2025年05月20日
先日、傷がつかないと評判のスポンジが届き、早速、G80の洗車を開始したところ、その使い心地もさることながら、ボディに吸着し、落下しにくい構造に「おお!」と一人で感動しつつ、細いブラシに持ち変え、フロント下部のハニカムグリルにワシワシと差し入れていると、背後に人の気配が。
『ご近所さんが通りがかったのかな。』とよくあることなので、あまり気にせず、反対側のハニカムにブラシを出し入れしている間も、足元に伸びた人影が動かない。
『あれ?もしかして、ウチにご用があるとか?』と振り返ると、G80の鼻先に見慣れぬ幼女がたたずんでおり、こちらをじっと見つめてるではないですか。
背格好からすると、小学校に上がる前ぐらい、勝気な瞳がまっすぐG80に向けられている。
『誰だろ、、、、もし迷子だったら、、、、』
そうだとしたら、洗車どころではなく、まずは事情を聴く為に、
「お嬢ちゃん、どうしたの?お父さんかお母さんは?道に迷った?」
近所の小学生から『絶対こ〇すマン』として恐れられている不都合な顔を可能な限りにこやかに取り繕い、三白眼を思いっきり歪ませて声を掛けてみると、
その幼女は、一瞬、ムッとした顔つきになり、ツインテールを揺らしながら、突然、G80を指さし、
「この車、カッコ悪い!!!」と言い放ったのです。
「え、は?」あまりのことに、どう返したものか思考が停止する私に、
「すっごいカッコ悪い!」と続けざまに、大きな声を上げたのでした。
確かに、発表時から現在まで賛否別れるメガキドニーは、子供受けはあまり良くないだろうと思わなくはないものの、面と向かって言われるほどのものなのかと思案しながら、その子の表情を見てみると、なんだか物凄く怒っている様子。
『もしや、G系のBMWに嫌な思い出があるとか、それとも、幼少期になんだか怖くなる、お化けとか正体不明ものにこれが似ているとか、そんな感じなのかなぁ。』など考えている内に、二軒先のはす向かいのお宅の玄関から、男性がこちらに走って来る。
「ちょ、、、○○(娘さんの名前)、、、何をして、、、あ、こんにちは、すいません、すいません。」
よほど慌てていたのか、クロックスを片方突っかけた状態のまま走ってきたものですから、アスファルトの凸凹に躓きそうになりながら、こちらに駆け寄るその男性。
月に何度か、ご家族を連れ、その実家に帰省している息子さんでした。
「ハァ、ハァ、、突然いなくなったものでして、、こちらにお邪魔してたんですね。駄目じゃないか、黙って出かけたら。」
と、その子の頭をグリグリするも、悪びれる表情もなく、さらにふくれっ面に。
「何かご迷惑になりませんでしたか?」
「いえいえ、洗車を見学していただけで、何もありませんよ、ね?」とその子に振ってみるも、プイと首を横に振るだけ。
そして、次の若パパさんの一言で、事態は急展開を迎えたのでした
「それにしても、M3、本当にかっこいいですね~♪」
と口走った瞬間、さっきまで押し黙っていた娘ちゃんの口から、火が出るような勢いで、
「ダメ、全然カッコよくない!こんなのブーちゃんだもん、でっかい変なお鼻!!」と顔を真っ赤にしてディスりだしたのでした。
すかさず、若パパさんが、
「コラッ!そんなこと言ったらパパ、本当に怒るよ!!早く謝りなさい!!」と娘ちゃんに負けない大きな声で、怒鳴りつけたものですから、
「だっ、、、だって、、、、、」と顔がクシャクシャになり、その目に涙がドンドン溜まり始めていく。
「いいんですよ。このメガキドニーは、今でもアレルギーというか、受け入れらない人もいますから。」とフォローを入れるも、
「本当に娘が失礼しました。」と腰を折り、娘ちゃんの頭をぐっと下げさせようとすると、
「私悪くないもん!!この車カッコ悪いんだもん、パパの車が世界一、カッコイイんだもん!!!」と言うなり、(つд⊂)エーンと泣き出してしまったのでした。
すると若パパさんが、
「あ~、どうも原因は僕みたいですね、、、、、、」とギャン泣きの娘ちゃんを抱き上げ、訳を話してくれたのでした。
