
ゴールデンウィークもいよいよ終わります。
お隣山口県の奥さんの実家でのんびり過ごしました。
また、ワタクシと妻の両父が70歳古希ということで、山口で祝いの会食もできました。
さて休み中、マツダで、初代FFファミリア、初代FFカペラ、FC型RX-7、ユーノスロードスターなどの開発責任者をされた、立花啓毅という方の、「なぜ日本車は愛されないのか」を読みました。
題目に対する回答は、歴史や文化、その礎となるクルマ開発へのこだわりが足りないということでしょう。
ヒットするクルマ、名車と言われるクルマは、性能云々よりも、そのエポックメーキング、生い立ちが支持されています。
例えば初代ゴルフ。
この方が手がけた初代FFファミリアもそうかもしれません。
開発者が、世の中に新しい提案を投げかける。
それが支持されてヒットが起こる。
初代ワゴンRやレガシィ、オデッセイなどもそうだと思います。
ところがマーケティングという調査のもと、もっとトランクを・・・もっと静粛性を・・・という声を聞いていくうち、中庸な無個性なクルマが出来上がるという寸法。そこに理想や共感は存在しません。
外国のクルマは、メーカーが、開発者が作りたいものを作る傾向にあり、また必要以上に調査データを聞かないそう。
そもそも家族でレースを見に行ったり、親子3世代で趣味のクルマを引き継いだり、モノづくりからモノ選びなど、歴史や文化をを重んじるヨーロッパと、大量生産大量消費が正義の日本の価値観の違いが大きいのが現実。
近年ますますクルマから趣味性は無くなっています。
どんなモノを選んで身に付けるかが、その人の人生を大きく左右する。
安くて合理的で効率いいだけのものは、やはり愛されないのです。
住宅を20~25年で次々建て替える日本の事情も、世界と比べると随分特異なもの。
目移りし易い国民性の現れでしょうか?
気に入ったものを、じっくり選んで長く使う。
そんな文化が背景にあるから、ヨーロッパのクルマは人を魅了してきたのでしょう。
けど、グローバル化は製品までも平準化します。
ある意味ハイブリッドなど、そんな時代のなか超独創的で先進的。
なのに、愛されるクルマではないように思います。
もっと趣味的で情緒的なところにお金をかけるべきでしょう。
例えばドアハンドルとかインパネの素材とか。
日本人はその辺りの演出が下手なので、いいものなのに趣味性が低く、イマイチ愛されないのだと思います。
作者はイギリス車を例えて、魅力を綴っていますが、ワタクシイギリス車は分かりません。
考えてみれば、ユーノスのVスペシャルは、ウッドハンドルでイギリス調でした。
いろいろ書かれてありましたが、要は作り手の意志、理想、人柄が大切ということ。
調査の結果から生まれただけの製品には、その辺りあるはずがありません。
結局製品そのものを買っているようで、作り手の意志や美学に共感しお金を出しているのかもしれません。
理念は色褪せない。
ゴールデンウィーク、なかなか味わい深い本を読みました。
Posted at 2015/05/06 17:25:05 | |
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