2011年06月24日
先日、パジャマに紛れ込んでいた熊蜂♂に息子が太股を噛まれ、病院の深夜外来に駆け込むというひと騒動があった我が家。
幸いにも熊蜂のオスには針もなく、無毒だということが判明し、噛まれた場所も数時間ですっかり見えなくなるほどまでに回復、塗り薬も1回塗ったきりで治療終了。
そんな息子が食卓で、
「そういば学校ででっかいアオダイショウ見たよ。」
「アオダイショウは毒ないぞ。」
「知ってる。熊蜂と一緒だよね。危ないのはマムシとハブでしょ。」
「そうそう、あとヤマカガシもな。」
「なにそれ?ハブとどっちが強いの?」
「う~ん、、、、ハブかな、、、」
「じゃあさ、コブラとハブじゃどっちが毒があるの?」
なんて話をしているうちに『世界で一番強い毒を持つ生き物はなにか??』との白熱した議論に発展。
しかし、生物図鑑を調べてみても、「毒性は弱いが、一度に出す量が多いので死亡率も高い。」とかなんともピンとこないものばかり。
ムシキングの戦闘力みたいな分かりやすさを求めていただけに、とんだ肩すかしを喰らい、ネットで調べてみると、この本を発見いたしました。
その名も、『猛毒動物 最恐50 コブラやタランチュラより強い 究極の毒を持つ生きものは?』 (サイエンス・アイ新書)
冒険心と好奇心をかきたてられるレビューもさることながら、毒の強さを、『LD50』という、実験動物に毒を投与した時、その半数が死亡する体重1kgあたりの用量(mg)を基準に毒の強さをランキング形式にした画期的な内容にすぐさま注文。
翌日、本が届くと息子と取り合いに。
ジャンケン3回勝負の結果、無情にも息子の後・・・(大人気ない涙)
私の催促にもめげず、みっちり小2時間ほど精読した息子から「すっげーおもしろかった。」と本書を受け取り、ワクワクしながら開いてみると、そこには予想以上のカラーリングと禍々しいフォルムをしたサソリ、バイパー、カエルやクラゲなどの猛毒生物達が(喜)
ランキング形式でページが進むごとに毒が強くなっていく演出もさることながら、エピソードが非常に興味深く、例えば、毒蛇の「ヒャッポダ」は噛まれてから百歩歩いたところで絶命するだとか、ヤマカガシはガマガエルを食べることで体内に毒を蓄え、しかも首からも分泌することや最近になって血清が出来たことなど、とにかく紹介文が秀逸。
それもそのはず、著書の今泉忠明氏は動物学者で小動物研究の第一人者。
本書によると、毒は、出血毒、溶血毒、神経毒の三種に分かれていて、毒性が強い生き物は、その混合毒を持っていることが多く、一番死亡率が高いのは神経毒であり、また、出血毒は細胞や神経を破壊するため、めちゃくちゃ痛いそうです。
意外性も盛りだくさんでして、スズメバチよりもアフリカミツバチの毒が強かったり、マムシはキングコブラよりも上だったりとか、あと、大概は毒々しい姿をまとっているものであるにも拘らず、上位にランクインしているイモガイなんかはその愛らしい外見とは似ても似つかない恐ろしい毒を持っていて、かつ未だに血清がないという。
事故で言えば、それを取り扱う研究者の事例が多く、知的好奇心と探求心からなのか、一度はガブリと噛まれているそうです。
そうそう、地域性で言えば、熱帯は勿論、オーストラリアはリゾート地であると同時に、猛毒生物の宝庫ですので旅行される方はくれぐれもご注意を。
ちなみに息子の1位予想は、「キングコブラ」 私は、「ブラックマンバ」でして、、両方ともランクインはしているものの見事に外れました。
少々ネタバレではありますが、蛇部門をクローズアップいたしますと、インドではビッグフォーとよばれる毒蛇がいて、その中のトップであるインドラタイパンの毒は、同じくビッグフォーに含まれるインドコブラの50倍、針の先端ほどについた毒でマウス1,000匹、そして一噛みでマウス125,000匹の命を奪うことが出来るほどのすさまじさ。
