ミニのオートマの深層部にメスを入れる! 『KTATFH』 の製作記 ①
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これは昨年かなりの超時間を要して行っていた作業だ。
オートマミニの非効率的な箇所に徹底的にメスを入れ、より効果的・効率的にオイルの流れを改良することにより、パワー&トルクを高めてやろうという試みだった。
少々大げさなだが、自分ではこの新たに生まれ変わったATフィルターヘッドを 『KTATFH 高効率・低抵抗・オートマフィルタヘッド』 と名付けることにした。
今更こんな事を言うのも何なのだが・・
それまで自分は、それほど格別にATが好きという訳ではありませんでした ^^;
正直言って、マニュアル車の方が走りを楽しむという意味では優っていると思いますし、故障も少ないマニュアル車はメンテナンス性においても優れています。
以前乗っていた車もマニュアル車でした。
しかし2年前に偶然この車と出会ってからというもの、少し考えが変わりましたね。
『ATって結構楽しいじゃん♪』
『弄ればいじるほど、それに答えてチャント変わってくれるし ^^』
そして何といってもイジリ甲斐のある車なんです。
今ではこの車に出会えて本当に良かった、と思ってます ◎
前置きな長くなりましたが・・
昨年 『KTATFH 1号機』 にて一定期間走行後、更なる改良を加えて完成させた 『KTATFH 2号機』 を搭載し、現在に至るまでより快適に走り続けております =3 =3
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ATFH内部はかなり複雑な構造になっています。
エンジンのミッションケース内からオイルポンプによって汲み上げられてきたエンジンオイルは、まずこのATFHへと通されてゆきます。
そしてこのATFHに装着されているフィルターにより濾過され、ある程度綺麗な状態になって、再びこのATFHを通して再びエンジンへと送り出されてゆきます。
その際にフィルターの目詰まりや何らかの影響により、必要とされる一定のオイル量が供給されなくなると、ATFHに内蔵されているリリーフバルが解放され、必要量のオイルを追加供給できるように設計されています。
そしてATFHの頂上部にあるボルトですが、これは油圧を測定する際にこのボルトを外し、ここに油圧測定用のセンサーを接続します。
その為この箇所はピッチが異なります。ここは管用テーパーねじの規格となっています。
この小さななパーツの中に、これだけの機能が凝縮されているのです。
小さなミニにおいては当時、よりコンパクトに、よりスリムにが求められていた筈です。
このATFHの設計者に敬意を払います。
またこのATFHの金型を起こした当時の技術者にも。。
一応敬意を払った上で、今度はじっくり内部を観察させていただくことにします。
① 金型から抜く際に生じたと思えるバリが内部の各所で見て取れました。
② オイルの通路の隔壁の厚みにはかなりバラつきが有り、必要以上に肉盛りされている箇所もあるようです。
③ オイルの流速をより早く、より効率的に流すために手を加えるべきポイントをいくつか見つけました。
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昨年何度かミニイベントに参加した際に、何人かのミニ専門店の方とお話させていただく機会がありました。
その際に、ATFH内部の隔壁によって仕切られた4本の通路の内の2本が元々塞がれていることを話しました。
しかし皆さんご存知無かったようで、エッ?という顔をされていました。
そりゃそうでしょう。
だって元々4本の通路があるんだから、当然4本の通路をそのまま流れていくと普通は考えますよね。
フィルターで濾過されたオイルが再びエンジンへと送り出されてゆく経路だが、何故かその内の半分は元々塞がれているのです XXX
この元々空いている4本の通路の全てをオイルが通過できるようにしてあげれば、よりオイルの流速も上がりよりスムーズに流れていくはずです。
それは更に言えば、より多くのオイルを潤滑に供給出来るようにしてやれば、しっかりた安定した油圧が出せるはずです。
オートマミニの命は、『油圧』 です。
1に油圧、2に油圧、3がオイルで、4がOリングの品質、で最後にやっぱり油圧に尽きると思います。
(これはあくまでも持論ですが・・)
オートマミニに限らずAT車は油圧がシッカリかからなければ走れないのです。
マニュアル車の変速はクラッチを切ってシフトチェンジします。
オートマ車はこの一連の動作を全て油圧によって行っているんです。
今回の作業に合わせて、油圧計と油温計も設置する事にしました ◎
これで今後ATの油圧と油温もしっかりチェックできるようにしたいと思います。
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ATFHを切断してみて解ったことなのだが・・
4本の通路の内の2本をなぜあえて塞いだのかという事だが・・
塞いだのではなく、この2本は通せなかった、という事だったのだ。
これだけコンパクトに設計されたATFHには、もはや構造上の限界で、2本の通路を開通させるだけの余裕(スペース)が確保出来なかったのである。
しかしじっくり内部を精査させてもらったところ、実は開通させる事が可能な箇所がいくつかあることを発見したのだ。
可能な穴径・角度等を割り出し実際に施工し、これら4本の通路にちゃんとしっかりとオイルが流れて行く事が出来るように加工していった。
この作業には超時間と試行錯誤を要した。
ATFHが構造崩壊してしまわぬよう、必要最低限の施工で最大公約数の成果を期待しながら。。
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更に細かい箇所にも手を入れていった。
必要以上に肉盛りされている、センターシャフトの取り付け部分や、通路外壁。
実は以前オートマケース内に取り付けたことがあるネオジムだが、その装着によって著しいパワーダウンを引き起こしてしまった XXX
(過去の記事です)
良かれと思って装着したのだが・・・思わぬパワーダウンを引き起こし・・・結局取り外す事に
http://minkara.carview.co.jp/userid/2161128/car/1663133/3324989/note.aspx
通過抵抗を無くし、オイルの流速を高め潤沢な流量を確保することにより、結果パワー&トルクを増大させる事が可能だという事は既に身を持って経験していた。
ミニ専門店でも様々なAT用の製品が開発されてはいるが、ATフィルターケースをあれやこれやする前に、まずこのATFHをより効率的に改善してやる事が先決ではないかと感じている。
それにより、より安定した油圧が確保出来る筈です。
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自分的にXの箇所は徹底的にメスを入れてゆきます。
オートマフィルターを受け止めているATFH側のこのプレート
スチール製で薄く、剛性が全然ありません。
手で簡単にくにゃくにゃと曲がってしまいます。
初期の頃は良いとしても、経年劣化で多少なりとも撓んでくると考えられます。
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そこでより剛性の高いステンレス板を使用し、300°の高温にも耐えるオートウェルドで接着します。
更に通路内の無駄なバリを落とし、オイルが通路内を滑らかにスムーズに流れていくよう施工してゆきました。
オイルの入口出口は口径が大きくなってしまわぬよう配慮した。
ここは数ミリサイズが変わっただけでも、大量のオイルが流出してしまいます XXX
その②に続きますが・・
もしご興味がある方は是非!
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