• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2011年10月12日

お蔵入りになった鉄道「迷車」?・・キハ391系気動車

お蔵入りになった鉄道「迷車」?・・キハ391系気動車 今回は鉄道車両のお話。






かつて、国鉄時代に、営業運転はされなかった気動車が存在していました。

形式名は、「キハ391系」と言われる気動車です。

ウィキペさんに詳細画像、説明がありますのでそちらと多少かぶりますが、
簡単に書きたいと思います。

こちらの画像は、キハ181系ですが、391系の画像が無く、
ベースとなったキハ181系を掲載しました。

顔つきはこの181系とそっくりと思っていただいていいでしょう。

そもそも、この391系は営業運転が無かったので、
知らなかった方もいるかも知れません。

私自身、小さいころに電車の本か何かで一度見たきりで、
最近になってキハ181系の写真をみていて、
そういえばこの顔つきに似た気動車があったなぁ、という事で、
キハ391系の事を思い出しました。

キハ391系の登場経緯ですが、1960年代後半頃、
気動車が主流だった地域に、より高速化を目指した気動車の投入を計画していた
国鉄は、気動車のエンジンに使用されていたディーゼルエンジンに代わって、
ヘリコプターなどに使用されていたガスタービン・エンジンを搭載する事を検討していました。

ガスタービン・エンジンは、軽量コンパクトながら、高出力をたたき出し、
オクタン価が低いガソリンでも十分性能を発揮することから、
国鉄は気動車の次世代エンジンとしての採用を検討、
1969年に、当時大垣機関区で要らない子廃車になっていた国鉄時代の気動車、
キハ07系をベースに、日本とアメリカの共同開発で製作された
ヘリコプター用のガス・タービンエンジンを搭載した、改造車、
キハ07-901を製作、
この試験結果が良好だったため、営業運転を見据えて試験車として1編成が製作されたのが、
この、キハ391系です。

3両で1編成とされた391系、顔面は画像のキハ181系をベースに簡略化され、
高運転台に、貫通扉を備え付け、塗色も、当時のキハ181系や、キハ82系等とおなじ、
クリーム色に赤帯の特急色が塗られていました。

エンジンは石川播磨と、川崎重工が、それぞれ、
米国社製のヘリ用ターボシャフトエンジンを車載用に改造したエンジンを
交互に取り換えて試運転されていました。

石川播磨製は、1050馬力、川崎重工製は1200馬力ものパワーを、発揮。

エンジンの重さはこれまでの気動車の約1割程度なのに、
パワーはその役6倍と言われていますから、
もしも営業運転に転用されれば次世代気動車エンジンとしての
未来も開けるものでした。

キハ391系は連接台車を採用。

これは過去に、近鉄の2階建て特急、ビスタカー2世の、10100系にも採用され、
現在ではJR東日本の近郊型電車、E331系をはじめ、
江ノ電や、小田急の一部車両で採用されている手法で、
台車が少ない車重軽減、連結器の代わりに台車が連結器代わりになるので、
加速減速時の衝撃軽減などに一役買っています。

また、非電化区間の多い山岳地帯の高速運転も視野に入れていたため、
気動車としては珍しい、振り子式を採用していました。

振子車両というと、国鉄の電車特急、381系が代表選手ですが、
その気動車版が391系で、車体正面から見ると、左右側面下部の、湾曲が、
他の特急車両と違って、381系同様、きつめのカーブを描いています。

このキハ391系、1972年に1編成が新造されると、慣らし運転後に、
西日本の非電化区間だった、山陰本線、伯備線、山陽本線などで試運転を開始。

その時に生じたトラブルなどをもとに改良が施され、翌年73年2月には、
東北地方の田沢湖線、奥羽線で、耐寒、耐雪試験を行い、
3月には、高速運転のテスト、振り子式車両のテストも兼ねて、
再び舞台を山陰本線、伯備線、山陽本線に移し、
この時、本気を出した391系は、当時の列車ではもちろん、
気動車としては破格の最高速度、約130キロをマークしました。

振子車両の試験も良好で、あとは営業運転を待つだけでしたが、
結局、営業運転されることは1度もありませんでした。

理由としては、燃費がスーパー悪い、
ガスタービン・エンジンの「キーン」という独特の騒音、
更に、加速が鈍いなどが挙げられ、

そもそも、元々、安定した回転域を保持することで、
性能を発揮するガスタービン・エンジンが、
加速、減速を頻繁に行う鉄道車両では、
回転域の上下動が激しいので、鉄道車両には不向きではないか?
という意見もあったようです。

さらに追い打ちをかけるように、当時国鉄は財政難の末期状態、
投入よていだった山陰本線、紀勢本線などの非電化区間の電化決定、
高性能ディーゼルエンジンの登場も重なったため、
73年度以降の試験運転は実施されず、以降、米子駅で、ニート休車状態になり、
1987年初頭に、遂に廃車となった、可哀想な気動車でした。

現在ではこのキハ391系に匹敵する性能の気動車が多く存在していますが、
1970年代前半に、最高速130キロをマークして、
今後の活躍が期待されたものの、根本的な欠点が災いして、
実戦投入されることが無かったことを思えば、
このキハ391系は名車だったのか、迷車だったのか・・・?


ブログ一覧 | 鉄道車両 | 趣味
Posted at 2011/10/12 11:29:26

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

北の大地へ 2025 夏 12日目
hikaru1322さん

注意喚起として
コーコダディさん

夏空は透明だ
tompumpkinheadさん

【週刊】8/16:今週のニュース( ...
かんちゃん@northさん

神戸名物「もっこす」
あつあつ1974さん

末廣ラーメン本舗に行ってきました ...
あぶチャン大魔王さん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「最近の自動車プラモは、結構内容が濃い・・(^^)」
何シテル?   05/08 08:36
クルマ、オートバイ、鉄道、模型が好きです(^^)
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

オカマでGO! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/11/11 16:12:01
トヨタ博物館の新しい車両。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/08/26 07:52:57
2008年3月納車の『Z11キューブ・ミュージックルーム』とついにお別れ! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/06/13 12:03:03

愛車一覧

スズキ ソリオハイブリッド スズキ ソリオハイブリッド
前に乗っていたプレオ号の後継車で、2023年末に購入を決定しました。日常の使い勝手、自分 ...
スバル プレオ プレオ号 (スバル プレオ)
デザイン、外観に惹かれて購入。 装備もバンながら充分過ぎるこの車、 バンなのに、CVT ...
日産 キューブ コロ助号 (日産 キューブ)
我が家に来て早3年が経つ、Z11キューブ・コロ助です。 小さいながらも室内空間の広さは素 ...
その他 その他 その他 その他
JR西日本・223系・京阪神~北陸地区・新快速、快速普通、関空紀州路・丹波路快速用の高速 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation