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イイね!
2017年10月22日

リヤシート・パッケージングと恰好の問題

いろんなところで、6ライトは軽いとかスポーティーとか雰囲気が違うとか、そんな話が多いので
「自分で試してみた」の図です。(笑)

まずは説明抜きで、比較の図を出します。

図1:センチュリー・クラウンコンフォート的なリヤシート・パッケージング

図2:グランクーペ・スポーツバック的なリヤシート・パッケージング

…バラしますが、方眼紙のマス目が見える通りで実は同じパッケージングをまとっています。
大体の概要が
・全高1480mm、ボディの最低地上高は160mm(駆動系は考慮せず)
・タイヤサイズは235/50R18インチ相当(先代レクサスLSの通常ホイールと同等サイズ)
・リヤオーバーハングは後輪車軸から1000mm
・ベルトライン(サイドウィンドウの下端)は地上から1000mm
・リヤシートの大きさは座面長450mm、背面長550mm、背もたれ角度は水平およそ110度
・Cピラーの太さ比率(ベルトライン上の長さと天井部分の長さ)も同じ
・よってリヤドアの大きさも、トランクの内部容量もほぼ同じ
…となっています。つまり変えた個所は

・Cピラーの角度を水平から60度が図1、水平から30度が図2


たったこれだけです。

スタイリング上の印象では、図2のパッケージングの方が明らかにクーペっぽいスタイルです。
その影響を受けるのはトランクの開口部寸法で、天井方向の大きさが明らかに小さくなっています。
では、図1ほどではなくともトランクの開口部寸法を(ホイールベースも全長も変えずに)変えるにはどうするか。
…天井からCピラーが寝始める位置をフロント側に持っていっていけばいいことになります。
そうすると、無事めでたくトランク開口部は確保できます。がリヤシートの開口部寸法は狭くなるわけです。乗り降りするときに人が頭をかがまなければならない。これが「4ドアクーペ」を名乗るクルマに共通する後席軽視の、クーペを名乗るゆえんに至るわけです。


では、センチュリー的パッケージングは何も問題点がないのか。
ちゃんとあります。それは空力性能で、つまりは燃費・騒音の問題です。真四角な分だけ風が音を出しやすく、またクルマは風の力を受けやすくなります。(この辺、表現的にはやや間違いですが専門的な話をここでは控えます。)
クーペ的パッケージングの利点はまさにここで、高速走行時の燃費、風切り音、加えてアウトバーンのような場所では最高速はクーペ的パッケージングの方が良いというわけです。

実際、ここまで単純なパッケージング論はあり得ないのですが、考えやすくするために極めて単純化した2つの図を基に説明しました。どっちがいいのか。それは求めるものによって変わってきます。
そのセダンにフォーマル感、セダンらしさを求めるのならば図1のようになります。実車ではロールスロイス・ファントムやゴースト、ベントレー・ミュルザンヌやトヨタ・センチュリーなど。
そのセダンにパーソナル感、クーペらしさを求めるのならば図2のようになります。実車ではメルセデスベンツ・CLSやBMWの各グランクーペ、アウディの各スポーツバックなど。

…あなたが評価しようとしている、そのクルマに何を求めますか?

<21:42追記>
私ですか?
…私は、セダンとはセダンらしく、前席と後席の居住性と、荷物室と乗員室を分けて乗ることができる乗り物と考えています。つまり図1のようなセダンの方が好きです。
ブログ一覧 | メカ考 | 日記
Posted at 2017/10/22 21:18:51

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この記事へのコメント

2017年10月22日 21:40
こんばんは。

なかなか面白い考察で納得しました(笑)

私の想像ですが、今のメーカーは実際の居住性よりもキャラクター付けのほうに重点を置いているような気がします。センチュリーにしてもパッケージングよりも外観上の「センチュリーである事」が重視されているように思います。

ただその中でも思ったのですが、ショーファーカーとして先代LSのロングボディに乗ると、リアのドアが長すぎて自分で開ける際にとても気を遣うのです。私などは毎回ドアサービスを受けるのは申し訳ないので自分で開けますが、好意的に見ればこのあたりも多少考慮したのかなと思うのです。あとはお見送りを受ける際はともかく、走行中はCピラーで顔が隠れるほうが落ち着くのです。

あくまでも個人的な好みですが、私は4ライトでリアガラスがあまり寝てないほうが好みです。

コメントへの返答
2017年10月22日 22:19
大熊猫@さん、コメントありがとうございます。

>なかなか面白い考察
定規片手にシャープペンで図を描いたのですが、「こんなカタチないなぁ~」と面白く思いながらここに掲載しました。(笑)

>実際の居住性よりもキャラクター付けの方に重点を置いている
まさにそう思います。実際の居住性は車両そのものを大きくしてしまえば解決するわけですし、実際にボディは大きくなっています。
そうなると他車との差別化はスタイリング以外にないのであろうと思います。

>ただその中でも思ったのですが、…
この記事を書く途中で思っていたのですが、今度のセンチュリーは初代・2代目のアメリカ高級車的(例えるならば、キャデラック・ブロアム、コンコースなど)から英国高級車的(正直言ってRR・ファントム)への鞍替えを図っているのかな、と考えておりました。
ドアの長さと開けやすさに対する考察は全く考えていませんでした。

