12月に届いたボクスターも、まもなく2か月、距離にして2000km以上を運転してきました。
「振り返り」というには時期尚早な気もしますが、新車で選んだ人にとって最も悩ましい「オプション」についてまとめます。
オプション話というと、以前に
前・
中・
後編に分けて主要オプションをまとめたことがあります。(注:後編はお友達登録をさせて頂いた方限定になっています。)
この見積時点で選んだオプションと、今回購入したオプションをまとめると以下の通りです。
◎シートヒーター(購入前、購入時ともに選択)
◎フロアマット(購入前、購入時ともに選択)
◎メタリックペイント(購入前、購入時ともに選択)
□電動格納ドアミラー(購入前は考えず、購入時には選択した)
□スモーキングパッケージ(購入前は考えず、購入時には選択した)
●スポーツクロノパッケージ(購入前は検討、購入時には選択しなかった)
オプションの選択には、購入決定時点で「このクルマに求める目的像」をボンヤリ描いてから選択肢を眺めて決めました。その目標像を以下にまとめます。
1.ポルシェ=高級車、という観念ではない。ポルシェ社の走りのポリシーに共感して選ぶ。
2.オープンカーを選ぶ時点で「スポーツカー」像には過度に囚われない。
3.目標所有年数は最低7年。希望は運転を止めるその日まで所有し続けたい。
4.手に触れる部分についてはできる限り「本物」が良い。
5.目に入る部分については、よっぽど気に入らなければ何らかの選択をする。
以上の目標に対して、何を目的にして、このオプションは正解だったかを振り返ります。
○シートヒーター(満足度100%)

写真はシートヒーター+マニュアルエアコン操作パネルです。
選んだときは「3.」を気にしました。長く乗り続けるにあたって四季を問わずオープンを、ボクスターを堪能したいと思って選びました。
まだ冬の季節だけしか乗っていませんが、選択は大正解でした。
エンジン始動直後、冷間走行中もシートヒーターがあれば結構暖かいです。高速オープンでも、これがあるだけで快適度数は大きく変わります。
○電動格納ドアミラー(満足度100%)
選んだときは「2.」と「3.」を気にしました。
最初は「ドアミラーも手動格納にして、スポーツカーだし…」と思っていたのですが、ある程度の長距離移動を目的とし、乗り降りの面倒さ(ドアが大きいから乗り降りに気を使うだろう、という点)を考慮して選びました。
結果的には、その後借りた車庫の都合や、ドアの大きさによる乗り降りの不便さを経験してみると「選んで正解」でした。
○スモーキングパッケージ(満足度75%)

文字通りの「灰皿」ですが、選んだのはフタによる見た目のサッパリ感を求めたためです。
よって目標に対しては「5.」が最も近いです。
選んだことは正解です。目的に対しては大正解ですが、灰皿内の容積が小さすぎるので、小物入れにもなりません。ペットボトルのフタがギリギリ何とか1個収められるくらいです。
ここで「選ばなかったオプション」について振り返ります。
●スポーツクロノパッケージ(後悔10%)
スポーツクロノパッケージにすると、ざっくり以下の装備が追加されます。
・ドライブモードがノーマル、スポーツに加えて「スポーツプラス」「インディビジュアル」が追加される。
・ミッションマウントが電磁流体による可変マウント(PADM)に変更される。
・ダッシュボード中央にストップウォッチ(アナログ時計)が追加される。
・メーター内ディスプレイに「Gモニター」モードが追加される。
・オーバーブーストモードが追加される。さらにPDK車ならローンチモードが追加される。
選ばなかったのは「そこまでスポーツ性能を求めない」「所有年数に対しては高額なオプション」「PADMの故障事例が多いことが耳に入ったから(しかも直すと高額)」だからです。
ただし、短期所有期間で考えていたならばほぼ必須オプションです。下取り価格が大きく変わる要素です。
私の場合、Gモニターはあった方が良かった…と思うことがあるので、その点の後悔が10%だけあります。
●PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)(後悔0%)
サスペンションのショックアブソーバーに電磁流体を仕込み、足回りの硬さを変えられるオプションです。
私の場合、「3.」の観点から18インチホイールを選択(将来掛かるタイヤ交換費用を気にしました)、「2.」の観点からそこまで攻めて走らない、と決めて選択しませんでした。
届くまでは「足回りが硬すぎるのではないか…」と気にしていましたし、不安もありましたが乗ってみると気になりませんでした。選択しない後悔は今のところ、ありません。
●レザーの車両書類フォルダ―(後悔90%)

