• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

トヨタ~のブログ一覧

2018年02月18日 イイね!

【代車】フォルクスワーゲン・ゴルフ4

【代車】フォルクスワーゲン・ゴルフ4お題はプロボックスを修理に出すところからはじまりました。

修理話の詳細は後日お知らせするとして、色々話を付けてプロボックスを整備工場に預けに行きますと…
整備工場の主人:「代車出すからちょっと待ってて、戻ってくるから。」
というわけで、しばらくすると前の借主が代車で登場、愛車を引き取りにお見えになりました。
前の借主:「すみません、洗車もせず汚いまま、ガソリンも半分ですが…」
とのこと。こちらまったく気にしていなかったのでそのまま受領して帰ってきました。

そのクルマが本日の話題になる、フォルクスワーゲン・ゴルフ4です。
本国では1997年、日本導入は1998年からはじまった、ゴルフとしては第4世代のクルマです。
同じシャシーを持つ兄弟車にアウディの初代A3、初代TTがあります。つまり上級ブランド車とシャシーを共用化し、さらに品質レベルも上昇しつつある頃のゴルフということです。

お借りした車両の搭載エンジンが1.8L 20バルブターボエンジンで布張りレカロ付きの2000年式車でAT、ということでGTIの4速AT車と類推します。走行距離は11.5万km、タイヤはスタッドレスの標準インチのままの車両です。


走り出してみると、ステアリングの径が大きく重め、アクセルペダルもやや重め、ブレーキペダルだけストロークで制御するタイプのやや軽めで、ブレーキ操作に少々の慣れが必要です。
元々、整備工場でそれなりに手入れされている車両であるため、エンジン出力はフラットトルク型で必要な時に必要なだけの力を確実に車両へ伝えてくれます。4ATもDレンジで走り続ける限りは不必要な変速もせず、また大きなショックもありません。ただし、ドライバーの意思で3レンジに入れるときは車両側の制御が2~3テンポほど遅れて応答するようで、エンジンブレーキを積極的に使おうとすることは苦手とする印象があります。
ちなみに燃費は借り受け後に一度満タンにしてから321.0km走行で30.25Lの給油、10.61km/Lで当時のカタログ値10.4km/Lよりも2%ほど燃費が良かったです。
メーター読み最高燃費は100kmほど高速走行した後の14.0km/Lでした。



シートに座って走り出せば、乗り心地はしっかりとしている、やや固めながら不快感のない走りを見せてくれます。レカロ製のシートは剛性感が非常に高く、ドライバーがちょっとやそっと揺さぶったくらいではビクともしません。そのおかげで、座っていてもガッチリとサポートされている印象がとても高いクルマに感じます。
惜しむは、低速で段差を乗り越えるときにリヤサス周りから「グシャッ」と音がすること。取付支持剛性は元々そんなに高いクルマではなかったようです。
ただし、借用期間中に高速道路で緊急回避する場面が発生したのですが(エルクテストを想像して頂ければ間違いありません。速度110km/hくらい)、この時にリヤサス周りから少しの"おつり"はあったものの、私のようなヘッポコポンコツドライバーでも立て直すことができるくらいの穏やかさと扱いやすさを持っていました。

パッケージング、これは正直全くいただけません。パッケージング的にはセリカ・シルビア・プレリュードなどのスポーティーカーパッケージングにハッチバックのリヤスタイルを付けてゴルフの皮を着せたような車です。
フロントシート位置が低く、併せてダッシュボードの高さも低くして全面視界を確保しています。
ダッシュボードが低くなったのでエンジンもそれなりに寝かせて、その分前後方向に長さを必要とするために鼻先が長くなります。
そこまでして得られたものはカッコよさと多少の重心位置が下がったことくらい、代わりにエアコン周りの操作性、ナビ周りの視認性、ドライバーが足を投げ出す格好でポジションとして(人間工学的に)不適、乗り降り時の腰の高さ移動が増えて乗り降りしづらい、と失ったものが数多くあります。
これに合わせてリヤシートの座面位置もフロアから低くなり、足元スペースを確保するために全長まで伸びて、同じトランク容量を維持するために全長も伸びて…となると、正直このパッケージングは「実用車」ゴルフとしてダメパッケージングと判定せざるを得ないと考えます。
パッケージング的に「実用車ゴルフ」と個人的に認定できるのはゴルフ5に設定のあった「ゴルフ・プラス」と5から設定のある「ゴルフ・トゥーラン」位であると個人的には考えます。
しかし、私の個人的使い方には上記2車種が適合せず(立体駐車場問題、ゴルフプラスが1605mmで55mmオーバー、駐車場に入りません。)、つまりゴルフ(シリーズ)は私の使い方に合わないという問題が残ります…。


総評すると、このゴルフは機械としてはよく出来た機械です。走り味も、乗り味も、パワートレインの出来も、いずれも何ら問題のない、過不足のない出来です。いえ、もっと言えばよく走るので必要十分以上です。
ただしパッケージングを考えた人間は使う人たちが普通に使うことに対して「少し」考えが及んでいなかったクルマのように感じます。これがTTならパッケージング的に成立しても、ゴルフに対しては成立していません。それはゴルフを実用車として考えた時に、道具として掛け違えたクルマになってしまったことに、少しの落胆を覚えます。

追記:日本で売っていない、あるいは販売されていたちょっと珍しい車種ばかり名前が出てきたので、簡単に写真を追加します。(出典元はすべてウィキペディアより)
 
左:VW・ゴルフプラス(日本でも販売していた時期あり)、右:ゴルフ・スポーツバン(日本未導入)
 
左:フォード・フォーカスC-MAX(日本でも販売していた時期あり)、右:現行型(日本未導入)
Posted at 2018/02/18 20:51:11 | コメント(4) | トラックバック(0) | 自動車関連 | 日記
2017年11月01日 イイね!