当然、毒蛇の中ではインドラタイパンの毒が最強。ただ、医療目的の乱獲が起き、その数は激減しているそうです。
息子が予想したキングコブラは、LD50を基準とした毒性はそれほどではないものの、一度に注入する毒の量が半端でなく、さらに、恐ろしいのはその大きさ。
最大でなんと6m!!威嚇する時には、身長180cmの大人の目と同じ位置に鎌首をもたげ、そして、即座に襲いかかってくると、、、(ブルブル)
【サウジアラビアの南のアル・バハーというところで発見された推定 15メートル!!のキングコブラ】
あくまで推定ではありますが、このデタラメなでかさときたら、、、もし出くわしたらその場で死ねます。
第1位の生物は、およそ青酸カリの8000倍、ふぐ毒の60倍。
あまりの毒性の強さに正確な分析が不可能であると書かれていて、第2位以下とは桁違いの、魔人ブウのような青天井ぶり。。。
息子の夏休みの自由研究の題材候補として上がっている本書は、毒にも薬にもならない本が多い中、ひさびさにポーターの『そばかすの少年』の主人公のような気持ちにかえることができた良書でした。
※本文ならびに下記のリンク先には毒々しい生物たちが多く掲載されていますので、自己責任で踏んでください。
>>>世界最強の毒蛇達はこちら>>>
Posted at 2011/06/24 11:42:15 | |
トラックバック(0) |
奇怪生物 | 日記
2011年05月21日
名古屋中心部を流れる堀川は、江戸時代は『宮の七里の渡し』に代表される経済水路でもあり、屋形船や川面に浮かぶ材木など、名古屋下町文化を支える象徴とされていましたが、近代化による水質汚染著しく、下町文化は廃れ、いつの間にやら悪臭とヘドロが不名誉な代名詞となり果てておりました。
なにしろ、中日ドラゴンズが久々のリーグ優勝した昭和63年には、阪神ファン宜しく堀川に飛び込もうと押し寄せたファンが、あまりの悪臭に欄干で思いとどまったほど。
しかし、近年、NPOや市民団体による浄化活動が結実し始め、汚泥が減り、屋形船も期間限定で復活、ボラなどの魚も戻りつつあるのです。
さて、先月、港区にあるスーパーオートバックに向かった時のこと。
車内に響き渡る極上のメタルサウンドに身を任せ、隣の車から指をさされながら、桜が残る堀川下流域の白鳥付近を通過したとき、あまりの異様な光景に、全身を貫く戦慄(滝汗)
思わず、ドアロックを掛け、ハンドルを握り締め、ただなにごともなく通過できるよう祈らずにはいられなかったその光景を、YOUTUBEで見つけてしまいましたので、こちらでご紹介。
遠目にはなにか大きな影にしか見えなかったものが、近づくにつれ、低血圧低血糖メタラーの血の気をごっそり奪い取った恐ろしい全容がそこに・・・
衝撃映像につき、え~コッポラではなく、ヒッチコックの代表作『鳥』を観て、トラウマになった方、閲覧注意です。
もし、このまま車に殺到し、ボンネットやらルーフを黒々と取り囲んでガラスをコンコンされたら、尿道が決壊してシートに堀川の恥ずかしい支流ができてしまうこと必至。。。
実は、この鳥たちは、長良川の風物詩でお馴染みの『鵜』だそうでして、堀川には古くから飛来するものの、これほどの数になった原因は不明とのこと。
また、最近、河口付近でこのような巨大魚まで見つかってしまう堀川では、心無い飼い主の放流による外来種の繁殖が問題にもなっています。
(画像は150kgオーバーのアリゲーターガー。皇居や琵琶湖でもその猛烈な繁殖が問題に。)


そして、外来種どころか古代生物も生息するようになり、こんなものまで堀川で撮影され、そこへ中日が優勝して誰かが飛び込んだらどうしようかと不謹慎にも心躍らせつつ、憂いてしまうオカルト&UMA好きなメタラーがここに(汗)

誰かが召喚したリバイアサンではなく、ボルネオのBahel川で撮影された、全長100Feet(30m)を超える巨大蛇ナブーとのこと、って本当か!?
