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トヨタ~のブログ一覧

2018年12月29日 イイね!

刺激を受けたクルマたち

前回は「今、興味のあるメーカーやクルマ」を書きました。
今回は、これまで見に行った・乗ったことのあるクルマで強く印象の残っているクルマを書き出したいと思います。

(1)トヨタ・ビスタ('98年~'03年)…今でも完璧なパッケージングの実用車

この車が出たときは私が小学校4年生の時でした。
5ナンバーサイズいっぱいの全長と全幅、立体駐車場に入るギリギリの全高でしたが、それまでのビスタがハードトップメインの車種だったので、当時は何とも「不格好な、ビスタっぽくない」クルマだと思っていました。(当時、父の車もビスタだったので。)
それが、アムラックス東京で見たときに印象がまったく変わりました。
シートが分厚くふかふか、シート位置を調整しても背もたれの位置が変わらない。見晴らしがいい。でもボンネットが見える。メーターが見やすい。…これまでのクルマと全く違うと子供心ながらにビリビリと刺激を受けました。
これからのクルマはみんなこういう風に、乗りやすく扱いやすくなるのかな、と希望を抱いたのも事実です。
事実、その後登場した初代ヴィッツ('99年~'05年)も同じようなパッケージングを持つ車で、それまでのコンパクトカーが持つ印象とは全く違う魅力的な車に映りました。それから9代目カローラ('00年~'06年)、初代プレミオ/アリオン('01年~'07年)など、どんどん変わっていったのはすごく魅力的「だった」のですがねぇ…。

(2)マセラティ・クアトロポルテ('04年~'12年)…ザ・官能

このクルマ、機械的にはいろいろと問題の多いクルマだったという認識です。
しかしこのクルマを初めて見た時…確かカーグラフィックの海外試乗記だったと思いますが、すごく魅力的に映ったのです。
それまでの日独製サルーンとは違う、曲線が多くてもまとまっている大型のサルーン、という認識でした。
後年、免許を取ってから試乗させていただく機会があったのです。この時の印象は衝撃的で、ドアを開け放ったその瞬間から「革の匂い」しかしないのです。目につくところ、触れるところすべて革と木、と言っても過言でないほど豪華なインテリアでした。
エンジンをかけ、走り出すと大人のフェラーリ・サウンドと言いましょうか、魅力的な音が邪魔にならない音量で常に聞こえてきます。
運転した印象はやや大柄なセダン、ステアリングのグリップが太くて力が入りやすく、それのおかげでスポーティに感じるクルマという認識を持ちましたが、とにかく「感覚に訴えるクルマ」としてメロメロになっていたことが印象的です。

(3)トヨタ・センチュリー('97年~'17年)…日本最高峰のサルーン

今となってはいろいろと「よかった」と言われるクルマですが、その点はもう多くを語る必要はないと思います。
現在、お友達登録をさせていただいている「センちゃん」さんのクルマと、メガウェブでの試乗経験がありますが、いずれも「後席・運転席ともに絶品」のクルマだと考えております。
ドアを開け放つときからどっしり、がっちりとした印象、後席に腰を下ろせば目につく限りのファブリックと木、走り出すとエンジン音もロードノイズも無音、外界から隔絶されたような乗り心地で「空飛ぶじゅうたん」と呼んでも差し支えない乗り味でした。
それが運転席に座ると、ボディの大きさを感じさせない見晴らしの良さ(ボンネットが長くよく見えることも一因)、ステアリングの大きさからくる取り回しの良さ、アクセル・ブレーキペダルの絶妙な味付けによる「踏んだら踏んだ分」の操作感覚、足回りはやや柔らかめで、ラフな操作をすればちゃんと返ってくる応答性の良さ、運転していても全然疲れない、むしろ扱いやすいクルマであったことは強い印象が残っています。