【TMS2017】偏趣味ねりあるき・部品ブース編

【TMS2017】偏趣味ねりあるき・部品ブース編連続投稿3日目はよりディープな内容、部品ブースとマツダブースの新型エンジン、スカイアクティブXを取り上げます。
東京モーターショーでは、完成車メーカーのみならず完成車に部品を納めている部品メーカーさんや、トラックの荷台を架装して使用用途に合わせた改造を行う架装メーカー、JAFや国土交通省などの社団法人・官公庁なども出展をしています。
その中から、個人的興味や関心を集めたものを紹介していきます。
ただし、部品ブースということもあって基本的に写真少なめです。(たぶん撮影可だったと思いますが、撮影を控えました。)

・NPR、リケン(ピストンリングメーカー)、大同メタル(エンジンメタル)
ピストンリングとは、エンジンのピストン周囲に取り付けられ、エンジンオイルが燃焼室に入らないように、また燃焼室の空気が抜けないようにシールをする部品です。
エンジンメタルとは、エンジンの回転パーツ(クランクシャフト)を保持する部品で、エンジンメタルとクランクシャフトはエンジンオイルを介するので基本的に接触はしない(エンジンオイルの膜厚でベアリング効果を果たす)部品です。
いずれのメーカーも共通するのは「エンジンオイル」というキーワードで、疑問に思ったことを一問一答形式で聞いてみました。しかもまとめるということでお察し頂けるかもしれませんが、なんと3社同じ質問をして同じ回答(!)でした。
Q:エンジンオイルの粘度指定で、純正指定以外を使うと問題あるか?
A:低粘度オイル(0W-20など)を使うと膜厚が確保できず、部品同士の接触が起こりエンジンに不具合を起こす。高粘度オイルを使えば問題はないが、その他の理由(つまりポンプの駆動抵抗とかエンジンオイルのせん断抵抗とか)で他の部品に影響があると考えられる。
Q:エンジンオイルに入れる添加剤は入れて効果があるのか?
A:すべての添加剤を試すことはできない。だが添加剤による品質クレーム等は聞いたことがないので通常使用はできると思う。しかし全く問題がないと保証することはできない。
…これらに加えて、これまた3社とも同じように言われたことが以下の通りです。
「我々が性能試験を行う際は、純正オイルを用いて試験を行う。それに当たって悪条件を試すためのオイルも自動車メーカーから供給を受けて、それで問題ないことを確認している。だからエンジンオイルは純正オイルを使い、純正の交換サイクルを守ることが現在の自動車にとって最も負荷の少ない使い方であると考えています。」

・松井製作所(ユニバーサルジョイント…ステアリング系、駆動系部品)
自動車の部品には、例えばFF車の駆動系を想像すると「舵を切りながら、駆動力を伝える」部品があります。このとき、動力側とタイヤ側で向きが変わるときがありますが、それでも動力を伝えるために必要な部品がユニバーサルジョイント、漢字で書くと「自在継手」というものです。

写真はイメージです。(松井製作所さんの製品ではありませんので注意。)
この部品はステアリングでも使われていて、身近なところではチルトステアリングはこの機構を応用したものになります。
出品されたものの中に、長さを変えられる歯車(スプライン)が付いたユニバーサルジョイントがあり、この歯車部分にコーティングがされていることで、ガタがないジョイントができたと説明を受けました。
そこで、この歯車を作るのはどれだけ大変かと聞いてみると…簡単に言えば「とても大変で、長いほど製造するのも難しく、当然単価も上がる」とのこと。
…このスプライン、つまりはステアリング系の「テレスコピック」機構のベースなのですね。
テレスコピック機構がなぜ高級車に採用される傾向なのか、少しカラクリが分かったような気分です…。

・杉浦製作所(ホイールハブナット)
会社名は聞いたことがなくても、部品はイメージしやすいものです。つまりホイールを留めるときに使うナットを作っているメーカーです。
このホイールナットで気になるのは、テーパー部分がどうやって作られているのか。

写真は杉浦製作所さんのHPより拝借。
やっぱり転造のようです。気になるのはネジ穴とテーパーの精度ですが、ここまでは説明員さんでは分からないとの話…。

・会津UV漆グループ

写真はユーアイヅさんのHPより拝借。
会津の漆会社3社が集まった展示で、漆の中に紫外線硬化型の材料と漆を混ぜて作った塗料を使うと、漆の質感と特性に、紫外線への耐久性と生産性の高さを合わせた材料になるというものです。今回の展示では自動車の内装化粧パネルへの転用を提案するもので、とても綺麗なパネルが多数並んでいました。

・トヨタ紡織(自動車用シート、内外装部品、吸排気系など)

トヨタ紡織さんのPDFファイルより拝借。
トヨタ紡織さんからLS技術をひとつ。ドアトリムの布張り。といってもLS上級グレードのオプション内装車のみのもの。写真はそれですが…これ、プリーツ手織りだそうです。(驚き)
これも織り方が特殊だそうで、フロント側の折り目は小さく、リヤ側の折り目は大きくなっていること、折り目が重なる場所でレクサスのモチーフになるL字型を描くこと、そして左右のドアパネルで同じように見えること、かといって機械で折ったような無機質さを出さないことが開発の苦労ポイントだそうです。

・豊田合成(エアバッグ、ウェザーストリップ、インパネなど)

再びLS技術。ドアガラスとドア枠の段差をなくしたガラスランの展示です。これをすることで風切り音低減、静粛性の向上、空力特性の向上、見た目のカッコよさを求められるわけです。

ちなみにエアバッグも展示がありました。

・東海理化(スマートキー、シートベルトなど)
ここからもLS技術。シートベルトのバックル(金具を受ける部分)が自動でせり出す機構と、ベルトの巻取りをモーターで行う仕組みが展示されていました。
ベルトの巻取りをモーターで行うのはプリクラッシュセーフティシステムのためで、折角これをやるならばベルトを引き出すときの引っ張る力を抑えようというのが開発の発端だったそうです。そしてバックルをせり出すことで装着しやすさを高めようというものです。

・曙ブレーキ(ブレーキキャリパーなど)

F1用のブレーキシステムです。隣にマクラーレンP1用のシステムが置いてありましたが、それよりも小さかったのが特徴的です。大きさとしては18インチのクラウンあたりと変わらない?(もっと小さいかも)。

・独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)

