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Red13のブログ一覧

2020年11月28日 イイね!

11月の読書

11月の読書最近、自分でもビックリするくらい、
新しいクルマに興味が無い…(-公- ;)
BRZもシビックも「あ、出るのね」くらい。

BRZ(とZ)は今の時代益々貴重なFR+MTとして一定の需要(というのか価値というのか)はあるだろうけど、
どっちも大して売れなさそうだよなー…

ワタクシはというと、最近、服と某ソシャゲに入れ込んでいてクルマへの課金が滞り気味…(爆)
これではいかんと、来週、かんなり久しぶりに “弄り” ます。
お山のお友達が久しぶりにサーキット行きたいとも言ってくれたので、いっちょヤラカシますか。
あ、たぶんツインのフリーです(笑)。















 ロバート・J・ソウヤー『フラッシュフォワード』 (1999)


全世界の人々が自分の未来を垣間見たら、何が起こるのか?

ヨーロッパ素粒子研究所(CERN)の科学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験を行った。
ところが、その実験は失敗し、全人類の意識が2分間だけ21年後の未来に飛んでしまった。
人々は自らが見た未来を元に行動を起こすが、果たして未来は変更可能なのか?



アメリカで大ヒットしたTVドラマの原作。
ドラマでは垣間見る未来は6ヶ月後だそうですが、本家のこちらではなんと21年後。
物語の舞台は2009。そしてこれが書かれたのは1999。
作中に出てくる世界情勢ニュースは全て想像で書かれている事になり、結構良い線突いてる所が多いが、
「ドナルド・トランプはネバダ砂漠に自身のピラミッドを建設する」ってのは笑ったw

ワタクシ前後世代でCERN(セルン)という単語を聞くと、
『シュタインズゲート』を思い起こす人が多いかと思われる。
CERN=ハドロン衝突型加速器(LHC)。これによるヒッグス粒子実験というと、この手の時間系SFではある意味ポピュラーな題材。
実験の副産物効果で世界が崩壊する、的なお約束展開。
最後はまさかの『2001年』スターチャイルドで噴いたけどw

そしてこれもまたお約束の、世界は(未来は)固定されているのか、変更可能なのかの議論。
平行宇宙、多世界解釈、ブロック宇宙云々かんぬん。
正直「あー、またコレか…」感もナキニシモアラズw

ま、そこに上手いこと、各登場人物達の視点でそれぞれが直面する問題をドラマ的要素に盛り上げてあるので、確かに娯楽小説として良くできてる。

これから結婚しようと思っている婚約者と、違う相手とベッドインしている未来を垣間見た博士。
思いもよらない相手と研究室で情事に及んでいた未来を見た研究助手。
未来が何も見えず、自分はその時点で死んでいるとわかった博士。

それぞれが21年後を「回避したい未来」として恐れるか、「歓迎する未来」として安心するか、そしてまた、その未来は “確定” しているのか否かで悩む。















 クライブ・カッスラー『タイタニックを引き揚げろ』 (1976)

原題『RAISE THE TITANIC!』


カッスラーの代表作。
著者が今年の2月に亡くなった事を受けての新装版。

やっぱね…カッスラーは面白いね。
カッスラーはよく「海洋冒険小説」と称され、本作もタイトルからするとただのサルベージ深海ロマンかと思いきや…
ベースにあるのは東西冷戦の防諜合戦で、画期的なミサイル防衛システムの開発に必要な稀少元素がタイタニックの金庫室に保管されている、という筋書き。
ささやかながらタクティカルコンバット要素も有り、密室ミステリーも有り、もちろん深海探査の宝探し要素も。
しかしハイライトの “タイタニック引き揚げ” は決してクライマックスではなく、一つの山場ではあっても場面に過ぎない。
その船を巡って繰り広げられる人物ドラマが一番の読みどころ。

21世紀の我々が読むと気付かずに流してしまいそうになるが、
作中の舞台は1988年。しかしこの作品が書かれたのは76年。
実は「遠い未来を舞台にした夢物語」なのである。
実現した技術もあるし、しかし勿論タイタニックは未だ海の底に在る。
所々、(特に深海サルベージの場面で)「技術的に有り得へんくない?」なツッコミ所はあるが、そこは今も “遠い未来の夢物語” という面で楽しむべきか(笑)。