F80の頃から、我が家の前を通るたびに、「M3、カッコェ~♪欲しいなぁ、、」と口に出していたようで、G80が納車してから、「やばい、最高!!」と我が家のM3を、ご家族の前で、ほぼ毎回のように、褒めちぎっていたとのこと。
物心ついた娘さんは、パパの車が大好き、そして、そのパパの発言が気に食わない。
自分が大好きなパパの車よりも、パパがご執心なM3を快く思う訳がなく、積もり積もった不満が爆発して、やってきたのではないかとのこと。
そう話している間も、「グ、、、グスン、、、パパの、××(車種)が一番だもん。絶対だもん。」と涙声で訴えている。
「あらあら、気にしてないからいいよ。でも正直な気持ちは伝えていい時とそうでないときがあるからね。」とスクリーム系フェイスで怖がらせないよう、極力優しく伝え、
「おじさんもね、パパの車が一番カッコいいと思う。」とグッドサインをすると、
「グス、、、うん、、、」と涙でぐしょぐしょになった顔が少しはにかんだように見えました。
「よく、言い聞かせますんで、本当にすいませんでした。」と実家に戻ろうとする若パパ。
が、しかし、「にしても、新型のM3、本当にいいですよね~今度ゆっくり見させてください。」との余分な一言のせいで、抱っこした娘ちゃんに
「パパのバカッ」と思い切り頭を叩かれておりました(苦笑)
大好きな車、大好きなパパ、そのパパの車好き故の悪気のない発言、そうしたことが、子供心を複雑に掻き混ぜてしまい、プチ騒動に発展した、なんとも微笑ましい洗車中の一幕。
コーティング復活剤を塗り終え、リビングに向かうと、
「話し声してたけど、なにかあったん?」と嫁。
その顛末を話すと、
「あら、そんなことがあったのね。娘ちゃん、パパと車が大好き過ぎて、少し妬いちゃったのかな、かわいいね。」と相好を崩しながら、お茶を差し出してきたので、
「だよね~。」と一口飲んで、相槌を打つと、
「でも、それもそうだと思う。私も前の白いM3のほうがイケメンに見えるもん。」と火の玉ストレートな塩対応に、
『新しいZ、カッコいい♪』と目を輝かせていた嫁を思い出し、暗に催促されているようなそんな心持にさせられたのでした。
Posted at 2025/05/20 15:31:12 | |
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G80M3 | 日記
2025年05月08日
前編では、まさかのアイスティーの注文で、4ビットの脳みそを壊されかけ、そして、たまごサンド&トーストのダブル炭水化物の過剰摂取による血糖値スパイクを、たった一人の新人バイト君によってあやうく引き起こされそうになったところで区切りましたが、続きましても長文&駄文につき、ウケがあまり良くないのは承知の上、懲りずに後編突入です。
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たまごサンド事件から一週間開けた、その翌々週。
私は、またしても、このコメ〇にいた。
いつもと違うのは、朝から特別講習があり、午後からの授業までインターバルができたことで、昼食を兼ねたモーニングを食すべく、普段より早い時間から入っていたのだ。
店内は混んでいた。
ウェイティングも起きている。
運よく、空席に案内された私は、例のバイト君の姿を、無意識に探していた。
見つけた、危なっかしいほどの前傾姿勢でお水を運んでいた。
その彼が私の席へとそのお水を運んできた。
研修中のバッジは付いたままだ。
「注文してもいいですか?」
何を頼むかはもう決まってた私は、その場で彼を呼び止めた。
「は、はい。どうぞ。」トレーを脇に挟み、顛末を取り出し、彼は私の注文を待った。
「え~と、モーニングのこれで、、、、アイスティーのストレート。」
「はい、アイスティーのストレートで、、、」
『くそっ、もうホットかアイスか聞いてくれないんだな。』と、胸の中で毒づく私の耳に、とんでもないメニュー名が飛び込んできたのだった。
「お付けするのは、グッドモーニングの、、、、」
な、、ん、、だ、、と!?
