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2017年03月05日

【試乗】トヨタ・プロボックス(マイナーチェンジ後)

【試乗】トヨタ・プロボックス(マイナーチェンジ後) 業務出張で、車種指定で借りた車が今回のお題です。

それは写真の通り、トヨタ・プロボックスのマイナーチェンジ後です。つまり私が普段乗っているクルマの新型というわけです。
このプロボックスは、2002年に初期型が登場して12年後にマイナーチェンジを受け、さらに衝突軽減ブレーキなどの安全装備が追加された後のモデルになります。グレードは1.5GLグレードと、私が新車当時購入したDXグレードから2つ上のグレードになります。

プロボックスがマイナーチェンジされた意図というのは極めて単純明快で、法規制対応を行うためにマイナーチェンジを受けました。主だったもので2015年排出ガス規制の強化対応でエンジンラインアップの変更(1.3Lエンジンは新エンジンへ変更、1.5Lエンジンは部品仕様の見直し)とトランスミッションの刷新(すべてCVT車へ変更)、対歩行者保護要件(つまり"人をはねた時にはねた人が助かるようにする")の対応でフロントフード位置の変更、また乗用車で先行した横滑り防止装置の全車標準装備にもこの時点で対応しています。
以上の内容から、主にエンジンルーム周りの骨組みが全面的に変更されています。また、従来プロボックスとサクシードで性格の作り分けがされていたフロントスタイルはこの時点で統合されています。
ただし、リヤスタイルに関しては旧来プロボックス型への統合が行われたものの荷室容量の確保と「改良の余地がない」ということを理由に旧来型のものをそのまま使っています。
また、今回のマイナーチェンジで営業マンが車内空間で過ごす時間が非常に長いことを受けて主にインパネ周りの使い勝手を強化するデザインに一新されています。
さらに、走行中の快適性を向上させることも主眼に置いてサスペンションのバネ定数の変更、ショックアブソーバーの変更も入っています。もっともこれはフロント周りの変更に対応したことの副次的効果でもありますが。

以上の目的から、今回のプロボックスを見てみると「マイナーチェンジの目的は達成している」と私は判断します。

例えば燃費。今回は借り受けてから返却までに480.7km走行して22.42Lの給油、燃費は21.44km/Lとカタログ値の19.6km/Lを約9%上回っています。これは私の愛車で過去最高が18.40km/L、カタログ値が17.0km/Lと比較してカタログ値も、カタログ値に対する伸び率も上回っていることになります。

インパネの使い勝手については正直甲乙つけられないのですが、まずは良いところを挙げるとインパネテーブルが大きくなりました。これを存分に使うことはなかったのですが、お弁当などを置くには丁度良くなりました。ただしインパネを正面に見て助手席側にオフセットしている為に少し遠いことは気になります。

インパネのドリンクホルダーとエアコンパネルは、マニュアルエアコンということもあって操作性は悪くないです。特にダイヤルがツマミ式からグリップ式に変わっているので操作しやすいです。慣れればブラインドタッチできることもマニュアルエアコンの利点です。ドリンクホルダーはペットボトルにも対応していますが、キャップを置くところがないことは玉に瑕です。(旧型はカップホルダーが2個あって、片方が空くのでそこに置いています。)

悪いところは、グローブボックスを含めて「隠せる収納」が全くないことです。エアコンパネル下、シフトノブ前の収納スペースは旧型と比べて遥かに小さくなりました。車検証も入りません。