また、冷戦真っ只中の作品とあってか、かなーりアメリカ贔屓で楽観的(笑)。
もうちょっとソ連側が頑張ってくれた方が面白かったのに、とは思う。

魅力的なキャラクター群による人間模様も深みがある。
主人公?ダーク・ピットのニヒルなヒーロー像も、派手さは無いが逆にいい味が出ていると思う。
ミサイル防衛計画の立案責任者が責務のプレッシャーに負けて夫婦関係が破綻していく様、その妻が新たな人生に飛び出して行く様が特に印象的。
冒頭で描かれるタイタニック乗組員の若者の物語がエピローグで帰結する繋がりも、ベタながらもこれぞ様式美か。




Posted at 2020/11/28 12:00:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2020年10月30日 イイね!

10月の読書

10月の読書気付けば早いもので今年もあと2ヶ月。
今シーズンは久しぶりにちょいと気張ってサーキット活動復活したいな、
と言い続け、思い続け、結局何も段取りしてないナウ。( ̄▽ ̄;)

距離というか車齢というかがえー加減アレなんで、
走る前にミッションマウント交換しときたいし、車高調もゴニョゴニョ…
タイヤもゴニョゴニョ… ワンオフディフューザーもゴニョゴニョ…
そんなんゆーてたらいつまで経っても走れんww
マウントとディフューザーは部品は揃ってるんでいつでもイケるんですけどね。















 神林 長平『戦闘妖精・雪風〈改〉』 (1984 , 2002)


珍しく国産モノです(笑)。
戦闘機好きなもんでw
アニメ化もされている有名なタイトルなので読んでおこうと。( ̄▽ ̄)

タイトルの〈改〉は改訂版の改ですが、「語句を見直したり、ごく一部を修正した程度」とのことで、シナリオや構成には変更も追加も無し。


南極に突如出現した超空間〈通路〉を通って地球に侵攻してきた異星体 “ジャム”。人類はジャムを阻止するため〈通路〉の向こうの異世界 “フェアリィ” に前線基地を築いた。
フェアリィ空軍の中に、冷酷非情と味方からも敬遠されるエリート部隊がある。
特殊戦第五飛行戦隊。同戦隊の任務は、直接戦闘には加わらずひたすら戦闘情報を収集し、味方を見殺しにしてでも必ず帰還すること。
その為に、彼らには高性能コンピュータと大出力エンジン、自機を守るための強力な兵装を搭載した、フェアリィ空軍最強の戦闘機〈スーパーシルフ〉が与えられている。
エースパイロット 深井零中尉は、愛機〈雪風〉と共に、自分が生き延びる為に今日もフェアリィの空を飛ぶ。



そんな都合よく地球と同じ大気の惑星?異世界?があるかよwという野暮なツッコミは置いておいてw
そういう “隔離された環境” の中での思考実験小説…と言うと堅苦しいが、まぁそんな感じ。

正体不明どころか人間に感知できるのかすら不明な “ジャム” 。
誰もジャムの姿を見たことはない。
ジャムの戦闘機は存在するが、それを操縦しているのがどういう存在なのかわからない。
話が進むと、どうやらジャムは機械生物のようなモノで、地球の機械に反応しているが、人間を感知してはいないようだ、とわかってくる。
そうなるとジャムに墜とされて戦死した兵士たちは何なのだ。

戦況は一進一退で、フェアリィ空軍が新兵器を投入してアドバンテージを取っても、短期間でジャムが同等以上の兵器を投入してくるイタチごっこ。
学習能力を備えたスーパーシルフも、基本設計は古いながらハード面でもソフト面でもバージョンアップを重ね、次第にパイロットの存在を不要にしていく。
人間が操縦するより(ヤワな有機体を乗せているより)〈雪風〉が自動操縦で飛ぶ方が強いのでは?と感じだした深井中尉と上官のブッカー少佐。
しかし2人は同時に「この戦いに人間は必要なのか、我々の存在意義はあるのか」と苦悩する。

もはや自分は〈雪風〉の足を引っ張るだけだと認めざるを得ない一方で、言霊のように「戦いには人間が必要だ」と何度も呟く深井。


“人間的” とはどういうことか、を考えさせられる一冊。
…というか、この著者の作品はそのテーマが多いらしい。
続編があるのでそれも読んでみたい。















 ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』 (1938)

原題『The Beast Must Die』


これもよく耳にする有名な古典。
80年前ですよ。( ̄▽ ̄;)
でも、こういうアナログなミステリの方が安心するような気もするし、
やっぱりちょっと物足りない感じもする。