私はまたしても我が耳を疑った。
聴力が正常であれば、彼は確かに『グッドモーニング』と言っている。
私が頼んだのは、勿論、ただのモーニングだ。
なんだその、モーニングがちょっとイイ感じになりましたみたいなメニューは。
端末に表示でもされているのか、ニューホライズンの呪いにかかり、うっかりそう言ってしまっているのか、突っ込もうにも、パンをどれにするとか、何を塗るとか、例のバイト君が時々つかえながらも次々確認してくるので、それにいちいち返事をしながらも、私はメニューを見返した。
どう見てもモーニングしかなく、そのグッドモーニングなるものは存在しない。
『常連だし、裏メニューかな??』など少しwktkしながら、グッドモーニングが到着するのを待った。
やがて運ばれてきたものは、ただのモーニングだった。
そして伝票を確認すると、モーニングと書かれていただけだった。
グッドモーニングを食べ損ねた私は、モヤモヤしながら午後の授業へと向かった。
私は、また試されていたのだろうか、それともグッドモーニングを食す資格がなかったのだろうか。
ちなみに以前、私が「モーニング。」と注文したら、相席していた初老の紳士から、「グッドモーニング」と返されたことがある。(リンクはこちら)
人生において、こんなことが何度も起こっていいわけはないが、取り敢えず、次回のグッドモーニングに備えておこうと心に誓った。
そうしている内に、千年経っても終わらないと思われていたこの因縁に、あっけなく幕が下りる時がやって来たのだった。
それから2週間ほど講義がなかったため、しばらくこのコ〇ダに寄ることはなかった。
再び、この店に足を踏み入れた時、案内してくれた例の彼の胸からは研修中のバッチが取れ、その顔は自信に満ちあふれていた。
私は、彼の成長を喜ぶともに、あのスリリングな非日常が訪れないであろうことに寂寥たる感傷を覚えた。
“グッドモーニングサービス”なるものの存否は依然、不明だが、流れるようにメニューを打ち込み、淀みなく確認し、そつなく料理を運んでくる彼の姿は、もはや、私を何の悪意もなく、散々おもちゃにしてくれたかつてのバイト君ではなく、未来のバイトリーダーそのものだった。
この日、資料が多くあり、机の上に沢山のプリントや参考書、そして雑誌やらを広げながら、諸々の準備をしていると、例のバイト君がお冷のお代わりを運んできたのだ。
「ありがとう。」
「いえいえ。」
こんな気遣いができるようにまでなるとは、昨日の敵は今日の友との言葉通り、彼とは長い付き合いになりそうだと、良く冷えたお冷を手に取ると、コップの水滴がポタポタとプリントに垂れてしまった。
「あ、すぐ拭きますね、こちら使ってください。」とすかさずおしぼりを差し出し、ダスターで机の上の水滴やらを拭き上げ、
「申し訳ない、仕事上、資料や本が多くてね。」と彼のとっさの行動に感心する私に、
「とんでもないです、お忘れ物などにご注意くださいね。」とのハートウォーミングなやり取りに、ほっこりとさせられ、そうこうしている内に時間が迫り、プリントやらをカバンにしまって新聞などを棚に戻し、伝票をもって席を立つと、
「お、お客様、お忘れ物です!!」
例の彼が、真新しい雑誌を手にもって、追い掛けて来るではないか。
「あれ?忘れ物??そうか、ありがとう。」
急いでいた私は、雑誌をそのまま受け取り、ベテラン店員さんが待つレジへ向かった。
「お会計、〇〇○○円になります。」
財布を出すべく、カバンを足元に置き、その雑誌を入れようとしていると、
「お客様、その、、、、」
あまりにモタモタするので、急かされたと思った私は、
「はい、今、財布出します。」と急いでカバンに雑誌を突っ込んだ時、
「いえ、、、、その雑誌、、、当店のです。」
「え、あ、はい?」
ビッグコミックの最新号であるその雑誌の表紙を見ると、
『コ〇ダ○○通り店』とマジックで書かれている。
私が定期購読をしている数少ない雑誌の一つであり、発売日には買ったものをここで読むこともあるけども、忘れ物がないか注意を促した上で、自分の店の雑誌を忘れものとしてわざわざ呼び止めて渡しに来るなんて、トラップが高難度過ぎて、鬼畜テンパと名高いアムロ・レイですら回避不可能なレベル。
「あれ、本当ですね、すいませんでした。。。。」(赤面汗)
顔に血液が集まるのを感じながら、雑誌を店員さんに返して、私は店を後にしたのだった。