選んだときは「1.」を気にして選びませんでした。ただし、届いて標準のケースを見た時に「想像と違って見た目も雰囲気も安っぽい…」と思っています。
正直、
通常設定オプションがあるなかでもっとも「付けておけばよかった…」と後悔しているオプションです。
●マルチファンクションステアリングホイール(後悔30%)
選んだときは「1.」と「3.」を気にして選びませんでした。そもそも、ボタンが色々付いていても操作しきれない、理解できない、間違って操作しそう、と思ったからです。
ただし、このオプションで同時装着される「ステアリングヒーター」は未だにあった方が良かったかも…と思うことがあります。
オープン走行中にちょっと手が冷たくなりすぎるときがあるのです。
運転中も「あ、付けておけばよかった…」と「いや、でもボタン操作は扱いきれないし、間違って押すし、これが正解だったんだ」と半々の感情が入り乱れます。
●レザーシート(後悔0%)

標準の合皮+アルカンタラ(Race-Tex)シートです。
選んだときは「3.」を気にして選びませんでした。レザーシート=滑る、体勢維持には布の方が良い、レザーシートは背中が蒸れる…を気にしました。
先日、レザーのスポーツシート車に乗る機会がありましたが、やっぱり心配点は当たりました。滑りまくるわけではありませんが、アルカンタラの方がより滑りにくいです。
最初にちゃんと座った姿勢を維持してくれる点で、標準シート表皮で大正解、選択しない後悔は全くありません。
参考に、オプション設定がないけれど「あったら選んだ」オプションを紹介します。
◎レザーのギヤレバー

標準のギヤレバーはハーフレザー、半分はシルバー加飾になっています。
「4.」と「5.」の観点から、シルバー加飾部分もレザー仕上げのオプションがあれば選びたかったです。もっとも、ここだけ特注オーダーも出来なかったのでそのまま乗っていますが、いずれ何とかしたいです。
◎つや消しのインテリアトリム

標準ではシルバー加飾(写真の通り)、オプションで外装色仕上げ、レザー仕上げ、ウッド仕上げ、カーボン仕上げ、アルミ仕上げが選べます。
このうち、つや消しの仕上げが選べるのは「アルミ仕上げ」のみです。
選択時は「1.」の観点からレザー仕上げ、ウッド仕上げを除外、「2.」の観点からカーボン仕上げを除外、「5.」の観点から反射を気にしましたが「アルミ仕上げ」は雰囲気が違うので標準仕上げのまま購入しました。
運転してすぐにやっぱり反射がフロントガラスに結構目についたので、すぐにウッドつや消しに改造した…という次第です。
◎レザーパッケージ内装の一部
レザーパッケージを選ぶと、シート中央がレザー仕上げになるほかにドアグリップとセンターコンソールが本革巻き仕上げに変わります。

こちらが標準のドアグリップ。一部合皮仕上げになります。

こちらは標準のセンターコンソール。これは完全なソフトパッド仕上げです。
ドアグリップとセンターコンソールは「4.」の観点から、できれば選びたかったと今は不満があります。想像よりも安っぽい印象がぬぐえません。
部品単位でも取り寄せ交換はできますが、ドアグリップだけで片側10万円を超えるのでおいそれとは変えられません。(レザーパッケージのOP代は24.8万円)
最後にまとめます。
今回、目標に対して「選んで(選ばなくて)正解だったか」という視点で記事をまとめました。
つまり、オプションは
「テーマを決めて選ぶ」ことが重要だと思っています。
例えば世間的なポルシェのイメージで私が選び直すならばスポーツクロノ、色は白か黒、内装は黒のレザーシート、PDK、ホイールはインチアップを選びます。
長距離の旅行移動用で選ぶお楽しみ車で私が選び直すならば、スポーツクロノとレザーインテリア、PASM、オートエアコンとエントリードライブを選びます。
この際ポルシェに限りません。グレードも含めて、オプションが多いクルマを選ぶならば「イメージしたものに沿って選択する、しない」がオプション選択の満足度を左右すると思います。
具体的にイメージすればするほど、満足度が高くなります。次はよく下調べを行い、いい所・悪いところをできる限り知っておくと選びやすくなります。
もしここをご覧いただく皆様が、オプションの多いクルマを購入するときにはご参考までに。