交通事故で一人息子を亡くした小説家フィリクス・レイン。
警察の捜査では犯人は見つからず、自分で独自に犯人を探して復讐しようとする。
探偵小説家らしい推理で犯人と思われる人物を見つけ出し、手管を弄して懐に潜り込み、事故に見せ掛けて殺害する計画を立てる。



第一章はフィリクスの日記の形をとり、犯人を見つけ出して殺害計画の準備途中までが語られる。
この “日記” は作中作であると同時に、読者に対するトリックにもなる。
読者自身がフィリクスのトリックに組み込まれていく構成は素晴らしいし、ある意味こういう所がアナログな時代の推理小説の醍醐味かもしれない。
人がやりがちな思い込みを巧みに突いてくる見事な心理トリック。

そしてイギリス小説らしい、どこか耽美的で儚くヒロイックな哲学エッセンス。
作中で語られる「周囲の人間に害悪をもたらす人間を殺しても罪にはあたらない」という一文、実際そうだと思うんやけどね。←

…というテーマがたまたま次の一冊にも通ずる。















 サイモン・カーニック『殺す警官』 (2002)

原題『The BUSINESS of DYING』


邦題の勝ち。
“副業で殺しを請け負う刑事” って、もうそれだけで面白そうでしょ。
一風変わった警察小説…? クライムノベル…?
そしてこれもイギリスっぽさをあちこちに感じる作品。


ロンドン警視庁刑事デニス・ミルンには、ときおり、闇社会に通じる実業家の依頼を請けて人殺しのアルバイトをする裏の顔があった。
警官という仕事、法の正義に対してすっかり幻滅しきっていたが、しかし悪をのさばらせておくのも癪に障る。
そこで、ターゲットが悪人である場合に限り、暗殺を買ってでるようになった。ついでに金を稼げるなら言うことはない。

今回依頼された仕事は、三人の麻薬ディーラーを始末する事。小さなトラブルはあったもののデニスは相棒と一緒にやり遂げる。
ところが翌日、その三人は一般人であったことがわかる。
依頼主にハメられたのでは?と疑いながら、一方で “本職” に没頭して考えないようにする。
過ちを犯した償いの意識から、同日に発生した街娼の少女の惨殺事件を捜査にのめり込んでいく。
だが、新聞に自分に酷似した “人相書き” が載り、警察の捜査の手と、依頼人からの “始末の手” 両方が迫る。



“街娼惨殺事件” というあたり、やっぱりイギリス・ロンドンの深層意識には “Jack The Ripper” が深く刻まれているのだろうか?

ロンドンの街の、どこかジメッとした猥雑さをプンプンに感じさせてくれる巧みな文筆。
『フロスト警部』シリーズにも通じる、警察組織・法執行機関に漂う倦怠感。
主人公デニスも “堕落した警官” ではあるが、本人の正義を追い求め、結果的には悪を滅ぼす。
中年のロマンスも1つの見どころだが、これもデニスの高校生のような初々しい逡巡と、大人の女の余裕の駆け引きが面白い。
しかし、甘い展開は逆に劇的効果で全体を引き締める為にあるようなもの。
そこはしっかりとノワールでクライム。




Posted at 2020/10/30 23:00:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2020年09月29日 イイね!

9月の読書

9月の読書ガンプラにスマホゲームに読書にクルマ。
遊ぶ時間が足りませぬ。←
仕事なんかしてる場合ちゃうで。
こんなことしてる内にジジイになるんやろーなぁ…










 ハラルト・ギルバース『ゲルマニア』 (2013)


こういう事を大声で言うとアレなのかもしれませんが、
どうもワタクシ、ナチスドイツ物が好きなようです。
厨二病にはドイツ語の響きがカッチョイイィィ!←
(というかナチス自体が “集団的厨二病症候群”)


今思えば、大学で社会心理学をあーだこーだやったのも、ナチス時代の集団心理(群衆煽動・結束意識・恐怖支配・選民思考≒自己正当化 等々)に色々と興味・疑問を覚えたのが根底にあったかも?当時は自覚してませんでしたが。


