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トヨタ~のブログ一覧

2006年07月06日 イイね!

ヨーロッパはエライのか?

さてと、いい加減書けシリーズ番外編(爆)

ヨーロッパのクルマはいつも、自動車雑誌上では「(日本車と比較して)良いクルマ」と紹介される(あるいはそう感じさせる)ことが多いですよね。
今回も、初代プリウスや最終型ビスタはゴルフのマネ、プログレとアルテッツァはBMWのマネ、と書きましたが、ではヨーロッパ人は頭がいいのか?

私は違うと思います。
そもそも、私達人間を含む哺乳類にだって、イルカとキリンとニンゲンとオオカミの形は明らかに異なります。
それぞれの生活環境に適合して、哺乳類だって進化してきたのです。
つまり、ヨーロッパのクルマはヨーロッパで求められた環境に適合して作られただけであり、また日本車も同じなのです。

FFを例に挙げましょう。
自動車のアクセルペダルを操作するのには、他の2つのペダルに比べて若干のゆとりが必要です。
通常、アクセルペダルは右足操作つまり右端に設置されます。
右ハンドルFF車の場合、アクセルペダル右端にはフロントタイヤのホイールハウスがあって非常に邪魔です。
左ハンドルFF車の場合、左側にはトランスミッションもドライブシャフトを通すためのトンネルもありません。つまり広いアクセルペダル操作のためのスペースを用意することができます。
では、右ハンドル車がアクセルペダルを操作するための広いスペースを確保するにはどうしたらいいのか?
もし着座姿勢が同じと仮定するならば、ペダル位置を後ろに下げればいいです。ただしホイールベースが一緒なら後席空間は少なくなり、また後席空間が一緒なら全長が長くなります。
もう一つが、プリウスやビスタと同じ着座位置を上げること。こうすればホイールベースが同じならば後席空間は広くなり、後席空間が同じならば全長を短くできます。

良い発想は良い基本を作るのです。

対して日本のFFセダンは何故良くなったのか?
日本人だってバカではありません、もちろんこんなクルマを作りたかったでしょう。
ただ、日本の場合それまで4年サイクルのモデルチェンジを繰り返さなくてはなりませんでした。
4年でプラットフォームを換えるとエンジンは同じ、次はエンジンを新しくしてプラットフォームを使いまわす、こうしないととても採算は取れません。
そしてプラットフォームは既存エンジンを搭載することが条件となり、新型エンジンは既存プラットフォームに搭載できることが条件となります。

これでは理由にならないので、もう少しお話しましょう。
トヨタの場合、初のFF車は初代カムリ/ビスタだったはずです。
(補足:トヨタ初のFF車は初代コルサ/ターセル。横置きFF(現在のFF主流派)はカムリ/ビスタが初)
これの登場時期が82年前後。ちなみに当時のカムリ/ビスタは初代プリウス・最終型ビスタと同じ思想でした。
80年代といえば何があったか?そうソアラです。
当時の人々はカッコイイクーペのようなセダンを望んだのです。だから低くカッコ良いが人が不自由な思いをしなくてはならないセダンが生まれた。
そこにターボです。ターボなら大きく重くなった車体を動かすのにもワケはなく、またターボというだけで売れた時代ですから、カタログの華にもなる。
こうして90年代まで大きく、重く、人が不自由なデザインコンシャスのセダンが売れ続けた訳です。

ではプリウスが何故この常識を破れたのか?
それはハイブリッドだったからです。
既存プラットフォームに載せることを前提とせずにエンジンを設計できたからです。
営業部門の「カッコイイセダンを作ってくれ」を無視できたからです、ハイブリッドという武器で。
プリウスの開発うわさ話では社長が「営業サイドの意見は一切聞かないで良い」という噂があるそうですが、それはまず本当でしょう。でなければ作れません。
と同時に、自動車の開発サイクルとバブル崩壊も関係してきています。
バブル時代はハードトップが飛ぶように売れるも、バブルが弾けたとき(92年前後)からは一切クルマが売れなくなりました。
自動車の開発サイクルは4年~6年。つまりこの頃からビスタの開発は始まっていたといえるでしょう。
しかし、初期デザインのビスタはハードトップメインでしたが、これを退屈に思った役員の方は出て行ってしまいました。
つまり既存モデルの焼き直しだけでは目新しさを打ち出すことはできなかった、そういうことです。
そこで今まで作りたかったプラットフォーム(プリウス系)を使って、原点に立ち戻ったビスタを作った。こういうことなのではないか、と。