講義が終わった後、このことを思い起こして、私は背筋が寒くなった。
もし、そのまま私が店外に出ていたら、その場で窃盗として取り押さえられるかもしれなかったからだ。
『あのバイトの中身はハンニバル・レクター、いや、悪魔、、ダミアンに違いない。』

そんな狡猾で恐ろしいトラップをフレッシュな笑顔と善意で仕掛けてくる彼には、どうしたってかないっこない。
この日、私は完全なる敗北を思い知らされたのだった。
その後、講義の間隔が幾分空いてしまい、ほぼ一か月ぶりに入店した時、例の彼の姿はなく、そして、以降、私の来店時間とシフトが重ならなくなったのか、辞めたのかどうか分からないまま、一度たりとも見ることはなかった。
こうして、私とコ〇ダ(正確に言えば、そのバイト君)との長きに渡るであろう因縁は、拍子抜けするほどあっさりと終幕を迎えたのだった。
かつて、学生時代、様々なバイトを経験し、例の彼よりもはるかに大きなヤラカシ(クビ2回)をした先達でもある身としては、どこかで元気に働いていることを期待しつつ、私がそうされたように、斜め上の対応力を発揮して、お客やお店を混乱に陥れている姿を、彼のいないコ〇ダの店内で想像すると、自然と口元が緩んだ。
そして、クライアント先に、数年後、もし彼が新卒で応募してきたらくれぐれも注意するよう伝えておくよう心に留めおいたのだった。
とここまでが、滅茶苦茶ミクロで取るに足らない、コメ〇コーヒーとの因縁でした。
このような毒にも薬にもならない小話にお付き合いいただき、誠にありがとうございましたm(__)m
でもって、まだまだネタは尽きず、いずれまたどこかの機会があれば、限定公開にて。。。
Posted at 2025/05/08 14:12:04 | |
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My Life | 日記
2025年05月07日
GW明けのまっことお忙し時に大変失礼しております、新卒の頃から今日まで重篤の五月病に罹患しっぱなし、そして、現在、みんカラで絶賛、現実逃避中のFlyingVでございます。
そんな中、車ネタとは全く無関係のくだらないお目汚しを一つ、GW中の無聊にかこつけて、恥かきついでにキーボードを叩いておった次第でございます。
さて、高度成長期の織物業が盛んだった頃の一宮市で開業し、その自動織機がバッタンバッタンと動き始めるとやることがなくなってしまう、バッタン長者と言われる、高給取りの職人たちをターゲットとしたことと独自のメニューが受け、その後、紆余曲折あり、現在は、日本の食文化にまで成長した当地が誇るコ〇ダコーヒー。
メニュー逆詐欺でも時々話題になり、そのボリュームたるや複数人でシェアすることが前提で、もしシロノ〇ールなど1人1個を頼もうものなら、周りからフードファイターか、またはオツムを疑われるレベル。
こと私もほぼ毎週のように、午後からの講義の前に、学校近くのコメ〇に立ち寄り、腹パンになりつつ授業の準備をしておりまして、平素は大変お世話になっているのですが、実は、ある時期、この店舗と因縁浅からぬ関係となった事件が立て続けに勃発していたのでした。
千年戦争とも呼ばれ、今も尚、ごくごく一部で語り継がれるメタラーとコ〇ダコーヒーとの一触即発の緊迫したやり取り、長文故に、2分割しております。
永遠にGWが続いている、もしくは暇で死にそうな方は是非、お付き合いください。
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この日も、私はF20を少し離れた店舗駐車場に停め、コ〇ダの扉をくぐった。
いつもの通り、カランコロンと軽やかなベルが鳴り、すぐに感じの良い店員さんがやってきて、席まで案内をしてくれる。
ほぼ毎週来ている私にとって、座る席は違うものの、見慣れた店内に顔なじみの店員さん達がきびきびと働いている光景は、もはや生活の一部だ。
初夏というのに汗ばむほどの日差しで、駐車場から100メートルほど歩いただけで、シャツが熱を帯び、皮膚からの湿り気を帯びてくる
猛烈に暑い。
頼むものは決まっていた。
アイスティーだ。
それほど空腹ではないため、食事は講義が終わってからにしておこう。
そう考えながら、呼び出しボタンを押して、店員さんが来るのを待った。