さて、堀川で大発生した鵜ですが、我が家でも鵜飼いは日常的に行われておりまして、絶妙に締められた縄によって、今日も私は鵜匠に魚を届け、なんとか生かされているのでした(泣笑)
出典:Picture of 100ft-long 'snake' sparks fears of mythical monster in Borneo
ガラパイア
Posted at 2011/05/21 21:49:31 | |
トラックバック(0) |
奇怪生物 | 日記
2009年07月10日
このところの雨模様のため、水位がグンとあがった実家近くの用水路で、出会ったのがこの亀さん。
実家に寄ったついでに、犬の散歩に息子と出たところ、水深1mほどの川底に生い茂る水草に、お腹の下をそよそよと撫でてもらっているかのように優雅に水面を漂っている姿に遭遇しました。
都会っ子の息子が大喜びで駆け寄って、泳いでいる様子をまじまじと観察しても動じる様子もなし。
私が小さい頃、良くタモを持ってザリガニやら捕まえた田んぼ道でしたが、これほど間近で亀を見ることはなく、しかも、大きさも相当なものだったため、身を乗り出していると、
ゴールデンレトリバーのモモも、未知なる生物に興奮したのか、しゃがみ込む私の横から水面ぎりぎりまで鼻を伸ばし、しきりに甲羅を追跡しようとした揚句、右前足を思わず川の中に落としてしまいました。
「ドポン」というスプラッシュサウンドにさすがの亀さんも驚き、急速潜航し、そのまま水草の合間に。
それでも、まだ水面から手が届くところにまんじりとしているあたり、慌てて逃げていくそこらへんの泥亀とは、また違う風格を感じさせ、ひょっとすると主クラスなのかと怪力乱神の類にめっぽう弱い私は、そのままそっとして帰宅しようと腰を上げると、
子供の好奇心と犬の猟奇心はますます膨れ上がったようで、モモの尻尾は振りきれんばかりに振られ、息子も鼻息荒く用水路に跨る始末(汗)
「もう行くよ~」と声を掛けても、そこから貼り付いたように動かなくなってしまい、「ほら、亀さんも怖がっているでしょ??」と諭してみると、ようやく顔をこちらに向けた息子から「でも、、、ちょっとだけ触ってもいい??」と普段見せたことのないような、知的好奇心溢れるきらきらした目を投げかけられ、そんな瞳で訴えられたら親としてNGを出せるわけもなく、「ちょっとだけだよ。」と少し待つことにしました。
「やったぁぁぁぁ♪」と言うが早いか、両手を肩近くまで水に入れ、その数秒後の出来事が画像のもの。
体長、約50cmぐらいのひと際大きな亀さんにたじろぎつつ、
「・・・おいおい、ちょっと触るんじゃなかったのかよ。。。」とたしなめると、
「うん、持ち上げてみたくなっちゃった。」と嬉しそうな息子でしたが、肝心の亀さんは手足を甲羅に仕舞い込み、ブクブクと少し泡を吐き出し、あまりご機嫌がよろしくない様子。
息子は持ち上げた亀をしばらく観察した後、「びっくりさせてごめんね。バイバイ。」とゆっくりとリリースすると、再び、手足を出して、もと居た場所に悠然と戻っていきました。
「初めて亀触ったんだけど、思ったよりも重いし、甲羅も硬いだけじゃなくて、なんだか分厚い爪みたいだった。」と興奮冷めやらぬ息子から、
「亀はなに食べるの?オスとメスはどうやって分かるの??ウミガメとどこが違うの???」と矢継ぎ早に質問され、実家に置いてある百科事典を一緒に見ながら、答えを探し、「ふ~ん。」と二人で納得。
それでも、どうしても分からなかった疑問がありまして、それは、
「亀の甲羅って、どうやって出来るの??」というものでした。
百科事典では、「・・・・・と見られている。」と書かれているだけで、結局真実は分からずじまい。
それから数日が経ち、そのまま記憶が希釈されつつあった、今日、まさにジャストミートの記事が載っておりました!!
