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Red13のブログ一覧

2019年09月29日 イイね!

9月の読書

9月の読書燃えたキャリパーは早めにOHしとかないと危ないですよ(挨拶)←
バキンッ!ていってボルト飛んでったw 旅先でw

年間50冊へ向けて良いペースではないか(9月終了時点で、あと10冊)、と一人でニヨニヨしてます(笑)。















 フランク・シェッツィング 『深海のYrr -イール-』 (2004)

原題『DER SCHWARM』


ドイツで記録的なベストセラーとなった話題作。
取材・執筆に4年を費やし、ハードカバーの原書で1,000頁(もはや鈍器w)、日本語訳のこの文庫は上中下3冊で1,500頁に及ぶ超大作。
ざっくり乱暴に分類すると “海洋SF” にあたるが、地球に住む人類全員が読むべきではないのか、と思える地球科学小説である。

一番大きいテーマは海洋の環境破壊だが、
資源エネルギー問題、危機管理、海洋生物、生態系、海流大循環、地質学、遺伝子学、地球外知的文明探査、文化人類学、宗教論、海洋テクノロジー、船舶構造、軍事技術等、非常に多くの切り口を盛り込んであり、その全てが専門家のアドバイスを受けた膨大な裏付けによるもの。
実在の研究機関や研究者等が実名で登場し、フィクション作品でありながら、ノンフィクションのドキュメンタリーを読んでいるようなリアルさが凄い。
かといって抑揚の無い長いだけの話かと言うと全くそうではなく、サスペンス染みた先の気になる展開と、各主要キャラが立っているのでグイグイ引き込まれる。
登場人物も非常に多く、同時平行で幾つもの場面が進行するが、その場面・背景描写がこれまた緻密に描かれていて、頭の中でビジョン化もしやすい。


敢えて、粗筋などは述べません。
Red13指定 必読図書。
というか、今の時代に生きる人類として読んでほしい。
原題の Schwarm は「群れ」の意。


しかし、同じ著者のデビュー作を読んだ時にも強く思ったし、今まで読んだ数多くの本の中でも、特に “西側の欧州” の作家でたまに感じるのが、
やっぱりアジア(日本)とは宗教的な土台が絶対的に違うんだなという所。
キリスト教に批判的な姿勢は見せながらも、2000年続いているその圧倒的な文化背景・道徳観なんかを否定しきれないジレンマ、というのが見える。
本作の終盤でこのテーマについてメタ的に論じる場面があるが、
「キリストが全ての罪を背負う事で人間は神に赦された」というのがあの宗教の屋台骨。
しかし、人間が神の創造物であるならば「全能の筈の神が作ったその人間はなぜ過ちを犯したのか?」
「即ち、神は本当に全能なのか?人間は神の失敗作ではないのか?」
だとしたら「全能ではない神に祈りを捧げて何の意味がある?」と、かなり切り込んでるなぁと思う。
が。
そこで「いや、そもそも神なんかおらんやんw てーか逆やん、人間が神という都合のいい存在を作ってるんやん」という、そもそもの根本的な所までは公然とは口に出来ない世界なのかな?と思う。
















 クリスティン・テリル 『15回目の昨日』 (2013)

原題『All Our Yesterday』


目覚めると、少女エムは傷だらけの体で独房に繋がれていた。排水溝の奥には見覚えの無い自筆の15行のメモ。
これまで14回、過去に戻り未来を変えようとしたが失敗し、15行目に示された最後の手段は、天才科学者ジェームズを ━━初恋の幼馴染みを殺すことだという。



タイムトラベルものは当たり外れが激しい、というのが個人的な経験則なのですが、コレは結構好きな方かな。
必ずついて回る “過去改編のパラドクス” にどんな説明をするかで、「オモロいやん」と思うかシラケるかになる(笑)。

過去に飛んで誰かを殺し、未来を変える。というとよくある話ですが、
本作で面白いのは、
4年前に遡ってジェームズを殺しに行くエムと、4年前の世界でジェームズを守ろうとするマリーナが同一人物である所。
世界を変える為に初恋の相手を殺さねばならない。しかし、いざかつてのジェームズを目の当たりにすると引き金を引けないエム。
更にもう一人、フィンという少年の立ち位置が過去と未来で大きく異なる所も物語に躍動感を生んでいる。

一見スケールの大きな話に見えるけど、思春期男女のあるあるを切なくやるせなく描いた物語。
人は変わる。時間の流れは残酷。人を愛するということ。

軽く読んで終わりのつもりの1冊でしたが、
読後に心に何かが残る良作。
暫く経ってからもう1回読んでみようと思う。




Posted at 2019/09/29 12:00:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2019年08月30日 イイね!