>走行中はCピラーで顔が隠れる方が落ち着く
上記例のキャデラック、リンカーン・タウンカー、もちろんロールスロイスのサルーン、すべてそのプロトコールに倣っていると思います。
今度のセンチュリーももちろんそうだと思いますが、それこそが「本格的ショーファー」の要素の一つだと、私は思います。

>あくまで個人的な好みですが、・・・
ブログ中に追記してしまいましたが、私も同じくそっちの方が好みです。
正直言いますと、今度のクラウンコンセプトのサイドシルエットを見るたびに、プレミオの名前が付く前のコロナ('92~'96年)のSFを思い出します…。
2017年10月23日 7:36
おはようございます。
次期クラウンの6ライト化は、Cピラーを寝かせてクーペ風にすることで、ユーザーの若返りを図りたいというメーカーの悲願と、乗降性や居住性を犠牲にしたくないせめぎ合いの結果ということがよく分かりました。
歴代クラウンはフォーマルを謳いながらも、8代目130系以降は、徹底してパーソナル路線を貫いてますね。
私は、センチュリーやプログレのようなCピラーが立ったタイプも、アウディや次期クラウンのような6ライトタイプもどっちも好きです…。
コメントへの返答
2017年10月24日 22:35
凌志さん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなりまして、申し訳ありません。
下のコメントと合わせて返信をさせて頂きますことをご了承ください。

>次期クラウンの6ライト化
確かに、そういう視点から眺めると実に両者せめぎ合いの、フォーマルユースとパーソナルユースの中間点に落ち着かせたパッケージングとスタイリングだと思います。
一方で、個人的には190系コロナのSFみたいな、リヤスタイルが間延びしてしまった印象も拭えなくないです。
>歴代クラウンはフォーマル路線を…
130系まではフォーマルのセダン、パーソナルのハードトップという区分けがあったようにも感じましたが、140系・150系のHTは個人的に完全パーソナル向けという印象があります。立ち位置が変わったのは170系(ゼロクラウンの前の世代)で、ロイヤルが旧来セダン系の流れも汲み、パーソナル路線はアスリートシリーズになった印象を受けます。(エステートがMCでアスリート系のみになったことが一番象徴的かもしれません。)

>どっちも好きです…。
…そう考えてみますと、現行ファントム(新型の前、といえばいいでしょうか)も6ライトですし、よく考えると「ピラーが立っていて、太いスタイリングのクルマ」が好きなのかもしれません…。
2017年10月23日 7:41
もとい、パーソナル路線の先駆けは、「いつかはクラウン」の7代目120系と認識しています。もっと昔は3代目の「白いクラウン」4代目の「クジラクラウン」も該当しますが…
コメントへの返答
2017年10月24日 22:36
上記コメントで合わせて返信をさせて頂きましたので、そちらをご確認いただけますと幸いです。
2017年10月23日 12:24
こんにちは(^^)

非常にわかりやすい説明でした(^^)
私も図1のようなセダンの方が好きです。

話はちょっとずれますが、足元スペースの拡大ばかりで、後席の頭上空間に配慮の足りない車が多いと思います。いやならは小型ミニバンにしろと言わんばかりのラインナップで・・・。
大きな車なら制約は少ないのでしょうけど、小さな車だとしても、ユーティリティと居住性の両立って大事だと思うんですよね。
コメントへの返答
2017年10月24日 22:41
susp2さん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなりまして、申し訳ありません。

>非常に分かりやすい説明でした(^^)
ありがとうございます。照れます。(笑)
理系っぽい発想で、「比較するならば比較したいこと以外の条件を揃えなさい」というポイントで描いてみました…(笑)

>話はちょっとずれますが、…
パッケージングの話でこの話が出てくるとはついぞ思いませんでした。
いずれまとめたいと思っているのでここでは詳しい説明を避けますが(たぶん書ききれなくなること請け合い)、大昔のmini(50年代のオリジナル)、VWゴルフのMk. 1~3('70年代~'90年代半ば)、それから初代プリウスと最終型トヨタ・ビスタ('98年~)は仰せになったポイントが、それこそ見事なパッケージングでした。
もしいずれ、お暇な時があったらぜひともご確認いただきたいと思います…。
2017年11月6日 21:43
こんばんは。

デザインとしては好みの問題になりますが、効率を見てみるとそれぞれに一長一短がありそうですね。

僕の好みでは図1になりますが、センチュリーに乗ると、日本の法定速度域であれば空力面でも問題ないものと思います。
しかし、世界基準で見ると、やはり違ってきますよね。

最近の車はトランクの上面長さが短く、ある程度の長さがあった方が古典的かもしれませんが、車に重厚感を感じます。
コメントへの返答
2017年11月7日 20:43
センちゃんさん、コメントありがとうございます。

>効率を見てみるとそれぞれに一長一短
まさにその通りです。寝かせたクーペスタイルならば、例えば日本の法定速度域で同じ静粛性技術を使っているなら静かになり、同じ重量とボディ以外の抵抗ならば燃費が良くなることも考えられます。

>トランクの上面長さが短く、~
よくよく考えると、最近のセダンはボンネットをロングノーズに、トランクデッキ(トランク上面)を短く見せる「ロングノーズ・ショートデッキ」が流行りかもしれません。
その方が流麗、クーペっぽい、カッコイイのですが、いろいろメーカーが思うところはあるのかもしれません…。

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