2013年02月27日
VTキャブの変遷
・先日解体屋でMC08(2代目VT)のキャブが転がっていたので、MC15に流用できないかもらってきた。うちのはスロースクリューが固着してなめちゃったのね。MC08から内径30ミリのキャブになっているのは知っていたし、出力的にも似たような物(MC15に一部43馬力があるが、後に40馬力で一緒になっている)だから、てっきり同じVD10がついていると思っていたのだが、結構違った。MC08のは刻印がVD6で、外から見て分かる一番大きな違いは、エアカットバルブの有無。MC15以降はキャブレターボディーのサイドにエアカットバルブがある。これはスロットルオフのときにスローのエア通路を塞いで混合気を濃くするというギミックだ。
・もう少し詳しく書くと、エアカットバルブはスプリングとダイヤフラムで出来たバルブで、エンジン側の負圧が吸気の負圧に比べて一定以上高くなるとスロー系のエア通路を塞ぐことでチョークのようにガソリンの供給量を増やす装置だそうで、その目的はアフターバーンの防止だとある。これがないと失火限界まで空燃比が下がってしまい、未燃焼ガスがマフラーに流れて再燃焼してパンパン言うのだそうだ。しかし、これが無いキャブレター・バイクももちろん沢山あるそうで、必須なのかは分からない。また一部の仕様ではエアカットバルブがあるキャブとそうでないのの比較で、エアカットバルブ付きの方がフィールが悪かったという話もある。実際問題アフターマーケットの高性能キャブ(FCRとかPJとか)にエアカットバルブはついてない。というのはSUキャブと4スト独特の装備だからなんだが、じゃあFCRでアフターバーンが多かったら?そりゃ普通スローが薄すぎると判断するだろう。逆に言うならスローをそれだけ絞ってあるのがノーマルキャブではないか?とも思える。ま、これは比較してみれば簡単だな。
・キャブの違いの話に戻ると、中のジェット番数が当然違う。MC15はF2Hは110、FGは120だかそこらへんなんだが、MC08のは90というのが入っていた。検索してもよく分からなかったが、FC(MC08初期)が110、FE(2型)が100という情報もあったが、FCは125番、FEは90と92って情報もあった。この二つの番手が書いてあるほうが多分正解だろう。列記すると
FC 125
FE 90/92、
FG 120
F2H 110
ってな感じになる。とりあえずFEでよかったかな。FCはキャブの口径がそもそも違うし、エンジンも同じMC08のFCとFEよりFEとFGの方が近そうなのでとりあえず忘れる。FEで番手が違う理由だが、私がキャブチェックしても感じたが、後ろバンクは若干濃くなるので後ろが90で前が92なんだろうと思う。エアクリボックスなどもMC15では違う形状なので、MC15になって番手が統一されているのは改善の結果かも知れない。本来的にシリンダーで空燃比が違うのは良くないしね。でFEとFGで大きく違うのはエアカットバルブなので、「エアカットバルブの有無でセッティングが違ってこういう番手になっている」可能性をまっさきに疑うわけだ。とは言え、このキャブは状態がかなり悪くて、フロート室のネジがタッピングビスに変えられたりしているので、このままポン付けしていいものやら悪いものやら。FGとF2Hは吸気制限が違う。この事が書いてあるところを私以外ではじめて発見したが、あくまで情報として知っているようで、比較試乗はしてないみたい。あ、あと、ニードルジェットの番手も違うし、ぶっちゃけFGのキャブとエアクリボックスをつけるのが一番確実だと思います。F2Hもスローが外れればなんとかなるんだけど・・・これはボルトエキストラクターに挑戦すべきかな?
・乗った感じやプラグの焼けから見ると、現状VTはやや濃い状態で、特にスローが重い。8の字なんかやってみると、最初の頃より格段にレスポンスは上がっているが、やっぱりシャープな吹け上がりというより、多少もっさりした感じはある。でも250ccが元気に加速するなんてツインでも7000回転より先の話だろうし、それ以下でツキがどうこう言ってもセッティングよりダイヤフラムスプリングとかとの絡みじゃないか?とも思う。その先でも実際にフルスロットルに出来ているかと言うと、直線で2,3速なら出来るけど・・・ってレベル。
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Posted at
2013/02/27 22:37:17
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