8月の読書

8月の読書ちょっと暑さがマシになってきたと思ったら、今度は雨ばっか。
そんな全開全閉みたいな天気要らんねん。パーシャルでヨロ。(´Д`)

例によって、お盆休みの間は本に触れていないので3冊のみ。
代わりにDVDを纏めて見てました。










 LS・ホーカー 『プリズン・ガール』 (2015)

原題『THE DROWNING GAME』


ペティは18年間、父親と二人きりで暮らし、軍人のように銃器の扱いと対人戦術を叩き込まれて育った。
その父が突然亡くなり、耳を疑うような遺言が告げられる。
父に代わり、気色の悪い遺言執行人がペティの生活を支配するというのだ。
このままでは囚人のように一生を過ごす羽目になる。
ペティは隠されていた父の遺品を奪い、町からの逃亡を図る。父が本当は何者なのか知るために。



王道のボーイミーツガール冒険物語。ただし、ガールの方が強い(笑)。
訳者後書きにもあるけども、最近(と言っても10年とかのスパン?) “強いヒロイン” 像が多いようで、時代ですかね。
実際そうだと思うしねー(何)。


3歳の時から父親による監禁同然の生活を送り、父以外の人間とほぼ接触を持ったことの無いペティが、父という枷が無くなり自由を夢見た矢先、父の友人という男による今まで以上に自由を奪われる未来を示される。
過去の事や身内の事を訊いても何も答えなかったこともあり、ペティの中に父への不信感が芽生える。
世間知らずでクルマの運転すらできないペティの、町からの脱出に付き合わされるのは、成り行きで巻き込まれる青年デッカー。悪態をつきながらも、危なっかしいペティの謎めいた魅力に惹かれる。
町の外まで送ってオサラバするつもりだったのに、自分も追われていると知って、二人は運命共同体に。
ペティの父の真意は?
執拗に追ってくる遺言執行人は何故そこまで固執するのか?



正直、シナリオはあまり意外性は無く、だいたい先が予想できてしまう。
逆に言えば、安心して読めるとも言えるか(笑)。
スワガーやグレイマンとまではいかなくても、女版のそーいう感じを期待してたけど、そこまではいかず。
まぁ、ハタチ前後のキャラでそれをやるのも無理か。

「で、あのキャラそのあとどうなってんの」みたいな伏線回収が中途半端で終わっている所もあり、ちょっとまとめ方が雑な感じはするが、スカッと安心な王道ストーリーで難しく考えなくて良いのはコレはコレでOK。
もうちょっと二人イチャついても良かったんじゃない?w















 ケイト・クイン 『戦場のアリス』 (2017)

原題『THE ALICE NETWORK』


1947年、戦時中に行方不明になった従姉妹を探すシャーリーは、ロンドンの薄汚れた住宅を訪ねる。
現れたのは、潰れた指でルガーを振り回す酔いどれの中年女。その女イヴは元スパイだった。
一次大戦中、若きイヴは無垢な容姿と度胸を買われ、ドイツ占領下のフランス北部へ潜入する。
そこでは、凄腕のスパイ “アリス” が無数の情報源を統括していた。



二次大戦後の1947年(作中の “現在” )と、一次大戦中の1915年( “過去” )を、19歳のアメリカ娘シャーリーと50代のイギリス女性イヴという二人のヒロインによって交互に語られる構成。ふたつの物語はやがて交錯し、二人が復讐を果たすクライマックスへと向かう。

アリスことルイーズ・ド・ベティニ、副官のレオニー・ヴァン・ホウテ、ハンドラー(というかスカウト官)のセシル・エルマー・キャメロン大尉 等、実在の人物が登場し、多くの史実もほぼそのまま描かれる。

が、物語を語るヒロイン達や二人の共通の敵となるルネという商人等は架空の人物であり、
史実・事実の土台の上に展開されるフィクションの塩梅が抜群に良い。
(歴史モノに於いてのこういう手法は大好き)


そして…
みんカラ的にも萌えポイントがありまして。
作中の “現在” (1947年)で主人公達が移動の足にするのが…
ラゴンダ・LG6。





これだけでもロマンだ(笑)。
これのリアシートでカー○ックスしちゃうし(爆)















 マイクル・コナリー 『チェイシング・リリー』 (2002)

原題『Chasing The Dime』


「リリーはいるか?」引っ越してきたばかりのピアスのもとに、間違い電話が次々にかかってきた。
ナノテク学者でベンチャー企業の代表も務めるピアスが興味を持って調べてみると、リリーはネット上に広告を出している評判のエスコート嬢だった。
彼女が失踪していることをしったピアスは行方を捜し始める。だが、物騒な男達の手荒な警告が襲った。



邦題と原題は似ているが、作中での意味はかなり変わってくる。
原題にあるダイムとは10セント硬貨の事で、作中では「いずれダイムのサイズに収まるであろうコンピュータを我々が作る」という、主人公の会社のスローガンのようなもの。
「今は俺がダイムを追っているが、いずれダイムが俺を追うようになる」と、要の特許を取得すれば潮目が変わる、という意味で呟かれる。
が、この邦題と表紙絵だと全然物語の印象が変わるw
出版社の戦略が色濃く見えて面白いっちゃ面白い。( ̄▽ ̄;)


全編、主人公ピアスの視点のみから語られ、時系列もストレートに進むのでサクサク読んでいけるが、
それ故に、散りばめられた細かい伏線を見落としやすい。
それ故に、個人的には黒幕が意外な人物だった。
色々読んできましたが、予測を外れた所から黒幕が出てきた作品は久しぶり。
まぁ、お手軽に読んでたからだとも思いますが。( ̄▽ ̄;)
集中して読んでたらまた違ったかもしれないけど。