本作は、1944年5~6月のベルリンが舞台。
既に首都ベルリンにも空襲の手が伸び、ノルマンディーのニュースが噂で聞こえてくるも、ナチ党検閲の新聞&ラジオ放送は殆ど伝えず。
「報復兵器1号」(V1ロケット)をイギリスに撃ったニュースでナチ党員は活気付き、“最終勝利” への士気を新たにするも、一般市民レベルでは早く連合軍に勝って欲しいという暗黙の共通認識。

…というような “当時のリアル” を、膨大な資料を漁って裏を取っているのが凄い。


リヒャルト・オッペンハイマーはWW1への従軍経験もある元殺人課刑事。
ユダヤ人なので警察をお払い箱になったが、“アーリア人” の妻と結婚していたお陰で収容所送りにはならずに細々と暮らしている。
そんな彼の所に、深夜突然 親衛隊(SS) の人間が訪れ、猟奇殺人の極秘捜査協力を “頼まれ” る。
協力を断れば即、死。しかし捜査が成功しても命の保証は無い。
仕方なくついていく一方、久しぶりに捜査活動ができるとあって憘びも感じていた。



とにかく、“当時のベルリン” の描写に掛けている手間が凄い。
そうした資料から得た「客観的事実」の磐石の土台があってこそ、空想の部分がより活きてくる。

オッペンハイマーは40代。彼が組んで捜査をするSS大尉フォーグラーは20代。
この2人の世代差はそのままナチ前・ナチ後の世代にもなり、これを活かした描写も出てくる。
ナチが “退廃芸術” に指定した作曲家のレコードを、何も知らないフォーグラーが気に入って口ずさむシーンは印象的。

ユダヤ人は「ユダヤの星」を服に縫い付ける事が義務化されていたが、捜査の支障になる(行く先々で説明するのが面倒だ)として、フォーグラーがオッペンハイマーに星を外させるシーンや、更に話が進むと報道検閲の責任者・国民啓蒙宣伝相ゲッベルスから「捜査に携わっている間、お前はユダヤ人ではない」とまで言われる。
“SSの特権庇護を受けるユダヤ人” という奇妙な存在になったオッペンハイマー。
本音と建前のナチズム。

フォーグラーは元からユダヤ人に対する偏見が殆ど無く、オッペンハイマーと対等な相棒のようなスタンスで接し、むしろ捜査技術等を学ぼうとする。
一方、純粋培養された “ナチ的思想” の権化とも言えるヒトラー・ユーゲントの少年団は、ユダヤ人というだけでオッペンハイマーをリンチしようとする。
このような対比が鮮やかに描かれる。

また、親衛隊(SS)と突撃隊(SA)、更に元々のドイツ国防軍との三竦みの確執も一つのエッセンスとして取り入れられている。

タイトルにあるゲルマニアは、当時ヒトラーが夢想していた、ベルリンを『世界首都ゲルマニア』として改造する計画。
理想と現実を象徴する皮肉に富んだこのタイトルに、英軍爆撃機の写真を合わせたカバーデザインも秀逸。










 『オーディンの末裔』 (2015)


↑から半年後の45年1~3月が舞台の続編。

まぁ…ぶっちゃけ、1作目に比べるとちょっとアレですわw(何)
シナリオ展開のテンポがいまいち乗らないというか、ミステリとしての面白さはやや落ちる。
1が良すぎた。

しかしこのシリーズの魅力・真骨頂は膨大な資料に基づく「当時のベルリンの一般市民の生活描写」にある。
本作では、益々敗色濃厚になってきた中、様々な立場の人々の “戦後” を見据えた行動が色々と見られる。
“SSの刺青” を消す将校、偽造通行許可証を売る者、“ユダヤ人を匿った実績” を作ろうとする者。
一方で、そんな状況でも “民族裁判所” は政治犯の死刑を行い、プロパガンダを続ける。もはや逆効果なのだが。

驚くのは、連日連夜の空襲に晒されながらも、公共交通(路面電車・地下鉄)がまだ一応機能している事。
ガソリンはほぼ手に入らず、電気も一般家庭には日中しか供給されず、水道も止まり人々は井戸を掘る。
そんな中でも “有る所” には食料も水も酒もたっぷりあり、宴の中で終戦を待とうかという者も居る。


次の3作目はいよいよベルリン陥落。










 『終焉』 (2017)