展示物はトヨタ・C-HRのオフセット衝突試験車両。つまりぶつけた後のクルマです。
ここでいくつか、説明員さんに聞いてみます。
Q:欧州ユーロNCAPで実施しているサイドポールテストの実施予定はあるか?
A:今後の展開については検討中。来年度から国土交通省の自動車型式認定時にその要件が盛り込まれることは承知している。ただし、実際にテストすると決めたわけではない。
Q:米国IIHSではスモールオフセット衝突試験を行っているが、日本ではやらないのか?
A:前述と同じく検討中。衝突形態を調査し、事故率の高いものから優先して試験を行っている。
要望:スモールオフセット衝突は日本で、路地にある電柱やガードレールにぶつけるパターンで一般的と思うので実施をお願いしたい。そのとき、運転席側と助手席側で同じ安全性かも確認して欲しい。(だいたいは回避行動をするとき、助手席側に回避し助手席側をぶつけるパターンが多いため。)

・国土交通省 自動車局(ASV)
展示物はパネル展示のみで、今後の自動車の法整備について展示がありました。
ここでも一つ聞いてみたいことがあり、説明員さんに聞いてみました。
Q:自動ブレーキなどの用語、法整備について現在の進展と展望は?
A:自動ブレーキは一般に浸透してしまったが、言葉から期待される中身と実際がかけ離れていることは承知済み。ただし法整備するには至っておらず、早く言えば「何も決まっていない。」
Q:それはなぜ?
A:この法整備を整えるだけで、いくつもの省庁が絡んでいる。
例えば取り締まりは警察庁、法律は法務省、自動車のことなので当然ながら国土交通省、それから総務省からも審議会への出席者がいる。国の方針を決めることなので内閣府と内閣官房からも出席者がいる。それぞれの思惑と要望が今は入り乱れている状況。
Q:では、いつまでに取りまとめたいと考えているか?
A:内閣が2025年までに普及を図りたい考えでいるので、2022年とか23年までに取りまとめたい。そうしなければ、責任分掌や法律の取り扱いがあやふやな自動車を作ろうとするメーカーが居なくなると考えている。(補足:自動運転車両の事故を自動車メーカーの責任にされることを恐れるため。)
ここで特徴的なのは、こうやって説明をする職員の皆さんは低姿勢、とても丁寧な人が担当することが多いことです。お役人だから、公務員だから、どこそこの省庁だからというステレオタイプで文句だけ言いふらすのはやめた方が賢明です…。

そしてようやく、最後にこれ。真打ち登場。(そして専門用語を多数用いてお送りします。)
【マツダ・スカイアクティブX】

まずはエンジンの燃焼についておさらいします。ガソリンエンジンは火花を爆発の引き金として使います。これは爆発するタイミングは制御ができますが、爆発した時の燃焼速度(火花近くが点火した時は、火花から遠い場所ではまだ何も起きていない…火炎伝播の時間差)が制御できないという問題があります。
ディーゼルエンジンは燃焼室内部の燃料と空気を混ぜた混合気を圧縮し、その圧縮温度で混合気自身が、混合気を点火する仕組みです。これは圧縮が均一と考えることができるので、燃焼するときは一斉に燃やすと考えることができるのです。ただし、燃焼するタイミングを制御することができません。これを制御する方式として現在主流なのは「直噴ディーゼル」で、つまり空気だけ圧縮しても燃えないから圧縮した空気に燃料を入れて混合気を作ろう…という発想のものです。
ではガソリンエンジンをディーゼルのように燃やそうとするとどうなるか。今度は燃料濃度が一定でないので局所的な爆発・高温になってエンジンを壊してしまうのです。
一方で、ディーゼルをガソリンのように燃やすのは難しく、混合気自身が燃焼する条件を作ってやらなければなりません。つまり圧縮しなければいけないわけですが、圧縮する力はエンジンにとってロスになってしまうわけです。(出口のない注射器に空気を入れて押しつぶすのと同じ理屈。)
…じゃあいいとこどりの燃焼ができませんか?というわけで開発されていたのがHCCIという燃焼方法。ガソリンを適切なタイミングで、燃料自身が点火起爆になって点火させる方式です。マツダはこれに80年代の後半から研究を行い、いくつも論文を専門の学会に発表しています。ただし、HCCIはその制御を行うことが難しいのです。

このスカイアクティブXは、そのHCCI機関というわけです。つまり80年代から30年近く開発した成果がここに表れたということです。
説明員さんに話を伺い、その特徴を以下にまとめます。
・SPCCI(スパークプラグ燃焼による自己着火)はモード燃費測定法の回転数域の全域で対応可能。
・通常燃焼方式は高回転・高負荷回転域で行う制御を持っている。
・リーンバーン燃焼のモードを持っている。NOx対応は燃焼で対応し、触媒は三元触媒を用いる。もちろん触媒自身にも緻密な改良を行っている。
・燃焼室内の均一な燃焼、という考え方ではなく燃焼室内の燃焼速度を把握し、適切な混合気濃度を作る工夫を行った。
・材料などは従来のスカイアクティブと大きな変更はない。ただしピストン・コンロッドは強化型を採用。
・適切な混合気を作るために燃料噴射は直噴を採用。圧縮比15以上のため、ディーゼルと同様のインジェクター(推測:コモンレール直噴装置?)。よってディーゼルのような独特のカリカリ音は多少する。
・圧縮比15の仕様と16の仕様を開発。15の仕様はレギュラーガソリン、16の仕様はハイオクガソリンを予定。
・現在の問題は通常燃焼方式マップ制御下でのノッキング・デトネーション対策。
・市販予定は2019年を予定。


まとめ:部品ブースこそモーターショーの本気を見ることができる!
いくつかの部品ブースを紹介してみました。もちろんこれ以外の部品ブースも多数あり、魅力的な部品を多数展示していました。一つひとつをじっくり見ていくと、完成車になると全く気にも留めない、気づかない、分からない、見えない部品に心血を注ぎ、地道に、真面目に改良を続け、革新を追い求める多くの人たちの努力を見ることができるのです。
そしてまた、それらを知ることによって自らのカーライフを、あるいは整備などの有効さ、必要性を理解するポイントにもなるわけです。
完成車メーカーが粘土細工のおもちゃでだましているような展示物なんて、見たところで勉強にも考察にも何にもなりません。部品メーカーこそ見る価値がある、私はそう思います。

3部作の最後、今後のモーターショー。
完成車メーカーであればあるほど、見る価値のあるものは少なくなっていっています。
本気を感じるのは商用車ブースと部品メーカーブースです。一般に目にすることがほとんどないようなものが、至って普通であるかのように展示され説明されます。
いっそ、部品メーカーだけの展示会があると面白いのですが…。(人とくるまのテクノロジー展は商業目的が強すぎて、一般向けには門前払いの雰囲気が強すぎます。)
自動車メーカーしか見て回らないのなら、この先夢物語で実現性のないモーターショーに未来はないと、個人的には思います。
Posted at 2017/11/01 21:53:03 | コメント(3) | 自動車関連 | 日記
2017年10月31日 イイね!