でも意外な展開になる方が読んでて楽しい。
なので、個人的には印象に残る作品になったし、
「2回読まなきゃ」と思う。
中古80円で買った本としてはガッツリ元取れてコスパ良しw

主人公が致命的な罠に誘導されていく過程や、ピアスをリリー失踪の最有力容疑者と見て粘着質に追ってくる刑事など、
緊迫感を煽りながらもサクサク読めるという辺り、書き手の上手さを感じる。















 『機動戦士ガンダムUC -ユニコーン-』







盆休みを利用して全巻一気レンタル。
原作小説を読破していますが、映像版で足し引きされた部分はどないなもんだ、と。

人間ドラマの部分が少し省かれた要素があるものの、
戦闘描写については大盤振る舞いの大サービス(笑)。
トータルして見れば概ね原作に忠実な良作。


しかし、最大のマイナス部分は
(前々から愚痴ってますが)マハディ・ガーベイというキャラを消してしまった事で、元々マハディのものだった “ジオン再興の執着” が娘のロニに移しかえられて、ロニがただの狂気キャラになってしまってるのがなんとも残念。
元々は父と自分の想いの間で葛藤しつつ、更にそこにバナージが関わり、親離れのキッカケを得て一皮剥ける、というようなエピソードだったのにねー…
リディに撃ち抜かれる結果は同じでも、小説版でのロニは最後に救われていた。

アンジェロの過去も省いちゃうんだ…と。( ̄▽ ̄;)
これだけ見てたらアンジェロがフロンタルに寄せる異常なまでのリスペクトの根拠がわからないままだよね。


逆に戦闘面に関しては登場モビルスーツの種類が大幅に増えて、古くからのファンには(;´Д`)ハァハァ間違いなし。
一年戦争~グリプス戦役(Z)~第一次ネオジオン戦争(ZZ)~第二次ネオジオン戦争(CCA)の登場MSがMSVまで含めて盛りだくさん。
特に4巻でのトリントン基地攻防は前半のハイライト。
最新機に混じって、ドワッジ、ガルス、イフリート、ザクⅠから、ジュアッグ、ゾゴックなんていう超マニアック機体まで。
対する連邦側はバイアランがエース機として活躍。
コレはあかんでww おっさん(;´Д`)ハァハァやでw

宇宙の戦闘では、ガザ、ガゾウム、ザクⅢ、ズサ、バウ、ドライセンとZZの機体が多く、
ドラッツェ、ゲルググ、ギラドーガ、ヤクトドーガと、とにかくジオン系の機体がオールスター状態。
連邦?知りませんねww (・ε・`)


でも最後のネオ・ジオングはねぇ…失敗だと思うなぁ。
“フロンタルが主導してサイコフィールドを形成する” 事の視覚的説得力(あの後光輪みたいなサイコフレームね)を求めた結果(と、ガンプラ市場を考えた大人の事情)だとは思うけど、あの一連の部分だけUCという作品の雰囲気から浮いてるやん。
あそこだけGガンダムになっとるがな。
あのフロンタルvsバナージのラストシーンは小説でも難解な部分でしたが、映像化するとやっぱり予想通り結局あの “2001年宇宙の旅” にしかならんよなw
小説版ではあの後のコロニーレーザーのくだりなんか有ったかな?と、ハッキリ覚えてないけどフロンタルとの精神バトルが最後だったように思う。
映像版ではフロンタルがやけにあっさり引き下がって「え?何がしたかったん?( ゚д゚)」になってしまっているのが残念。機体も勝手に腐るしw


「結局フル・フロンタルとは何者だったのか?」という事に関しては、
ワタクシ個人の理解では “体はクローン、そこに本人の意思が宿った” と見ています。
「器である」というのは本当で、「人々の総意を受ける」というのも本当で、でもそこに当初の予定に有ったのか無かったのか、シャア本人の意思も含まれた、と。
でも、ストーリーの構成上、フロンタルは主役にはなれないんですよね。
メインアクターはバナージ/ミネバ/リディ/マリーダ。
フロンタルは、脇役でありながら、しかし脇役で居ることを許されないキャラ。だから最後の “退場シーン” があんなチグハグな事になる。


最後になりましたが、
UCはファーストガンダム世代にも是非観て欲しいですね。
作中にチラホラ1stへのオマージュ台詞が出てきますし、バナージとジンネマンが救援を求めて二人で砂漠を歩むシーンは、アムロとランバラルのエピソードを彷彿とさせる。
ZZの荒筋を知っていないと面白さ減の嫌いはありますが、宇宙世紀の正統正史と言える作品です。




Posted at 2019/08/30 11:11:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2019年07月30日 イイね!

