カーグラブイック誌の主催イベント オータムミーティングに行ってきました。
場所は兵庫県三木市の道の駅。
駐車場には、関西、中国、四国あたりから、多くのクルマ趣味人たちが集まっていました。
元祖シトロエンDSやSM、ナローポルシェやBMWイセッタ、NSX-RにサバンナRX-3など、普段見れないクルマがより取り見取り。
モーターショーの最新コンセプトカーや新型車もいいですが、オーナーに愛され続ける非売品のクルマもいいもの。先人開発者の先見性や時代の流れなど、感慨深いものがあります。
このほか、催しとしては、主催者とゲストのトークショーも。
ゲストは、元マツダでロードスターの開発主査をされた貴島孝雄氏と、ダイハツコペンの開発主査
テーマは 革新はいつもスポーツカーから という感じてした。
初代ロードスターが誕生するにあたって、アメリカ西海岸を古いオープンカーで走る人たちがいるマーケット調査、またロードスターのプロトタイプを作り、ショッピングモールの展示で、手ごたえを感じたことなどをお聞きしました。
問題は開発費です
当時経営難だったマツダ。20年以上新型車が投入されない小型オープンカーに、マーケットがあることを実感するなか、費用融資を決めたのは、マツダのプロパー役員ではなく、銀行から来た役員だったそうです。
開発チームも素晴らしいですが、この銀行員が素晴らしい。
融資実行にあたり、おそらく貴島さんたちの熱意が大きな決め手になったのだと思います。
様々な苦難を乗り越えて、初代ロードスター誕生。
人馬一体というキーワードをかかげ、個々の部品にそのスピリットを落とし込んだそうです。
発売後はめでたく大ヒット
そんな貴島さんは、トラックチーム出身ということを初めて知りました。
トラックの開発も、強度やトルクなど、シビアな世界と思います。
トラックとオープン2シーターのスポーツカー。似て非なるものですが、もしかするとトラックの経験があったからこそ、軽量化にこだわれたり、いたずらにパワーを求めなかったのかもしれません。
ダイハツコペンも、ロードスターはじめ、様々なクルマを買い、研究して生まれたクルマ。
新型の高剛性フレームを開発。これが技術的ハイライト
確かに台数が出ないオープンスポーツに、新型シャーシを開発したことはすごいことと思います。
初代MR2がカローラをひっくり返したように、ミライースあたりをひっくり返して成立させる方法もあったはず
そう言う意味では、コペンはとても誠実なクルマ
タントやウェイクなど、質の悪いファミレスにしか見えないクルマを作る一方、クルマ屋としての誠意が感じられます。初めて乗るクルマがタントで、ドライビングプレジャーなどに興味を持つはずがありません。
スポーツカーから革新が生まれるとは正直思いませんが、スポーツカーは、クルマが実用品としてでなく付加価値商品としてあり続けるために、大切なもの。
開発者の熱意や思いを如何に伝えるか。
自動車メーカーは大きくなり過ぎて、熱意や思いなどでは金は稼げず、出世もしないのかもしれませんが、やはりそれこそが、新たな流れを作り出せるのだと思います。
クルマというコンテンツは、未だ人を惹きつける強い力を持っています。
株式会社として、売ることが最も大事ですが、マーケットを育てることをしないと、安いものを壊れた時しか買わなくなります。
リフレッシュプランを、メーカーとディーラーで商品化して適正利潤を得る方法はないのでしょうか
消費社会の日本も、一部は「いいものを買って長く使う」という価値観を持ち始めるているはず。
新興国には新車を消費してもらい、国内は300〜500万円くらいのクルマをしっかり整備しながら15年以上乗る
ディーラーはメンテナンスプランでしっかり稼ぐ
ニトリやGUだらけの日本では難しいと思いますが、そうあるべきなのかもと気付かされるイベントでした。
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2015/11/03 11:55:52