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2024年06月15日

フラり県境越え、山向こうの廃線跡を巡る。

フラり県境越え、山向こうの廃線跡を巡る。

帰国してからも、
なかなかイベント参加がままならず、
モヤモヤを払拭できない毎日…。




カミさんが山形の実家の手伝いに向かった週末、私は富山の実家へ実母の様子見に。
『少しの寄り道くらい許されるでしょう…』
ということで、AE86LEVINのハンドル握り、LEVINでは初の冠山峠トンネル越えで岐阜県揖斐川町へ向かいます。



揖斐川町 旧谷汲村へ。
2001年10月1日に廃止された名鉄谷汲線谷汲駅は、西国巡礼第三十三番札所谷汲山華厳寺の最寄り駅。

名鉄600V線と総称される岐阜市内線、美濃町線、揖斐線。ここはその末端、谷汲線の終着駅です。
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『津島軽便堂写真館』から(不許転載)、
谷汲線(モ401号がいた頃)1
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谷汲線は揖斐線黒野駅から分岐して谷汲まで全長11.2㎞のローカル線。
揖斐線は忠節で岐阜市内線とつながっており、谷汲や揖斐から新岐阜駅前まで、直通急行が走っていました。
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名鉄600V線区にはこのほか徹明町を起点とする美濃町線がありました。
美濃町線は市内線直通のほか、田神から各務原線に乗り入れ鉄道線駅の新岐阜発着の列車もあり、各務原線は1500Vのため複電圧対応車が用意されていました。
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今でも谷汲駅の駅舎が残されています。
ただし、この建物は、廃線5年前の1996年に旧谷汲村の補助を受け、「谷汲昆虫館」と併設されて建て替えられた比較的新しいもの。
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そして谷汲駅跡には、谷汲線を走った車両も保存されています。
これは線内各駅停車用のモ750形755号車。大元は昭和2年製の旧名古屋鉄道デセホ750形。
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特にこのモ755はモ756とともに畳を敷いてお座敷車両に改装され、新鵜沼から下呂まで省線(国鉄)高山線急行に併結けん引された直通特急に使用されました。
のちの国鉄直通準急『たかやま』に始まり、急行から特急に昇格し富山地鉄立山まで足を延ばした名鉄キハ8000系『北アルプス』、さらにキハ85系と同一性能新造車のキハ8500系特急『北アルプス』の元祖、ともいえる車両です。
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これは谷汲線で現役当時のモ754形(Wikipediaから)。
駅と車両が当時の雰囲気のまま保存されているのが、よくわかります。
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そしてこちらは、揖斐、谷汲線から岐阜市内線直通急行に使用されたモ510形514号車。
2001年谷汲線廃止の600V線区縮小後も延命して2005年まで活躍。
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大元は美濃電気鉄道(のちの名鉄美濃町線)のセミボ510形。
昭和元年と云わず大正15年製造の古豪。1926年から79年間使われた訳です。

当時流行したアメリカの郊外電車インターアーバン(略してインターバーン)を模して造られた都市型高規格電車で、室内は2列-1列の転換クロスシート、連結運転用密着自動連結器とジャンパー栓、ドアステップを装備し、郊外線と市内線直通運転が可能。

類似設計のモ520形とペアを組み、2両編成で市内線直通急行に使用されました。
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名鉄は600V線区の近代化のため冷房完備な新設計の車両を投入しています。

これは1987年投入の揖斐線直通用モ770形(岐阜市内線徹明町)(Wikipediaから)
しかし、谷汲線は末端路線で線内に変電所がなく電圧降下が大きかった(最大400V以下まで低下)ので、消費電力の大きいモ770形が谷汲線運用に就くことはありませんでした。
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モ770形は2005年の600V線区全廃後、美濃町線モ880形とともに福井鉄道へ譲渡されました。
福井鉄道譲渡後の770形(たけふ新)、隣の最新F2000形と合わせ現在も主力車両。モ510形のインターバーンのスピリッツが受け継がれています。
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静かに当時の雰囲気を伝える旧谷汲駅です。
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黒野から忠節を経て新岐阜に向かっていた線路は、谷汲駅のすぐ向こうで途切れていました…。
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『夏草や兵どもが夢の跡(ばせを)』
(なつくさやつわものどもがゆめのあと)(芭蕉)


モ755に見送られ、谷汲駅を後にします…。
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さてこのあと向かうのは…?