と同時に、ヨーロッパの方ではまた革命が起きました。つまりバブルの発生です。
アルファロメオ156、あれは正しくハードトップのビスタそのものです。
フォルクスワーゲンゴルフ4。これだって今までのヨーロッパ思想を捨てた「大きく重くかっこいいゴルフ」になってしまった。

決してヨーロッパ人が賢いのでもなく、またヨーロッパ車が日本車より優れているということは決してありません。
またこれは一つのことを指しているでしょう。
決して流行などに身を任せてはいけない、そして自らを進化させるのは勉強である、と。

現在のゴルフだって、このゴルフ4からの思想を受け継いだ車になってしまっています。
BMWだって、ベンツだってどこだって何だって決してブランドとして正しいのではなく、その一車種を作った人たちが正しいのです。
Posted at 2006/07/06 00:28:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車関連 | 日記
2006年07月05日 イイね!

国産FR車の革新 ~プログレとアルテッツァ~

え~と、いい加減書けシリーズ第2弾(爆)
今度はFRセダンの「セダン・イノベーション」(爆)

98年5月登場のプログレと、「オート店」改め「ネッツ店」となって最初に投入された新車のアルテッツァ(98年10月)。
この2車(と01年登場のブレビス)はプラットフォームが共通です。

さて、昨日「FF車の場合、前車軸と動力源が一体化されたものだから、前車軸位置が決まれば大まかなエンジン搭載位置は決まる」と書きました。
FR車の場合はその逆、前車軸と動力源は別個に存在するものですから、前車軸位置とエンジン搭載位置は自由に決められます。

そもそも、FR車のメリットは考えられうるに
(1)前方に重量物(エンジン)があるため、直進安定性が高い。
(2)操舵輪と駆動輪が別個のため、操舵中の駆動制御が利き易い。
(3)駆動を後車軸に伝えるために後輪周りの車両剛性が必然的に必要となり、車両剛性が増す。
の3つが考えられます。

さて、プログレとアルテッツァ(とブレビス)は何がいいのか?
まずはロングホイールベース化させ、エンジンを完全に前車軸より後ろに配置、そしてエンジン搭載位置をドンと低くさせた。
しかし車両全高は吊り上げて着座位置を引き上げ、なおかつエンジンルームと居室の仕切り(バルクヘッド)を高くした。

もう車両全高とバルクヘッドと着座位置に関しての説明はFF編にお任せするとして、エンジン搭載位置と車両運動性能についての説明をします。
エンジンを前輪位置より後ろに持ってくることで車両重心軸に近くなります。そして完全に前車軸後ろに持ってくると、今度は下方向にエンジン搭載位置を下げることができるので、エンジンを下げられるだけ下げた。これだけです。
こうすると、車両重心軸に近くなるので慣性モーメントは低くなり、エンジン搭載位置が低くなるので車両安定性が高くなります。
ただしデメリットもあります。ホイールベースが同じならばこのFR方式のクルマは前席足元-後車軸までの距離が短くなってしまいます。つまり室内長が短くなります。
そこでFF車の革命と同じ事をした。着座位置を上げることで前席位置を相対的に前へ押し出し、後席空間を確保させました。
それに呼応させてバルクヘッド位置を高くさせてインターフェイスの最適化を推し進め、リアオーバーハングを短くしても十分なトランク容量が確保できるようになった。

これはBMWのやり方とまったく同じだったのです。
つまりヨーロッパの思想をやっと日本車でも体感できるようになったのです。
この作り方で現行クラウンも作られました(つまりマークXとレクサスGSとレクサスISも必然的にこの思想が組み込まれたものとなりました)。

明日は番外編。ヨーロッパのクルマはエライのか?
昨日はゴルフのマネをプリウスとビスタが、きょうはBMWのマネをプログレとアルテッツァが、ではヨーロッパ人は日本人よりも優れているのか?
ヨーロッパ車は本当に今も良いクルマなのか?これはきちんと説明する必要があると思います。
では、今日はこれまで(爆)
Posted at 2006/07/05 00:26:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車関連 | 日記
2006年07月04日 イイね!

