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2012年01月18日

JR西日本「新快速」の足跡その2~2代目・国鉄153系~

●2代目・新快速車両:国鉄153系



1972年年3月のダイヤ改正で、山陽新幹線開業に伴い、それまで山陽方面から、
大阪までの、新幹線接続輸送を担ってきた153系急行型電車が、順次廃止、減便になり、
使用されていた急行用153系があぶれてしまう事から、
その中の一部が新快速用に転用されたもので、2代目の新快速車両になります。

6両編成が基本編成で、17本が新快速用に整備されたそうです。

このダイヤ改正では、西明石から姫路まで延長されて、
草津~西明石間に加え、数本の京都~姫路間の運転が開始。
この結果、上下線とも、姫路直通の新快速のみ、西明石を通過し、
加古川駅に停車駅設定がされたそうです。

1日6往復だったのが、一気に31往復に増えましたが、
運用は早朝、深夜、朝夕のラッシュ時を除く時間帯の運用でした。

153系新快速の中には、165系のクハ165が編成に加わっているものもあったようです。
カラーリングも、グレーかかったホワイトに、スカイブルーのストライプをまとった専用色となり、
通称「ブルー・ライナー」と言われました。
この後、この塗装色は、阪和線の快速にも転用され、阪和色として知られています。

ダイヤ改正前の昭和46年9月ころから、試運転が開始されると同時に、
転用が決まっていた153系は新塗色に変更され、
この頃の153系急行には、湘南色に加え、新快速色の車両も混結されていたそうです。

ヘッドマークは、急行用の流用ともいえる感が否めないものですが、

何よりも、急行型の153系は、時速110キロでの運転が可能で、
京都~大阪間を約29分で走りぬき、そこで両駅発車時間を1分加算して
30分で運行することで、今の新快速のダイヤと同じ、
1時間4本ヘッドで、京都、大阪をそれぞれ、0分、15分、30分、45分と、
等間隔で発車する、ラウンドナンバーを実現。

解りやすい発車時刻で利用客に利便性を図ったといわれます。

また、この頃には、今の京阪神地区の通勤列車運行サイクル、
15分間隔の中に、新快速、、快速、普通という運行サイクルも完成したそうです。

しかも、元々優等生列車として製造された153系は、
113系と同じBOXクロスシートでしたが、急行用の為、足元が広くなり、
乗り心地も優等生列車らしく、空気ばね台車だったので、
乗り心地も格段に良くなりました。

極めつけは、153系新快速全車冷房化で、前回の113系の所でも触れましたが、
この頃冷房化が遅かった国鉄は、必死に優等生列車から冷房化改造を行っていたころですが、

国鉄全体でも、通勤車である新快速がいち早く冷房化に踏み切ったのも、
競合私鉄勢への対抗策で、結果阪急や京阪も急ピッチで冷房化に踏み切っています。

この様なわけで、153系の新快速は、かなり好評だったようで、
ライバルの阪急や、京阪なども、着座率を上げるために、特急の1編成の両数を増やすなど、
策をこうじていました。

この153系新快速は、1974年夏、東海道本線・山科から、北陸本線・近江塩津に直通する、
湖西線開業を迎えると同時に、湖西線にも乗り入れを開始、

当時は近江塩津以北が交流電化であったことから、手前の永原駅~近江塩津駅までが
デッドセクションとして設定されていたため、堅田駅までの運行になりました。

堅田までの定期運用も加わり、更に9往復の新快速が新設定されます。
多客時には、臨時で近江今津まで延長運転もしています。

隣接するライバル私鉄のない湖西線は、国鉄の独壇場のようなもので、
新快速の乗り入れは大当たりだったようです。

一方、朝のラッシュ時など、新快速の運用がない時間帯などは、
新快速編成2編成併結の、合計12両で快速運用に入ることもあったそうです。

速くて便利な新快速、153系は順調な運用をしていましたが、
昭和50年代、1976年に入ると、徐々に利用客離れを起こし、
競合私鉄に利用客を奪われてしまいます。

国鉄の黒歴史的な出来事が要因ですが、この事象はまた別の機会に書くとします。

1978年10月の、全国規模の国鉄ダイヤ改正では、
新快速が、これまで通過していた、神戸駅にも停車するようになりました。

兵庫県でも中心的な神戸市の中心的な神戸駅は、一部特急も停車するなど、
地元の要望も大きく、国鉄も、新たに需要層を見出すには好都合という事、
京都~大阪間を29分で結構速く結んでいたのに対し、
大阪~三ノ宮間を約24分と言う余裕のあったダイヤで
運行していたこともあって、神戸駅停車を実現。

この時に、大阪~神戸間を発着時刻も入れて30分で運行するよう調整することで、
神戸駅でも、ラウンドナンバーを実現します。

しかし、その一方で、1976年ころから、新快速で走り続けた153系に、
老朽化が目立ち始め、1978年のダイヤ改正の頃から、
153系に変わる、置き換え用の車両の話も出始めたそうです。

元々急行時代のお下がり列車だったこともあり、老朽化は避けられず、
遂に3代目新快速になる、117系が1979年に完成し、
1980年1月に新快速運用が開始されると、
153系からの置き換えが始まり、
わずか半年足らずの7月には153系は完全に運用離脱。

置き換え期間中は、153系と、117系は同時に運用されていています。

153系はその後半数近くが廃車、他地方への急行転用や、改造が行われ、
京阪神地区からは完全に姿を消しました。

次回は、番外編で、この記事でも書いた、国鉄の黒歴史的なお話を・・・(笑)
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Posted at 2012/01/18 16:27:11

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この記事へのコメント

2012年1月18日 21:16
117系は流電と同じクラシカルな塗装、これ大変オシャレですよね。関西は電車にあまり派手な塗装を好まないところがいいです。
コメントへの返答
2012年1月19日 5:27
関西急電のイメージカラーで、
新快速は関西を代表する急電の血をひく、
速達列車と言う誇りを当時の大鉄局は
アピールしたかったんでしょうね。

確かに関西の塗色は、シンプルですね。

ただ、単色塗りはやっつけ感が大きいですが(汗)
2012年1月18日 21:43
165系は先頭車クハだけだそうだけど、これは153系のクハが不足しての補いで入れたそうです。

165系は115系と同じCS15型で抑速発電制動付きなのに対し、153系は113系と同じCS12型で抑速発電制動なんて付いてません。
双方システムの違う2車種が混結して走る例は当時としては珍しいんですどね。

同じ例として東海道線の快速運用に115系と113系が混結して走るのもありましたよ。

153系が117系に置き換えられた理由の一つに競合する私鉄路線との関係が大いにあり、インテリアの面で153系は私鉄と比べて見劣りが酷いのもありますね。
これが今になっても続いているようですよ。
コメントへの返答
2012年1月19日 5:34
こんにちは!
流石師匠、解説ありがとうございます。

東海地区で113系、115系の混走があったのは、知りませんでした。

外観だけ見れば、デザインは同じなので、
素人目には気が付かないでしょう。

私鉄は国鉄とは違って、自由がきくのが
利点で、サービス提供でも結構
いい意味でお金をかけていたのに対し、
全国統一組織の国鉄では、インテリアとか、
あまり重視していなかったんでしょうね。

117系はある意味国鉄末期に起死回生をかけた車両みたいですね。

今のJR西日本の体質の、悪い部分が
車内にも出ているんでしょうね。

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