7月の読書

7月の読書最近読書ペースの調子が良くて、このまま行くと8月でストックの本が尽きるw
服屋行く頻度が増えたぶん?本屋に行く頻度が落ちてる。(・ε・` )
人生万事、あっち立てればこっち立たず。
服に投資すればクルマへの投資は滞り…
あかーん。
…金持ちになりたいですww































 福井晴敏 竹内清人 『機動戦士ガンダムNT -ナラティブ-』 (2018)


まだこの読書感想文ブログを始める前に原作小説10冊を全巻読破した『機動戦士ガンダムUC -ユニコーン-』。
その続編というか外伝的なもの。
UCは小説が原作で後に映像化されたが、このNTは逆に劇場用映像作品が先にあり、それを小説化したものが本作。
劇場版は観てませんが、どんな話か興味はあったので。

実はワタクシ、UCのOVAは序盤の数巻しか見たこと無いです。( ̄▽ ̄;)
原作小説を知る者としては「は?なんでマハディ居ないの?」とか「は?フルアーマーユニコーンて何?」とか「は?バンシィノルンって何?」とか「は?ネオジオングって何?」とか、色々言いたいことは有りますがw
でもまぁ、いずれちゃんと見てみようとは思う。(レンタル行ってもいつも貸出中なのよね)


UCは、1st(0078)~Z(0087)~逆シャア(0093)と続く “宇宙世紀のメインストリーム” を受け継ぐ正史。
アムロ&シャアが “退場” した後、その2人すら凌ぐニュータイプ能力を覚醒させる主人公バナージ。
16歳に成長したミネバがヒロインとして政治的な立ち回りも見せる。
逆シャアのモヤモヤした後味をキレイに拭い去って、新たな展開、新たなステージへ進む大作であります。



で。
NT、ナラティブ。

UCの1年後が舞台で、1stやZの歴史も絡めてくる辺りは正に宇宙世紀の醍醐味か。
しかし。
設定の二番煎じ感が凄い(爆)。

登場MSにしろ登場人物にしろ、「実はもうひとつ有りました」的な後出し設定だらけで苦笑を禁じ得ないw
シナンジュスタインもやけど、Ⅱネオジオングって何よwww
UCのネオジオングだけでも「それギャグっすか?( ゚д゚)ポカーン」だったのに、どんだけ安売りしちゃうの。
つーか…これを言ったらあかんのやろけど…
“ナラティブガンダム” なんて機体、要った??ww
別にジェスタかリゼルで良かったんちゃうのw


ユニコーン3号機たる フェネクス に関しては有りだと思う。単純にカッコいいからw
ビジュアル的にもシナリオ的にも本作は フェネクス が主役。
1人では大したこと無い能力でも、3人寄ったら桁外れのニュータイプ能力を発揮する幼馴染みの3人というのも面白いかな。

最初から劇場用で作られている=尺の制限があるので、どうしてもボリュームは少ないし、出てきたキャラ(特にネオジオン)が使い捨ての如く消えていくのが残念。
さっさと退場してくれないと話が終わらんというのはわかるけどね。
母艦そんな簡単に沈んじゃってどーすんのよ?とは思う。
最大の敵役、ゾルタン・アッカネンも終始 “ただの噛ませ犬” 的な印象が拭えないし…
あくまで主人公達3人の幼馴染みのドラマですね。
何はともあれ、フェネクスかっこいい(笑)。

しかし、
ニュータイプの革新やサイコ○○な要素がどんどんスケール大きくなっていって、この後に続くハズの『F91』や『V』への整合性がビミョーになってくる怖れ。
宇宙世紀は実質0100までの話に纏まってしまうんではないか?
UCが新たな世界観を広げた結果、その線引きをしてしまった感。
閃光のハサウェイは話の規模が小さいからまだなんとか収まるけど、F91が “正史” から逸れていきそうな気がする。

でもバナージという強力なキャラクターをこれっきりにするのは惜しいので、今後バナージサーガとでも言うような展開が増えていくんじゃないかと思う。かつてのアムロ&シャアのように。















 スティーヴン・ハンター 『極大射程』 (1993)

原題『Point of Impact』


面白い!
やっぱりS・ハンターは面白い!
圧倒的な存在感と魅力を放つ、ボブ・リー・スワガーを主人公に据えた、 “スワガー サーガ” の第1作目。


ヴェトナム戦争でスナイパーとして活躍し、退役後はアーカンソーの山奥で隠遁生活を送っているボブ。
そこに如何にも怪しげな二人の男が現れ、新開発の弾丸の試射をして欲しいと。
いぶかしみながらも興味をそそられて仕事を請けるボブ。
広大な射撃場での様々なテストをこなし、かつてのスナイパーとしての性を刺激される。
しかしそれはボブを罠に嵌める壮大な陰謀の幕開けだった。

謎の組織のシナリオに落とし込まれ、大統領暗殺未遂犯に仕立てあげられたボブ。
たまたま、その事件現場に居合わせたFBI捜査官ニック・メンフィスは、かつてFBIスナイパーとしての初陣で狙撃を失敗した苦い経験を持つ。
スナイパーとしてスワガーに畏敬の念を抱くニック。
自分が目にしたスワガーの姿と、捜査本部が発表する内容に違和感を覚えたニックは独自に捜査を進める。
次第に「名スナイパー・スワガーが、そんなミスをするだろうか」と、別に犯人が居るのではと思い始めるニック。
別の殺人事件から大きな手掛りを得たニックは、ボブと行動を共にして巨大な陰謀を暴こうとする。



主人公が窮地に陥ってからの大逆転、正にこれぞ冒険小説というシナリオプロットのみならず、とにかくディティールが細かくて面白く、痛快。
ただのコンバットアクションではなく、狙撃の手順や心構え、地形学、弾道分析、銃の構造といった頭脳的な要素も盛り沢山。
S・ハンターの書く物語は緻密に練ってあって、アカデミックな知的好奇心も満たしてくれる。
戦闘も、狙撃戦有り、近距離射撃戦有り、1対120の一騎当千有り。最後は法廷バトルでの痛快な逆転劇。
これは面白い。マジで(笑)。















