
朝はiPhoneのアラーム音で起きました。
平日に鳴るように設定してるんですが、アメリカ生まれのiPhoneは日本の祝日など御構い無しに、いつもの平日の調子で朝を知らせます。
目を覚ますと波の轟音は相変わらず聞こえました。
そして雪で視界が遮られて、対岸が見えません。
でも荒れてはいますが、気温は思ってたより高く(摂氏2度くらい)、宿の周囲は雪も積もっていません。
とりあえず朝食前にまたしても露天風呂へ向かいましたが、露天風呂は訳わからんほど寒かったです。
湯から腕も出せないレベル。
それでも湯船に浸かってる間はあったかくて最高でした。

部屋の窓から。前日より荒れている気がする。
朝食もなかなか豪華で充実しておりお腹いっぱいになりましたが、寝起きの露天風呂で抜け殻になったので夕食に引き続きノーフォト。
とりあえず、朝飯にイカ刺しを食べたのは生まれて初めてでした。
朝食を終えてから高速道路情報を確認するも、やはり九州道は全線、雪で通行止め。
中国道はスノータイヤ規制です。
全行程下道で帰ることを覚悟し、チェックアウト後はどこにも寄らずに佐世保へ向けて出発することに。
萩城下町や反射炉はまたの機会に。
チェックアウト時に旅館のスタッフに長門方面は雪は大丈夫か尋ねたところ、長門より通勤しているスタッフが朝7時の時点では大丈夫だったと教えてくれました。
じゃ、昨日来た道で帰るか、と針路をとって進んでいると、ロードスターのノーズを内陸方面に向けた途端に路面は真っ白に。幹線なのですが、2〜3cmほどの積雪が見られました。
これは前日に通った自動車専用道、萩・三隅道路は通れまい、とルート変更。
雪の影響が少ないと思われる海沿いの一般道を通ることに。
しかしこの海沿いの一般道、国道191号は行く手に鎖峠といういかにも不吉な名前の峠があります。
この箇所だけ海沿いから離れて少し内陸に入るので、峠の手前でおっかなびっくりで少しでもやばそうなら引き返そうという決意で進みました。
目の前に聳える山の地形は急峻でやばそうな雰囲気なのですが、それとは裏腹に、ナビの地図を確認すると表示される道沿いの川の感じなどから「あれ、、、これはこっちに逃げるとそう標高を上げずにすぐに下りに入れるパターンだな」というのが伺えて、そのつもりで行ったら案の定すぐに下りに入りました。
というわけで鎖峠までは登らずに脇道に逸れて標高を下げる作戦。
しかしここで油断して曲がるべき交差点をスルーして進んでしまったところ、みるみるうちに路面に雪が積もって来てヤバ目雰囲気が急上昇。

周囲は真っ白になり、1分前まで乾いていたロードスターのボンネットにはみるみるうちに雪が積もって行きました。
雪怖い。
上の写真では路面に黒い部分が見えるのですが、これが撮影を終えて再発進する頃には白くなってるぐらいの勢いで降り始めてガチでビビりました。
数cmはゆうにある新雪の路面の上をおっかなびっくり進んで、正規ルートで進んだ場合のルートに無事、合流。
そこから先は県道64号に入りますが、これがまた
険道で、路面に雪こそなかったものの、狭くて曲がりくねっており、長門市と萩市って隣同士の自治体なのにこんなに交通が不便なのねなどとブツブツと呟きながら、ようやく萩・三隅道路の入り口、三隅ICまで辿り着き、一安心。
そこから先は路面もドライ。
予想通り、海沿いは雪がチラつきはしても積もるほどではないみたいで、時折日が差して暖かいほどの陽気の中、ロードスターを快調に飛ばして前日来た道を逆に辿って下関まで。
下関で休憩がてらコンビニに寄って高速道路の情報を確認すると、下関IC〜門司IC間のわずか一区間だけが開通していました。
折しも時刻は昼時。昼飯は門司港レトロで焼きカレーにするかと思って(帰るのが優先ではないらしい)門司港レトロを目指しました。
Google Map様の交通情報によると、関門トンネルはどちゃ渋滞の様子だったので迷うことなく下関ICへ。
ゲート手前で係りのおじさんが立っていてスノータイヤチェックをしてて「ゲッ」と思いましたが、「門司まで」って言ったらすんなり通してくれました。
思えばその時点で広島方面はスノータイヤ規制中だったのでそっち方面だったら止められていたのでしょう。
現に何台か弾かれていくクルマがいました。
関門橋の上をスイスイと走り、入口のおじさんとの約束通り、門司ICに降り立ちます。
何気に門司への訪問は初めてでした。
門司港付近の適当な駐車場にロードスターを止めたのですが、ドアを開けて降りてみると、極冷の強風が吹き荒れて激寒の極み。
駐車場から目的の店までは徒歩で10分ほど。ぐぬぬ。
こんな日に焼きカレーなんぞ食おうと考えた自分の不明を呪っていると、駐車場の入り口のすぐ横に、何やらファミリーレストラン然とした焼きカレー屋が。
極寒の中を10分歩くのか、あるいは手近な焼きカレーファミレスで済ますのか、ロードスターの車内でしばらく逡巡しましたが、せっかく来たんだから!と10分間寒風に吹き曝されることを決意。
意を決して門司港レトロへ向けて歩き出しました。