【TMS2017】偏趣味ねりあるき・商用車メーカー編

【TMS2017】偏趣味ねりあるき・商用車メーカー編連続投稿2日目、今回は商用車メーカー編です。
今回の東京モーターショーではいすゞ自動車・スカニアジャパン・日野自動車・ボルボトラック・三菱ふそう・UDトラックスの各社が出展していました。
また、日系4社は大型トラックのフルモデルチェンジが重なった時期ということもあり、ほぼすべてのブースで最新型トラックが鎮座しているというかなり勢いを感じる一帯でした。

このブログでは、トラックブースで見た・聞いた話をまとめてご紹介したいと思いますが、乗用車とは考え方が全く違うことも新鮮に映ることと思います。その点もご紹介できれば良いな、と思いながら以下ブログを進めます。

【いすゞ・エルフEV(世界初公開)】

いすゞからは小型トラックのエルフをベースにした電気自動車を取り上げます。
展示してある車両は最大積載量3,000kg級の車両です。
説明員さんから話を伺いつつ、エルフEVのポイントを以下にまとめます。
・車両重量としては旧来ディーゼル車+150kg。エンジンがなくなった分でモーターとバッテリー2つを搭載し、バッテリーが単独で300kgほどの重量。
・バッテリー本体はリチウムイオン電池を採用。
・航続距離は120kmほどを予定。急速充電で2~3時間。交流200Vで10~11時間ほどの充電時間を予定。
・来年度からのリース販売を予定している。
ここでいくつかの質問をしてみます。
私:メイン駆動用バッテリーを交換する必要性はあるのですか?
説明員(以下、説):そのためのリース販売で、リース料金の中にそれらメンテナンス費用も含んで
  います。
私:リチウムイオンバッテリー部に車両が衝突した時の安全性は?
説:バッテリー内の骨格を頑丈に作ることで対応している。万が一の感電・液漏れなどの対策は
  それで対応。
私:車両の航続距離が短くないか?
説:個人向けの宅配業者、あるいはコンビニ配送などの用途で使われる車両は一日あたり
  80~100kmほどの走行がメイン。そこを狙ってバッテリー容量を決めた。よって航続距離は
  小型トラックとして必要十分な性能を確保している。
私:リチウムイオンは外気温による充放電性能の低下があるが、対策はあるか?
説:北海道などの寒冷地では若干の航続距離低下は考えられる。
  現在のところ、北海道などでも十分な性能が確保できるであろうと考えてはいるが、バッテリー部
  にヒーターを設置し、充電中にヒーターで温めることも検討している。

電気トラックの口火を切ったのは、いすゞと同時に日本初公開を果たした三菱ふそうのeキャンター、つまり小型トラックからはじまる訳です。
もっともこれについては後ほどまとめます。

(余談)【いすず・ミューエックス】
いつ売るの?…売りません!

毎回毎回、いすゞブースの隅に飾ってあるSUV・ピックアップトラックシリーズ。
タイ生産の車両で右ハンドル、絶対いつかは出ると思っていたのですが説明員さんに聞いて確かに納得の理由がありました。
それはつまり「ポスト新長期規制への対応」と「乗用車ディーラーネットワークがなくなった」こと。
前者はディーゼル機関の車両を多数擁するいすゞにとっては難しい話でないと個人的に考えますが、後者は…どうしようもない話です。
ちなみにタイトル下の話は私がズバリ聞いて、説明員がズバリ答えた様をそのまま書いたもの。
(説明員さんも苦笑いしていました…閑話休題)

【三菱ふそう・eキャンター(日本初公開)】

こちらは説明員さんがあまり詳しくなかったため、プレスリリースから情報を転載します。
車両総重量(GVW)7,500kg、最大積載量3,000kg予定、乗車定員3人、航続距離100km、充電時間は急速充電で1.5時間、交流200Vで11時間。

公式サイトから、ドライバン・3t積車両・従来ディーゼル車の車両総重量を書き出すと6,200kg~6,500kgとあります。およそ1,000kgも車両重量が増えたことになりますが…もしかしたら展示車は冷凍バン車両かもしれません。

【日野・ポンチョEV】

この車両は既に実証実験車両として3台、一般の道を走っているそうです。
近くの説明員さんに話を伺い、ポンチョの特徴を以下にまとめます。
・コミュニティバスとして開発されたポンチョの性能をそのままにEV化している。
 (性能とは輸送可能定員が同じということです。)
・航続距離は50km、充電時間は30分ほど。
・運航事業者に一般販売しているが、標準車に比べて数倍の車両価格。
・一方で航続距離が短く、充電時間は早いものの輸送効率はおよそ半分。
 (補足:標準車が2周できる時間でEVは一回りしかできない。充電時間分だけ稼働時間が減る。)
・以上のことから、事業者からの評判はあまり芳しくない。
 (補足:つまり車両導入コストが高い割に車両稼働率が低く、採算が取れない車両ということ。)

小型コミュニティバスをほぼ独占で作っている、日野自動車らしい車両です。
ただし、その性能についてはかなりの疑問点が多いこともここで分かった話です。
運航事業者にとって、稼働率の向上(=生産性・利益の向上)は対外的な環境保護イメージよりも優先されるもので、もっと進化する余地があると考えているのが日野の説明員さんの話しぶりから受けた印象です。

