
今は閉鎖されてしまいましたが、以前
オーディオのある部屋をUPする掲示版があり、よく覗いていました。
全てが「こたつ」の上で展開されるほほえましい物から、
タモリも驚くような音響ルームを備えている人まで様々。
後者はさぞ羽振りの良い経営者かと思いきや、
普通のサラリーマンだという人も多く。
ただ皆一様に口を揃えて言うのは
「車さえ買わなきゃ何とでもなりますよ」
うん、そのとおり!
普通のサラリーマンが間違って10年落ちのポルシェなんて買っちゃうと、オーディオどころじゃ無くなります。
ここ2年間の維持費でクレモナぐらいは費やしたかも。
というわけで、今回は先週行ってきた2013東京インターナショナルオーディオショーの続編です。文字通り桁違いの製品の祭典、ひとときお付き合い下さい。
有楽町 国際フォーラムは相変わらずの造形美
世界各メーカーともブランドの箔漬けに十分と思うのか、気に入られてすっかり定番の会場となっています。
これが各フロア通路の様子。この画面左側に各メーカーの試聴ブース(会議室)が設けられています。
今回は4階から7階までを使い、31社が出展。
全てをじっくり聞くには1日でも足りません。
いずれの部屋もかなりの大音量で鳴らされているのですが、分厚い壁とドアのおかげで漏れ出る音も無く。
会議の秘匿性にも気を配った作りが功を奏しているようです。
まず向かうは
ソナスファベールのあるNOAのブース。
今年のニュースはスマッシュヒットとなったあのクレモナシリーズの後継機、
OLYMPICAでしょう。
というか、
クレモナの名前あっさりおろすって豪気ですな。
こちらはシリーズ最上級
OLYMPICA Ⅲ ペア176万円
クレモナMが145万円ですから、結構な値上げです。
クレモナは登場時ペア100万円程度でした。
このくらいが憧れを保てる上限でしょう。ゆえにヒットしたと思うんですけどね。
こちらのメーカー、もう日本人のサイフはあてにしていないのかも。
デザインもソナスファベールらしさが薄まったようで残念。
なんというか、メタルドームは違和感あるなぁ。
ちなみにこれがクレモナ↓

クレモナは
オーディオを知らない者でも欲しくなるような工芸品的魅力を備えていましたが、今回のは良くあるトールボーイにしか見えません。
下位モデルのリュートと、デザインが似ているのもいまいち。
近づいて見たときに少し印象が変わったのがこの
レザーのステッチ加工。ここはなかなかおしゃれですね。
エレクタアマトールやミニマの頃から同社製品のアイコンとも言えるレザーのバッフルですが、このような拘りが見られるのは少しうれしいです。
音はくっきりしてふくよか、艶やかで力強いという申し分のない物でした。
ただまあ、再生装置も凄いんですけどね。
全て
ブルメスターで統一。
こんなのを家で聴いている人、日本にいるのだろうか?
左側のツヤピカがそのブルメスターなのですが、
上から
CDプレーヤー 069 556万円 (ベルトドライブ)
プリアンプ 077 661万円
そして先ほどのスピーカーの間においてあるのが
パワーアンプ
911mkⅢ 331万円
(なんと911という名前なのです!)
この3点で1,548万円。991Sが買えますね。
次のスピーカーにチェンジ。
皆が見ている前でこのようにスピーカーだけ交換します。
トールボーイタイプはまだ交換しやすそうですね。
置かれた
アマティ・フトゥーラ
ペア 420万円也
一昔前はこれがソナスファベールのフラッグシップでしたが、
いまや
ミドルエンドですよ!
先ほどのOLYMPICAの2.5倍の価格のこのスピーカー、
やるせないことに、この価格付けは伊達じゃ無いのです。
音を聞けばなるほどな!と思い知らされます。
まったくオーディオは金を掛けただけ良くなる。
なにがどう作用するのかまったく分かりませんが、声や音の実存感が違う。くっきりふくよかに
生々しさが加わるのです。
この会場で聴いた女性ボーカルでは
襟足がぞくぞく。しまった風邪でも引いたかと。
でも、これは
四天王の中でも最弱なんですよ。
アマティの上にはまだこれだけいます。
・ストラディウァリ・オマージュ (540万円)
・アイーダ (1,260万円)
・ザ・ソナスファベール (2,415万円)
二年前はこの「ザ」が来ていてまあ~いい音だったこと。
ふんわりやわらかくくてきらびやか、なのに壁ごと押してくるような音圧。
まあデザインは最悪なので、目を閉じてましたが、結局1時間居座ってました。
今回だってアマティとブルメスターで総額2,000万円の音。
サラリーマンがふらりとスーパーカーの展示を見に行っても試乗はさせてもらえませんが、こちらは好きなだけいて聴くことができる。しかも入場無料。
やっぱりこのイベントだけは欠かせませんね!
