2025年05月20日
先日、傷がつかないと評判のスポンジが届き、早速、G80の洗車を開始したところ、その使い心地もさることながら、ボディに吸着し、落下しにくい構造に「おお!」と一人で感動しつつ、細いブラシに持ち変え、フロント下部のハニカムグリルにワシワシと差し入れていると、背後に人の気配が。
『ご近所さんが通りがかったのかな。』とよくあることなので、あまり気にせず、反対側のハニカムにブラシを出し入れしている間も、足元に伸びた人影が動かない。
『あれ?もしかして、ウチにご用があるとか?』と振り返ると、G80の鼻先に見慣れぬ幼女がたたずんでおり、こちらをじっと見つめてるではないですか。
背格好からすると、小学校に上がる前ぐらい、勝気な瞳がまっすぐG80に向けられている。
『誰だろ、、、、もし迷子だったら、、、、』
そうだとしたら、洗車どころではなく、まずは事情を聴く為に、
「お嬢ちゃん、どうしたの?お父さんかお母さんは?道に迷った?」
近所の小学生から『絶対こ〇すマン』として恐れられている不都合な顔を可能な限りにこやかに取り繕い、三白眼を思いっきり歪ませて声を掛けてみると、
その幼女は、一瞬、ムッとした顔つきになり、ツインテールを揺らしながら、突然、G80を指さし、
「この車、カッコ悪い!!!」と言い放ったのです。
「え、は?」あまりのことに、どう返したものか思考が停止する私に、
「すっごいカッコ悪い!」と続けざまに、大きな声を上げたのでした。
確かに、発表時から現在まで賛否別れるメガキドニーは、子供受けはあまり良くないだろうと思わなくはないものの、面と向かって言われるほどのものなのかと思案しながら、その子の表情を見てみると、なんだか物凄く怒っている様子。
『もしや、G系のBMWに嫌な思い出があるとか、それとも、幼少期になんだか怖くなる、お化けとか正体不明ものにこれが似ているとか、そんな感じなのかなぁ。』など考えている内に、二軒先のはす向かいのお宅の玄関から、男性がこちらに走って来る。
「ちょ、、、○○(娘さんの名前)、、、何をして、、、あ、こんにちは、すいません、すいません。」
よほど慌てていたのか、クロックスを片方突っかけた状態のまま走ってきたものですから、アスファルトの凸凹に躓きそうになりながら、こちらに駆け寄るその男性。
月に何度か、ご家族を連れ、その実家に帰省している息子さんでした。
「ハァ、ハァ、、突然いなくなったものでして、、こちらにお邪魔してたんですね。駄目じゃないか、黙って出かけたら。」
と、その子の頭をグリグリするも、悪びれる表情もなく、さらにふくれっ面に。
「何かご迷惑になりませんでしたか?」
「いえいえ、洗車を見学していただけで、何もありませんよ、ね?」とその子に振ってみるも、プイと首を横に振るだけ。
そして、次の若パパさんの一言で、事態は急展開を迎えたのでした
「それにしても、M3、本当にかっこいいですね~♪」
と口走った瞬間、さっきまで押し黙っていた娘ちゃんの口から、火が出るような勢いで、
「ダメ、全然カッコよくない!こんなのブーちゃんだもん、でっかい変なお鼻!!」と顔を真っ赤にしてディスりだしたのでした。
すかさず、若パパさんが、
「コラッ!そんなこと言ったらパパ、本当に怒るよ!!早く謝りなさい!!」と娘ちゃんに負けない大きな声で、怒鳴りつけたものですから、
「だっ、、、だって、、、、、」と顔がクシャクシャになり、その目に涙がドンドン溜まり始めていく。
「いいんですよ。このメガキドニーは、今でもアレルギーというか、受け入れらない人もいますから。」とフォローを入れるも、
「本当に娘が失礼しました。」と腰を折り、娘ちゃんの頭をぐっと下げさせようとすると、
「私悪くないもん!!この車カッコ悪いんだもん、パパの車が世界一、カッコイイんだもん!!!」と言うなり、(つд⊂)エーンと泣き出してしまったのでした。
すると若パパさんが、
「あ~、どうも原因は僕みたいですね、、、、、、」とギャン泣きの娘ちゃんを抱き上げ、訳を話してくれたのでした。
F80の頃から、我が家の前を通るたびに、「M3、カッコェ~♪欲しいなぁ、、」と口に出していたようで、G80が納車してから、「やばい、最高!!」と我が家のM3を、ご家族の前で、ほぼ毎回のように、褒めちぎっていたとのこと。
物心ついた娘さんは、パパの車が大好き、そして、そのパパの発言が気に食わない。
自分が大好きなパパの車よりも、パパがご執心なM3を快く思う訳がなく、積もり積もった不満が爆発して、やってきたのではないかとのこと。
そう話している間も、「グ、、、グスン、、、パパの、××(車種)が一番だもん。絶対だもん。」と涙声で訴えている。
「あらあら、気にしてないからいいよ。でも正直な気持ちは伝えていい時とそうでないときがあるからね。」とスクリーム系フェイスで怖がらせないよう、極力優しく伝え、
