前回は「今、興味のあるメーカーやクルマ」を書きました。
今回は、これまで見に行った・乗ったことのあるクルマで強く印象の残っているクルマを書き出したいと思います。
(1)トヨタ・ビスタ('98年~'03年)…今でも完璧なパッケージングの実用車
この車が出たときは私が小学校4年生の時でした。
5ナンバーサイズいっぱいの全長と全幅、立体駐車場に入るギリギリの全高でしたが、それまでのビスタがハードトップメインの車種だったので、当時は何とも「不格好な、ビスタっぽくない」クルマだと思っていました。(当時、父の車もビスタだったので。)
それが、アムラックス東京で見たときに印象がまったく変わりました。
シートが分厚くふかふか、シート位置を調整しても背もたれの位置が変わらない。見晴らしがいい。でもボンネットが見える。メーターが見やすい。…これまでのクルマと全く違うと子供心ながらにビリビリと刺激を受けました。
これからのクルマはみんなこういう風に、乗りやすく扱いやすくなるのかな、と希望を抱いたのも事実です。
事実、その後登場した初代ヴィッツ('99年~'05年)も同じようなパッケージングを持つ車で、それまでのコンパクトカーが持つ印象とは全く違う魅力的な車に映りました。それから9代目カローラ('00年~'06年)、初代プレミオ/アリオン('01年~'07年)など、どんどん変わっていったのはすごく魅力的「だった」のですがねぇ…。
(2)マセラティ・クアトロポルテ('04年~'12年)…ザ・官能

このクルマ、機械的にはいろいろと問題の多いクルマだったという認識です。
しかしこのクルマを初めて見た時…確かカーグラフィックの海外試乗記だったと思いますが、すごく魅力的に映ったのです。
それまでの日独製サルーンとは違う、曲線が多くてもまとまっている大型のサルーン、という認識でした。
後年、免許を取ってから試乗させていただく機会があったのです。この時の印象は衝撃的で、ドアを開け放ったその瞬間から「革の匂い」しかしないのです。目につくところ、触れるところすべて革と木、と言っても過言でないほど豪華なインテリアでした。
エンジンをかけ、走り出すと大人のフェラーリ・サウンドと言いましょうか、魅力的な音が邪魔にならない音量で常に聞こえてきます。
運転した印象はやや大柄なセダン、ステアリングのグリップが太くて力が入りやすく、それのおかげでスポーティに感じるクルマという認識を持ちましたが、とにかく「感覚に訴えるクルマ」としてメロメロになっていたことが印象的です。
(3)トヨタ・センチュリー('97年~'17年)…日本最高峰のサルーン

今となってはいろいろと「よかった」と言われるクルマですが、その点はもう多くを語る必要はないと思います。
現在、お友達登録をさせていただいている「センちゃん」さんのクルマと、メガウェブでの試乗経験がありますが、いずれも「後席・運転席ともに絶品」のクルマだと考えております。
ドアを開け放つときからどっしり、がっちりとした印象、後席に腰を下ろせば目につく限りのファブリックと木、走り出すとエンジン音もロードノイズも無音、外界から隔絶されたような乗り心地で「空飛ぶじゅうたん」と呼んでも差し支えない乗り味でした。
それが運転席に座ると、ボディの大きさを感じさせない見晴らしの良さ(ボンネットが長くよく見えることも一因)、ステアリングの大きさからくる取り回しの良さ、アクセル・ブレーキペダルの絶妙な味付けによる「踏んだら踏んだ分」の操作感覚、足回りはやや柔らかめで、ラフな操作をすればちゃんと返ってくる応答性の良さ、運転していても全然疲れない、むしろ扱いやすいクルマであったことは強い印象が残っています。
(4)ポルシェ・ケイマン('05年~'13年)…身体の一部になる感覚

正直、最初は「ポルシェなんて、見栄で乗る車でしょ?」と思っていたことは事実です。狭くてうるさくて乗りづらいクルマ、それでも売れるのは「ブランドのせい」でしょ、と。
それが全くひっくり返されたのはこのクルマに乗った時でした。乗ったのはマニュアル車でしたが、乗った印象は正直「全く覚えていない」くらいです。というのも、自分の体がそっくり大きくなったような、とにかく思った通り、考えた通りにビシッと走るのです。
乗り心地はやや硬め、しかし不快な振動も突き上げもなく、シートとの印象も相まって「路面をちゃんと尻で捉えている」感じです。
ステアリングも過敏過ぎない程度のクイックさで、思った通りにスパッと切れて曲がっていきます。
何よりこのクルマで感激を受けたのは、交差点を左折したその瞬間にも「歓び」を感じられたその瞬間です。スルッと回ってサッと曲がり終わる、その快感は今でも忘れられず、また今のボクスターでもキチンと残っている魅力の一つです。
(5)三菱・ミニカ('98年~'11年)…楽しい、愉しい、たのしい!

新車価格50万円台、上に書いてあるクルマとはだいぶ違うじゃないかって?!
これも乗ると絶品で、造りはごく普通の軽自動車ですが、よく走るのです。ひらりひらりと身のこなしが軽く、下手に静かにしていない分だけエンジンが頑張ればうるさく、頑張らなければそれなりにうるさく(笑)、ステアリングも鈍いですがどこまで行っても鈍いので早く走る時も遅く走る時もハンドルの切り加減は同じ感覚でよく、とにかく人間の感覚とよく合っているので、気持ちよく走ることができるのです。
もうこういう軽自動車、出てこないでしょうね…。
(6)トヨタ・iQ('08年~'16年)…FFミドシップスーパーコンパクト

このクルマの凄いところは、FFなのにミドシップというところです。中身はヴィッツの1.0Lエンジンを左右逆転して載せただけなのですが、FFというクルマの都合で「これだと走りにくくなる」のですが中身はどっこい、よく走ります。
おまけに最小回転半径3.9m、全長3m以下で4人乗り(メーカーは3+1シーターと呼称)、私のシートボジションなら運転席後ろにも160cm程度の大人なら座れます。助手席はグローブボックスがなく、そのためにエアコンを小型化したりと技術的にも目を見張るクルマでした。
書き出してみると高いクルマが多いのですが、小型車や安いクルマでもいいクルマはたくさんありました。
ほとんどのクルマの場合、私の場合は「機械の設計の奥深さ」が強い魅力になっていることが多いのだなぁ、と改めて感じました。
Posted at 2018/12/29 23:13:27 | |
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