2012年09月05日
・車のキーホルダーに付けていたLEDライトが壊れた。これは5つのLEDを束ねた安物だが、畑などでは夜中にちょっとした明かりが欲しい時に重宝していた。そういえば災害時にビルの中は真っ暗になるので助かったという声も。この手のLEDライトのおきまりでスイッチ部分が駄目になった。これはかなり高いライトでも発生するトラブルなので、プッシュ式スイッチ自体が駄目なんだろうね。
・で同じ物を探しにダイソーに行ったら、あれだけあったのが無くなっていて、1LEDのプラボディーで、さなぎみたいなデザインの、いかにも安そうなのしか無かった(あとは、ボタン電池1個の本当に小さい奴)。どうも、そのボディーは卓上LEDやクリップLEDでも共通の模様。なぜかレンズ側から見ると内鏡がピンクに見えるので、「まさか赤色LEDとかいう冗談じゃないよな・・・」と警戒。一応12時間使えるとあるが、実際電池寿命まで使った事はない。スイッチは無くネジスイッチという、むしろシンプルで壊れづらいスタイルに戻っている。
・「どうせ明るさは大した事ないだろう」と思って絶縁取って照らしてみたのだが、衝撃的な明るさだった。完全にホルダーライトじゃなくてフルサイズLEDの明るさ。レンズなので照射範囲が狭くて明るさにムラがない。これが5年前ならネットで爆発的にヒットして○○いらねー、ダイソーのLEDに詰め替えとか話題になったんでしょうが、技術進歩とは恐ろしい物です。もう、ほとんどLED素子だけの進歩でしょうけど、コアが変わる事で周辺がどうでもよくなる。
・同じようにすごい進歩したと言われる物にタイヤがあります。昔のレーシングカーのタイヤって溝無しスリックでいかにもグリップしそうなバサバサに溶けるコンパウンドでしたが、今のは溝あり(速度を落とす為のレギュレーション)でシリカ入りでサラサラなコンパウンドで昔よりグリップしてます。乗用タイヤもすごい性能が上がったと効きますが、残念ながらそういう走り方をしてないので、あんまり変化を感じないのが正直な所です。性能を上げられるマージンをコストダウンに使っているような。
・もう一つ、もの凄い性能がアップした物にブレーキパッドがあって、レジンからメタルになって性能が上がり、セラミックやカーボンが登場して耐久性ももの凄いあがったそうです。N1レースなどでGTRが最初ブレーキが全然持たなかったのが勝てるようになったのはパッドの寿命が3倍とか5倍とかに増えたのがあるのでしょうね。昨今はパッド素材も複合材になっているので、一言でメタルだのなんだの言えなくなってきている気がしますが。
・バイクはずっと250ccが欲しいとほざいていたら、誰かがVT250F2Hをくれる事になりました。まあ、バイク屋敷のうちに置くには、誰かを犠牲にしなければならないでしょうが・・・250ccと言ってもVT250F後期はVTエンジン史上最高の43馬力、2.5kgを絞り出していました。その後の40馬力規制や現行CBR250Rとか30馬力以下ですから、いかに馬力が出ているか分かります。トルクは逆にほとんど変化ないですね、当たり前ですが。V型エンジンってのは一見すると爆発間隔がシリンダー挟み角度分遅れるから0度と90度で爆発がありそうですが、V4系VFRシリーズでは当初そうやって360度クランクでバンク毎に同時爆発やったらパワーが出過ぎて扱えなくなったので、270度クランクにしたとかなんとか。並列二気筒でも一般に交互に動く180度クランクは点火間隔が広くてフラットだが、360度クランクにして単気筒と同じ形で動かしている事もあるそうな。2ストだと点火タイミングが2倍になるので、バランスははるかに取りやすくなる。でVTのクランクだが、どこにも書いてないので想像だが、まあスリムにするためにコンロッドは同じクランクピンを共用してついているんだろうと思う(世の中には位相クランクを使っているVツインもある)。
・Vツインの出力上の理論的なメリットは偶数振動が打ち消し合うので少ない、点火タイミングでトルク発生にムラがあるのでトラクション性能が得やすいという所らしいが、私が乗った限りだとVTはその両方に大きなメリットは見つけづらいというのが本当の所だ。まずトラクションに関しては250のオンロードのトルクでそれほど気にしなくてもいいと思う。タイヤのグリップは十二分に得られる。また振動に関してもV型ってすごい少ないという事もないように感じるんだよな。音聞いていても結構振動が多そうな音をしているが、VTは音の割に震えないという評判ではある。でもマルチの方が圧倒的に震えないのも事実だ。大体バイクで鼓動がない事が最優先という事もないだろう。