(4)ポルシェ・ケイマン('05年~'13年)…身体の一部になる感覚

正直、最初は「ポルシェなんて、見栄で乗る車でしょ?」と思っていたことは事実です。狭くてうるさくて乗りづらいクルマ、それでも売れるのは「ブランドのせい」でしょ、と。
それが全くひっくり返されたのはこのクルマに乗った時でした。乗ったのはマニュアル車でしたが、乗った印象は正直「全く覚えていない」くらいです。というのも、自分の体がそっくり大きくなったような、とにかく思った通り、考えた通りにビシッと走るのです。
乗り心地はやや硬め、しかし不快な振動も突き上げもなく、シートとの印象も相まって「路面をちゃんと尻で捉えている」感じです。
ステアリングも過敏過ぎない程度のクイックさで、思った通りにスパッと切れて曲がっていきます。
何よりこのクルマで感激を受けたのは、交差点を左折したその瞬間にも「歓び」を感じられたその瞬間です。スルッと回ってサッと曲がり終わる、その快感は今でも忘れられず、また今のボクスターでもキチンと残っている魅力の一つです。

(5)三菱・ミニカ('98年~'11年)…楽しい、愉しい、たのしい!

新車価格50万円台、上に書いてあるクルマとはだいぶ違うじゃないかって?!
これも乗ると絶品で、造りはごく普通の軽自動車ですが、よく走るのです。ひらりひらりと身のこなしが軽く、下手に静かにしていない分だけエンジンが頑張ればうるさく、頑張らなければそれなりにうるさく(笑)、ステアリングも鈍いですがどこまで行っても鈍いので早く走る時も遅く走る時もハンドルの切り加減は同じ感覚でよく、とにかく人間の感覚とよく合っているので、気持ちよく走ることができるのです。
もうこういう軽自動車、出てこないでしょうね…。

(6)トヨタ・iQ('08年~'16年)…FFミドシップスーパーコンパクト

このクルマの凄いところは、FFなのにミドシップというところです。中身はヴィッツの1.0Lエンジンを左右逆転して載せただけなのですが、FFというクルマの都合で「これだと走りにくくなる」のですが中身はどっこい、よく走ります。
おまけに最小回転半径3.9m、全長3m以下で4人乗り(メーカーは3+1シーターと呼称)、私のシートボジションなら運転席後ろにも160cm程度の大人なら座れます。助手席はグローブボックスがなく、そのためにエアコンを小型化したりと技術的にも目を見張るクルマでした。

書き出してみると高いクルマが多いのですが、小型車や安いクルマでもいいクルマはたくさんありました。
ほとんどのクルマの場合、私の場合は「機械の設計の奥深さ」が強い魅力になっていることが多いのだなぁ、と改めて感じました。
Posted at 2018/12/29 23:13:27 | コメント(4) | 自動車関連 | 日記
2018年12月16日 イイね!

最近、特に興味のあるメーカー

私もとうとう、今日で30歳になりました。

子供のころからクルマが好きで、免許を取ってからいろんな車に乗せていただくことも増えました。
最近は新型車が出てもあまり見に行くことが減ってしまっているのですが、なんとなく好みに合う車種やメーカーというのが見えてきたところがあります。
もちろん、それ以外のメーカーや車種に興味がまったくなくなったわけではないのですが、特に強く「おっ!」と思えるポイントを、本人の備忘録もかねてご紹介できればと思います。

(1)メルセデスベンツのセダン系…もっとも実用的な乗用車メーカー
特にFRのセダン・ワゴン(Cクラス・Eクラス・Sクラス)は何だかんだでよく出来ているなぁ、と感じることがあります。
具体的にはステアリングを目一杯切った時のタイヤの切れ角と倒れ方、運転した時の安定性とシートの疲れにくさ、速度維持の楽さなどが挙げられます。
最近のメルセデスベンツは、オーディオや空調周りの使いにくさが少し目立つ傾向にありますが注目しているメーカーには違いないです。

(2)ランドローバー…不整路向け車両専門メーカー
一番わかりやすいのは「レンジローバー」です。
メーカー曰く「コマンドポジション」は椅子が高くボンネットが見やすく、アクセルやブレーキ、ステアリングの繊細な操作がしやすいポジションです。フロントのオーバーハング(簡単に言えばバンパーの長さ)は短く、傾斜路の登坂性を確保しています。
さらに気づいたのは、ドアの開き方です。サイドシル(ドアの下縁)までドアが覆っていて、これは泥道を走った後でも衣装を汚さない配慮…というところです。
つくづく「よく考えられて作られているメーカーだなぁ」と感心するメーカーです。