【UDトラックス・クオン トラクター】

最後に紹介するのは今年フルモデルチェンジしたクオン。
こちらも説明員さんから話を伺い、新型クオンの特徴を以下にまとめます。
・新型クオンは環境性能の向上、安全性・快適性の向上、車両稼働率の向上を図ることを目的に
 フルモデルチェンジを行った。
・耐環境性能の向上はディーゼルエンジン、トランスミッションの改良で達成した。
・安全性・快適性は衝突被害軽減ブレーキの性能向上、LEDヘッドライトの採用、キャブのインテリア
 を新設計することで達成した。なおキャブ本体は旧型キャリーオーバー。
・車両稼働率の向上は各部品の信頼性・整備性の向上と包括的なサービスを提供することで
 達成した。

一方で、説明員さんからは今後の話も出ていて…
・今後はハイブリッドなどの電動化技術を取り入れていくことが必要。
・そのためには軽量・高性能なバッテリーの開発が必要。
・大型トラックという性質上、高い耐久性(補足:数100万km走ることが普通)と信頼性が求められる。
とのこと。個人的な見解として
〇電動化技術は必要と考える。なぜなら積み込み待ちや休憩時間中のアイドル時間を電動化技術
 で対応することができれば、燃料代の節約と騒音の低減、排出ガスのカットが図れる上に振動も
 減る。ドライバー、事業者、周辺住民、地球の環境全てにとってメリットがあると考える。
と伝えました。


さてまとめます。
トラックにとって必要な物とは「軽量なシャシー」「頑丈すぎるほどの堅牢性」「運転者の快適性と安全性」であると、私は考えています。
「軽量なシャシー」とは、つまり運転できる大きさが車両総重量で決められる(シャシーと免許によって決まる)ので、同じ総重量で軽いシャシーほど、荷台の架装バリエーションが増え、また最大積載量が増えることになるためです。1度に運搬できる量が増えるほど効率がいいわけです。
「頑丈すぎるほどの堅牢性」は言わずもがなで、モノを運ぶことで利益(=給料)を得るわけですから、ずっと働き続けられる丈夫な車ほど高性能(高い収益を得る事ができる)、ということです。
「運転者の快適性と安全性」は、大きなものを長距離・長時間運転するのですから疲れて間違った判断をすれば事故を呼び、労働者の身の危険と荷主・バスなら乗員の信頼を損ない、加えて修理に入ることで利益も減ってしまうことになります。
一方で、人間とはいつか間違うものであるという前提に立てば、間違った時に安全にする技術も必要です。これがつまり衝突被害軽減ブレーキや人間工学の必要性、というわけです。

この3つに立って今回の展示物を眺めると、まだまだEVの時代は遠いと考えます。
それはつまりバッテリーの性能向上、技術進歩の早さが商用車に使われるほどのレベルに至っていない事が理由です。
大きなバッテリーを積めば、重量もスペースも使ってしまい積載性能が減ります。
未熟なバッテリーを積めば、こまめな整備が必要になり稼働率が下がります。
かといって、小さいバッテリーを積んでも充電時間が必要で稼働率が下がります。
その解決策は、エルフEVやキャンターの場合で車両総重量7.5t級のシャシーを使い、3t積みにすることで対応するという方法です。つまり無理やりのEV化です。
それでもやらないよりはずっと良い…という判断でしょう。確かにその通りでやらないよりはやった方が良い。だが搭載機器はもっともっとの進歩が必要、それが私の結論です。
Posted at 2017/10/31 22:17:05 | コメント(1) | 自動車関連 | 日記
2017年10月30日 イイね!

【TMS2017】偏趣味ねりあるき・乗用車メーカー編

【TMS2017】偏趣味ねりあるき・乗用車メーカー編今年はモーターショー・イヤー、というわけでブログ開設11年をして初めて、まともにモーターショーのレビューを挙げるというなんとも「腰の重い」ブログ記事です。
加えて、東京モーターショーの目玉と言えるコンセプトカーの話もなし、もう一つの華ともいえる「コンパニオン」画像なし、あるのは個人的趣味が偏り過ぎている感想のみという、ページビュー(とイイネ!)数なんてクソくらえと言わんばかりの内容でお送りします。

色々巡り歩いたので、都合により3部くらいに分けてお送りします。
今回は乗用車メーカー編。トヨタとマツダのブースでは説明員さんに話を聞きましたので、その内容も織り交ぜてお送りします。

【トヨタ・センチュリー(世界初公開)】
分かる人には分かる、このクルマの凄みがある

個人的にこれを見るためにモーターショーへ、何時間も並んでいの一番で見に行ったと言ってはばからないクルマです。説明員さんも飛んできた私のことを気にしてくれたみたいで、すぐに応対してくれました。(感謝!)
というわけで対話形式のセンチュリー問答集。大体こんな話をしたという意味で取ってください。
私:今回のセンチュリー、30mm全高を挙げていますね。パッケージングも見直したのですか?
説明員(以下説):後席シートの着座位置を15mm上げています。
  (補足:ということは15mmはヘッドクリアランスにあてた可能性高)
私:それは何故ですか?
説:今後、このクルマの後席に乗る方は身長も高くなっていきます。その時に窮屈にならないように、
  現時点でのベストを尽くしました。
私:なるほど。それなのにセンチュリーらしく見えますね。センチュリーのスタイリング的特徴は
  どこですか?
説:まずはボディ下側のメッキモールです。全高が高くなったので、旧型とバランス(補足:つまり
  比率のこと)は同じにしても、メッキの面積が増えてしまいます。これまでと同じメッキの処理では
  ギラギラして下品になってしまいます。そこで少し上品に見えるように処理を変えました。
私:他にはありますか?
説:塗装の品質もセンチュリーの特徴と考えています。
私:しかしこれは、モーターショー用にビッカビカにしたのではないのですか?
説:…多少はありますが、これが目標品質レベルです。こうなるように現在調整中ですので、
  ご期待ください。
  (補足:塗色が黒ということもありますが、人間国宝が精魂込めて作った漆器かと思うほどに、
  吸い込まれそうなほど表面平滑度が高いのです。ほとんど鏡同然。個人的には市販車レベル
  まで持ち込めるとは到底思えないレベル)
私:…いくらなんでも、このレベルはそう簡単ではないでしょう?
説:これはセンチュリーが量産しないからこそできる品質です。一日うん十台だったら
  とてもではないですができません。
私:やはり。いろいろ教えて頂き、ありがとうございました。