さて、ソナスファベールもえらいレベルになっちゃったな~と会場を後にしようとしたら、
見慣れたこいつがいて和む。
ミニマ・ヴィンテージ まだ売られています。
ペア44万円で高いちっゃ高いのですが、他の価格を見た後ではずいぶんほほえましく。
その隣、ニスで
つっやつやに輝いているのは
ガルネリ・エヴォリューション
ペア220万円也 エレクタアマトールの後継機はこれなんでしょうね。
エレクタアマトール・ヴィンテージは出ないの?なんて声が出るそうですが出さないと思います。なぜなら・・10年前、エレクタアマトールⅡを出して大コケしたから(爆)
ほんと、あれは何だったんだろう。パッシブラジエーターなんか付けちゃって・・。
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ブースは替わりまして、こちらは
Lansche Audio
新製品の
No.5.1のデモです。
コロナプラズマ・イオン・トゥイータという質量を持たないスピーカーが売り。
しかも1.5kHz~150kHzと、意外に幅広い帯域を受け持つ。
写真では分かりにくいですが、天板の上にスリットが空いてまして、それがそうなのです。
もちろん音は良いのですが、今回聴いた限りでは取り立てて他のスピーカーと比べてどうということもなく。
狭めのブースなのも不利だったかも知れません。
ちなみに価格は
ペアで462万円!
アベノミクスでも全く進まないターゲットインフレ、こちらの世界では順調な模様です。
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さて、これは有名ですよね。
B&W
D&Mホールディングスのマランツブースです。
こちらは
800 Diamond ペアで350万円。
ただし、投入されている物量や仕上げを考えると割安に感じられます。
販売数量もソナスファベールに比べると桁違いに多いことでしょう。
こちらはスタジオモニターでよく使われるだけあって指向性が強い。
広い会場ですが、笑うほど内振りでセッティングされていました。
真ん中に座れないときついですね。
続いてこの手の会場では
意外な価格帯の製品が登場します。
B&W CM10 ペア 567,000円
同社のエントリーレンジのモデルですが、そこに800シリーズのミッドと、専用設計のチョンマゲトゥイーターを搭載したモデル。
ハイエンドを担う800シリーズは、その下位モデルである804で100万円オーバー、2ウェイブックシェルフの805ですら60万オーバーとこちらもインフレが進んでいます。ゆえに、チョンマゲ付きとしてはこのCM10が一番安いモデルとなりました。
これに、マランツのPM-13s2と、SA-13s2という25万円クラスのアンプ、CDPでの試聴。
担当社員氏曰く、
今回この会場でもっとも安い組み合わせで有ろうとのこと。
それでも100万円コースですけどね(^_^;
しかし、笑ってしまったのが、その100万円コースの音、
うちで聴いている音に似ているのです(^_^;
悪くないんですよ。でも、その前に数百万~1,000万円クラスの音を聞いてきているからそのレベルの凄みや深みは無い。本当に分かりやすいですオーディオは。
ここで面白かったのが試聴ディスク。
石川さゆりの
天城越えのCD-Rなのですが、
EQやコンプレッサーをかける等のマスタリング作業工程を一切通さない、オリジナルマスターに近い物なのだとか。
そしてインパクトがあるのがその価格。
2曲入りで・・8,400円!
うーん、それってどうなの。
でも聴かせてもらった音は確かにほれぼれするような生々しさに溢れており。
石川さゆりをいつでも呼べると思えば安いのかな。
帰りに一度手にしたけど・・・結局買いませんでした(^_^;
長くなりましたので、続編はまた間を置いてUPしたいと思います。
次回は会場でもっとも衝撃を受けた、LINNのEXAKTのことを書きますね。
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オーディオに興味が無いのにここまで読んで頂いた方
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どうもすいません、いつもありがとうございます(^.^)
うちのじゃ無いのですがプレーリードッグの面白い動画を紹介しておきます。
よかったら和んでいって下さい。