(3)フォルクスワーゲン・ゴルフ7  1.2TSIトレンドライン…魔法のじゅうたん
コンフォートラインでも良いのですが、一番良かったのはトレンドラインです。最も安いゴルフです。
ボディは強く、乗り心地は魔法のじゅうたんのようにフラットライド、それでも操縦感覚は残っていて、なのにロードノイズ最小。
これより乗り心地のいい車というのは、まずお目にかかったことがありません。

(4)欧州フォード…作りが良いのに目立たない、上質な道具
日本では正規導入されなくなってしまった、フォードの中でも欧州フォード系(フィエスタ、フォーカス、C-MAX)の車種です。
フォルクスワーゲンのように「いかにも…!」という外車感は少なく(無国籍な感じはしますが)、なのに乗ってみるとシートは分厚く、乗り心地はややクセがあるもののドライバーとの意思疎通がとりやすく、値段もごく常識的な範囲(新車当時)。
日本に導入されていたグレードはどちらかといえば「デラックス仕様」が多かったですが、それでも作りも出来もよかったです。

書き出してみると、日系メーカーが一社、一台もないことに気づきます…。(苦笑)
昔はいろんなメーカー、車種に興味があったのですが、それはまた後日談という形にしたいと思います。
Posted at 2018/12/16 21:33:49 | コメント(1) | 自動車関連 | 日記
2018年08月23日 イイね!

【レンタカー】メルセデスベンツ・C180

【レンタカー】メルセデスベンツ・C180メルセデス濃度は…40%くらい?

というわけで、ニッポンレンタカーさんでメルセデスベンツ・Cクラスをお借りしました。
今回お借りしたモデルは、C180アバンギャルドのAMGスポーツパッケージ付車、借り受け時点で走行距離43,500kmのクルマでした。
年式は推定2015年式(ATが7速、装着タイヤが'15年33週製造)のクルマです。

今回、わざわざCクラスを指定で借りたのは「どこまでCクラスはメルセデスベンツらしいのか」を確認したかったからです。
では、どこをもってメルセデスらしいと判断するのか、判断基準に以下の3ポイントを挙げます。
(1)車両感覚の掴みやすさ、取り回しのしやすさ
(2)車両の快適装備品(エアコン、ナビなど)の操作のしやすさ、確実さ
(3)車両の巡航快適性(長距離巡航時の安定感、シートの疲れ感)
…いずれにしても、メルセデスベンツを「良き実用車」として判断する基準を掲げて乗ってみました。

(1)車両感覚の掴みやすさ、取り回しのしやすさ…思ったよりも運転は楽ですがセッティングの思想に疑問です。
最初に乗って走り出すと、とにかくノーズの長さが気になります。しかし、全般に小回りがよく利きますので、現有車(プロボックス)やプリウス、WISHの時から比べて乗りにくさは気にならなくなってきます。

上記の「慣れたクルマ」がCクラスに比べて鼻先が短いFF車ですので、峠道を走る感覚的には「カップアイスクリームをスプーンでえぐり取るように」ボンネットを突っ込んで曲がれば大体曲がれます。
その点で言えば、車両感覚の取り回しは300kmも乗れば慣れてきます。
…が、問題はステアリングに関して、2点ほど気になったポイントがあります。

一つ目はステアリングの形状です。まっすぐ走っている分にはまずほとんど気になりません。が、コーナリングであったり交差点の右左折、峠道の切返しを繰り返すとステアリング下側のD部分、それからその周辺のステアリングホイール断面が変わることが酷く気になります。というかステアリングを回していて気持ち悪いのです。握り感が変わってとっさに頭が「?」と混乱します。
二つ目はパワーアシストの設定です。大きな交差点を左に曲がろうとして、20km/h位からステアリングを切りつつ、歩行者がいたので減速して停止を…と思うと、ステアリングを左に切る力をそのままにしていて「切り増し」してしまうのです。つまりパーキングスピード域でパワーアシストを増やす設定にしています。
これもまた、運転していて混乱します。曲がるためにあれこれ考え確認しているのに、クルマ側が勝手に仕事を増やす…そんな印象を受けました。