「お待たせしました~」
そう元気よくやって来たのは、いつものベテラン店員さんではなく、初めて見る顔のバイト君だった。
名札の上に『研修中』のプレートが揺れている。
年の頃からすると、大学生になったばかりの男子学生といったところだろうか。
あどけなさの残る、純朴そうな彼は、
「ご、、ごちゅ、ご注文はお決まりでしゅ、、したでしょか?」と盛大に噛みながら、ぎこちない手つきで端末を取り出していた。
その端末もよく見たら上下逆だ。
恐らく、初めての注文取りに行かされたのだろう。
その相手が私とは、いかにも気が弱そうで、ある程度の粗相は許してくれそうだと知ってのこと、コ〇ダも舐めたこと、、、いや、初めての相手とは光栄の極みじゃないか。
私はゆっくり、はっきりとした口調で告げた。
「ア・イ・ス・ティー、ストレートで。」
「あ、、はい、、、ア、イス、あ、、、、」とその新人バイト君は端末を逆に持っていたことに気が付き、慌てて持ち変え、もう一回やり直そうとしたのだった。
『うんうん、慌てず、ゆっくりでいいからな。』
かつて飲食店などでバイトをしてきた身としては、彼の胸の内は痛いほど分かる。一度躓くとパニックが連鎖していくことも。
「す、すいませんでした、、、えと、アイスティーが、おひとつ、、と、、、、」
額に汗をにじませ端末を一心不乱に操作している姿からすると、緊張もあってコマンドの選択に難儀しているのだろう。
「そう、アイスティーのストレート。」
もう一回、私はゆっくりとメニューを繰り返した。
「あ、はい。アイスティー、、ストレートですね。」
ようやく目当てのコマンドを見つけたのか、少し落ち着いた口調で、彼は注文を繰り返した。
しかし、その後、私は自分の耳を疑うような信じがたい場面に遭遇したのであった。
「ご注文を繰り返します。アイスティーのストレートがおひとつ。」
「うん。」
「そ、その、アイスティーですが、ホットかアイスかどちらになさりますか?」
「う、、うんんんん???」
その斬新すぎる確認に、私の思考は一瞬停止してしまった。

ホットの紅茶が運ばれてきて、氷と混ぜて作るタイプのアイスティーなのだろうか、
それとも今、もしかしたら私は何かを試されているのだろうか。
全くもって分からない。
だが、すぐに私は一つの結論に至った。
頼むしかないのだ、アイスティーのホットを。
「じゃあ、ホッ、、、、、」と言い掛けたところで、
「あ!!すいません、すいません、アイスティーでしたね。」と彼が先に気づいてしまい、ホットのアイスティーは幻に終わった。
運ばれてきたのは、いつものアイスティーだった。
私はそれで喉を潤し、講義へと向かった。
このエピソードに生徒達は爆笑したので、私としてはまあ良しとしておこう。
漫画でもあり得ないベタ過ぎる展開だったが、まごうことなき実話。
しかし、この事件は単なる序章でしかなかったのだった。
翌週、同じ時間帯に、私はまたこのコ〇ダに入店していた。
空腹だったため、ドリンクと食事をとることにした。
呼び出しボタンを押すと、例のバイト君がやってきた。
胸には研修中のバッジがまだ付いている。
私は再びアイスティーを頼むことにした。淡い期待込めて。
ただ、さすがに学習したのか、端末操作はそつなく、同じ事は起きなかった。
私は少し落胆し、たまごサンドも注文した。
コメ〇のサンドイッチは、パン生地をトーストに変更することができる。
都合、アイスティーのストレートと、たまごサンドのトーストを注文したのだ。
注文の確認も、2、3回噛んだものの、間違いはなく、私は教材を取り出し、料理が来るのを待つことにした。
『人は成長するんだなぁ。』と受験勉強を頑張る生徒達の姿に重ね、仕事の準備をしている内に、
「お待たせしました~」と例の彼が注文した品を運んできた。
料理が置けるよう教材をどかしたところに、まず、アイスティーが置かれ、
「たまごサンドとなります。」と厚切りのサンドイッチ。
そして、その次の彼の行動に、私は驚愕のあまり、フリーズしてしまったのだ。
「こちらがトーストになります。」
となんと、滅茶苦茶分厚い何枚ものトーストが別皿で差し出されたではないか。
「ご注文、以上で宜しいでしょうか?」
いやいや、全然宜しくない。

※画像はコーポレイトサイトから引用。実物はこれの逆詐欺と呼ばれるボリュームです。