このクルマを実際に見てみると、写真よりもハッキリとセンチュリーに見えます。そして実車の外観品質レベルはこの世の自動車とは思えません。どんなコンセプトカーよりも、どんな超高級車よりも3段は上等に作ってあります。これは実物を見た人にしか伝わらない「すげぇ…」があるクルマです。
…しかし、そんな「すげぇ…」が分かる人は日本でも多くないと思います。それがこのクルマの凄いところで、誰彼にもわかる「分かりやすい凄さ」で武装していない凄みを持つクルマです。
個人的に、このクルマを2017年 東京モーターショーのベスト・出品車両に推薦したいと思います。

【トヨタ・クラウンコンセプト(世界初公開)】
批判は覚悟のうえです。

これまた事前発表段階から色々と話題の、新型クラウンの参考出品車。
実物は確かにクラウンっぽくなく、ちょっと軽いクルマに見えます。やはり説明員さんがいたので質問してみます。
私:歴代クラウンでは初の6ライトウィンドウを採用するみたいですが、なぜ今の時期にこのような
  スタイリングにしたのですか?
説:ハッキリ申し上げますと輸入車を選ぶユーザーにもクラウンをお選びいただきたいのです。
これまでのクラウンらしさ、つまりちゃんとしたトランクがあるセダン型は時代の流れによって「かなり
  古臭い」クルマに見えてしまいます。それもあって、クラウンをお選びになるユーザーの年齢も
  相当高い方々が多いのです。だからこそ、今回は若い方にも乗っていただきたい、そういう方々
  は輸入車を選ぶ方が非常に多く、新しいクラウンはそんな皆様にも似合う車にしたい。そういう
  思いからこのスタイリングにしました。
私:そうすると、後席の乗降性能は悪化しませんか?(補足:先日のブログ記事
説:そこが難しいところですが、今回は現行モデルよりも乗り降りしやすいドア形状にしました。
  また室内も広くなっています。
私:なるほど。ではトランクの開口面積。これはモロに影響を受けていますよね?
説:今回はスタイリングを少し優先したために、確かに開口面積は狭くなりました。ただし、トランクの
  広さは形状・トリムを工夫して旧来同等のゴルフバック4つ以上の積載性を確保しています。
私:…と言えど、旧来クラウンオーナーからは結構厳しいこと言われるのではないですか?
説:それはもう覚悟のうえです。それでもクラウンは変わります。
私:わかりました。実車の発売楽しみにしています。ありがとうございました。

実物が持っていた印象というのは、やはりクラウンというよりもマーク2のような、若々しくて少しエネルギッシュな格好をまとったクルマでした。しかし説明員さんの話を聞く限り、クラウンがクラウンである伝統(個人的にはリヤドアの乗降性能、運転席に座った時の人間工学的作法)は残っていて、座って運転するとクラウンであることを感じられるのではないか…と思います。
いずれにしても、実際に座ったわけではないので本当の評価は発表・発売されたときにわかる話です。

【トヨタ・TJクルーザー(世界初公開)】
ミラ・ウォークスルーバン持ってるんです!

今度は正真正銘のコンセプトカー・TJクルーザーです。
トヨタの素晴らしいところは、各車両ごとに「○○(←社名) 車両説明員」の名札を付けた係員を展示車近くに用意していることです。またまた質問を…(←質問魔化している)
私:私プロボックス乗っているのですが、次の代替にイイなと思うのです。
説:…え?実は私がこのクルマのスタイリングを担当したのですが(分かる人にだけ分かって
  くれれば良いどうでもいい情報:説明員さんはイニシャルTさん)、僕ミラのウォークスルーバン
  乗っているのです。
  (個人用iPhoneを取り出して、愛車の写真を見せてくれる。ミラ・クラシックのフェイスを移植した
  白いウォークスルーバンの写真で、荷物室には自転車が載っている。)
  こうやって、自転車が趣味なもので自転車を積んで通勤にもこれを使っているのですが、このノリ
  でTJクルーザー作ったのです。つまり道具として徹底的に使えるクルマとして作りました。
  だからコンセプトカーとしては異例なことですが、室内のモックアップを作って最初は縮尺モデル
  で、次に実寸大モデルで自転車とか荷物を積みながら設計したクルマなんです。
  私:ほぉ!道具としてちゃんと使えるクルマって日本では珍しいですからね。私も今のクルマの
  そこが好きで、だからこそ言いたいことがあるのです。5ナンバーサイズにして!
  (今度は私がスマホを取り出し、先日のブログに使った写真を見せながらあの中身と同じこと
  を説明)
説:…はぁ、なるほど。こういう厳しい条件で使っているのですね。…実はこのコンセプトカー、
  モリゾウさん(補足:豊田章男さん、現トヨタ自動車社長のこと)にもこのクルマを見せて
  「軽自動車規格でこういうの作らないの?」って言われたんです。
私:…え?!もっと小さく作れ、と?
説:そうなんです。で上司が社長にプレゼンしていたのですが、上司が「デザインした人は本当に
  軽に乗っている」って言っちゃいましてねぇ。(笑)
  (説明用iPadで豊田章男社長とその上司の方が、コンセプトカーを前に談笑する写真を見せる)
私:…ってことは、小さくして早く出さないと。(笑)
説:…そうしたいのは山々ですので、是非ともTJクルーザー良かったと評判を広げてください!
私:どっかに投票ボックスなんてある?絶対これのことを書きます。(笑)
  説明ありがとうございました。

センチュリーといい、クラウンといい、このTJクルーザーといい、トヨタの説明員はどんな人をとっても楽しく、嬉しそうにクルマのことを説明する。それこそ我が子のことを自慢するように。
そんな会社が作った楽しくって使いやすそうな、道具としても愛車としても100%愛用できるクルマ、市販されたら本気で候補にします。

【フォルクスワーゲン・ポロ(日本初公開)】
でけぇよ!(本日1回目)

新型のポロが乗り込み自由、日本初公開ながらいろいろ見られる状態で置いてありました。
座ってみるとこれまでのポロより着座位置が変わらないものの、全長方向に延びた為にフロント・リヤ共に足元の余裕があります。しかしその為、リヤシートがフロントシートより1段高い、映画館の鑑賞席のような見晴らしの良さは無くなりました。
エンジンは1.0TSIとのこと。しかし全幅1751mmということで我が家では買えません。