1945年4月、ベルリン防衛軍降伏2週間前から始まる第3作。
東から迫るソ連軍の砲声が日に日に近付く中、多くのベルリン市民は「ナチからの解放」と「新たな支配」の両方を意味するその現実に複雑な心境だった。
前作『オーディンの末裔』もそうだったが、 “戦後” を見据えて画策する者と、新たな環境に順応するしたたかな者が象徴的だ。
主人公オッペンハイマーはそのどちらでもなく、時代に、国家に、完全に翻弄される側。
ユダヤ人としてはナチス崩壊は歓迎だが、ソ連の占領軍はまた新たな問題を持ち込んでくる。
ソ連軍内部にも様々な思惑の者たちがおり、懲罰部隊(犯罪者や軍規違反者で構成された捨て駒部隊)の隊員達が軍に戻らずベルリンでギャング化する。
また、ドイツの原爆研究者がソ連への亡命を計画するが潜伏中に物盗りに襲われ死亡、隠された開発資料を巡ってギャングとソ連正規軍、更に西側エージェントとの間で争奪戦が繰り広げられ、しっかり巻き込まれるオッペンハイマー。

おそらく、著者はこの戦後混乱期を一番書きたかったんではないか。
“ミステリ小説” として完成度が高いのは1作目『ゲルマニア』で、これは広くオススメできるが、
2、3作目、特に本作はドキュメント資料的な側面が強く、世界史的な興味が無いとちょっと退屈かもしれない。“警察モノ” とも “戦争モノ” とも少し違う。
後味こそそう悪くは無いが、最初から最後まで “混沌” の状況である。

しかし、少し評論めいた事を言えば、
『帰ってきたヒトラー』以後、それまでタブーのように萎縮して触れられなかった “ドイツ人作家によるナチス小説” というモノが一気に芽吹いて、ギルバースの本シリーズはその中でも重要な位置を占めるのではないかと思う。

ナチスもソ連も、狙う相手が違うだけで中身は同じ恐怖政治。
今の中華も同じでは。




Posted at 2020/09/29 22:22:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2020年08月30日 イイね!

8月の読書

8月の読書クソ暑さも少しマシになってきた…かも?
ちょっとここ最近、プラモに手を出したり毎月ポンポン服を買ってたりしてますが、
そろそろちょっと財布の紐を引き締めてクルマのメンテ貯金せねばと思いました。( ̄▽ ̄;)
とりあえずクラッチ&MTマウントの部品は既に揃ってるんですけどね。
その後、リアデフOH、車高調OHと大型メニューが続く予定…
言ってる間にまたタイヤ亡くなるし、羽根とかディフューザーとか欲しいし…
いつになるやらw










 マーク・グリーニー & H・リプリー・ローリングスⅣ
   『レッドメタル作戦発動』
 (2019)

原題『RED METAL』


マーク・グリーニー、今年はグレイマン出ないのかと思ったら、こんな仕事してたのね。
元・米海兵隊中佐との共著による新作(新シリーズ?)。


2020年12月、総統選挙を控えた台湾に中国が軍事圧力を掛け、統一反対派が総統になれば軍事侵略すると宣言。
米軍はそれに対応して空母打撃群を東シナ海へ派遣。
ところが、海軍情報部トップ(男性)と太平洋艦隊副指令(女性)の不倫スキャンダル動画がネット上に流される。米艦隊の動きを鈍らせようとする中国によるサイバー攻撃と見られたが、
元海兵隊で国防総省統合参謀本部のコナリー中佐は独自に調査し、中国ではなくロシアによる攻撃と知る。
統合参謀本部は一触即発の状態にある中台関係しか眼中になく、コナリーが上官に進言しても握り潰された。

ロシアは自国が開発しながらも西側に奪われたケニアのレアアース鉱山の奪回を目論んでいた。
台湾の緊張を囮に利用し、ロシアの大規模な侵攻作戦が動き出す。



冒頭の中台関係は現実味有りすぎなんですが、
今回は台湾はメインではなく、東ヨーロッパと東アフリカが舞台のお話。

独行工作員の潜入アクションであるグレイマンシリーズと打って変わって、
軍隊vs軍隊、特に機甲戦(戦車等の車両戦闘)が存分に描かれる。
他にも、潜水艦の戦闘、歩兵vs戦車のゲリラ戦、戦車同士の追撃戦、航空支援や迫撃砲、A10攻撃機 vs Su57ステルス戦闘機。
現代最先端の武装がこれでもかと登場。
実際に数々の戦場を目にしてきた元軍人ならではのリアルな描写。
(リアルすぎて、各登場人物や部隊の所属や肩書きがめっさ長ったらしいのはご愛敬w)

