2009年09月30日
シルバーウィーク前にようやく嫁が退院できたのもつかの間、現在まで入退院を繰り返し、まだまだ不安定な状態が続いてはおりますが、退院の日の夕刻、1ヶ月半ぶりに家族全員でついた食卓で、えんじ色の小さな祝福が待っていました。
みんカラ友達のamemanさんより、お見舞いでいただいた山梨の至宝、高級ぶどう詰め合わせの中の一粒が、こんなプリティーな形になっていたのです。
今までのブドウが食べられなくなるぐらいの鮮烈な風味と豊潤さに、息子と競い合って頬張り、あやうく食べ尽くしてしまいそうになった寸出のところで、嫁が退院したら皆で食べようと、息子と不可侵条約を結び、残しておいた最後のひと房。
そのひと房を皆で口に運んでいた時、「あら☆」と嫁が摘まみあげた一粒を見てみると、なんとハート型(驚)
「へぇ~珍しいね。」と、手にとってみると、二粒のお尻が小さいうちに癒着してそのまま仲良く大きくなったもののようです。
息子も、「初めて見た。今日の発見日記に書いておこっと。」と鼻息荒くノートを持って来て、大きさを測ったり、イラストを描き込んだりと興奮しきり。
一通り観察が終わったところで、別のお皿に取りおいて冷蔵庫に仕舞い込み、残った仕事を片づけに書斎へ戻り、ややこしいメールの処理など、人心地着いた時には、嫁も息子も寝入った頃でして、
そっと起こさないよう風呂に入り、冷たい飲み物でもと、ほの暗いキッチンに行くと、なんだか人の気配がするではありませんか(汗)
息を殺してドア近くまで向かい、ゆっくりと中を覗いてみると、冷蔵庫の扉を開けて、なにかを探している息子の姿がそこに。
『こんな夜中に一体・・・』
拙速に声を掛けることはせず、核心を押さえるまで経過観察をするのは張り込みのセオリー。
探し物が見つかったのか、冷蔵庫の中に手を伸ばし、息子が取り出したものは、、、、
そうです、ハート型のぶどうでした。
うやうやしくテーブルの上に置いて、ラップを剥がし、さて、それを、口の中へ、、、、、
入れようとはせず、そのまま両手を合わせて何やらブツブツと言っている。。。
「どうした、寝れないのか?」と、ここで初めて声を掛けると、息子は思いのほか動揺し、
「あ、あの、食べようとしたんじゃなくて、、、、あの、その、、、、、」としどろもどろ。
「その??」
「え~と、、、、、お祈りをしてた。」
「うん、お祈り?」
「うん、、、両想いになれますようにって。」
ハート型のぶどうにそんなご利益があるかどうかは分かりませんが、
9歳になり、思春期のとば口が見え始めた息子の、恋愛成就の願掛けをしているところに踏み込んでしまい、まるでベッドの下のエロ本を見つけてしまった親の気分を先取りしたかのようにすっかりバツが悪くなった私。。。
思わず、「じゃあ、一緒にお祈りしようかな。」と、ハート型のぶどうを前に、深夜、合掌する親子の不可解な光景が出来上がってしまいました(汗)
しばらくの沈黙の後、ぶどうを片付けて息子と寝室へ。
翌朝、「昨日の夜ね、お父ちゃんと一緒に、恋のお願いをハートのぶどうさんにしたんだ。」と、嬉しそうに話す息子の横で、「ふ~ん、良かったね。お願い、きっと叶うよ。で、パパのは後でゆっくりと聞かせてもらわなくちゃ。ね、パパ!!」と、目だけが笑っていない嫁の笑顔は、ぶどう色に萎縮した私の左胸のど真ん中を射抜いていたのでした(ナイアガラ汗)
後日談になりますが、どうやら息子の願いは成就したようで、、、この画像を携帯の待ち受けにすると、ひょっとしたら!?