〇メダで食事をされた方はお分かりだと思うのだが、具がたっぷりのサンドイッチで腹パン、トーストですらも大盛ご飯レベル。
私が注文したのは、たまごサンドで、そのパンをトーストにして欲しいとしただけのもの。
白いパンのたまごサンドとトーストのウルトラわんぱくセットでは断じてない。
だが、フードファイターのみならず、こんなアタオカ注文する漢がこの店にいるに違いなく、ごく自然に2人前超の食事が並べられ、
「ではごゆっくり。」と仰々しくお辞儀をする彼を呼び止め、オーダー間違いであることをやんわりと伝えると、
「あ、あわ、、あああああ、、、大変、す、失礼い、、いたしました。」と料理をもって、慌てて厨房へと戻っていったのだった
その後、再び現れた彼は、驚くべきことに、
「こちらのミスですので、トーストはサービスさせて頂きます。」と申し訳なさそうに、さっきのトーストを差し出そうとしてきたのだ。
「無理無理、食べきれないから結構です。」ときっぱり伝え、注文のトーストされたたまごサンドが来る頃には、割とギリギリの時間になっていたのだった。
これも授業で話すと再び大ウケで、たまごサンド並みに美味しいネタとなった。
とここまで、無邪気で一生懸命なバイト君に、2度もおもちゃにされた私だったたが、この因縁は複雑に絡まりながら先へ先へと伸びていくのであった。
後編に続く。
Posted at 2025/05/07 16:35:20 | |
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My Life | 日記
2025年05月03日
※お断り:車ネタとはちょいと乖離した極めて私的で冗長な文章となります。
この世に生を受けてから本日まで、前世の因果か、内向的で独善的、そして暇があると一人で良からぬ妄想に浸るのが何よりも好きな性格故、空気を読むのが苦手で、感情の機微に疎いばかりに、人様に迷惑をかけること数えきれず。
そうして生き恥に塗れつつ、たまにやってくる小さな幸せや親切にしがみきながら、何とか生きながらえてきたこの半世紀。
常々、生きづらさを感じつつも、どういう訳か、友人達には恵まれ、
このGW、幼稚園、小学校、中学校、高校(+予備校)、そして大学時代と、多感な時期を過ごしてきた仲間たちから次々に声を掛けられ、それぞれと食事、スタジオを借りてのリハやら野球観戦やらで邂逅を果たすことができたのでした。
仮にK、M、S&Y、Iとしておきましょうか。
彼らにまつわる思春期の甘酸っぱいエピソードの一端に触れておきますと、
幼稚園時代、Kとは「タ〇エちゃんが好きなのはボクのほうだー!!」と取っ組み合いの喧嘩をした間柄。
結果、どっちもなんとも思われておらず、別の男子と両想いだったというオチに幼心に涙したのでした。
そして、小学生時代、学区が違うKとはここで別れ、次に、勉強やら当時入っていた野球チームで、何かと張り合ってくるMと小4の時に出会い、
またしても好きな女の子が被り、同じピアノ教室に通っていた私が一歩リードしていたかに見えたのですが、全くそんなことはなく、6年生の時に、幼稚園時代と同じオチに見舞われ、お互い涙目に。
中学時代、再びKが合流し、新たに出会ったSとYとで、今も思い出すと
「ああああぁぁぁぁぁ、、、、」と床を転げまわる程の、
壮絶な黒歴史を刻んてしまいましたので、諸々の事情により割愛させていただきますが、一言でいえば、全員が中二病をこじらせ、さらにファッションヤンキーだったため、本当にやらかし過ぎたのです(謎)
ご迷惑をお掛けした皆様方、既に時効ではあるものの、改めまして誠に申し訳ございませんでしたm(__)m
なお、高校入学後に、K、Mと私とでバンドを組み、現在に至るという。
(※画像:Mの実家の納屋を改造したスタジオにて。ドラムがMで画像下がK、この時の私のギターはJacksonカスタムの27フレ、Kのミュージックマンのベースは、この3年後に偽物と判明。冷暖房がないため、夏は40度を超える室温の中、汗だくになって感電しかかったり、冬は石油ストーブを焚いて閉め切るため、途中でどこを弾いているのか全員が分からなくなり、慌てて換気したりと、本当に命がけでロックな場所でした。)
そうそう、なぜかKは学年一の美少女と付き合っておりまして、S&Yも卒業式にボタン全部がなくなるというモテっぷりを、私とMは傍観するしかなく、この世の不条理というものを心に刻んだのでした。