敢えて主人公と言えるメインキャラを立てず、
その場面場面で非常に多くのキャラクターの視点から語られるのも、(ほぼジェントリー一人の視点となる)グレイマンシリーズとの大きな違い。

ロシアの急襲に対応する為、急遽編成されたドイツ駐留米軍(NATO軍)とドイツ陸軍混成機甲部隊の臨時連隊長。
前日までカフェでコーヒーを淹れていたポーランド民兵の女性が、数日間の激戦で民兵を率いるリーダーになっていく様。
航空支援を行う戦闘ヘリのパイロット。
アデン湾に忍び込み、ロシア部隊の貨物船を攻撃する米原潜の艦長。
アルプスの気象観測所でロシアの仕掛けたレーダー装置を発見し、銃撃戦を展開するフランス軍の落下傘部隊。
ロシア側の主要人物もキャラが立っていて、
最先端の装備・戦術を好む若手大将と、昔ながらの装備で老獪な戦術を駆使する老大将。それぞれの部隊構成がハッキリ別れているのも面白い所。
また、前半のハイライトとなるヨーロッパ戦線では、なんと武装列車が登場。
今の時代に敢えて、という奇策が見事にハマる。


これぞミリタリー、これぞコンバットという軍事アクション。
グレイマンにはない戦略規模の話が面白い。

そして、台湾の話は続編で、という流れ。















 ウィル・マッキントッシュ『落下世界』 (2016)

原題『FALLER』


男が目覚めた時、自分が何者か、今居るのはどこなのか、殆どの記憶が消え去っていた。いや、記憶を失っていたのは彼だけではなかった。その場に居た誰もが記憶を失っていた。
僅かな手掛かりは、ポケットに入っていた手書きの地図の様なメモ、女性の写真、落下傘兵の人形。

そして彼らが居たのは、虚空に浮かぶ島だった。
どこまでも続く青空のどこかに、きっと別の島がある。そう考えた男はパラシュートを自作して島から飛び降りた。



という設定だけで面白い。
アイデア勝負のSFに於いて、この “キャッチーさ” は重要。

読み進むとすぐに、もう一つのストーリーラインがあり、そっちは第三次世界大戦が目前に迫ったアメリカが舞台とわかる。
この二つのストーリーがどう重なってくるのか、先が気になる構成でサクサク読める。

世界を崩壊させるマッドサイエンティスト、人間をコピーする、ミニブラックホールで無限のエネルギー、「貴方を殺した罪で貴方を逮捕する」、などなど
“SFあるある” を大量に詰め込んだオモチャ箱感。
反面、科学的説得力は申し訳程度で、SFというよりファンタジー。
一応二回読んだ方が良いかな?( ̄▽ ̄;)















 マイケル・フィーゲル『ブラックバード』 (2017)


『湾岸の黒い怪鳥』ではありませんw
クロウタドリの事で、
日本では馴染みが無い(沖縄周辺に飛来)ですが、渡り鳥の代名詞としても使われる。


国内テロを専門とする殺し屋の中年男。
卵アレルギーの彼が、マヨネーズを入れられた事でキレてバーガーショップで乱射する。
その場にたまたま居合わせ、友達の輪から1人外れて所在無さげにしていた8歳の少女に何かを感じた男は、彼女を守るように連れ帰る。

なぜこの少女を連れてきてしまったのか?男は自問する。
“裕福ではない家庭” の末っ子だった少女は、逃げようと思えば逃げられる機会を何度も得ながら、結局男に付いて行った。
こうして2人の奇妙な疑似家族生活が始まる。

男は父として師として、少女に “生きる術” を教える。
少女はやがて男の “仕事” を手伝い始める。
しかし、“組織” の勢力争いに少女が巻き込まれた事で2人のバランスは崩れ始める。



『オッサンの殺し屋と少女』というと、いくつも映画のタイトルが浮かびそうだが、
個人的にはこれを読んでいる途中で『ロリータ』を思い出した。
2人が全米中を(渡り鳥のように)逃避行するという土台に、思春期少女の成長物語。
最初はオッサンの側が保護者然としてイニシアチブを取るのだが、
少女が成長するにつれてその力関係が拮抗、しだいに逆転していく様。
少女はあくまで男と “家族” に、仕事の “相棒” になりたかった。
しかし男は、次第に “独り” に戻ろうとする。その方が強く在れる、と。

