
寒いです。
まだ家では暖房は使ってません。
クルマではガンガンやけどw
それでも夜、お山帰りとかにMINISTOPでソフトクリーム食べるのが好きなのです。
アレは良いものだ。( ゚д゚)
エリック・ジャコメッティ & ジャック・ラヴェンヌ
『ナチスの聖杯』 (2018)
原題『Le Triomphe Des Tenebres』
≪フランスのオカルトスリラー界に名を刻むコンビが、第三帝国のオカルト信仰の根源に切り込む、息もつかせぬ冒険劇≫
三部作で送る新シリーズの開幕。
ナチス × オカルト。
別に突拍子もないトンデモ話ではなく、多くの史実をベースにした「フィクションでありながらノンフィクション」。
ヒトラー自身は “超自然的な思想” を鼻で笑っていたが、副総統のルドルフ・ヘスが占星術にハマっていたり、かのヒムラーが正にオカルト研究に熱心だったのは事実。
アーリア人のルーツを探る考古学&神秘研究(というか…歴史捏造)のSS部門、アーネンエルベ(Ahnenerbe)というのも実在した組織。
そのアーネンエルベがチベットへ宝探しに行ったり、占領した他国都市のフリーメイソンのロッジを破壊して回ったのも事実。
ナチスの前身、ドイツ労働者党の旗揚げメンバーには、とあるオカルト秘密結社の構成員が多く居たのも事実。
WW1の敗戦で政治・経済・精神全てに於いて鬱々としていたドイツは、国家の結束という目的に至るツールとして “超自然的 神秘主義的な思想” が政治思想に入り込むようになったと言える。
といったノンフィクション背景の上に「if」を組み上げ、
占星術やルーン文字、美術史ウンチクやカタリ派の遺産等、知的好奇心をくすぐるギミックがこれでもかと目白押し。
更にスパイアクションの要素もあって、もうてんこ盛りお腹一杯w
本作の鍵になるのは、鍵十字のルーツ。
東洋に於いて鍵十字のシンボル(我々日本人には「卍」が馴染み深い)は “調和” を表すのに、ナチスは何故正反対のイメージでそのシンボルを使ったのか。
(卍とハーケンクロイツは回転方向が違う。本作ではこの右回りと左回りの違いにも注目している)
第一部の本作ではまだそれについての回答は出て来ないが、これは俄然続きが気になる。
シェイン・クーン 『インターンズ・ハンドブック』 (2014)
人材派遣業務を隠れ蓑に、組織や大企業にインターン社員としてヒットマンを送り込み、厳重な身辺警護を受けている要人の殺しを請け負う〈ヒューマン・リソース社〉。
送り込まれたインターン=ヒットマンは、その立場を利用して目立つことなく社内のアクセスと信用を獲得し、ターゲットに近づき、証拠を残さずその命を奪う。
そのHR社のエース、ジョン・ラーゴはまもなく25歳の誕生日を迎え、めでたく引退する予定だ。なぜ25歳で引退なのかというと、インターン研修生として通用する年齢の限界だから。
極めて優秀なヒットマンであるラーゴは、その “最後の仕事” を事細かに記録し、己のヒットマン人生を振り返った手引き書兼サバイバルガイドを後輩の為に執筆した。
しかし “最後の仕事” はセオリー外の展開続きであった。
と、少し変わった切り口のアクションスリラー。
ブラックユーモア多数、映画ネタのオマージュや比喩も多数、アメリカ英語のスラングや独特の言い回しも多数で、それを日本語訳していると少し変な所もあるが、なかなかレベルの高い一冊。
著者は元々映画製作業界の人なので、映像的な “映え” を意識したシーンが多く、アクション描写の細かい部分のリアリティはちょっと物足りなかったりするが、二転三転するシナリオは面白い。
グレイマンファンにもオススメ。
先月、「一冊だけの物語はボリュームが…」とか言いましたが、
これは400頁の中でジェットコースター的に景色が変わり、うまく纏まっていて素晴らしい。
「殺し屋の仕事の中で何よりも大事な事は、完璧なコーヒーの淹れ方を習得すること」
こっちがクタクタになるまで使い走りをこなしても、重役は何も思わない。
だが、ヤツが今まで飲んだことが無いほど旨いコーヒーを淹れてやれば、間違いなく、明日から毎日自分のコーヒーを淹れるようにと言ってくる。
その反復接触によってアクセスと信用が手に入る。
というのは、別に殺し屋でなくともそうだよねw
新たな “価値の気付き” で、普通には接点の無い人と一気に距離が縮まる事がある。
釣りバカ日誌の浜ちゃんとスーさんみたいな(喩えが古いw)。
そういうのはクルマの世界でも良くあるよね。
これで12月に2冊計上すれば、年間50冊到達♪
Posted at 2019/11/29 16:00:12 | |
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