『亀の甲羅 形成過程を解明』 理研センター(毎日新聞)
甲羅は肋骨が扇形に変形して出来たものなんですね。。。
ちなみに、甲羅内部の様子はこんな感じ。

なるほど、確かに肋骨です。
タメになったねぇ~、、、タメになったよぉ~
今日は、息子の9回目の誕生日。
好奇心がよそに行ってしまう前に、さっそく教えてあげないと!!
それにしても、昔話では、子供にいじめられていた亀を救った青年は、確かとってもいいところへ連れて行ったもらったはず♪
竜宮城での留守中、不自由ないよう、ちゃんと嫁に託をしておかないといけません。
あと、確か亀をもじった古典が中国にあった気がしたので、ついでで調べてみると、
『王八蛋』・・・亀、スッポンの俗称。古典では「女房を寝取られた亭主」の意。
現代では、強烈な侮蔑用語で「大馬鹿野郎」や英語の「Fu×k you」に相当する。
こ、これは、すなわち、、、、(ナイアガラ汗)
もう、返す言葉がございません。。。。
Posted at 2009/07/10 17:41:21 | |
トラックバック(0) |
奇怪生物 | 日記
2008年06月29日
2007年の1月、深海の古代ザメ『ラブカ』の捕獲によって、原始本能とも言うべき怪魚への憧憬に目覚めてしまい、『怪魚&奇魚図鑑』で食事中のお茶の間を吐しゃ物だらけにするなど、数々の物議をかもし出したFlyingVこと私ですが、しばらく沈静化していたそれを、再び揺る動かされたニュースがありましたので、ご紹介。
今回の主役は、ウバザメ
ジンベイザメに次ぐ、巨大なサメで最大で14mになるものも。
ホオジロザメと誤認されることはあっても、プランクトンを捕食する非常に大人しいサメであるため、その大きさ以外、あまり話題になることはありません。
~以下抜粋~
茨城県大洗町の「アクアワールド茨城県大洗水族館」で28日、体長約9メートルで国内最大級というウバザメの剥製(はくせい)の公開が始まり、除幕式が行われた。
昨年4月に同県日立市の沖合約4キロで定置網にかかり、水族館が約1年間、約1000万円をかけて剥製にした。同館によると、ウバザメは肝油をとるため長年にわたり乱獲され、約30年前からは、全国で年に1匹揚がるかどうかとされる。
(画像つきはこちら)
(捕獲された様子はこちら)
~抜粋ここまで~
さて、このサメ、捕食中の様子がとても特徴的でして、その興味深い映像がこれです。
海面すれすれを、10mの巨体がこの姿で近づいてきたら、いくら動きが緩慢でプランクトンを捕食しているとは言え、戦慄が走りますね~
その大きさから、海岸に流れ着いたSEA MONSTERやUMAと呼ばれる生き物の死骸が、ウバザメであると言われてますが、その真意は不明のままです。
お次は、近年発見されたばかりで、未だに謎が多い深海ザメのメガマウス。
こちらもプランクトンを主食とする濾過摂食者です。
数十例しか捕獲例がなく、貴重な回遊中の動画がありました。
さて、最後は当時、学生だった頃に放映され、眠れなくなるほどの衝撃受けた懐かしい映像が、バラエティで再び取り上げられておりまして、それがこちらのもの。
駿河湾の深海で偶然にも撮影できたもので、7mを超えるオンデンザメ。
日本の深海もまだまだ捨てたものではありませんね。
ああ、またやってしまった、学力向上シリーズ『怪魚&奇魚図鑑』・・・
人は何故、未知なる物に惹かれるのであろう。
その答えを探すために、今週も名古屋の夜の深海地帯へといざなわれ、華やかに着飾った疑似餌にだまされたり、奇怪な深海生物達と駆け引きを繰り広げるのであった。。。
Posted at 2008/06/29 18:29:29 | |
トラックバック(0) |
奇怪生物 | 日記