・VT250F2Hで感じるのは、87年製と非常に古い事だ。私の中だと1型2型のVTは旧車だが3型はそこまで古い印象がない。ホンダはそこらへんで急激に設計やデザインを進歩させていて、短期間で高みに達してしまったかのようだ。この高みがいかに高かったかは、警察の白バイで有名なVFR750P(RC35、89)がそれからどれだけ長く現役かと考えれば分かる。RC46が出てもまだ使ってんだぜ!いイルカと表されるこのデザインはRC35に関してはポルシェにデザインを委託したという話しがあるので、それをいじってVT250FHにした可能性は充分にあると私は思う。多分真っ白なVT250F2Hを作ると、白バイと見間違える人が増えるはずだ。フレームに関しても1型が丸パイプのダブルクレードル、2型が角パイプ、3型はツインチューブと、もうモデルチェンジごとに理論上到達しうる限度まで上げてきている。ついでに言うとスパーダではアルミツインチューブ、キャステックにまで引っ張り上げている。この中でVT250F2Hはカウルがある事でフレームの進化が目で見て分からない残念さがある。実際の所、VT系はその後パイプのダブルクレードルに戻っているし、VTRはトラスフレームで、目の字断面の押し出し材とかはVT系には投入されなかったから、多分剛性で見ればスパーダといい勝負だろうと思う。ただ、これだけ中身は頑張ったのだが、見た目で女の子バイクと呼ばれて、イマイチ人気が出なかったと思う。ライバルの問題もあるし、カラーリングもホンダの中でそういうマーケティング意識があったのかも知れない。
・ただVTを手に入れたら是非やりたのはバーハン化だ。これはホンダが馬鹿だとしか言いようがないというか、バイクはそういう物だという甘えがあると思うのだが、この当時の普通のバイクはタンクとハンドルのクリアランスがフルロックでほぼゼロという狂った設計をしていた。辛うじてグリップ出来るが、転倒すると確実にハンドルがタンクにめり込み、握っていれば大けがという代物だ。そこまでしてセパハンにする意味は少なく、実際白バイ仕様のVFR750Pはわざわざバーハンにしてある。なぜ取り締まる方が一般的にレーシーでないバーハンで、逃げ回る下手な方がセパハンなのか?謎としか言いようがない。幸いネットで先達がアップハンにするテクニックを公開しておられるので、それらを参考にしたい。(一部の良識あるモデルはタンクをそこらへん絞っている、バンディットとか)(ジムだと当然そんなんで走るのは危険きわまりないので、NSRとかアップハンにしている、操作性もあるだろうけど)。
・ブレーキに関しては多くの人がVT250F2Hは効かないと述べている。これに関しては一つ思い当たる所があるので述べてみたい。その前にインボードに関してはあまり不満は聞かない(整備性とかは別として)なので、シャーシやサスには問題はないとする(いや、中身違うけど)。インテグラルとF2Hのみダブルディスク化したが評判がイマイチなのだ。見ればディスクのサイズとかスタイルとか、「こりゃ効かないだろう・・・」とも思うのだが。ただ、このデチューンに関して、とあるモータージャーナリストが試乗会でホンダのある機種に対して「入門バイクでこんなブレーキにすると、バイクを誤解してしまうのではないか?」と指摘したのに対し「立ちゴケ対策にダルにしてある」と答えと言うのが記憶にある。当時のホンダの入門といえばVT系だったので、あるいはF2Hの事だったのかもと思ったりする次第。
・VT250F2Hはこれだけ良く出来たバイクだったが、すぐにディスコン、VTZ250Jというネイキッドモデルが、スパーダと併売され、後のエンジンをスパーダの物に換装したVTZ250Kで系列車体は消滅した。スパーダより10万円安く、性能はF2Hゆずり、そして個人的にはあのデザインと色遣いはベストVTであったと今でも思う。SRよりジャパニーズスタンダードと呼べたのではないかと思うのだが、不思議とここらでは個体数が少なく、残念ながら入手は難しそうだ。ま、逆に言えばVT250Fは中身がVTZだからいいんだけど、カウル付きは整備性と転倒時のダメージが多くて嫌いなんだよな。
Posted at 2012/09/05 10:36:02 | |
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