ちなみにIを除く全員とは、受験浪人も一緒にしておりまして、T大クラスの高偏差値受験生たちとの悪ふざけがエスカレートしていき、全国の予備校生を巻き込んでの、今もなお予備校生達に語り継がれ、予備校からはマニュアルでその対策まで取られることとなった、退校処分寸前かつ前代未聞の破廉恥で不適切な伝説がいくつも生み出されたのです。
そのうちの一つが新聞記事にもなり、授業で話すと生徒達もドン引きするこれらのエピソードはまたの機会にご紹介するとして、その予備校時代、仲良くなった女子達の中から、色々な間違いと勘違いが起き、長い黒髪のクールビューティーに告白されるも、それがYが好意を寄せる子だったことを知っていた私は、受験に集中したいとの理由で、泣く泣く断ったあの日あの時あの場所。
今でも、もし告白を受けていたらどうなっていたか、時々、寝る前に考えてしまうことがあったりするのはここだけの秘密。
なお、この破廉恥で不適切な伝説が原因で、私は今でも、ここで仕事をさせてもらえません(涙)
いや~SNSがない時代で本当に良かった。。。
で、大学時代、何とか滑り込みで入学したものの、バンドに没頭しすぎて、ゼミに全くついていけなかった私を救ってくれたのがI。
テニサーでリア充だったIとは、住む世界があまりにも違い過ぎているにも関わらず、コンパはじめ諸々のイベントにはもれなく声をかけてくれたり、何かとかまって来る、お節介、、あ、いや、爽やかナイスガイ。
とある合コンで、Iと女子大生がしっぽりと帰っていったのを横目に、この夜、いつものごとく女子達に相手にされずに酔いつぶれた私が、新宿2丁目の道端でぶっ倒れていると、お店明けのニューハーフさんにお持ち帰りされそうになったりと、ま、そんなことはどうでもいいのですが、私が家庭教師をしていたJKを、オープンキャンパスに連れて行った時にIが気に入ってしまい、Iからの紹介しろとの圧力に根負けし、彼女の受験後に渋々引き合わせた際、リア充陽キャが苦手なその子が、私とのことをただの家庭教師との関係ではないと捏造して匂わせをしたことで、Iとプチ修羅場に。
すぐに誤解を解けたものの、夜が白々と明け始めた歌舞伎町で、コロンのいい香りを漂わせながら、優しく介抱してくれた綺麗なお姉さん(但し性自認)の「大丈夫~!?」の野太い声と、伸び始めた頬髯のジョリジョリとした感触はしばらくトラウマとなり、お陰でお酒が全く飲めない体になりましたとさ。
みんカラに無理やり絡めますと、ここに登場した全員が車好きで、20代の頃、インプWRXやら、AE101、ランクルの初代70、R32タイプM、プリメーラなどなどを駆り、サーキットや峠、高速ステージにと、良く走りに行っており、E36M3、E46M3、GTV、F80はその乗り味をしっかりと堪能してもらっております。
発売まもないGTOのレンタカーを借り、ゼロヨンに出たのもこの当時でした。
G80と彼らの新たな愛車のお披露目は次回のお楽しみということで。
と、まあ、思春期にまつわる甘酸っぱい思い出を共有する各世代の学友達と、このGWを過ごした訳でして、気の置けない間柄ではありますが、友情というよりも、ここではとても書けない、お互いの人生において甚大なダメージが想定される、墓までもっていくべき『やらかし』という『核のボタン』をそれぞれが手元に持つ、いわば運命共同体のような関係性であり、その相互確認を兼ねての不定期会合な気もしないでもなのです。
え~、ここまで、今年のGWの備忘メモでございました。
なに??高校時代がないって??
はい、もうご承知と思われますが、高校時代の同級生と言えば、嫁がそうでして、私の一方的な3年間の片思いで終わるはずが、本当に様々な奇跡と幸運が折り重なって、現在に至っており、心からの感謝と変わらぬ愛情を注いでおります。
だからこそ、こいつら彼らと嫁とを接触させてはいけないのです。
平穏を守るため、そして、その『ボタン』が有効であるかどうか、これからも押さないことをリマンドし続けなければならないのでした。
Posted at 2025/05/03 22:00:26 | |
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My Life | 日記