(2)車両の快適装備品の操作のしやすさ…これはハッキリと「使いづらい」です。
マトモと言えるのはナビの音声認識レベルが高かったこと(携帯電話の音声認識くらいはマトモ)、携帯電話をBluetoothでつなぐとCDの情報を取得してくれること、この2点だけです。

温泉へ行くためにナビをセットしたのですが、電話番号検索でヒットしなかったのに「○○(←)に案内します」と違う目的地(箱根町役場)に行ってしまいました。道を間違えても細路の案内をナビ画面に表示せず、例えばUターンしたい、路地に入って左、左、左、右と回って元の道に戻る…という芸当には不案内です。

COMMANDシステムの操作スティックそれ自体が上でコマンド、下でコマンド、左右で選択、左で戻る(こともある)…など、操作性に統一性と直感的な扱いやすさがありません。
また、車両センターコンソール側にナビ、ラジオ、メディア、車両設定などが分かれていて、センターコンソールで完結していない(手先の移動が必要)です。加えて、ボタンが小さくどれも平べったいのでブラインドタッチはできず、さらに下側なので目線も下に落とさなければいけません。
これは安全運転をしようとするには停車して操作することを前提としており、例えばハイウェイ・ラジオへ切り替えて渋滞情報の確認…といったことにはまったく不向きです。

さらに、ハザードの位置がコマンドシステムの並びの一番右側(運転席側)で、これも同列に並んでいるのでとっさにハザードを出したいとき(サンキューハザードや渋滞ハザード)にCOMMANDシステムが切り替わる…という笑えない操作ミスがありました。
こういった「見ないと操作できない」「止まらないと操作できない」システムは個人的に全くダメです。

(3)車両の巡航快適性…レーダークルーズは賢くシートは良好、ただしサスペンションは日本に合っていません。
都合、東京-小田原城までの移動に3時間弱座りっぱなしだったのですが、シートは快適で降りてもお尻の痛さ、背骨の違和感はありませんでした。一つ文句を付けるとすればシート表皮で、1時間も駐車して戻ってくるとメチャクチャ熱くなり、加えて背中の蒸れは取れません。布張りの方がずっと快適です。
レーダークルーズコントロールは道中使ってみましたが、これが付いていると先行車がいると勝手についていってくれるので、安楽と言えば安楽です。ちゃんと完全停止もします。(完全停止からの復帰は人手を介す必要あり。)

ただしサスペンション、タイヤが18インチのランフラットということもあって日本の道路設計に対しては硬すぎます。法定速度をオーバーするとフラットライド感が出てきそうな印象はあります。
特につらかったのは長尾峠を走っているときで、ガタンゴトンドシンバタンと体・シートごと揺さぶられます。ただしその時のステアリング系へのキックバックはないので、操作に大きな影響はなかったです。また、タイヤとの相性も(だいぶ使い込んだタイヤのせいもあって)あまり良くなく、高速道路では「コーッ」という音が予想よりも大きかったです。
あと、上記の偏平ランフラット+スポーツサスペンションに対してブッシュ類が作り分けされていないようで、そこそこのペースで首都高を走ると妙なブルンブルンというゴム感があります。ちょっと気味が悪いです。

他に気になったのがATの造り込みがちょっと甘いです。
巡航やタウンライドにはもってこいですが、エンジンブレーキの効きが甘いこととパドルシフトで操作した時の反応速度が鈍いです。峠道ではエンブレを使っても作動するまでにブレーキを踏まねばならず、ほとんどシフトダウンの意味をなさなかったことも多かったです。(飛ばし過ぎ、と言われればそれまでですが。)

最後に燃費の報告、397.1kmの走行でハイオクガソリン33.93Lを給油、燃費は11.70km/Lとなりました。ただし走行中はエアコン使用、アイドリングストップはOFFで使用した結果です。