さて、ここまでは目標に対する評価でしたが官能評価、つまり乗って感じた結果としてどうかという話をすると「旧型とは全くの別物」と評価します。
旧型が良くて今回も良いところは、シートが長時間座っても疲れにくいところ、ボディの見切りが良いところ、小回りが利くところの3つです。
特にシートは今回変更されていますが、座面・背面のクッション構造とシート表皮の選定が絶妙です。2~3時間座りっぱなしでも腰が痛くならないです。
見切りの良さはフロントフード位置が歩行者保護要件を満たすために上がったこと、スクエアな形状を堅持したこと、フロントの左右隅を面取り形状にしたこともあって四隅が分かりやすいクルマです。
旧型が悪くて今回良くなったのは静粛性です。エンジン騒音が抑えられ、またロードノイズが低く抑えられています。これはCVTの採用による低回転域の多用化とボディ構造の見直しによる剛性アップ(があると思う…。)、それからトーヨータイヤのトレッドが細くホイールが大きい新タイヤの採用が理由として考えられます。
旧型から悪くなったのは運転感覚です。CVTはブレーキで減速をするとエンジンブレーキを強く利かせる制御をするためにフットブレーキでの減速度制御が酷く難しいです。また、アクセルを踏んだ時の応答遅れも正直言ってそれなりにあります。つまり踏んでも加速が追いついてこないのです。
また先ほどの新タイヤはLTタイヤということでタイヤの柔らかさは期待できず、小さな衝撃はサスペンションが柔らかくなったことで突き上げが丸くなった印象があります。ただし大きな衝撃(道路工事の継ぎ目など)では旧型以上に大きな衝撃を伝えてきます。これはショックアブソーバーが入力についてきていないという感じがあり、サスペンション関係は旧型の方がやや良いものを使っていたのかな?と思う場面が多々あります。
ステアリング系に関しても電動パワーステアリングに置き換えられたことでタイヤの重さが伝わって来なくなり、手応えというものがほとんど感じられないものになってしまいました。加えて操舵力そのものが軽くなったこともあって、コーナリング中にステアリングを保持する力を妙に使うという、何だか安楽なのか不快なのか分からない仕立てになっています。

総評すると、旧型の「枯れた技術」がもたらした運転の正確さや一定さが一切なくなり、現代の自動車らしい「全て車任せ」にしたほうが良い運転マナーを求めるクルマに変わっています。
これは正直に言うと「名前が同じだけの全く別のクルマ」と考えるに等しいくらい大幅な変更になり、旧型の持ち味が気に入って購入し乗っている私にとって、ひどく失望を覚えるクルマになってしまっています。勿論新型の乗り味を否定するわけではありませんので、新しいものについていけないロートルなのかもしれない点はここで補足しておきます。
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Posted at 2017/03/05 20:47:14

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この記事へのコメント

2017年3月5日 20:57
とりあえず、プロボックスは良い車です。

コメントへの返答
2017年3月8日 20:38
kyupi5さん、コメントありがとうございます。
返信が大変遅くなりまして申し訳ありません。

>プロボックスは良い車です。
間違いなく「いい車」なのですが、個人的に「好き」にはなれなかったです…。(大汗)
2017年3月5日 22:36
旧型、新型、それぞれ良い車だと思います。
ハイエースもですが、トヨタの商用車は凄いと個人的に感じますね。
コメントへの返答
2017年3月8日 20:38
くまタカさん、コメントありがとうございます。
返信が大変遅くなりまして申し訳ありません。

>旧型、新型、それぞれ良い車
確かにそうです。それは強く思います。が、「良い/そうじゃない」×「好き/そうじゃない」の4通りあるパターンで考えると新型は好きになれなかった、という個人的駄文です。(大汗)
>トヨタの商用車は凄い
目的特化型車種(ランクル、センチュリー、ハイエース、コンフォート、プロボックス)の場合、それ以外とハッキリ出来の差がある気がします。(特化していない車=ダメ、というわけではありません。)
2017年3月6日 23:08
ワタシもアナログな人間なんで、商用車に乗っている方がfeel the beatになりますw

訳あって代車のキャラバン生活してますが、セレナより通勤が楽しいです(爆)!
コメントへの返答
2017年3月8日 20:46
プリパルさん、コメントありがとうございます。
返信が大変遅くなりまして申し訳ありません。

>商用車に乗っている方がfeel the beat
久々に「feel the beat」を聞いた気がします(爆)
何というのか、古典的な造りの良さというか機関系のがっちり感は商用車特有の感覚かもしれません。
その代わり、内外装の建付け剛性、部品の合わせの良さは明らかに乗用車に比べて落ちますが…。(笑)

>代車のキャラバン生活
セレナに何かあったのでしょうか…(大汗)
2017年3月9日 11:55
通りすがりに失礼します。
以前の会社で、旧型サクシード乗っていて、つい最近現行プロボに乗ったのですが、全く同じ印象でした。
環境・燃費・誰でも乗れる普遍性考えると、現行の方向性は正しいのかもしれませんが、アナログな乗り味を求める身には寂しくも思います。
コメントへの返答
2017年3月9日 22:43
並盛りジョニーさん、コメントありがとうございます。