意味が分からないほど冷たくて強い風に吹かれ、なんなんだこれは一体と思いながら歩いていると、友人・知人のFacebookで見たことのある奇妙なあれが目に付いて、ああこれかと思って適当に写真を撮りましたが寒すぎて正直それどころじゃない。
バナナマンとか書いてあったのですが、大方の想像するバナナマンは日村と設楽のコンビだと思います。

クッソ寒すぎて凍死しかけているのに、なんか可愛らしい船が目に飛び込んで来たので思わず足を止めてしまいました。
遊覧船らしいです。ちっこい。ちっこすぎる。そしてレトロ。
流石にこの天候で遊覧するような人はいないらしく、客は見えません。
普段はこんな船でも平気なぐらいに穏やかなのでしょうか。信じられない。
ちなみにいたるところにある"MOJIKO"の文字。
上の船のペイントもそうですし、看板や道路標識のローマ字表記もそうです。
これが僕には"MOJITO"つまりモヒートに見えて仕方なく、アル中を拗らせ過ぎているなと反省するなどしました。
ちなみに舌の根も乾かぬうちに飲み干す帰宅後のビールは美味かったです。

人力車があったので写真を撮っていたらお兄さんが「乗らないか」と話しかけてきました。
「目的の店がすぐそこなんで」とお断り。
なんか男前が多い気がするので女子は積極的に利用したら良いと思います。
極寒の中を歩いてようやく辿り着いたお店が、伽哩本舗門司港レトロ店。
選定基準は食べログで上位に表示されていたというだけの安直さなんですが、そういう即断と人に流される生き方も人生のある場面では大事なことも稀にありますです。
人気店のようですがお昼時にもかかわらず運良く順番待ちすることなくカウンターに着席できました。
しかしその直後から混み出してあっという間に順番待ちに。タイミングが良かったみたい。

それで、オーダーしたのがビーフ焼きカレー、950円。
カレーソース(ブイヨン?)がグツグツして熱々のカレーを食べていたら、凍死寸前だった体も温まり、じんわりと汗が滲むほど。
まずはブイヨンだけ食べて、次にブイヨンとライスを食べて、それから溶けたチーズを混ぜたり、卵を崩したり、で最後に全体を混ぜたり。
1食でバリエーションに富む味が楽しめます。
テーブルの福神漬けや香味油を入れてもいい感じらしい。今回は試さなかったけど。
門司港レトロの焼きカレー、美味しかったです。
さっと食べて店を後にしました。
時刻は14時過ぎごろ。
駐車場で高速道路情報を仕入れましたが、まだまだ高速道路は開通の兆し無し。
北九州から飯塚を抜けて帰るという選択肢もあるので一応、県内の交通規制情報を確認すると、飯塚市内を通る国道はチェーン規制中。
そういや先週も降った雪の時にSNSで見た飯塚市内の写真も雪がやばかったなと思い出しました。
多少遠回りとはなりますが国道3号をトレースして帰るしかなさそうってことで走り出しましたが、これがまあ混雑で全然進まないのなんの。
帰宅は何時になるかな〜と案じながら、渋滞の国道をノロノロ進んでました。
しかし15時半ごろ、小倉の中心部を通り過ぎた辺りの信号待ちで高速道路情報を仕入れたところ、なんと全通!やった!!(ていうか門司から小倉まで1時間半もかかったんか・・・)
そこから混雑する国道3号を離れ、小倉南ICへ。
一応、通行止め解除とはいえ50km/hの速度規制ですし路肩にも除けられた雪が残っている状態だったので慎重に走りましたが、路面状態は極めて良好で、なんの問題もなくロードスターでスイスイと駆け抜けることができました。
前日の出発から無給油でしたが、武雄の辺りで600kmちょっと。エンプティが点灯しました。
残量的に佐世保まで帰れないことは無いとは思いましたが、ちょうど高速も終わるところだし、一区間手前で降りて給油。
その後、西九州道を走って無事に佐世保へ帰り着くことができました。