そろそろまとめます。

このCクラス、日本で使うには操作系の統一性が薄くやや使いづらいクルマです。
またAMGスポーツパッケージ付は(特にこのクルマが製造されたであろう時期は)試乗してからの購入を勧めるクルマです。安楽に走ろうと思うならAMGはない方が賢明です。

操作系の話というのは、ステアリングの急なパワーアシストの上昇、COMMANDシステムとハザードの使い勝手が(ほとんど絶望的に)悪いことが、シフトセレクターやクルーズコントロールの操作レバーをコラム周りに集中させステアリング操作に専念させること、とにかくハンドル操作はきちんとやってもらおうという「思想の矛盾」を感じさせるからです。ともすれば、コラム周りの設計者とセンターコンソール周りの設計者は正反対の人か?と思うくらい違うのです。乗りなれれば少しは気にならなくなるでしょうが、昔のメルセデスはこの辺もしっかり操作性を統一させていたという印象が強く、設計思想がガラリと変わっている印象を受けます。


…で、もし私がCクラスを買う余裕があったら買うかって?
…うーん、BMW・3シリーズと迷うと思います。ただしアウディA4、レクサスISと比べるならメルセデスベンツ・Cクラスを買います。ジャガーXEは良いクルマですが、大きさがあるのでもっとしっかり乗ってみたいのが本音です。
このCクラスでは、これじゃなければならない、どうしてもこれにしたいんだ、と思わせる決定的で強い魅力は薄く感じました。(個人的には先代後期型(W204型)のC180だったら即決していたと思います。)
Posted at 2018/08/23 23:15:18 | コメント(3) | 自動車関連 | 日記
2018年04月03日 イイね!

【試乗】JAGUAR XE-S(3.0L V6/スーパーチャージャー)

【試乗】JAGUAR XE-S(3.0L V6/スーパーチャージャー)成熟した大人向けスポーツサルーン

ジャガージャパンのイベントに参加した折に、XEに乗ることができました。
試乗車として用意されていたのは、日本導入ラインアップで最もパワーのあるエンジンが搭載されたXE-Sというものでした。搭載エンジンはFタイプと同じ3.0L V6エンジンにスーパーチャージャーを搭載し340psを発揮するエンジンです。

正直言いますと、「試乗ができる」と知ったのもそのイベント先でのこと、ましてやXE-Sなんて「ふーん、Sバッジが付いているから(メルセデスの)AMGスポーツパッケージか(BMWの)Mスポーツ相当?」なんて思っていたくらい、事前知識なしで乗っています。
試乗に付き合ってくれたスタッフの方に、エンジンの出力を聞いた時に「250kW、340ps相当です」と聞いて「もしや、最もパワフルなエンジン搭載しているヤツ…?」と思った時には走り出して3分経ったときです。そのくらい「なーんも知識なし」が乗って思った感想ですので、話半分程度に。

エンジン始動から走行中に至るまで、エンジンは低音が若干効いているイイ音色を奏でます。
ただしそれ自体が「ご近所迷惑」とか「うるさい」と思う性質のそれとは違います。F-TYPEのそれは明らかに「ヴァーン!」と(比喩表現抜きに)吠えるサウンドに対し、いいところ「主張する」程度の音圧に整えられています。
パワー感は必要十二分以上、スロットルペダルを一般道走行程度なら30%も踏む必要はありません。また、スロットルペダルに対する反応も十二分に早く、踏んだら踏んだ分だけパワーを供給してくれます。スポーティーカーにありがちな過敏な反応もありません。大人しく乗ろうと思えばいくらでも大人しく乗れます。

ステアリングフィール、これは電動パワステを採用したFR車ということを考えると「特筆して良い」と答えて差し支えありません。
FR車ですので、FF車にありがちな少し粘っこい、やや鈍重な感覚はありません。回す力を加えた時から、旋回姿勢を保つまでスッと回ってくれます。一方で、昨今のクルマにありがちな「低速時は軽い、高速は軽いのに抵抗がある」という印象がほとんど皆無です。感じられるのは駐車場内を徐行して進むときに多少の「軽さ」感は覚えますが、少なくとも一般道走行の領域から滑らかな手応えに変わります。ステアリングホイールとパワーステアリングのセッティングがよく合っています。
少し気になるのは、ロックtoロックは少ない(中立から1.5回転もせずにフルロック)ことでしょうか。
一方で、住宅街での取り回しに困るほど小回りが利かないわけでもなく、また市街地巡航速度程度でもステアリングが過敏に反応する印象は、少なくとも20分程度の試乗では皆無でした。