ギリシャ語には「愛」を表す言葉が4つあるという。
家族愛なのか師弟愛なのか男女愛なのか、
この2人の “愛” はいったいどんな言葉で表されるのだろう。
家族の絆の物語であり、切ないラブストーリーであり、そのどちらでもない。


テロリズムに関しては、(ちょっと陰謀論めいた所はあるが)
誰かが得をするために、或いは社会全体が健全化する為に、仕組まれたヤラセの茶番劇である、との見解。
それに世間の目が向いている間にコッソリと重大な何かを行う為のスケープゴート。
主人公の雇い主が誰なのかは明かされないが、“国家” 側であるようなことが仄めかされる。


必読図書とまでは言わないけど、良作である。




Posted at 2020/08/30 11:11:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記
2020年07月31日 イイね!

7月の読書

7月の読書今まで、
←この毎月の読書感想文のトップ写真を撮る時だけしか使ってなかった折り畳みのちゃぶ台机が、
今やガンプラ作業机として大活躍中ww
この写真を撮るために上に乗っていた作業中のガンプラを片付けるのが面倒でした(爆)。

作品ナンバー②では塗装もしようと思ってるのに、
こんだけ雨続きだと全然出来なくて作業停滞中。(・ε・` )

しかし…
諸兄方の作例とかを検索しまくってたら、
スマホに出てくる広告がガンプラ一色になった件www















 ヴィクトリア・エイヴヤード 『暁の嵐』 (2018)

原題『War Storm』


レッドクイーン四部作、完結。
終わって一安心なのと残念なのと、半分半分くらいかな。

1、2はしっかり憶えているけど、3の内容が怪しかったので
また例によって、復習がてらの全巻一気読み。
(今月内に読み終われるかハラハラでしたがw)


多少ネタバレを含んでいきますが…
1~2巻では「よく作り込まれたファンタジーモノだなぁ」という感じだったのが、
3巻に世界地図が載せられ、「ん…?これってアメリカじゃね?」となり、実は現実世界の遠い未来の話だと判明。
言われてみれば地名もなんとなく名残のあるものが。
崩れた地下鉄網が特徴の廃墟の街ネアシー=ニューヨーク、
湖の畔の要塞都市デトラオン=デトロイト、
空軍基地デルフィー=フィラデルフィア、等々。

乱暴に言えば、アメリカ北東部で5つほどの国が魔法戦争をやっているという話w
だが、上手いこと現代社会の問題(人種問題・男女差別・ジェンダーマイノリティ)を抽象的に取り上げたり、
王政・独裁・民主主義の良し悪し、人類の争いの歴史を揶揄するような部分、神話のオマージュなども見られ、
非常にハイレベルに纏まっている作品であるとオススメします。

入口はファンタジーRPGで、読み終えると大河ドラマ。

登場人物それぞれの個性も際立っていて、ふつうこれだけ多くのキャラを出すとどれがどれやらわからなくなるもんやけど、上手く際立たせてイメージしやすくしてある。

主人公《稲妻娘》メアと、《亡国の王子》カルの、互いの信念を貫くが故に近づいては離れてを繰り返す恋愛模様…というよりもっと深い繋がりが強く描かれる最終巻。
名脇役エヴァンジェリンとプトレイマスの妹兄コンビも、親の政治の道具として使われる運命に遂に反旗を翻し、親離れの成長を見せる。
人を操り、人を裏切り、自ら《悪の化身》と成り果てたメイヴンは遂に自らが裏切られる側に。
メアvsメイヴンの因縁のラストバトルは実にこの2人らしい静かで泥臭い争い。

「裏切り」がシリーズ全体のテーマだったので、
ラストで何か「えー…それ有りぃ?(;´д`)」的な(後味の悪い)展開になるんじゃないかと危惧していたけど、
さすがに割りとすんなり綺麗に纏めてきたかなと。


ただ…
四部作と言いつつ本国では既に続編の話がどうとか?
終わり方も色々繋げられるようにボヤかしてあるなぁとは思う。
映画化も進んでるみたいやけど、上手くいけばハリポタみたいなヒットシリーズになるかもね?




Posted at 2020/07/31 11:11:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活字部 | 日記

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「@あすきー  ナニコレめっちゃHighSenseやんw」
何シテル?   05/21 21:59
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