【フォルクスワーゲン・アルテオン(日本初公開)】
フォルクスワーゲン・パサートED(CLSクラスでも可)。

旧型は「パサートCC」の名で売られていた、パサートのシャシーをベースにした4ドアクーペです。
サッシュレスのドアも継続採用。しかしいずれにしてもデカい。デカすぎる。(本日2回目)
格好が好きなら買っても正解のクルマ、このクルマで大人4人が快適に移動することと都市圏で取回して楽であることは120%諦めないと後悔するクルマです。

【ポルシェ・カイエン(日本初公開)】
でけぇよ!(本日3回目)

ポルシェがフォルクスワーゲングループに入って、初のスポーツカー以外の市販車として出したカイエンの第3世代です。スタイリングはマカンに似た印象を持っていますが、幅・長さともにワンクラスは確実に大きくなり、本当に「薄らデカいクルマ」になってしまいました。

【アウディ・A8(日本初公開)】
技術による事故誘発は自動運転レベル3で対応?

1994年から発売された、アウディが2桁または3桁の数字から脱却した初のクルマだったアウディA8の、第4世代が日本初公開となりました。写真はショートホイールベースで、ロングホイールベースのA8Lも展示されていました。しかし実物はナマズのように低く長く薄らデカい(本日4回目)。
そのA8、コクピット周りが触れるだけのデザインになりましたということでナビ周りだけのお試し機があったのです。それが下の写真。

今度は指で文字を書いても認識できる、重ねて書いても認識できる、漢字も認識予定(展示品は英語のみ)というもので、右ハンドルを模して左手で試してみました。
…全く使い物になりません。見ながらでないと書けないし操作できない。これでは脇見運転でぶつかってしまいます。…だから自動運転レベル3を世界に先駆けて搭載しますって?
…どこか決定的に技術の使い処を間違えていませんかねぇアウディさん。

【スズキ・クロスビー(世界初公開)】
中身はイグニス系?

ハスラーワイドと噂された、スズキの小型乗用車クロスビー。ご自由に座ってくださいの状態でしたので座ってきました。腰を下ろした位置にシートの座面があり、乗り込みやすいフロア高さも相まって乗り降り楽々、座ってもポジションがデスクチェアのように正しく座れて快適性抜群、四角い形状で見切りも良好、…どこかでこの感じをする車があったよね?…あ、イグニス。
というわけで多分イグニスと同じシャシー系を使った車でしょう。余談ですが一部の方に向けた写真は下の通り。多くは語りません。


【BMW・コンセプトZ4(日本初公開)】
クレイモデルをそのまま展示したような…。

BMWのコンパクト2ドアオープンのZ4、全世界的に昨年で生産終了、日本でも在庫完売でいま新車では買えない車です。それの新型を予感させるコンセプトモデルがこれです。
今度はドイツ生産になり(それまではアメリカ生産)、加えて日本でもトヨタが同じシャシー・違うスタイルのスポーツクーペ(巷ではスープラ後継との評)を輸入して売るという車です。
しかしスタイリング的に、あるいはインテリアの各部を見ても市販や作り込みが丁寧なクルマではなく、粘土細工の車に布と塗装を施したような、プラモデルにも見える車です。
正直言ってスタイリングの勉強以外で見る価値があるクルマとは思えません。

【メルセデスAMG・Project One(日本初公開)】
リッジレーサーにこんなクルマがあったような…。

メルセデスのハイパフォーマンス部門、AMGがゼロから開発したクルマです。
コンセプトカーのようでありながら、市販計画があるクルマらしく1台数億単位の販売価格で限定生産、既に完売しているとのこと。中身は現在のF1と同じものを使っているとのことですが詳細は不明です。
実物の周辺は見物人が多かったのですが、見た印象はリッジレーサーにこんなクルマあったよね、と思うような「未来を思わせるゲーム」が実際に飛び出してきたようなスタイリングです。

【アルピナ・B3 S Biturbo Limousine】
これ普通に買えるようになったら、相当裕福な人だろうな…。

今度は市販車です。といっても見た目はぱっと見改造3シリーズ。中身は恐るべきものです。
個人的にもし終のクルマの出来るのであれば、こういうクルマをアシグルマに選びたいです。
(他にも何台かそういう車があります。メーカー問わず。)
極めて仕立ての良いスポーツサルーンは、日常でも悪目立ちせず非日常へ連れ出してくれるのです。

【マツダ・スカイアクティブXエンジン】
クルマじゃなくてエンジン話かよ!

…というわけで、部品ブース編で技術的話を突き詰めて記事にしますので、そこまでお待ちください。

…とっても長くなりました。
次はトラックブース部門(1台だけ乗用車が出ますが。)を予定します。では、また!
Posted at 2017/10/30 22:12:51 | コメント(6) | 自動車関連 | 日記
2017年03月05日 イイね!

【試乗】トヨタ・プロボックス(マイナーチェンジ後)

【試乗】トヨタ・プロボックス(マイナーチェンジ後)業務出張で、車種指定で借りた車が今回のお題です。

それは写真の通り、トヨタ・プロボックスのマイナーチェンジ後です。つまり私が普段乗っているクルマの新型というわけです。
このプロボックスは、2002年に初期型が登場して12年後にマイナーチェンジを受け、さらに衝突軽減ブレーキなどの安全装備が追加された後のモデルになります。グレードは1.5GLグレードと、私が新車当時購入したDXグレードから2つ上のグレードになります。

