ＪＲ西日本「新快速」の足跡その６・次の時代へ～６代目・２２５系０番台～

今日は、長く放置気味だった、
ＪＲ西日本の新快速ネタで、
一応今回が最終回です。







ＪＲ西日本の、すぺしゃるな、らぴっど・さーびす事、「新快速」は、
兵庫・播州赤穂～福井・敦賀間直通運転、米原～姫路間時速１３０キロ運転、
車内設備の充実など、２２３系で、その完成を見ていますが、

それ以降の細かな点では、大阪発の最終便の新快速を、０時２５分に、
上り京都行き、下り西明石行きで設定されるなどの改正がありましたが、

２２３系の増備車的な扱いで、２０１０年に次世代近郊型車両、
２２５系０番台がデビューします。



車両についてはまた別の機会にするとして、簡単な特徴として、
車内設備や、車体設備は２２３系のコンセプトを継承しています。

運転士の方の安全確保に重点を置いた、運転台付車両の前面は、
運転台が高運転台化され、衝突時の衝撃吸収をするために、
クラッシャブル・ゾーンが設定され、衝撃力を上方向に逃がす工夫がされています。

また、先頭車の前面が２２３系と違って、平面になり、
先頭車同士の連結時、両車の連結空間幅が、中間車の空間幅と同じになっています。

ヘッドライトは、ＨＩＤを装着、尾灯はレッドのＬＥＤになっています。

車内は２２３系同様、ブラウンのモケット仕様の２：２の転換クロスシートが装着され、
３２１系同様、車内案内ディスプレイが設置されました。

また、つり革や、手すり等が目立つように黄色く塗装され、
急停車時などにつかみやすいように工夫されています。

時速は１３０キロ対応で、パンタグラフはシングルアーム化されています。

この２２５系は、京阪神用の０番台と、
関空紀州路快速用の、５０００番台が同時に製造され、
５０００番台は、２２３系の０番台、２５００番台同様、
２：１の座席配列で、ブルーのモケット仕様の転換クロスシートを装着、
時速１２０キロ対応な部分以外はほぼ、０番台と同じです。

この２２５系は、０番台、５０００番台とも２０１０年１２月１日より
営業運転を開始したものの、０番台よりは５０００番台の方が車両数が多く
２２５系に乗りたければ阪和線の方が遭遇率は高かったようです。

新快速はこの２２５系の登場により、さらに次のステップに進みます。

２０１１年、大阪駅の新ビル開業に合わせ、買い物客やレジャー客の
輸送を重視するため、２０１１年３月のダイヤ改正で、
土曜、日曜、祝日の新快速は、終日全列車、
１２両編成と言う破格のサービスを開始しました。

これまで、新快速の足取りを見てきましたが、
私自身子供の頃は、単に「快速」の１種程度の感覚だった「新快速」でしたが、
こうやって歴史を見ると、「新快速」は、
戦前から続く、国鉄と、関西の競合私鉄とのバトルの中で生まれた
「関西急電」時代にさかのぼり、

お客様に対する速達輸送、車内設備の快適さを追求した究極の通勤車であることに
興味を覚えました。

よく鉄道のネタを書いた本では、東京首都圏の近郊通勤車と、
大阪の京阪神・近郊通勤車の比較で、

関東は、より多くのお客様輸送に重点を置いた結果、
ロングシート車に詰め込み状態なのに対し、

関西は、並行する阪急、京阪、阪神などのバトルで
より快適なサービスに重点を置いた結果、

私鉄、ＪＲとも、通勤車なのに、転換クロスシートと言うゆったり座席で豪華なサービスが、
しかも特別料金なしで受けられるのが特徴と書かれています。

これも、関西の私鉄軍団という強力なライバルがあって、
国鉄も、いい意味でサービス競争に入り、その結果、
豪華な通勤車が私鉄、国鉄～ＪＲで誕生したわけで、
もしも、このバトルが無ければ、関西でも、
普通に通勤車は関東と同じパターンになっていたと思います。

ＪＲ西日本は、さらに、ＪＲでの在来線での最高速度規制ギリギリの時速１３０キロという、
特急並みのスピードを出す、通勤車「新快速」を登場させ、
特急料金なしで、特急並みのサービスを提供しています。

これは、全国のＪＲはもとよりも、鉄道でもまれに見る事だと思います。

この「新快速」は、今後どのような発展を見せるのかは楽しみな部分もありますが、
個人的には、安全性の確保ありきで、安心して乗れる、
「新快速」であって欲しいと思っています。