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ブログ一覧 | 鉄学 | 日記
Posted at 2024/06/21 06:04:52

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この記事へのコメント

2024年6月21日 6:23
おはようございます。
良い雰囲気のレトロな電車ですね♪
谷汲付近も走った事がないので、走りたい候補に入れさせて頂きまーーす🚗。
コメントへの返答
2024年6月21日 8:28
おはようございます。
このような電車が平成の途中まで現役走行していたのですね。
藤橋村から山を下りてくると、急に開けたような盆地が揖斐川町。このあたりの名鉄線は廃止されましたが、樽見鉄道や養老鉄道に、美濃赤坂支線と西濃鉄道など、鉄道路線が入り組んで興味深いところです。
2024年6月21日 9:02
600V線まだ健在なんですね。
ブログ見て京阪電車が1500V化された時のことを思い出しました。
内装が木製ニス塗り,ゴロゴロと大きな音を立てて開く一枚扉,天井から吊り下がった旋回式の扇風機,大きなヘッドライト(蒸気機関車についているようなやつ)が一つ前屋根部についた車両など,昭和初期の面影を残す車両が一気に駆逐されで残念だったことを。
コメントへの返答
2024年6月21日 16:55
いえ…、名鉄の600V線区は部分廃止のあと2005年に全廃されました。こうして駅部分だけでも車両と一緒に保存されているのは貴重です。
譲渡された福井鉄道は直流600V、相互乗り入れしているえちぜん鉄道も600Vですが、愛知環状鉄道からの譲渡車は1500V仕様だったため加速や出力に問題を生じ、電動機の交換改造をしています。
2024年6月21日 13:04
なるほどですね👀
栗原電鉄も名電の車両が走ってました
ヂーゼルカーへ転換は施されず?
寄り道の割には何となく逆方向ですし
更に逆に向かっていく雰囲気(^^;
「兵どもが夢の跡」がシックリと
鉄っちゃんのスピリッツ伝わります
(≧▽≦)
コメントへの返答
2024年6月21日 17:16
栗原電鉄の名鉄譲渡車は、まさに名鉄閑散線区の合理化用として投入されたレールバスですね。でかバンさんの地元、三河線の末端部などに投入されましたが、結局路線廃止となりレールバスは社外へ譲渡。
この岐阜周辺の600V線区がディーゼルカー置換えもされず廃止されたのは、岐阜市の政策が路面電車廃止ありきで、軌道敷内自動車通行可にするなど路面電車冷遇策が続き自ら交通渋滞を誘発させたためでした。
このあと「あの地」に寄って一気に北上します。
2024年6月21日 17:10
あの冠山トンネルを抜けた先にはこんな施設が近くにあったんですね😊
大正ロマンな電車カッコいいですね♪
北アルプスの先祖はこちらだったんですね‼️
これから高山経由で富山に上がられるのかなぁ…
コメントへの返答
2024年6月21日 18:42
冠山峠を下ると、これら『名鉄揖斐・谷汲線跡』のほか、『美濃赤坂支線』の先の石灰石運搬用『西濃鉄道』や『樽見鉄道』に『養老鉄道揖斐線』と『長良川鉄道』など、岐阜、大垣周辺は各種鉄道が入り組んでいます。
モ510形の戸袋窓は丸型でオシャレですよね。上田電鉄と並んで『岐阜の丸窓電車』と呼ばれていました。
はい、寄り道の後は一気に北上…、ですが間一髪な出来事が…。
2024年6月22日 9:15
おはようございます。
保存されている駅舎と、レトロな電車の風景に癒されます。
素敵なところですね〜
快適な最新の電車も普通に乗るには良いな〜とは思いますが、私のかつて住んでいたところは「お下がり電車」多数だった東武野田線の沿線、古い電車の味わいが好きなんですよ🚃
鉄コレなんかもなぜか古い東武電車ばかりが家に置いてあります(笑)
コメントへの返答
2024年6月22日 13:44
こんにちは。
東武鉄道も浅草付近は都会的な複々線ですが枝線支線の末端は日本の田舎の風景が展開しますね。
出張で『りょうもう』に乗り桐生方面によく行きましたが、車体更新の吊り掛け電車5000系が最後まで残り、単線で交換する風景がどこか懐かしかったです。
2024年6月26日 19:15
こんばんは。

