
昼が短くなりましたね。9月1日の日照時間って4月15日とほぼ同じなんだそうですよ。
さて、この間帰省したばかりだというのにのっぴきならない用事で今週また帰省しておりました。両親を残しているといろいろあるもんです。
用事をすませて市内を徘徊。これは富山城址公園。城をかたどった博物館ですね。
さて、ブログタイトルの通りこの時期富山では「おわら風の盆」なる民謡のお祭りで賑わいます。市内を南下した山あいの町「八尾」で行われる伝統行事。
ご存じの方、おられますでしょうか。
ご年配にはそこそこ知名度もあるようですが、まあ、それ以下の世代にはサッパリでしょうね(^^;)。ぼくも他県の民謡行事など知りませんし。
八尾町はご覧の通り、飛騨高山にほど近い雰囲気の町並。かつては養蚕と飛騨への物流拠点としても栄えたそうです。
綺麗ですね。でも昔はこんな石畳じゃなかった。
倉敷のように美観地区としていろいろ手を入れられている様子が見て取れます。
同じ町並が夜になるとこうなります。もはや舞台セット。
おわら風の盆は9月1日から3日までの行事。たったその3日間に、25万を超す観光客が訪れます。ぼくが出向いたのはその一週間前に各町区ごとで開催される「前夜祭」の日。これでも3万人近い観光客が集まるのです。
町の公園や、神社の境内では本番に備えて練習する子供達の姿が。
この日前夜祭が開催される町区に出向きます。八尾町は坂の町。上るほどこのような趣のある町並が現れます。
良さそうな写真を選んではいますが、だいたいどこを撮ってもこんな感じなんのですよ。
おわら風の盆の構成要素は4つ。踊りと謡と三味線、そして胡弓。
謡はひと息でうたいきる非常に難しいもの。
踊りになるとその難しさもさることながら条件も厳しく、
・町区に居住していること
・20歳25歳未満であること
・未婚であること
この少子化になんとも厳しい条件(^^;)
案の定担い手不足で、昨今は地元の高校生の参加も認めつつあるのだとか。
町流しが披露される場所に来てみたらあいにくの通り雨で公民館の中で演技中。
あくまで前夜祭、本番前に大事な衣装や楽器を濡らすわけにはいきませんからね。
八尾の人にとっておわらは本来自分たちが楽しむためのもの。
それがメディアに持ち上げられて、いつのまにか県の重要な観光資源にさせられてしまいました。
観光客25万なんていうのは2万人しかいないこの町のキャパシティをとっくに越えているのです。
これだけ観光客が多いと「観に来てやった」という方もいるようで。
この日もせっかくこうして演技を披露してくれているのに、「外に出ておどってよ~」という残念なヤジがとび、町の世話役がじろりとにらみつける場面がありました。
そう言いつつも、にわか雨も止んで、外で演技を披露してくれることになりました。
踊り手さんたちもすげ笠を被り準備を始めます。

ちょっと、なんというか・・
たまんないですね(^^;)
よわったもんだ。昔はなんとも思わなかったのに。おっさんになったなー。
この踊り手さん達が次に意外な行動を見せます。
なんと、道に座りましたよ?
ここは楽屋の端の設定だったよう。中央が舞台で、まずちびっ子(男の子)が踊りを披露しています。
同じく出待ちの女の子。
すげ笠をかぶったお姉さんたちに向ける憧れのまなざしが印象的でした。
男性の踊り手登場。踊りには男踊りと女踊りがあり、振り付けが全く違います。
男踊り、通称「案山子」は勇壮で力強い。この町のは特に勢いがあって格好良かった!
手、足の角度が綺麗に揃っていますね。練習の厳しさが垣間見える瞬間です。
入れ違いで女の子組登場。あちこちから「可愛い~!」の声が飛び交います。
お姉さん組がスタンバイモードに!
ちょっともう、この
けしからんうなじはどうしたものか!
こんなブログ書いないで、これ見ながら
すぐにでも飲みたい気分(^^;)
女踊りは幽玄でしなやか。
それでいて、ところどころに可愛さもちりばめてくるからまたやっかいなのです(^^;)
最大の見せ場は男踊りと女踊りの組合せ。
厳選された6名の精鋭が場の空気を一層盛り立てます。
このように男性の服に手を掛けて
下から見つめ合う。観客からはヒュー!というはやしと拍手が飛び交います。
このはやしはOK。やり手もそれを狙ってますので(^^;)
こういう演出は控え目を由としたかつての女性観かもしれません。
でも、やっぱいいもんですね。
すげ笠をとると今風の若い娘さんです。ぼくらの世代と違って、みんなアイドルのように等身が高くスッとしているのが印象的でした。
はぁ~満足。久しぶりにいいもの見たな(*^_^*)
相変わらずどこをみても絵になる町を楽しみながら駐車場に向かいます。
別の町区でも練習の最中でした。

男の子はTシャツですね。あれ、なんかやけにまぶしいものが・・・。
なんだこの子!

いくら暑いからって、それはちょっと・・・素敵すぎるでしょ!

思わぬ楽しみ方を発見したおわら風の盆前夜祭でした。
どんな踊りか気になってきた人。
これをどうぞ!
(注意)
ちょっと面白おかしく書いたところがありますが、本当に素晴らしい民謡行事です。
町の方の練習は、9月1~3日の本番を終えると翌9月4日からすぐに、来年に向けてまた始まります。上の練習をしばらくずっと見ていましたが、わずかの休憩時間も皆さん楽器の調律にいそしみ、誰ひとり席を立ちませんでした。
本番は1年間の練習のお披露目を自分たちが楽しむ場。こうしたことを踏まえて、訪れる方はじゃまにならないように楽しんでもらえればと思います。
あと、お金はじゃんじゃん使って下さいとのことです。町流しだけ見て帰るとタダなので(^^;)
本日のBGM: ここで買ったCD 若林美智子 (胡弓) 『哀の調べ~風の盆の里より~』
Posted at 2013/08/31 19:21:02 | |
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物見遊山 | 日記