Posted at 2009/09/30 10:48:06 | |
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My Life | 日記
2009年09月09日
嫁の緊急入院により、父子家庭となって間もなく1ヶ月。
書きたいネタがたまる一方で、みんカラにログインすらできない日が続き、
学生時代の一人暮らしで、かなりやれるつもりだったのが、一家の家事を回すことがこれほど大変で心もとないことだと思い知らされ、昔は笑って観ていたクレイマークレイマーのダスティ・ホフマンが悪戦苦闘する姿に、激しくシンパを感じてしまう今日この頃。
最近では、夕食の準備が一段落した夕方、夏の残り香を含んだ涼やかな風と虫の声に、同じクラスになった高校1年生の時、入学間もない嫁の自己紹介で体に電撃が走り、それが恋だと気がついてから向こう20年超を共有した嫁との長い時間を、ふと想い起こしては、「会いたいなぁ。」と、じわじわと湧きあがる寂しさに身もだえしつつ、
私よりももっと母親が恋しいはずなのに、ほとんど文句言うことなく、もくもくと手伝ってくれていた息子も、夜、眠れずに、そっと枕を濡らす姿を良く目にするようになっておりました。
そこで、気分転換しようと、抜けるような初秋の青空が広がる日曜、朝食のフレンチトーストにかじりつく息子に、「どこか行きたいところある??」と聞いてみました。
ウ~ンと唸って黙り込み、やっと出た答えが「別に。」とそっけないもの。
「そんなこと言うなよ。折角、天気いいんだし、お前が元気が出ることしようよ。」と促すと、
「それじゃあ、、、、、」
「おう。なんでも言ってみろ。」
「え~と、、、、、M3に乗りたい。」
「んん??そんなことでいいの?」
「うん、だってお父ちゃんも全然乗ってないでしょ。オレも久しぶりに乗りたいな。」
そうなんでず、嫁の入院以来、忙しさにかまけて車のカバーすら外すことができずにいたのを、息子は知っていたのです。
そんな泣かせる息子の一言に、「ようし、それじゃあ、M3でマジカルミステリーツアーに行こう!!」と車のカバーを外し、チャイルドシートを助手席に乗せて、十分暖気ができたところで出発。
「で、どこ行くの??」
「え~と、じゃあ、取りあえず、名古屋高速乗ろうか。」
「やったー!!M3の高速の音、大好き!!」
「よしよし、BGMはSTEEL PANTHERに決まりだね♪」
「うん。」と料金所を抜けて、東山トンネルを加速するM3の惚れ惚れするようなビートに、息子が顔を上気させながら、「かっこいい音♪」と興奮しきり。
それが届いたかのように、ますます甲高いバリトンを張り上げるS54。
あっというまにストレートを抜け、眼前に迫るのはタイトコーナー。
「お父ちゃん、コーナーだよ。ちょっとスピード速くない?」
「うん?そうか??」
「早くブレーキしないと、ほら!」
「まだまだ。」
「え、、、、曲がれないよぉぉぉぉ。」と息子が両手で目を覆ったところで、ガツンとブレーキング。
まるで、後ろから投げられた投網に引っ張られるかのように、みるみる減速するM3.
「わあ、ブレーキ良く効くね☆」
「そうなんだよ。ブレンボという世界最高クラスのブレーキを最近入れたからね。あ、これママには内緒だよ。」
「内緒!?良く分からないけど、いいよ。早く免許取って、M3運転したいな。」
とM3よりもレスポンスと物分かりのいい息子に、すっかり気を良くした私は、ガンガン高速コーナーを攻め続け、調子に乗って2周目に突入。
すると、ふいに静かになった息子から、力なく私を呼ぶ声が。
「・・・・お、お父ちゃん。。。」
「なに?」
「あのね、、、、」
「うん。」
「オレね、、、、、実は、、、」
「分かっているよ、ママだろ。」
「ううん、違うの。M3のこと。」
「大丈夫。ちゃんと約束したよね。」
「違う。」
「なんだい??」
「あのね、、、、気持ち悪くなっちゃった。。。」と、血の気を失った顔を具合悪そうに向ける息子。
「な、なにぃぃぃぃぃ、、、、す、すまん」
てっきり息子も一緒に喜んでいくれているものばかりだと思って、自分の世界に没頭しているうちに、息子が車酔いしてしまっていたことに露とも気が付かなかったとは、クレイマークレイマーどころか、まさに父親失格(滝汗)
次のICで降りて、近くのコンビニで飲み物を買い、しばし休憩。
「気分良くなった?ごめんなぁ、本当。。。」
「ううん、M3乗せてって言ったの、オレだし。それに、気持ち悪くなったとき、下向いていたら、お母ちゃん見つけちゃった。」と、息子が取り出したのは、シルバーのアクセサリー。
背中を流れる冷たい汗と高まる動悸、、そして、思い当たるのはイチローの打率よりはるかに高い心当たり・・・
「ちょっ、ちょっと、見せて」と引ったくるようにアクセサリーをつまんで良く見てみると、
なんと、以前、嫁にプレゼントしたイヤリングの片方ではありませんか。
「そういえば、随分前になくしたって言ってたね。こんなところにあったんだ。良かった。」と複雑に入り混じった安堵感に、胸を撫で下ろしていると、
「あと、これも。。。」と少しカールした長い茶髪を摘まんで、意味ありげに私を見上げる9歳の息子の、嫁そっくりな眼に浮かぶのは、静かな非難と暗黙の了解・・・
とまあ、こんな具合に、息子と二人で仲良くやっていた夏が、もう過ぎ去ろうとしている今日、先ほど、経過がいいので、近日中に退院できるとの連絡が入りました(喜)
さ、家やら車やら全部ピカピカにしてお迎え準備開始するぞ~♪
Posted at 2009/09/09 15:20:04 | |
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