乗り心地、ややロードノイズが過大です。走り出した瞬間からゴロゴロゴロッとタイヤが路面を打ち付ける音が車内に伝わります。ここはマイナスポイント。
一方、路面の衝撃はきちんと「いなして」くれます。ドイツ車のようにバチンバチンと硬いもの同士がしなって収まる感じとも、フランス車のバネが仕事をしてギューッと縮みながら衝撃を収める感じとも違います。バネと共にショックアブソーバーが(感覚的ですが)ジンワリと伸び縮みする印象です。
これを書くに当たって、ボディ構造がアルミモノコックであることを知ったのですが、これまでのどのアルミボディ車と比べても「打っても響かない」感じが少ないクルマでした。(=スチールボディと変わらない印象。)

ブレーキ、これも扱いやすくよく止まる印象です。ただし高速ハードブレーキングを試したわけではないですが、ドイツ車のそれに比べるとやや柔い、ブレーキペダルそのものがストロークで制御する印象を受けます。(ドイツ車は感覚的に踏力で制御するイメージ)

まとめると、このクルマに「分かりやすい」魅力はありません。
映画でいえば、派手な爆発やCGアクションがあるわけではありません。美男美女の、歯がガタガタと浮いてしまうほど大甘なラブロマンスがある訳でもありません。誰が見ても一目でわかる魅力では構成されていない、役者と演出と映像で魅せる努力をしている映画のようなクルマです。
そのクルマに触って、座って、乗ってみると分かる魅力です。しかしそれは、一般試乗程度で全てが理解されるクルマではありません。おそらく所有していたとしても、気づかない人は気づかないまま手放してしまうであろうくらい、とっても難解な魅力を持つクルマです。

そこがメルセデスベンツのAMG、BMWのMモデル、アウディのS/RSモデルと大いに違うところです。
これらのモデルは「第一印象から違う」ことが分かり、例え50m動かすだけでも違いが分かるクルマです。食べ物でいう真っ赤な激辛ラーメンと同じです。
ジャガーのXE-Sは食べ物で例えるなら「見た目は同じ、スパイスがよく効いたカレー」のようなものです。
分かる人にしか分からない、その魅力が気に入った人はこのクルマを買って非常に高い満足度を得られると思います。

…私ですか?
正直ジャガー、ここまで良いとは思っていませんでした。
Posted at 2018/04/03 22:29:19 | コメント(3) | 自動車関連 | 日記
2018年03月11日 イイね!

電子制御は万能デバイスか?

幾つか、面白い動画を見つけましたので紹介しながら話を進めたいと思います。


(40秒~)
現行型ホンダ・NSXのダブルレーンチェンジテストです。
最後の方のドライバーによる評価を気にせず、この時に「音」に注目して下さい。
…何となくですが、4輪全てからスキールしているような、そんな音に聞こえます。
トルクベクタリングで駆動・制動力を制御しているのでしょうか、接地しているすべての車輪を駆使して曲がっている印象があります。これは確かに電子制御のおかげでしょう。
3分10秒から日産・GT-Rも同じテストをしていますが、音質が違うことにご理解は頂けるかと思います。


(1分15秒~)
同じNSX、同じドライバーでウェット路面の旋回制動テストです。
スピンしています。ドライバーも「これESPついているんだろ?」と評する通り、電子制御なんて全く役にも立ちません。これが一般道だったらどういう結果だったでしょうか。
6分20秒から、日産・GT-Rも同じテストをしていますが、こっちはド・アンダーです。

共に大パワーと保守に大変な費用のかかるハイパフォーマンスタイヤ、先進の電子制御デバイスを満載にしてかかっても1.8tの重量が持つ物理的な法則にはかなわない、そう思いませんか?
Posted at 2018/03/11 22:59:02 | コメント(4) | 自動車関連 | 日記

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