 ジョセフィン・テイ 『時の娘』 (1951)

原題『The Daughter of Time』


リチャード三世 と言われても我々日本人には何の事やら全くピンと来ない。
15世紀イギリスの薔薇戦争の時代、プランタジネット朝最後の王、とか言っても何の事やら全くピンと来ない。
世界史噛じってたワタクシですらそうですw

だいたいね、イギリスの歴史人物って同じ名前多すぎな件w
この薔薇戦争の時代だけでも、

ヘンリー四世、五世、六世、七世。
エドワード三世、黒太子エドワード、エドワード四世、ウェールズ皇太子エドワード、ウォーリック伯エドワード。
リチャード二世、ケンブリッジ伯リチャード、ヨーク公リチャード、ソールスベリィ伯リチャード、ウォーリック伯リチャード、リチャード三世。


もうワケわからんwww
名付けのレパートリー少なすぎやろw
太郎、正夫、和男しかおらんような感じ。
しかも、同じ名前で○世言ってても、直系でないどころか、全く血縁が無い場合もある。
例えたら、徳川家に信長二世という将軍が居るようなもの。


…というネタはさておき(笑)。
一言で言えば、“歴史というのは勝者or後世の人に都合良くネジ曲げられているね” という話。
&歴史家の硬いオツムを、推理小説家の柔らかい頭で皮肉っている話。

王位を奪う為にいたいけな王子を殺害したとして悪名高いリチャード三世。彼は本当に残虐非道の悪人だったのか?
退屈な入院生活を送るグラント警部は、ふとしたことから手にしたリチャード三世の肖像画を見て疑問を抱いた。
つれづれなるままに歴史書を紐解き、純粋に文献のみからリチャード三世の素顔を推理する。


探偵役は部屋から一歩も出ず、データは他人の手によって外から持ち込まれるのみで、探偵役は純粋に机上の推理だけで謎を解決する。という “安楽椅子探偵” と呼ばれるジャンル。
しかも、“歴史ミステリ” ゆえに、実際に史書に記載されているデータだけを使うという “二重の制約” を課された作品。
これだけでも面白い。
小説と言うより学術論文のような雰囲気だが、推理の切り口はやはり小説的。















 マイク・クーパー 『ダウンサイド強奪作戦』 (2017)

原題『THE DOWNSIDE』


フィンは、かつて20tより軽いものは盗んだことが無いという “重量物専門” のプロの強盗。
誰も撃たず、殴らず、ブツを頂戴するだけ、というモットーを持つ。
前回のヤマで、大規模な列車強盗を決行したが、なぜか急襲してきた警察に逮捕され一同刑務所へ。
誰かが裏切ったのか?という疑問を胸に7年の刑期を終えて出所したフィンは、この稼業から足を洗うつもりだった。
今はもう、気の利いた悪党はコンピュータでキーを叩くだけで100万ドルの金を盗む時代で、自分のような実際にモノを盗む人間は前世紀の恐竜同然と思うようになったからだった。
しかし、出所したてのフィンはその日の寝床にも困る有り様。
背に腹は代えられず、かつての仲間を集めて最後の大仕事に挑むことに。
獲物は、鉄道基地のハイテク倉庫に眠る、総重量1t近い稀少金属ロジウムのインゴット。
前回の裏切り者は誰だったのか、今回の仕事は首尾よく進むのか、またもや裏切り者が出るのか、どのようにしてハイテクセキュリティの要塞に忍び込むのか。
謎の美女や、凄腕ハッカーなど新たな仲間も加え、“恐竜” の最後の挑戦が始まる。



“ケイパー小説” と呼ばれる、犯罪者側の視点から描かれる強盗・強奪事件作品。
以前読んだ『熊と踊れ』も正にケイパー小説だが、本作『ダウンサイド』はあまりゴチャゴチャした伏線も無くシンプルで、実にテンポ良く読み進められ、“痛快” という形容詞が似合う。
古くさい物理的な強盗作戦かと思いきや、ウォール街的な金融先物取引の要素が大きな鍵になってくる、意外というかイマドキというかなシナリオ。
超大型重機を載せた特別貨物列車が引っくり返るとか、
逃走車両を、軽トラ→中型トラック→大型トレーラーと順に荷室に積み込んで隠す “マトリョーシカ作戦” とか、映像化が映えそうな作品。
ページ数の割りにはサクッと読めて後味も良い。
ただ、サクッとシンプル過ぎて、もう少し細かく突っ込んで描写してほしかったり、技術的なリアリティが「もう一息」と感じる部分もある。
軽トラの荷台いっぱいにインゴット積んで、そんなフツーに走れるワケ無かろうw




Posted at 2019/07/30 19:00:14 | コメント(1) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2019年06月29日 イイね!

6月の読書

6月の読書G20的なアレの交通規制でダダ混みになるかと思いきや、
新御堂も中環もガラガラで拍子抜け。
大阪市内はもっとガラガラみたいですね。
それはそれで面白そうやけどわざわざ見に行こうと思うほど若くないww

クルマはようやくエアコン修理に入庫中です。
コンプレッサー交換と、ガス漏れ箇所特定作業。
併せてついでに12検してたら、遂に?ようやく?ドラシャブーツ破れを発見。
16万km超えてようやくですよ…?( ̄▽ ̄;)
長もちし過ぎて怖いわ。










 デヴィッド・ヒューソン 『ヴェネツィアの悪魔』 (2001)

原題 『Lucifer's Shadow』


18世紀のヴェネツィアと現代のヴェネツィア、250年の時を隔てて繰り広げられる、恋と裏切りと陰謀の物語。
2つの時代を結ぶのは、名工のバイオリン・一丁のガルネリと、作者不明の謎のバイオリンコンチェルト。

18世紀のヴェネツィア。
親を亡くし、印刷業を営む叔父の家に引き取られた若者ロレンツォ。レベッカというユダヤ人の美しい女性バイオリニストと出会い、恋をした事で大きな陰謀の渦へ巻き込まれていく。

現代のヴェネツィア。
夏の短期バイトとして、ある個人の書庫の整理にやってきた大学生ダニエル。
彼を雇った骨董商の老人の倉庫で見つかったのは作者不明の楽譜。
10年前に死んだ少女の墓から盗まれた名器ガルネリ。



2つの時代を交互に行き交い、ヴェネツィアの観光名所も散りばめながら、ヴィヴァルディ、ルソー等歴史上の人物も登場し、
少しずつ全てが一つに繋がっていく様は、歴史ロマンのようでもある。

ワタクシ、筋金入りのメタラーではありますが、子供の頃は父親の影響でクラシックも一通り浴びていたので、こういうテーマも好物。
最後の最後にチラッと、しかし恐らく著者的には渾身のニクい小ネタにも思わずニヤリ。
薄々予想はしてたけど「そこに “悪魔” 引っ掛けてくるかーw」と。















 グレッグ・ハーウィッツ 『オーファンX 反逆の暗殺者』 (2016)


アメリカ政府の極秘計画で、子供の頃より特別なスキルを叩き込まれた オーファンX こと、エヴァン・スモーク。
数々の重大な特殊任務をこなしてきたが、30代後半になった現在は、LAで一般人に混じって一見普通の生活を送り、裏では今まで身につけたノウハウを駆使して、苦しめられ虐げられた人々を無償で助ける仕事人 “Nowhere Man” として生きている。



どうしても “グレイマン” と比べて見てしまうが、こちらの方が色々とキャッチー。
金は無尽蔵に持っているし、要塞化した自宅は高層マンションの最上階ペントハウス、自宅PCからは連邦のほぼ全てのデータにアクセス可能、セーフハウスやクルマも多数。
そしてこの孤児を特殊作戦員に育て上げるオーファンプロジェクト、エヴァンは「X」だが、アルファベット順に他に20人以上居るとか…
“知り過ぎた” オーファン達は政府から消される決定が下され、最後の一人になるまでオーファン同士で殺し合えとか…

アメコミ原作を多数手掛ける著者らしい設定だが、
ぶっちゃけ正直、子供っぽい設定という印象を禁じ得ない…
戦闘に出てくるギミックも、日本刀とか硫酸とか、リアルというよりビジュアル的。
タクティカルコンバットアクションと思って読んではいけない。アメリカンアクションヒーローと思えば楽しめる。
個人的には、「ほんまにそこらへんに居そう」なリアルさを感じる泥臭いグレイマンの方が好きだ。

あと、誤字が3ヶ所もあるのはどうかと思うw















 レ・ファニュ 『吸血鬼カーミラ』 (1839)


『ドラキュラ』と並ぶ吸血鬼の古典を表題とする短編集。
あちらは長編ですが、こちらの『カーミラ』は中編。
でもまぁ、基本的な流れは似たようなものかな。
原因不明の病に倒れ、弱っていき亡くなる奇病が蔓延するが、それは吸血鬼の仕業であると。
この『カーミラ』の特徴は、レズビアン的なムード。
美女の吸血鬼が若い娘ばかり狙うのだが、血を摂取する行為に情動的な昂りが絡むというのが面白いし、ある種頷ける部分でもある。
物語としては、後半一気に謎解きが進み、そのまますんなり終わってしまうので、もうひと山ドラマ性が欲しいとも思う半面、シンプルにサッと終わって楽で良いとも思う(笑)。

読み物として面白かったのは、“悪魔” のイメージをカッコ良く見せている『墓掘りクルックの死』と、不気味さと神秘さを融合させた悲恋の『シャルケン画伯』。


やっぱね…ホラー・怪奇モノは19世紀までやと思うよ。
デジタルの時代にホラーの入り込む隙間なんて無い。















 アルカジイ&ボリス・ストルガツキー 『ストーカー』 (1972, 77, 80)

原題『ROADSIDE PICNIC』


何が起こるか予測の出来ない謎の領域、ゾーン。
地球を訪れ、地球人と接触すること無く去っていった異星文明の痕跡である。
その研究が進められるなか、ゾーンに不法侵入し異星文明が残した物品を命懸けで持ち出す者たち “ストーカー” が現れた。
その一人 レドリック が案内するゾーンの実態とは?



『道端のピクニック』という原題は、例えばキャンピングカーで旅をしている者や、川原でBBQをした連中がそこに残していったゴミは、野の動物や虫達にとってどんな意味があるのか?という問い掛けの意味。
たまたまその場所を選んで飲み食いした連中が、そこに居る虫の事など気にしているか?と。
残ったゴミは動物達にとって何か価値があるのか?と。

つまり、この作品では地球人が動物や虫にあたる。
“来訪者” が残していったモノに、果たして意味や価値など有るのか?わかるのか?
何か貴重な発見をしたと思って調べてコジ開けたら殺虫剤の缶だった、なんて事も有り得る。

いわゆる “ファーストコンタクト” モノと言われるジャンルですが、
この作品では、“来訪” の目的は解明などされない。
登場人物の誰一人、何が訪れ、何が残され、それが何をもたらすか等何も判っていない。
ここで描かれるのは、未知なるものに直面したときの人間の心理と行動、そして社会の反応。
その中で “自分らしさ” を貫くと言うのか、しがみつくと言うのか、状況に翻弄されながらも流されずに自分の舵を切ること。
ゾーンを巡って様々な人間がそれぞれの立場で、既成の概念に縛られて行動する中で、生きるために命懸けでゾーンに潜入し、ブツを運び出すストーカー達こそ、実はもっとも人間的な苦悩と喜びを味わっている。




Posted at 2019/06/29 15:00:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2019年05月31日 イイね!

5月の読書

5月の読書GWの間丸々一切本に触れていなかったので、単純計算で通常よりも1/3少ない読書機会。
他にもドタバタしていたので、まぁ3冊か…(・ε・` )
年間50冊目指してがむばるぞぉー(笑)。










 デイヴィッド・C・テイラー 『ニューヨーク 1954』 (2015)

原題『Night Life』


現代史のお勉強。
1954年。冷戦真っ只中のニューヨーク。
マッカーシー上院議院を首とする “赤狩り” の嵐と、それに群がる者。
長官フーヴァーの独裁的運営により権力を増し秘密警察めいているFBI。
発足後まだ歴史の浅いCIA。潜伏するKGBの細胞、コミュニズム。
そして、共産主義と同等以上に弾圧の標的となる同性愛。



…という基礎知識を一通り理解していると、少し先のシナリオ展開がだいたい読めてしまうのは、“小説を楽しむ” という点に関してはマイナスかも?(笑)
しかし、それだけに止まらない “読ませる魅力” に富んだ作品。

市警とFBIの管轄争い、FBIとCIAの同じく首の突っ込み合い、FBIの腐敗、等はスパイアクション物でももはやお馴染みの題材だが、
本作はそこに冷戦という時代背景の下に、赤=共産主義とゲイという、当時のアメリカ社会にとっての二大悪を絡め重ねて、壮大な陰謀劇に仕上げている。

“基礎知識” に明るい人だと、これだけ言えばもうネタバレ同然ですかね。
本文中にも出てくる譬えで言うと「見張りの監視は誰がするのか」という話。


本国では既に続編が出てるそうで、
主人公キャシディのイカしたガールフレンド・ディランとのワケアリな別れ方のその後が気にはなるけど、
この一作で完結させておくのも良いんじゃないの?と思う。
しかしやはり、“歴史的裏付け” のある題材は面白い。
書く方は膨大な資料漁りに恐ろしい労力を費やすのだろうけど、読む方はただただ「読み応えがある!(°∀°)」ってなもんでw










 S・L・グレイ 『その部屋に、いる』 (2016)

原題『The Apartment』


やはり自分はホラーやオカルト系のネタは楽しめないと思った。
どうしても科学的根拠や筋の通る説明で全体像を示して欲しくなる。
本作にはそのどちらも無く、個人的には何も面白くない(爆)。
過去に読んだホラー系の話では『クリムゾンピーク』『領主館の花嫁たち』等は、歴史背景の描写が良かったりドラマ性が強くて、読ませてくれる雰囲気があったけど、
これは世界観や背景の作り込みも浅いなぁ…と。
遠く離れた場所の著者二人による共著、というのも影響してるか。

本作に限らず、ホラー全般に言えるのは
謎に(納得のいく)説明が無く謎のままで説得力が足らず、故に「パズルのピースが埋まっていく感」が乏しく、故に謎解きのカタルシスが薄い。
ミステリ物でもネタの核がオカルトだと一気に白けてしまうワタクシ。
ホラーはよく吟味しないとダメだな。(¬_¬)










 マイクル・クライトン 『パイレーツ ―掠奪海域―』 (2009)

原題『PIRATE LATITUDES』


『ジュラシック・パーク』『アンドロメダ病原体』等で知られる作家の遺作。

原題の直訳は「海賊の緯度」、“新大陸” の東 北緯10°~30°、カリブ海を指す言葉。
カリブ海を舞台にした海洋冒険モノ。かといって某ジャック・スパロウ船長的な雰囲気ではありません。
本作の主人公達は、海賊とは似て非なる “私掠人(しりゃくにん)” と呼ばれる人々、
免状を得て他国の船や土地の略奪を行う、“国家公認の略奪者” である。