プロボックスがマイナーチェンジされた意図というのは極めて単純明快で、法規制対応を行うためにマイナーチェンジを受けました。主だったもので2015年排出ガス規制の強化対応でエンジンラインアップの変更(1.3Lエンジンは新エンジンへ変更、1.5Lエンジンは部品仕様の見直し)とトランスミッションの刷新(すべてCVT車へ変更)、対歩行者保護要件(つまり"人をはねた時にはねた人が助かるようにする")の対応でフロントフード位置の変更、また乗用車で先行した横滑り防止装置の全車標準装備にもこの時点で対応しています。
以上の内容から、主にエンジンルーム周りの骨組みが全面的に変更されています。また、従来プロボックスとサクシードで性格の作り分けがされていたフロントスタイルはこの時点で統合されています。
ただし、リヤスタイルに関しては旧来プロボックス型への統合が行われたものの荷室容量の確保と「改良の余地がない」ということを理由に旧来型のものをそのまま使っています。
また、今回のマイナーチェンジで営業マンが車内空間で過ごす時間が非常に長いことを受けて主にインパネ周りの使い勝手を強化するデザインに一新されています。
さらに、走行中の快適性を向上させることも主眼に置いてサスペンションのバネ定数の変更、ショックアブソーバーの変更も入っています。もっともこれはフロント周りの変更に対応したことの副次的効果でもありますが。

以上の目的から、今回のプロボックスを見てみると「マイナーチェンジの目的は達成している」と私は判断します。

例えば燃費。今回は借り受けてから返却までに480.7km走行して22.42Lの給油、燃費は21.44km/Lとカタログ値の19.6km/Lを約9%上回っています。これは私の愛車で過去最高が18.40km/L、カタログ値が17.0km/Lと比較してカタログ値も、カタログ値に対する伸び率も上回っていることになります。

インパネの使い勝手については正直甲乙つけられないのですが、まずは良いところを挙げるとインパネテーブルが大きくなりました。これを存分に使うことはなかったのですが、お弁当などを置くには丁度良くなりました。ただしインパネを正面に見て助手席側にオフセットしている為に少し遠いことは気になります。

インパネのドリンクホルダーとエアコンパネルは、マニュアルエアコンということもあって操作性は悪くないです。特にダイヤルがツマミ式からグリップ式に変わっているので操作しやすいです。慣れればブラインドタッチできることもマニュアルエアコンの利点です。ドリンクホルダーはペットボトルにも対応していますが、キャップを置くところがないことは玉に瑕です。(旧型はカップホルダーが2個あって、片方が空くのでそこに置いています。)

悪いところは、グローブボックスを含めて「隠せる収納」が全くないことです。エアコンパネル下、シフトノブ前の収納スペースは旧型と比べて遥かに小さくなりました。車検証も入りません。



さて、ここまでは目標に対する評価でしたが官能評価、つまり乗って感じた結果としてどうかという話をすると「旧型とは全くの別物」と評価します。
旧型が良くて今回も良いところは、シートが長時間座っても疲れにくいところ、ボディの見切りが良いところ、小回りが利くところの3つです。
特にシートは今回変更されていますが、座面・背面のクッション構造とシート表皮の選定が絶妙です。2~3時間座りっぱなしでも腰が痛くならないです。
見切りの良さはフロントフード位置が歩行者保護要件を満たすために上がったこと、スクエアな形状を堅持したこと、フロントの左右隅を面取り形状にしたこともあって四隅が分かりやすいクルマです。
旧型が悪くて今回良くなったのは静粛性です。エンジン騒音が抑えられ、またロードノイズが低く抑えられています。これはCVTの採用による低回転域の多用化とボディ構造の見直しによる剛性アップ(があると思う…。)、それからトーヨータイヤのトレッドが細くホイールが大きい新タイヤの採用が理由として考えられます。
旧型から悪くなったのは運転感覚です。CVTはブレーキで減速をするとエンジンブレーキを強く利かせる制御をするためにフットブレーキでの減速度制御が酷く難しいです。また、アクセルを踏んだ時の応答遅れも正直言ってそれなりにあります。つまり踏んでも加速が追いついてこないのです。
また先ほどの新タイヤはLTタイヤということでタイヤの柔らかさは期待できず、小さな衝撃はサスペンションが柔らかくなったことで突き上げが丸くなった印象があります。ただし大きな衝撃(道路工事の継ぎ目など)では旧型以上に大きな衝撃を伝えてきます。これはショックアブソーバーが入力についてきていないという感じがあり、サスペンション関係は旧型の方がやや良いものを使っていたのかな?と思う場面が多々あります。
ステアリング系に関しても電動パワーステアリングに置き換えられたことでタイヤの重さが伝わって来なくなり、手応えというものがほとんど感じられないものになってしまいました。加えて操舵力そのものが軽くなったこともあって、コーナリング中にステアリングを保持する力を妙に使うという、何だか安楽なのか不快なのか分からない仕立てになっています。

総評すると、旧型の「枯れた技術」がもたらした運転の正確さや一定さが一切なくなり、現代の自動車らしい「全て車任せ」にしたほうが良い運転マナーを求めるクルマに変わっています。
これは正直に言うと「名前が同じだけの全く別のクルマ」と考えるに等しいくらい大幅な変更になり、旧型の持ち味が気に入って購入し乗っている私にとって、ひどく失望を覚えるクルマになってしまっています。勿論新型の乗り味を否定するわけではありませんので、新しいものについていけないロートルなのかもしれない点はここで補足しておきます。
Posted at 2017/03/05 20:47:14 | コメント(8) | 自動車関連 | 日記

プロフィール

「とりあえず、一時凍結から解除されたのでみんカラも続けられそうです。しかし、移転先はこれから探してみますので、決めましたらまたお知らせします。当面は、こちらと新しい先で2つ、同じ記事を書きながら続けるかもしれません。」
何シテル?   07/11 20:57
※当方パーツレビューの情報について 情報は当該パーツ購入時点での参考情報となります。 品番、価格、品物等は予告なく変更、廃止されますので注文の際は各販売店等...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/7 >>

  12345
67891011 12
1314151617 1819
20212223242526
2728293031  

愛車一覧

トヨタ プロボックスバン トヨタ プロボックスバン
初の愛車。'11, 7/21に正式発注。'11, 9/29に納車。 5ナンバーサイズで立 ...
ポルシェ 718 ボクスター ポルシェ 718 ボクスター
2023年モデルの718ボクスターです。 購入したモデルは2.0ターボの4気筒エンジン搭 ...
トヨタ プリウス トヨタ プリウス
父の愛車です。'16年 2月登録。 色はシルバーメタリック(1F7)、内装色はクールグレ ...
トヨタ ビスタ トヨタ ビスタ
1990年11月から2003年3月まで使っていた、父親のビスタです。 私にとってこの車の ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation