
手抜きで2冊のみ!(笑)
いや、ね、最近面倒臭くて本屋行って無いんですよ。( ̄▽ ̄;)
未読のストックが僅かなのでスローペースで先延ばししようとしているアレ。←
そろそろマーク・グリーニーの新作出てそうやけどなー
ルイース・ボイイエ・アブ・イェンナス 『毒花を抱く女』 (2017)
原題『BLODLOKAN』
スウェーデン語から英訳経由の邦訳。
また北欧かよ(笑)。
700ページ近い大作だが、終盤になって気付く。
「これまだ続くやんw」。
実は3部作の1発目だというw
軍で基礎訓練を受けた経験のある24歳のサラ。
1年前に正体不明の男から受けた暴行被害と、数ヵ月前の父の不審死。
過酷な経験を乗り越えて、ストックホルムで新生活を始めたが、次々と奇妙な出来事が起こる。
それらは現実なのか?PTSDが引き起こした妄想か?
友人、恋人、同僚、周囲の誰もが怪しく思え、自分自身すら信じられなくなるサラ。
週末に実家に帰ったときに父が残したメッセージとも言えるものをみつけ、父は何か大きな陰謀に巻き込まれていたのではないかと考え始める。
スウェーデンの歴史は全くわかりませんが、
本作では20世紀中頃から現在に至るまでの、スウェーデンで実際に起きてきた未解決事件の、実際の報道記事を引用している。
その背後に渦巻く陰謀は著者のフィクションだが、
…じゃあ実際のそれらの事件の裏はどうなっているんだ?
と、本国では様々な議論を呼ぶ話題作。
まー、日本風に言ったら、(記憶に新しいところではアベちゃんのモリトモカケ問題とかみたいな)政治家先生方の数々の汚職事件を1つの方程式で解いてみたら…、みたいな感じかしら。
若干ネタバレになるが、
以前読んだアンドレアス・グルーバーの『夏を殺す少女』と同じテーマ。
オブラートに言うと、“保護者の居ない未成年非正規移民(難民)が晒される状況” 。
これはヨーロッパの普遍的な暗部なのね。
だが、キャリア豊富なベテランの著者だけあって、この作品は面白い。
分厚い本だがサクサク読める。
“成功者” 層の華やかな生活を疑似体験させてくれる所が、
全体的にシリアスなストーリーのオアシスとなる。
シェイン・クーン 『インターンズ・ハンドブック』 (2014)
上↑の一冊がなかなかシリアスだったので、
似たようなダークな雰囲気を持ちつつも痛快なモノを読みたくなり、これを再読。
インターン研修生になりすまして企業重役のターゲットを狙う暗殺者のお話。
映画オタクならいちいち膝を打つであろう引用がそこらじゅうにあり、クールでニヒルな主人公が無表情で映画ネタのジョークを言う。
その殺害手段の数々も実に映画的(笑)。
親を知らない孤児である主人公は百戦錬磨の暗殺者ながら、
人生の機微には疎く、作戦中に出会った女性との距離感に悩む。
その女を情報源として利用しつつ、実は相手がFBIの潜入捜査官で自分と同じターゲットを狙っていると気付き、仕事の上では大いなるリスク存在として “排除” も検討する。
と同時に、プライベートな感情では彼女を求めているという、アンビバレントで青臭い思春期的な感情。
大人でありながら子供、プロでありながら未熟。
このギャップ、自己矛盾がこの物語を面白くしていると思う。
とにかく演出全てが映画的なので、アクションシーンの殺陣や閉じ込められた場所からの脱出等「おいおい、そんな簡単にいくかよw」とツッコミたくなるが、
お陰でストーリーのスピード感はピカイチ。
Posted at 2021/10/30 15:00:23 | |
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