
最近読書ペースの調子が良くて、このまま行くと8月でストックの本が尽きるw
服屋行く頻度が増えたぶん?本屋に行く頻度が落ちてる。(・ε・` )
人生万事、あっち立てればこっち立たず。
服に投資すればクルマへの投資は滞り…
あかーん。
…金持ちになりたいですww
福井晴敏 竹内清人 『機動戦士ガンダムNT -ナラティブ-』 (2018)
まだこの読書感想文ブログを始める前に原作小説10冊を全巻読破した『機動戦士ガンダムUC -ユニコーン-』。
その続編というか外伝的なもの。
UCは小説が原作で後に映像化されたが、このNTは逆に劇場用映像作品が先にあり、それを小説化したものが本作。
劇場版は観てませんが、どんな話か興味はあったので。
実はワタクシ、UCのOVAは序盤の数巻しか見たこと無いです。( ̄▽ ̄;)
原作小説を知る者としては「は?なんでマハディ居ないの?」とか「は?フルアーマーユニコーンて何?」とか「は?バンシィノルンって何?」とか「は?ネオジオングって何?」とか、色々言いたいことは有りますがw
でもまぁ、いずれちゃんと見てみようとは思う。(レンタル行ってもいつも貸出中なのよね)
UCは、1st(0078)~Z(0087)~逆シャア(0093)と続く “宇宙世紀のメインストリーム” を受け継ぐ正史。
アムロ&シャアが “退場” した後、その2人すら凌ぐニュータイプ能力を覚醒させる主人公バナージ。
16歳に成長したミネバがヒロインとして政治的な立ち回りも見せる。
逆シャアのモヤモヤした後味をキレイに拭い去って、新たな展開、新たなステージへ進む大作であります。
で。
NT、ナラティブ。
UCの1年後が舞台で、1stやZの歴史も絡めてくる辺りは正に宇宙世紀の醍醐味か。
しかし。
設定の二番煎じ感が凄い(爆)。
登場MSにしろ登場人物にしろ、「実はもうひとつ有りました」的な後出し設定だらけで苦笑を禁じ得ないw
シナンジュスタインもやけど、Ⅱネオジオングって何よwww
UCのネオジオングだけでも「それギャグっすか?( ゚д゚)ポカーン」だったのに、どんだけ安売りしちゃうの。
つーか…これを言ったらあかんのやろけど…
“ナラティブガンダム” なんて機体、要った??ww
別にジェスタかリゼルで良かったんちゃうのw
ユニコーン3号機たる
フェネクス に関しては有りだと思う。
単純にカッコいいからw
ビジュアル的にもシナリオ的にも本作は フェネクス が主役。
1人では大したこと無い能力でも、3人寄ったら桁外れのニュータイプ能力を発揮する幼馴染みの3人というのも面白いかな。
最初から劇場用で作られている=尺の制限があるので、どうしてもボリュームは少ないし、出てきたキャラ(特にネオジオン)が使い捨ての如く消えていくのが残念。
さっさと退場してくれないと話が終わらんというのはわかるけどね。
母艦そんな簡単に沈んじゃってどーすんのよ?とは思う。
最大の敵役、ゾルタン・アッカネンも終始 “ただの噛ませ犬” 的な印象が拭えないし…
あくまで主人公達3人の幼馴染みのドラマですね。
何はともあれ、フェネクスかっこいい(笑)。
しかし、
ニュータイプの革新やサイコ○○な要素がどんどんスケール大きくなっていって、この後に続くハズの『F91』や『V』への整合性がビミョーになってくる怖れ。
宇宙世紀は実質0100までの話に纏まってしまうんではないか?
UCが新たな世界観を広げた結果、その線引きをしてしまった感。
閃光のハサウェイは話の規模が小さいからまだなんとか収まるけど、F91が “正史” から逸れていきそうな気がする。
でもバナージという強力なキャラクターをこれっきりにするのは惜しいので、今後バナージサーガとでも言うような展開が増えていくんじゃないかと思う。かつてのアムロ&シャアのように。
スティーヴン・ハンター 『極大射程』 (1993)
原題『Point of Impact』
面白い!
やっぱりS・ハンターは面白い!
