありがとうございます。
GTIを選んだのは、ある意味では正解かもしれない…とは思いつつ、実はまだ乗ったことがありません(大汗)
GTIやRになると、4リンクサス+あのパッケージの意味が何となく分かるので、もしかしたらゴルフの本分はそっちにシフトしているのかもしれません。
2014年12月21日 22:37
こんばんは

ゴルフに限らず、欧州車すべて、最量販車のベーシックモデルに旨みありだと僕も思います。
(ゴルフ6の時代も ベーシックなコンフォートやトレンドラインが良かったです。)
コメントへの返答
2014年12月22日 23:09
エンジニアリングさん、コメントありがとうございます。

確かに一番細くて偏平率が高いタイヤを使う車ほど、出来がよく感じます。
しかし、サスペンション違いを考慮してもこのトーションビーム式サスの出来は非常にいい…と個人的に思います。
(つまり、予想以上ってことです。)
2014年12月21日 23:20
こんばんは。

ボクも以前、トレンドラインとGTIを同時に試乗した
事が有るのですが(汗
GTIに乗った後、トレンドラインに乗ると?
全てが良い意味で軽い!んですよね。
GTIが革靴だとすると?良く出来たスニーカー?
みたいに感じました(^^;

GTIはブレーキも効きすぎて、スムーズに止めるのが
難しく、乗らされている感?を感じたんですよね(汗
コメントへの返答
2014年12月22日 23:12
ブルマウさん、コメントありがとうございます。
実はGTIには乗ったことがありません。(大汗)
ですので、GTIと標準車の比較はできていないのですが、GTIだとよく言えば「濃密」なのでしょうか?
対するトレンドは仰せの通りで、印象は「軽い」のですよね。けれどしっかり身が詰まっている。矛盾していますが、これはほかの車では味わえないな…と、今時点では思います。

ブレーキについても、モアパワーの分だけ効きもよくしたのでしょうが、扱いにくいということはちょっと煮詰め不足(?)なのかもしれませんね…。
2014年12月22日 18:41
こんばんは。
同一車種でもグレードによってこんなに違うんですね。

外車を運転したことがないのでどんな感じなのか気になります。
コメントへの返答
2014年12月22日 23:13
くまタカさん、コメントありがとうございます。

正直な話、ここまでグレード間で乗り味が違うのも珍しい気がします。ふつうはサスペンションは同じ、というのも一因はあると思いますが…。

ぜひとも、ゴルフの1.2L車は乗ってみてください。ちょっと驚かれるかと思います。
2014年12月25日 9:26
輸入車はグレードによるキャラクターが明確で格付けのためではないということを痛感しました。
私のようにカッコでGTIを選ぶと失敗しますが(笑)ゴルフクラスは65扁平を履いたモデルは概ねバランスがいい気がします。GTIも走りを楽しみたい、家族も理解を示すなら間違いなしの選択になります。

ただ現行Ⅶが新車の乗り味をいつまで持続出来るのかは気になります。

コメントへの返答
2014年12月25日 21:05
RC46さん、コメントありがとうございます。
>キャラクターが明確で…
確かにその通りだと思います。エンジンごとに目指す方向性が分かりやすく、日本車のそれとはグレードの作り方が違う気がします。
>GTIも走りを楽しみたい、…
ご家族の理解さえあれば間違いなく「最高の実用車 兼 趣味車」になると思います。
一度、ゴルフ7のGTIにも乗ってみたいですが何時になることやら…(汗)

>新車の乗り味をいつまで持続できるのか
これが一番難しい気がします。こういう設計の仕方は、突き詰めれば設計許容値を一つでも超えたら壊れる…設計にもできますし、どこまでVWが考えているのか、どうなるのか?は破壊しない限りなんとも…です。(汗)

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