「おじさんもね、パパの車が一番カッコいいと思う。」とグッドサインをすると、
「グス、、、うん、、、」と涙でぐしょぐしょになった顔が少しはにかんだように見えました。
「よく、言い聞かせますんで、本当にすいませんでした。」と実家に戻ろうとする若パパ。
が、しかし、「にしても、新型のM3、本当にいいですよね~今度ゆっくり見させてください。」との余分な一言のせいで、抱っこした娘ちゃんに
「パパのバカッ」と思い切り頭を叩かれておりました(苦笑)
大好きな車、大好きなパパ、そのパパの車好き故の悪気のない発言、そうしたことが、子供心を複雑に掻き混ぜてしまい、プチ騒動に発展した、なんとも微笑ましい洗車中の一幕。
コーティング復活剤を塗り終え、リビングに向かうと、
「話し声してたけど、なにかあったん?」と嫁。
その顛末を話すと、
「あら、そんなことがあったのね。娘ちゃん、パパと車が大好き過ぎて、少し妬いちゃったのかな、かわいいね。」と相好を崩しながら、お茶を差し出してきたので、
「だよね~。」と一口飲んで、相槌を打つと、
「でも、それもそうだと思う。私も前の白いM3のほうがイケメンに見えるもん。」と火の玉ストレートな塩対応に、
『新しいZ、カッコいい♪』と目を輝かせていた嫁を思い出し、暗に催促されているようなそんな心持にさせられたのでした。
Posted at 2025/05/20 15:31:12 | |
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G80M3 | 日記
2025年05月08日
前編では、まさかのアイスティーの注文で、4ビットの脳みそを壊されかけ、そして、たまごサンド&トーストのダブル炭水化物の過剰摂取による血糖値スパイクを、たった一人の新人バイト君によってあやうく引き起こされそうになったところで区切りましたが、続きましても長文&駄文につき、ウケがあまり良くないのは承知の上、懲りずに後編突入です。
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たまごサンド事件から一週間開けた、その翌々週。
私は、またしても、このコメ〇にいた。
いつもと違うのは、朝から特別講習があり、午後からの授業までインターバルができたことで、昼食を兼ねたモーニングを食すべく、普段より早い時間から入っていたのだ。
店内は混んでいた。
ウェイティングも起きている。
運よく、空席に案内された私は、例のバイト君の姿を、無意識に探していた。
見つけた、危なっかしいほどの前傾姿勢でお水を運んでいた。
その彼が私の席へとそのお水を運んできた。
研修中のバッジは付いたままだ。
「注文してもいいですか?」
何を頼むかはもう決まってた私は、その場で彼を呼び止めた。
「は、はい。どうぞ。」トレーを脇に挟み、顛末を取り出し、彼は私の注文を待った。
「え~と、モーニングのこれで、、、、アイスティーのストレート。」
「はい、アイスティーのストレートで、、、」
『くそっ、もうホットかアイスか聞いてくれないんだな。』と、胸の中で毒づく私の耳に、とんでもないメニュー名が飛び込んできたのだった。
「お付けするのは、グッドモーニングの、、、、」
な、、ん、、だ、、と!?
私はまたしても我が耳を疑った。
聴力が正常であれば、彼は確かに『グッドモーニング』と言っている。
私が頼んだのは、勿論、ただのモーニングだ。
なんだその、モーニングがちょっとイイ感じになりましたみたいなメニューは。
端末に表示でもされているのか、ニューホライズンの呪いにかかり、うっかりそう言ってしまっているのか、突っ込もうにも、パンをどれにするとか、何を塗るとか、例のバイト君が時々つかえながらも次々確認してくるので、それにいちいち返事をしながらも、私はメニューを見返した。
どう見てもモーニングしかなく、そのグッドモーニングなるものは存在しない。
『常連だし、裏メニューかな??』など少しwktkしながら、グッドモーニングが到着するのを待った。
やがて運ばれてきたものは、ただのモーニングだった。
そして伝票を確認すると、モーニングと書かれていただけだった。
グッドモーニングを食べ損ねた私は、モヤモヤしながら午後の授業へと向かった。
私は、また試されていたのだろうか、それともグッドモーニングを食す資格がなかったのだろうか。
ちなみに以前、私が「モーニング。」と注文したら、相席していた初老の紳士から、「グッドモーニング」と返されたことがある。(リンクはこちら)
人生において、こんなことが何度も起こっていいわけはないが、取り敢えず、次回のグッドモーニングに備えておこうと心に誓った。
そうしている内に、千年経っても終わらないと思われていたこの因縁に、あっけなく幕が下りる時がやって来たのだった。
