不明 SDV880S2
アバルト純正?ドライブレコーダー付きディスプレイミラー(以下、SDV88052)のレビューです。
最近出た新商品の為、ごく一部の正規ディーラーがブログで紹介しているのみで公式ホームページには純正パーツとしてまだ公開されていないが、ドラレコを新調したいと思っていた矢先に発見したので早速購入してみました。
取り付け後の第一印象は、まず単純にサイズがわずかに大きくなった事で、ミラーとして後方視界が良くなったことに気付きます。
私のアバルトは自動防眩ルームミラー装備車なのですが、SDV88052は「純正ミラーと交換式」なので、純正ミラーだけでなくステーや配線を隠すカバーから外すことになり、交換後は本来隠れていたミラーステーがむき出しになる事でパーツの一体感が崩れてしまうのはちょっと残念な所。
デザインを見ていくと正規ディーラーが扱う代々のドライブレコーダーは機体のどこかにアバルトロゴが入っていかにも純正品と感じさせるデザインだったが、今回のミラー型ドラレコは本体のミラーと別体のフロント、リアのカメラどこにもアバルトロゴが入っていないのも残念か。
ブログの紹介によると「エンジン始動時にオープニング画像としてアバルトのロゴを表示します」とあるが、実際は「Welcome」の文字が出るだけとなっており、私のように「アバルト純正品」だからとこだわって買う人にとっては、宣伝と違う演出に大きくガッカリさせられる。
その為「アバルト純正パーツ」としては魅力が弱く、販売元はステランティスジャパンとなっているものの今後アクセサリーカタログに載るのか微妙で「アバルト純正」の後に悔しくも?マークを付けることになってしまった。
続いて本機の特徴だが、フロント、リアに別体でカメラを装備して常時録画、基本はリア側だがいずれかをディスプレイミラーに映し出し、いわゆる「デジタルミラー」として使うことが可能となっている。
※ディスプレイをオフにして通常のミラーとしても使えます。
・撮影素子200万画素、イメージセンサーSony IMX307(フロント、リア)
・画角 水平約102°/垂直約53°/対角約124°(フロント、リア)
・記録解像度 1980×1080ドット(フロント、リア)
・映像フレーム 27.5fps(リアは25.0fps)
実際にデジタルミラーとして使った感想だが、日中ではモニターの輝度が太陽光に負けてしまう為、実際のミラーに映る映像が強くダブって見えてしまい、まともに使えたものではなく、解決には「後ろを映すモニターとしての最適角度」を探すことになるが、それは「反射で見るミラーとしての最適角度」からは大幅に外れるので、セッティングにすごく違和感がある。
またデジタルミラーは後方をワイドに移す反面、実際より遠くに映るので、距離感をミラーに近づけようとするとズームにすることになり、画像が荒くなることも難点だろうか。
※ミラーは9.66型IPS 1280×320ドットモニター
デジタルミラーにすると直接ミラー画面をフリック操作してズームや画角の上下調整ができ、日付や時間、方角や時速も表示されるので便利な面もあるが、日中に関してはそれらを全部捨ててでも実像をミラーの反射で見た方が良いし、そっちのほうがはるかに実用性があると再認識させられてしまった。
夜間に関してだが、こちらはデジタルミラーの本領発揮と言ったところで、やはりノイズは出るもののHDR機能によって、信号で停止し車間距離が詰まった際は後続車のナンバーもしっかり映るどころか、後続ドライバーの年代や性別、何をしているかもわかるくらい映してくれる。
夜間であれば後方が真っ暗で映らなくなるので「ミラー角度」でもデジタル映像が見やすくなるが、やはりミラーに反射する実際のヘッドライトの光が主張してくるので映像のダブりは少なかれ気になるから、夜間であってもデジタルミラーで使う際は「モニター角度」推奨と言えるだろうか。
次に駐車監視モードだが常時録画ではなく、通常は監視モードで0.5秒、1秒、5秒単位で静止画を記録(タイムラプス機能)、衝撃があると60秒の音声付き録画となる。
タイムラプス機能に関しては静止画記録で音声は無く、再生時には静止画を繋ぎ合わせての最大2fpsの超早回しで見ている動画になる。
駐車監視モードでの問題点として、感度を「高い」にしても衝撃感知が非常に弱く、ドアを思いっきり閉めてもほぼ確実に反応しない。
つまりドアパンチ程度では録画に切り替わらず、音声無しの早回し映像のタイムラプスでずっと静止画記録されてしまう可能性が非常に高い。
これに関しては今後も検証していくが、監視性能も気にする場合は「常時録画ではなく、基本はタイムラプス記録」を受け入れられるかも含めて検討が必要だ。
動画の再生はディスプレイミラーからでもPCでフリーの動画再生ソフトからでも可能だが、GPSの走行記録を同時に見るには専用ビューアから再生する必要があり、その肝心の専用ビューアは非常に簡素なもので、ドライブレコーダー動画を再生する専用ビューアとしては最適化不足で使い勝手が非常に悪い。
再生時の動画の画質自体は十分及第点に達しており、フロントリア共に夜間でも十分証拠映像に使える品質だ。
総評だが、デジタルミラーはどんなものかと興味本位もあったが、良い面もあるもののやはり映像のダブりや不鮮明さで少なかれ難があり、実用性はまだまだ実像を反射で直接見るミラーのほうが高いと言わざるを得ない。
デジタルミラーはルームミラーを「モニター」としてみなす必要があるため、エンジンを切ればルームミラーはあさっての方向を向いており、車を降りる前の何気ない鼻毛チェックすらもスマートにできなくなってしまう現実に気付いたときに、ミラー型ドラレコにデジタルミラーは蛇足であったかと気付いた。
ドライブレコーダーとしては及第点に達しているものの、デジタルミラーについて多くのことに気付いてしまった事、駐車監視の感度やタイムラプスに不満がある事、専用ビューアがまともに使えない事、製品紹介画像にあるようなエンジン始動時のアバルトロゴ表示は実際には無く、本体にもアバルトを示すロゴはひとつも無い事が個人的な不満点としてあり、万人に対して強くお勧めしたいものではないという評価です。
しかし、自動防眩ルームミラーから手動ミラーに変更になった最近のF595や695系については「ミラー自体のアップグレード」として、先述した不満点を理解の上で購入検討する余地はあると言えるでしょう。
※購入価格は工賃、消費税込み。
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