2012年09月01日
・湾岸MNで車を建物に喩えて補強のやりすぎをいさめる話しがある。まあ湾岸MNでちょくちょく同じテーマは出てくるのでお馴染みなのだが、筋交いの話しは確か荻島FDの補強をゆるめる話しだったか。本体より補強がまさって突っ張っているという主張だったと思う。さて、アキオの主張は正しかったのか?偶然それをテストしてしまう事になったので答えるが、事実だった。先日軽トラの荷台のコンパネあおり板の固定を強固にすべくネジを付け直して筋交いも入れて補強しなおした。その時はガッチリしてきしみ音もしなくなったのだが、すぐにネジ部分が外れて倒れてしまったのだ。いや、ほんとアキオの言う通り、建物なら筋交いを入れると強度が桁違いに上がるのだが、車のように常に動いている奴だと逆効果かも知れない。
・筋交いは強度が上がるのは間違いない。建物の壁倍率で見ると筋交いがない壁が1だとすると、1.5cm×3cmのほそい筋交いを入れただけで2倍、4.5cm×9cmの筋交いで4培、9cm角で6倍、さらにたすきで入れるとさらに倍(9cm角の場合だけはなぜか10倍)に計算される。ところが、モノコックに相当する耐力壁という合板を壁に全部打ち付けた構造の壁倍率は意外に低くて2.5でしかない。まあ、壁組工法だと3倍とかなので、そっちの方が近いかも知れない。筋交いの表記は壁倍率という基準だと2倍になっているので、モノコックの強度は6倍だと考えていいのだが、4.5cm×9cmのたすき掛けの筋交いの方が剛性(8倍)は高い訳だ。これが何を意味するのか?たすき掛け筋交いを入れるとモノコックボディーそのものより補強の方が剛性が高くなってしまう可能性がある、という事である。いや、もちろん補強の太さや元のモノコックの強度はまちまちなので、補強の方が突っ張るかも知れないという点が重要なのね。
・軽トラの荷台でだと補強が弱い時点ではきしみ音が出ていたという事は変形していたはずだが、それで振動が逃げてネジが抜けたりはしなかった。ところが、補強して変形を抑えたら、その分の力がネジ部分に集中して折れたり外れてしまった訳だ。対策としては「さらに補強を加えて応力分散を図る」「取り付け部の強度を上げて絶対折れないようにする」「補強を抜いて変形する事で力を分散させる」という事になる。1番は建物だと重量は問題になりづらいので、筋交いと耐力壁を同時に使ったりして可能だが、車のシャーシだと重量を無闇に増やせないので限度がある。もし徹底的にやりたければアルミ合金使って素材を軽くしつつやるような工夫が必要だろう。取り付け部の補強というのは、言ってみればアーム基部のあて板補強のような物で、まあ有効なんだろうね。でも今度はアームが折れたりする危険性はある。3番目は要はノーマルの車の考え方で、ふにゃふにゃするけど逆に壊れないという感じだと思う。
・軽トラの荷台は今はそれほど強度が必要ないので、もう少し補強の入れ方を工夫して2番と3番の間を狙って改善したい。
Posted at 2012/09/01 00:21:29 | |
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