国産FF車の革新 ~初代プリウスと最終型ビスタ~

たまには書きましょう(汗)
そのくせ、タイトルだけはやたら立派な名前(自爆)

STYLAさんの記事に影響されて、トヨタのセダン特集(爆)
どれも97年~98年に発表されたトヨタのセダン、しかしどれも確実に今の自動車パッケージング、あるいは生産技術的に長けたクルマばかりです。

第1弾、紹介するのが初代プリウスと最終型ビスタ。
実はこの2台、プラットフォームが共通した兄弟車だったりします。
この2台はFFパッケージングを変えたクルマです。

そもそもFFのメリットは何か?
アレック・イシゴニス(多分合っている)が最初に開発したFFユニットというのは、小型車で大人4人が乗るために必要な室内空間を稼ぎ出すために開発されたものでした。
ちなみにその小型車とはモーリス・ミニ。つまり初代ミニだったりします(笑)
他、メリットとして
(1)重量物(エンジン)が車体前方にあるため、直進安定性が高い。
(2)後車軸への動力軸(ドライブシャフト、リアデフ等)を通す必要がないため、室内空間が広く取れる。
(3)前輪懸架装置、変速機、動力源を一体部品化することで製造コストを安くすることができる。
現在の大衆車にとってメリットが大きいのが(2)と(3)。
アウディがFFに固執しているのは(1)のメリットを取っているため、といわれています。

さてそんなFFは、もちろん前車軸と動力源が一体化されたものですから、前車軸位置が決まればエンジン搭載位置も大まかには決まってしまいます。
ではプリウスとビスタのパッケージのドコがすばらしかったのか?

まず、エンジン重心を車体軸中心側に向け、エンジンルームと居室を分ける仕切り(バルクヘッド)を高くしたこと。
車両全高をぐっと引き上げ、着座位置を高くしたこと。たったこの2つです。

さてこの画面をご覧になっている皆様、現在どのような椅子に座っていらっしゃるでしょう?
旅館ではいつも座椅子にちゃぶ台、なんていうのが私にとって普通なのですがそういう椅子って、いつも足を投げ出して胴体をのけぞるように座っていませんか?
今座っている椅子がデスクチェアなら、足と胴体は地面に対して垂直に近く座っていませんか?
今までの日本のFFセダンとは前記の「座椅子」、プリウスとビスタから「デスクチェア」になったのです。
もしホイールベースとペダル位置と後席位置が一緒なら、デスクチェアに座っている人は自動車の全長方向の長さが必要ありませんから、前席位置は前車軸に近くなり、相対的に後席位置は広くなります。
そしてデスクチェアタイプは床位置が同じだとするならば、座椅子タイプよりも車体床面-座面位置までの高さ方向に余裕があり、なおかつ前席位置に近くなったことで座席背面-後席膝元までの余裕が生まれます。この分をたっぷり、クッションとフレーム構造の見直しで快適な座席を作ることに成功した訳です。
そしてエンジン位置を車体重心側に寄せることで車体の慣性モーメント(直進し続けようとする力、あるいは旋回し続けようとする力)は低下して運動性は向上し、それに伴って高くなったバルクヘッドには空調操作系、音響装置操作系、計器類が余裕を持って配置できるようになった。
そして車体重心側にエンジンを寄せたことで車両前部のオーバーハングは短くすることができ、なおかつバルクヘッド上端とはサイドウィンドウ下端、つまりトランクリッド上端ですからトランク床面位置とトランク広さが同じなら車両後部のオーバーハングを短くすることができます。

まとめましょう。プリウスとビスタの革命は以下の通り。
(1)エンジン搭載位置の見直しで車両運動性能の向上。
(2)(1)の影響で車両操作系、計器類の位置を最適化することができた。
(3)(1)の影響でトランクの高さ方向の余裕が増した。
(4)全高の引き上げで乗員座面位置を高くすることができた。
(5)(4)の影響で座席構造を最適化することができた。
(6)(4)の影響で前後方向の広さは向上した。
(7)(1)と(4)の影響で車両全長を抑えることができた。

これはすべてフォルクスワーゲン・ゴルフの1~3がやってきたことです。
つまり欧州スタンダードがやっと日本にやってきて、そして普及したことになります。
このプリウス・ビスタ系プラットフォーム思想は初代ヴィッツ、そして現行カローラ等の国産FF車が次々採用、日本製FF車の未来は明るくなった訳です。

次はFR車の革新、車種はプログレとアルテッツァです。
では、今日はこれまで(爆)
Posted at 2006/07/04 00:49:26 | コメント(4) | トラックバック(0) | 自動車関連 | 日記

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何シテル?   07/11 20:57
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