圧倒的な存在感と魅力を放つ、ボブ・リー・スワガーを主人公に据えた、 “スワガー サーガ” の第1作目。
ヴェトナム戦争でスナイパーとして活躍し、退役後はアーカンソーの山奥で隠遁生活を送っているボブ。
そこに如何にも怪しげな二人の男が現れ、新開発の弾丸の試射をして欲しいと。
いぶかしみながらも興味をそそられて仕事を請けるボブ。
広大な射撃場での様々なテストをこなし、かつてのスナイパーとしての性を刺激される。
しかしそれはボブを罠に嵌める壮大な陰謀の幕開けだった。
謎の組織のシナリオに落とし込まれ、大統領暗殺未遂犯に仕立てあげられたボブ。
たまたま、その事件現場に居合わせたFBI捜査官ニック・メンフィスは、かつてFBIスナイパーとしての初陣で狙撃を失敗した苦い経験を持つ。
スナイパーとしてスワガーに畏敬の念を抱くニック。
自分が目にしたスワガーの姿と、捜査本部が発表する内容に違和感を覚えたニックは独自に捜査を進める。
次第に「名スナイパー・スワガーが、そんなミスをするだろうか」と、別に犯人が居るのではと思い始めるニック。
別の殺人事件から大きな手掛りを得たニックは、ボブと行動を共にして巨大な陰謀を暴こうとする。
主人公が窮地に陥ってからの大逆転、正にこれぞ冒険小説というシナリオプロットのみならず、とにかくディティールが細かくて面白く、痛快。
ただのコンバットアクションではなく、狙撃の手順や心構え、地形学、弾道分析、銃の構造といった頭脳的な要素も盛り沢山。
S・ハンターの書く物語は緻密に練ってあって、アカデミックな知的好奇心も満たしてくれる。
戦闘も、狙撃戦有り、近距離射撃戦有り、1対120の一騎当千有り。最後は法廷バトルでの痛快な逆転劇。
これは面白い。マジで(笑)。
ジョセフィン・テイ 『時の娘』 (1951)
原題『The Daughter of Time』
リチャード三世 と言われても我々日本人には何の事やら全くピンと来ない。
15世紀イギリスの薔薇戦争の時代、プランタジネット朝最後の王、とか言っても何の事やら全くピンと来ない。
世界史噛じってたワタクシですらそうですw
だいたいね、イギリスの歴史人物って
同じ名前多すぎな件w
この薔薇戦争の時代だけでも、
ヘンリー四世、五世、六世、七世。
エドワード三世、黒太子エドワード、エドワード四世、ウェールズ皇太子エドワード、ウォーリック伯エドワード。
リチャード二世、ケンブリッジ伯リチャード、ヨーク公リチャード、ソールスベリィ伯リチャード、ウォーリック伯リチャード、リチャード三世。
もうワケわからんwww
名付けのレパートリー少なすぎやろw
太郎、正夫、和男しかおらんような感じ。
しかも、同じ名前で○世言ってても、直系でないどころか、全く血縁が無い場合もある。
例えたら、徳川家に信長二世という将軍が居るようなもの。
…というネタはさておき(笑)。
一言で言えば、“歴史というのは勝者or後世の人に都合良くネジ曲げられているね” という話。
&歴史家の硬いオツムを、推理小説家の柔らかい頭で皮肉っている話。
王位を奪う為にいたいけな王子を殺害したとして悪名高いリチャード三世。彼は本当に残虐非道の悪人だったのか?
退屈な入院生活を送るグラント警部は、ふとしたことから手にしたリチャード三世の肖像画を見て疑問を抱いた。
つれづれなるままに歴史書を紐解き、純粋に文献のみからリチャード三世の素顔を推理する。
探偵役は部屋から一歩も出ず、データは他人の手によって外から持ち込まれるのみで、探偵役は純粋に机上の推理だけで謎を解決する。という “安楽椅子探偵” と呼ばれるジャンル。
しかも、“歴史ミステリ” ゆえに、実際に史書に記載されているデータだけを使うという “二重の制約” を課された作品。
これだけでも面白い。
小説と言うより学術論文のような雰囲気だが、推理の切り口はやはり小説的。
マイク・クーパー 『ダウンサイド強奪作戦』 (2017)
原題『THE DOWNSIDE』
フィンは、かつて20tより軽いものは盗んだことが無いという “重量物専門” のプロの強盗。
誰も撃たず、殴らず、ブツを頂戴するだけ、というモットーを持つ。
前回のヤマで、大規模な列車強盗を決行したが、なぜか急襲してきた警察に逮捕され一同刑務所へ。
誰かが裏切ったのか?という疑問を胸に7年の刑期を終えて出所したフィンは、この稼業から足を洗うつもりだった。
今はもう、気の利いた悪党はコンピュータでキーを叩くだけで100万ドルの金を盗む時代で、自分のような実際にモノを盗む人間は前世紀の恐竜同然と思うようになったからだった。
しかし、出所したてのフィンはその日の寝床にも困る有り様。
背に腹は代えられず、かつての仲間を集めて最後の大仕事に挑むことに。
獲物は、鉄道基地のハイテク倉庫に眠る、総重量1t近い稀少金属ロジウムのインゴット。
前回の裏切り者は誰だったのか、今回の仕事は首尾よく進むのか、またもや裏切り者が出るのか、どのようにしてハイテクセキュリティの要塞に忍び込むのか。
謎の美女や、凄腕ハッカーなど新たな仲間も加え、“恐竜” の最後の挑戦が始まる。
“ケイパー小説” と呼ばれる、犯罪者側の視点から描かれる強盗・強奪事件作品。
以前読んだ『熊と踊れ』も正にケイパー小説だが、本作『ダウンサイド』はあまりゴチャゴチャした伏線も無くシンプルで、実にテンポ良く読み進められ、“痛快” という形容詞が似合う。
古くさい物理的な強盗作戦かと思いきや、ウォール街的な金融先物取引の要素が大きな鍵になってくる、意外というかイマドキというかなシナリオ。
超大型重機を載せた特別貨物列車が引っくり返るとか、
逃走車両を、軽トラ→中型トラック→大型トレーラーと順に荷室に積み込んで隠す “マトリョーシカ作戦” とか、映像化が映えそうな作品。
ページ数の割りにはサクッと読めて後味も良い。
ただ、サクッとシンプル過ぎて、もう少し細かく突っ込んで描写してほしかったり、技術的なリアリティが「もう一息」と感じる部分もある。
軽トラの荷台いっぱいにインゴット積んで、そんなフツーに走れるワケ無かろうw