>普遍性考えると、現行の方向性は正しいのかもしれません…
正直、私はここについては間違いなく正しい進化だと思っています。自動車が社会にあり続けるための変化だとも思っています。
が・・・
>アナログな乗り味を求める身には寂しくも思い
ここも一切の否定ができません。(苦笑)
それを「良い/そうではない」と「好き/そうではない」の4通りで考えているのですが(つまり進化は正しく良くなっていても好きになるとは限らない、ということです。)、そう考える方が珍しいのかもしれません…。
2017年3月10日 12:19
インプレッションありがとうございます!
赤サクを降りてから、乗っているのは会社の白サク。もちろん旧型です。
同僚の車は徐々に新型へ移行中。
恐らくCVTというだけで、面白味は半減したんだろうなぁと推測出来ますね。(^^;;自分はまだ新型プロサクの運転はまだです。
ヴィッツに乗った感じでそう思いました。

きっとより現代的に生まれ変わったんでしょうね。

コメントへの返答
2017年3月11日 22:30
39c10さん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなりまして申し訳ありません。

>きっとより現代的に生まれ変わった
まさしく、その通りです。その一言に集約されると思います。
それで面白みが減ったと言えばその通りなのですが、乗り方や考え方が変わると決して悪い乗り物ではないです。
ただ、個人的には好きにはなれなかったということが今回の結果でしょうか…。
2017年3月11日 21:39
こんばんは。

とりあえず、燃費だけが羨ましい点でしょうか?
やはりCVTは燃費に良くても、ドライバビリティという点ではMTに敵いませんよね。

新型とは言え、トヨタ~さん的には旧型の方が良いということで、満足なカーライフを継続できそうですね。
コメントへの返答
2017年3月11日 22:33
センちゃんさん、コメントありがとうございます。

>燃費だけが羨ましい点でしょうか?
それがどっこい、私の車もカタログ値+8%の結果は出しているのでそんなに羨ましくもないのです。ちょっと強がりかもしれませんが。(笑)

>満足なカーライフを継続できそう
まさに、その点だけは間違いないと思います。
「このクルマを買ってよかった」と思えるところは旧型の方が勝っていたと思います。手前味噌ですが…(笑)
2017年3月19日 22:03
今晩は☆
先日、たまたま新しいプロボックス(DX)に乗る機会がありましたが、確かに全く別物と言う感がありましたね。
ただ、体重の問題か座高の問題か新しいプロボックスのシートよりも五万キロ走破した古いプロボックス(社用車で他の担当者のクルマ)のシートの方がお尻と腰の座りが良かったような気が・・・
しかし燃費が良くなっているなら身体が慣れるのを待つのもアリかなと←自分じゃ乗らないから(笑)
あ、でも自分が使ってる社用車のレガシィ250Tよりから良い気がする(レガシィは20万キロ超え)
コメントへの返答
2017年3月20日 21:24
太田流雲@改さん、コメントありがとうございます。
>新しいプロボックスのシートよりも古いプロボックスのシートの方が…
ここも、全く考え方が変わったところかもしれません。ただ、私のポジションで実際に2時間以上座り続けた結果どこも痛くならなかったので、流石にきちんと作ったのだなぁ、と感心した次第です。
>社用車のレガシィ250Tより・・・
…そ、それが社用車ですか!?(驚)
そんな良い車が社用車とは、とってもとっても羨ましいです…。
私の勤務先は至って普通のクルマばかりなので…。(汗)
2017年3月20日 21:55
レガシィ250Tは専務の自家用車のお下がりなんですよ(笑)
燃費は良くないから社用車には向かないと思うけどなかなか壊れてくれないし・・・
個人的にはエブリイとかの方が良いけど、レガシィがお亡くなりになったら2代目プリウスSになるのではないかと(やはりお下がり)
シートは考え方が変わった・・・確かに印象は変わったので細部の変更があったと考えるべきなんですね☆
コメントへの返答
2017年3月23日 6:45
太田流雲@改さん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなりまして申し訳ありません。

>専務の自家用車のお下がり
そういうことだったのですね。
レガシィが営業車、ということはあっても250Tなんてどうして?と思っていたのですが、それならば納得です。(笑)
>シートは考え方が変わった
私の車の場合だと、もう少しクッションや生地が柔らかくて「沈むけれどフィットする」感覚があるのですが、新型のものはもう少し硬くて、それでも疲れにくいポイントは抑えている感覚がありました。感覚の問題なので伝えることが難しいのですが…。(汗)

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