2010年11月25日
草生栽培研究その2
・今日はリンゴ園で作業していたら、園主さんに親から電話が入って「イノシシが登ってくるらしいから待ち構えろ」との事。えー、こっちは丸腰なんですけどー、と思ったが、そう大きいイノシシではないだろうと迎撃。あちこち探すが、イノシシが穴掘った跡は見えるがイノシシは見つからない。と、遠くでイノシシが飛び出して山に登っていくのが見えた。
・リンゴも発送してもらった。値段はそれなりにかかるが、とりあえず自分が収穫に関わっているし、いいかなと。あと農家でもきっちり売買しておくのが良いと思う。サービスで色々もらうし。農家やってると、横のつながりで台所の野菜はいつも必要十分に供給されるんだよなぁ。とくにもらう機会が多いのはジャガイモ。逆にありそうで少ないのはサツマイモ。今年もサツマイモの栽培ははっきり言うと失敗して、たいして取れなかった。サツマイモが救貧作物だったのは品種改良前でかつ干ばつ時だけだが、かなり特殊な時だけだと思われる。夏野菜一般も余剰生産が多い。トマトとキュウリ、なすだが、保存が利かないキュウリをもらう事が多い。
秋の畑の作付けもはっきり失敗。ろくに成長しやがらねぇ。この畑は腐ってるが、農機具置き場として便利なので使っている。時間をかけて改良していくしかないだろう。ともかく初期成長がとってもとっても悪い。水田転作なので水はけが悪いのがなかなか直らなず、粘土が重く、成長初期に乾燥しやすい。それだったら平畝にすれば良いのだが、そうすると成長後に水位が高くて生育が鈍る。ほんと百姓泣かせだ。かなり有機物を入れたはずなのに、全然水はけが良くならないけれど、分解して欲しい長い茎の残渣だけはいつまでも残るし・・・
今年最後の作付けはタマネギの予定だが、これとてどうなることやら。
・草生栽培は調べると分かるが、実は省力ではない。除草剤と藁を使った方が省力であるが、コストはかかるし効果も違う。で、雪印などでは第三世代としてナギナタガヤの草生を推奨というか売り込んでいる。ブドウでの採用例もあるようなので、調べてみた。理想的なのは確かなのだし。
ナギナタガヤの草生は基本的に草生のメリットがそのまま当てはまるが、さらに自然倒伏によるセルフマルチ化が6月ちょっとに起こるのと、自己増殖で播種が必須でない事がある。年内発芽で越冬するので、次年度は雑草抑制が出来るそうな。それに近い品種が植わっている園も見かけるが放置園なので確証はない。これが導入出来れば、種代、播種、覆土、刈り込みなどから解放される。とくに刈り込みは草生のコア技術なのだが、大変なのは間違いない。
ただ、コア技術である部分がどうなるのかは疑問。それは刈り込みにより草の勢いを調整する事でブドウとの水分競合や逆に過剰水分の処理が出来ているし、刈り取り再生は有機物の供給量をどんどん増やせるからだ。はやしっぱなしだと、そういう事は出来ない。
また踏圧への影響も心配だ。株回りでの作業が多いブドウ園はほっとくと人が踏む場所は雑草もそれほど生えないのが普通だ。ナギナタガヤとて同じ事が心配される(ま、何も生えてこないなら、それでいいとも言えるが)。またうちは傾斜地なので、ナギナタガヤは滑るという問題はちょっとある。人間ならスパイクで対応出来るが、作業機械が滑るとちょっと怖い。そうは言っても雑草草生でも初期の刈り取りの時期に何か生えている事はないので、そう心配はいらないか。
ナギナタガヤは値段も相当高いので、実験的にどこかの園で栽培してみて、その結果を踏まえ種を取って広げるのがコスト的にも良いかなぁと思っている。そうそう、ナギナタガヤの腐植生産量は案外高く、900kgぐらいみたいだ。これは堆肥ソルゴーの期待下限に匹敵する。もっとも、ライ麦も同じぐらいあり、あっちは刈り取るたびに増えるから、年間生産量は数倍になるだろう。
・あと、いろんな農家さんと話をしても、水関係がかなり重要なのを感じる。悪い事に、水利施設がないというケースが結構あるのも困る。水田だと水利権は必ずあるので、果樹園にしてもそれは困らないのだが、最初から果樹でやってる傾斜地は、条件は良いのだけれど、水にだけ関して言うと厳しい。
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農業 | 日記
Posted at
2010/11/25 00:51:25
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