本稿は、配信時にじっくり拝見(拝読)させていただきました。(実は、一度寝落ちしていたりします😁)
今頃のコメントでごめんなさい。

私には、あまり馴染みの無い地域、路線のため・・・添付写真や地図、リンク先を行ったり、来たりでした。😊

土地勘がまったく無いため・・背景がいま一つピンと来なくて、いろいろ想像を膨らませた読んだ次第です。(また、そこいら辺が楽しいのでありますが 🤔)

本稿、大変面白かったです。😄

ところで・・・以下、かえるGOさんのコメントに強引に乗り入れした風で大変申し訳ございません。

東武スカイツリーライン(伊勢崎線)ですが・・北千住駅〜浅草駅間は、ある時期まではほぼ昭和にタイムスリップした雰囲気でしたよ。(用地もありませんが、いまも複線区間のままですね)

鐘紡を始めとする様々な規模の工場群、荒川放水路を渡れば、下山事件の現場のすぐ間近を東武は通過してます・・・近年の事件では、国松長官狙撃現場もすぐそばだったり。😑

因みに東京下町にあったそれら工場群は、ある時期から郊外に移動を重ね・・いまに至ります。

半蔵門線の曳舟駅からの乗り入れ以前は、事実上寂れた雰囲気で、かなり怪しげな空気感もありました。

いまは、「東向島駅」になりましたが、若い頃は「玉の井駅」でしたから・・・。

まったく余談なのですが、作家 斉藤 栄 氏の訃報を昨日の新聞で知りました・・ある時期に鉄道ミステリーアンソロジーは、随分とのめり込んで読んだことを懐かしく思いながら、なんともいえぬ寂しさも感じております。

ご冥福をお祈り申し上げます。🙏

@ブルネロ
コメントへの返答
2024年6月27日 0:27
こんばんは(^^)/

拙稿、じっくりとお読みいただき、ありがとうございます。お恥ずかしい限りですが…。

地域ネタはそうですよね。一度でも行ったことがある場所だと調べてみようという気になります。
廃止されて「あの時乗っておけばよかった…」と思う路線は結構ありますね。

旅はいつも行き当たりバッタリ。行く前にはなかなか調べなかったりして、あとから「そうだったのか」と思うことが多いです。

そこまでしていただいて、ありがたく思います。

東武鉄道は名古屋鉄道、近畿日本鉄道と並ぶ、日本で長距離路線を営業する私鉄に数えられますね。
今は変わりつつありますが、少し前の東武の列車種別と車両は国鉄を彷彿とさせる感じでした。伊勢崎線系統の特急「きぬ」「けごん」の1720系DRCは国鉄151系を意識したものでしたし、桐生・赤城急行「りょうもう」1800系は国鉄185系を先取りした感じ。快速用の6000系や更新車6050系は室内ボックスシート含め165系のイメージそのものでした。

東武鉄道は貨物輸送も行っていた関係で駅の構造も国鉄っぽいです。特に単線の地方ローカル駅は、駅舎前に1番線ホームがあり、その隣に列車行き違い2番線と退避用3番線がある島式ホームを持つ駅が多く見られます。

北千住から浅草までは、東武動物公園からの直線的な複々線と打って変わり、荒川堤防をかすめ、家の屋根すれすれを走り、カーブも多く、下町風景が展開します。
歴史的事件の現場も多くあるのですね。

「業平橋駅」は「とうきょうスカイツリー駅」になり、おしゃれ空間へ脱却してますが、東京スカイツリー自体が東武鉄道グループ子会社の経営ですから、どこかあか抜けない空間もあったりします。

鉄道ミステリーというと、松本清張、鮎川哲也、西村京太郎が浮かびますが、斎藤栄も数々の鉄道モノを書かれているのですね。
斎藤栄氏はご長命でした。ご冥福をお祈りいたします。

LEN吉 拝

プロフィール

「只見駅16:31発 小出行を見送ります。」
何シテル?   10/21 16:39
柴犬のLEN吉、本名「レン」永遠の12才です。 クルマでお出かけするのが大好き。 イベントで見掛けたら、声を掛けてください。 (^^)/
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