それから2週間ほど講義がなかったため、しばらくこのコ〇ダに寄ることはなかった。
再び、この店に足を踏み入れた時、案内してくれた例の彼の胸からは研修中のバッチが取れ、その顔は自信に満ちあふれていた。
私は、彼の成長を喜ぶともに、あのスリリングな非日常が訪れないであろうことに寂寥たる感傷を覚えた。
“グッドモーニングサービス”なるものの存否は依然、不明だが、流れるようにメニューを打ち込み、淀みなく確認し、そつなく料理を運んでくる彼の姿は、もはや、私を何の悪意もなく、散々おもちゃにしてくれたかつてのバイト君ではなく、未来のバイトリーダーそのものだった。
この日、資料が多くあり、机の上に沢山のプリントや参考書、そして雑誌やらを広げながら、諸々の準備をしていると、例のバイト君がお冷のお代わりを運んできたのだ。
「ありがとう。」
「いえいえ。」
こんな気遣いができるようにまでなるとは、昨日の敵は今日の友との言葉通り、彼とは長い付き合いになりそうだと、良く冷えたお冷を手に取ると、コップの水滴がポタポタとプリントに垂れてしまった。
「あ、すぐ拭きますね、こちら使ってください。」とすかさずおしぼりを差し出し、ダスターで机の上の水滴やらを拭き上げ、
「申し訳ない、仕事上、資料や本が多くてね。」と彼のとっさの行動に感心する私に、
「とんでもないです、お忘れ物などにご注意くださいね。」とのハートウォーミングなやり取りに、ほっこりとさせられ、そうこうしている内に時間が迫り、プリントやらをカバンにしまって新聞などを棚に戻し、伝票をもって席を立つと、
「お、お客様、お忘れ物です!!」
例の彼が、真新しい雑誌を手にもって、追い掛けて来るではないか。
「あれ?忘れ物??そうか、ありがとう。」
急いでいた私は、雑誌をそのまま受け取り、ベテラン店員さんが待つレジへ向かった。
「お会計、〇〇○○円になります。」
財布を出すべく、カバンを足元に置き、その雑誌を入れようとしていると、
「お客様、その、、、、」
あまりにモタモタするので、急かされたと思った私は、
「はい、今、財布出します。」と急いでカバンに雑誌を突っ込んだ時、
「いえ、、、、その雑誌、、、当店のです。」
「え、あ、はい?」
ビッグコミックの最新号であるその雑誌の表紙を見ると、
『コ〇ダ○○通り店』とマジックで書かれている。
私が定期購読をしている数少ない雑誌の一つであり、発売日には買ったものをここで読むこともあるけども、忘れ物がないか注意を促した上で、自分の店の雑誌を忘れものとしてわざわざ呼び止めて渡しに来るなんて、トラップが高難度過ぎて、鬼畜テンパと名高いアムロ・レイですら回避不可能なレベル。
「あれ、本当ですね、すいませんでした。。。。」(赤面汗)
顔に血液が集まるのを感じながら、雑誌を店員さんに返して、私は店を後にしたのだった。
講義が終わった後、このことを思い起こして、私は背筋が寒くなった。
もし、そのまま私が店外に出ていたら、その場で窃盗として取り押さえられるかもしれなかったからだ。
『あのバイトの中身はハンニバル・レクター、いや、悪魔、、ダミアンに違いない。』

そんな狡猾で恐ろしいトラップをフレッシュな笑顔と善意で仕掛けてくる彼には、どうしたってかないっこない。
この日、私は完全なる敗北を思い知らされたのだった。
その後、講義の間隔が幾分空いてしまい、ほぼ一か月ぶりに入店した時、例の彼の姿はなく、そして、以降、私の来店時間とシフトが重ならなくなったのか、辞めたのかどうか分からないまま、一度たりとも見ることはなかった。
こうして、私とコ〇ダ(正確に言えば、そのバイト君)との長きに渡るであろう因縁は、拍子抜けするほどあっさりと終幕を迎えたのだった。
かつて、学生時代、様々なバイトを経験し、例の彼よりもはるかに大きなヤラカシ(クビ2回)をした先達でもある身としては、どこかで元気に働いていることを期待しつつ、私がそうされたように、斜め上の対応力を発揮して、お客やお店を混乱に陥れている姿を、彼のいないコ〇ダの店内で想像すると、自然と口元が緩んだ。
そして、クライアント先に、数年後、もし彼が新卒で応募してきたらくれぐれも注意するよう伝えておくよう心に留めおいたのだった。
とここまでが、滅茶苦茶ミクロで取るに足らない、コメ〇コーヒーとの因縁でした。
このような毒にも薬にもならない小話にお付き合いいただき、誠にありがとうございましたm(__)m
でもって、まだまだネタは尽きず、いずれまたどこかの機会があれば、限定公開にて。。。
Posted at 2025/05/08 14:12:04 | |
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My Life | 日記