17世紀当時、世界で最も強大な国家は、いち早く海軍力を伸ばしたスペインである。
カリブ海の勢力図もほぼ全域がスペインの植民地であり、後進国のイギリス、フランス、ネーデルラント等が僅かな領土を有していた程度。
私掠行為はその後進国らが大国スペインに対して行うのが主。
スペイン本土へ送られる金銀財宝を奪えば、直接的にスペイン王家の財源を減らせるし、逆に本土からの物資を奪えばカリブ海でのスペインの版図を削る足掛かりになる。

しかしその行為を、国家が表立って行うと即座に国際問題になる。
ので、あくまで表向きは「海賊が勝手にやった」体で、裏では委託契約公務員な海賊兼傭兵に汚れ仕事を任せるということ。
いつの時代も政治の世界はそんなもの。
汚れ仕事とはいえ、元々海賊=誰からも犯罪者 である私掠人にとっては、少なくとも自国からは罪を問われないという事には大きな意味があり、大規模な私掠遠征を成功させれば富も名声も得られる。


本作の登場人物達は架空だが、多数の実在人物をモデルにし、当時の私掠人のイメージの見本のようになっている。
そんなキャラクター達による、これまた当時の私掠航海の醍醐味を “全部乗せ” で、連発花火のように息も継がせぬ展開で魅せまくる著者の手腕が素晴らしい、一級品の冒険小説。
(そのぶん幾らかやり過ぎ感で嘘クサかったり、ご都合優先でリアルさに欠ける部分もあるがw)
必読、とまでは言わないけれど、本棚に残しておきたい一冊。


これはあくまで個人的な推測ですが、
ワタクシの好きなゲームの一つ『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』は、本作に大きく影響を受けている気がする。
本作の発表が2009、AC4BFの発売が2014。
舞台となる年代と場所にやや違いはあるが、AC4BFの主人公も私掠船の船長として、敵船との艦砲戦や襲撃拿捕、要塞への潜入、ハリケーンとの戦い、未開のジャングルの探検、総督や私掠人との駆け引き等、本作を映像化したような内容が盛り沢山。
逆にワタクシはゲームを先にやっていたので、ブリッグ・ガレオン・戦列艦等の艦船のサイズ感も、頭の中でハッキリ明瞭にイメージが浮かんで楽しかった。











 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』







5月1ヶ月かけて、1期2期合わせて18巻50話を完走。

実に泥臭い。
奇麗事・偽善の塊のSEEDなんかとは雲泥の差。
個人的に非常に好きになった作品。

確かに2期のシナリオには賛否両論、むしろ批判の方が多いんではないかと思う。
1期は全25話通して一貫したビジョンでよく纏まっており、最初から全話書いてあったんだろうな、という印象。内容も主人公達の出世物語として気持ちいい。
が、2期は序盤からシナリオに迷走感があり、主人公達が大人の陰謀に巻き込まれて疲弊していく様が続き、結果的にはそれまでに得たモノを全て失う。
作中ならず、制作の現場でも “大人の事情” が色々と動いていたんだろうと想像に難くない。
バッドエンド的な展開はOVAならともかく、TVアニメというエンターテイメントとしてどうなの?という感もある。
しかし、トータルして見れば、“命の糧は戦場にある” という作品テーマは貫かれている。
後味の悪さはあまり感じない。

三日月は、色々なモノが欠落しているが、故にシンプルで純粋な “獣” 的な強さがある。
政治的な状況や、相手の主義主張、美学、哲学、そういったモノ全てを「ごちゃごちゃウルサいよ」と叩き潰す三日月の姿には、どこか羨ましさもある。
対してオルガは、組織の長として葛藤し、人間的な苦悩を抱えながら、己の信念を貫く。
その姿もまた強い。

最終盤でオルガや三日月が言う「進み続ける事に意味がある」という旨。
安住の地や成功、名声等を得たところで、そこで立ち止まって腰を下ろしてしまう事に疑問を感じるという考え。
それならば、“死ぬまで生きるために戦い続ける” という彼らの姿こそ、純粋なエネルギーに満ちている。
名瀬の死も、シノの死も、オルガの死も、三日月の死も、
望んだ形では無くとも、そこにはプライドが満ちている。

従来のガンダムシリーズと違い、MSが “頑丈” なのも特徴の一つ。
被弾→即爆発 なんてする?ってのはワタクシ自身も前々から思ってはいたので、本作のなかなか壊れないMSはリアル。
飛び道具が致命傷を与えられない、ということで行き着くところはドツキ合いw
相手の頭部(モニターカメラ)を破壊するか、コクピットを破壊するか、が主な撃破方法。
作中最強の兵器が “杭を撃ち出すレールガン” というのも良い。
極太のレーザーを出されるよりよっぽど説得力がある。

作中何度か目にする、三日月の乗るバルバトスの鬼神か悪魔の如き一騎当千の戦い。
そこで発散されるリアルな生の感情の奔流が、本作の一番の見どころではないか。
三日月の放つ冷たい言葉にゾクリと興奮する。

しかし、終盤の展開や、マクギリスのビジュアルから、
どうしてもWのトレーズ閣下が思い起こされる。「私は敗者になりたい」。
また0083も “敗者達の物語” というコピーがついていた。
確かにオルフェンズはバッドエンドかもしれないが、それでも敗者達の最後のプライド、生き方の美学は、清々しい。




Posted at 2019/05/31 09:00:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記

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